- 夢で終わらせない部
1 :名無しさん[sage]:2018/03/27(火) 08:12:03.58 ID:7ntoDPxg - 久しぶりに知人が一切登場しない夢を見て嬉しかったので夢で見たことそのとき思ったことを記しておきます
レンタルビデオ店かなにかで仕事をしているときに客がやってきてアレが観たい、と言うので お探しのビデオは現在絶滅中でしてこちらの書類にサインしてください。と丁寧に応対すると 50代半ばのスーツ姿のその男は書類をどこかに隠してしまった。私はほとんど激昂しながら、 「オイお前!その書類は熱帯雨林の木を殺して出来上がった貴重な紙、お前の命より重たい紙なんだぞ!」 と紳士の良心に訴えかけるも馬の耳に念仏、どこかの雨林の木々の犠牲など素知らぬ顔のその男に胸が締め付けられる思いになったそうな これには温厚で知られる王もさすがに怒りを露わにしているだろうとお顔をチラと窺うと信じられぬことに優しい笑みを浮かべておいでのその姿に心から感服し、 再度マイマジェスティへの忠誠を誓ったその刹那、地下王国が何者かによって襲撃されたとの一報が飛び込んできたのであった 全てはこの背広の男の仕業だったのだ。嫌らしい男…おもちゃ売り場で心ときめかせていた幼い私を玩具を買ってあげるなどという甘言蜜語を弄し多目的トイレに連れ込み私の体におぞましいことをしたあの男によく似ていた 地下へ向かうエレベータがメンテナンス不足であることは赤子の泣き声のような軋みを上げる様からも明らかであったが同時に心やさしき王も泣いていた。 「僕に民を説得できるだろうか」 できらいでか。民も私も皆、王を心から愛しております。 「そうか…」 こうして後の世にも伝えられるかの有名な三日三晩飯を抜いた猫に対する猫缶以上の訴求心を大いに孕んだスピーチが誕生するのだがそれはまた別のお話。 コヨーテとの戯れに耽るマイマジェスティがコヨーテを乗りこなし遥か遠方に去っていく 長年仕えた私よりどこぞの穴蔵暮らしの馬の骨を旅の共に選んだのだ。大変遺憾である。 しかし感傷に浸っている場合ではないのだ。王が子ヨーテを連れて行ったせいで穴蔵の親コヨーテどもは俄かに殺気立っていた (獣くさい…) 私はあっという間にコヨーテに取り囲まれ、腕を、足を、指を、顔を、好き放題に噛み砕かれてしまった あまりにリアルな激痛に悲鳴をあげる。瞼は開かなかった。どうやら夢だったようだ。そのとき背後から…奇妙な話ではあるが仰向けに眠る私の背後から得体の知れない者たちの会話を耳が捉えた 「こいつ目を覚ましたんじゃないか」 「いや、起きたフリということもあり得る。人間の生態は未だ不明瞭であるから。起きたら知らせなさい、私が刈り取ろう」 「俺にもやらせてくれ。こいつの夢のせいで俺は酷い目にあった」 私は恐ろしくて瞼を開けることができなかった。しかしこのままだと再びあの夢の世界で開かれるコヨーテたちの晩餐に招待される予感がしたので、小一時間が経過した頃にようやく思い切って夢から目覚めたのであった
|
|