- 【ﾜｲﾜｲ】シャンシャン実況雑談【ﾓｸﾞﾓｸﾞ】23ﾊﾟﾝﾀﾞ
307 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 12:17:53.49 ID:RFFPKeeB0 - （この3連休は35度超えの酷暑が予想されます）
テレビの天気予報がそう伝えている。
どうしよう。思わず早かった梅雨明け。その後の連日の暑いこと。
扇風機やすだれやグリーンカーテンで工夫してなんとかやってきたけれど、
酷暑をこの家で過ごせるとは到底思えなかった。
お留守番の小雅が熱中症にでもなったら…
静かにテレビを消し、汗だくで寝ている小雅の汗を手ぬぐいで拭きながら
「いってきます」と囁き家を出た。
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309 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 12:19:55.27 ID:RFFPKeeB0 - ﾊﾟｻｯ ﾊﾟｻｯ
配達前の広告挟み作業は新聞配達作業の一連の流れだ。
いつものように作業しているとふっと目に留まった一枚の広告。
（先着3名様 エアコン6畳用 大特価 ○○電器）
エアコン･･･！
ああ、これがあったなら小雅を安心して家に居させられるのに。
今まで幾度となく買おうか迷ったけれどぜいたく品として買わない選択をしてきた。
だけど週末に来る暑さで小雅が熱中症にでもなったら取り返しがつかない。
もしエアコンがあったならどんなに安心だろう。
そんな事を思いめぐらせながら配達を続けた。
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312 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 12:41:13.51 ID:RFFPKeeB0 - 「母ちゃんおかえりっ！」
小雅が元気よく迎えてくれたその時、たまらずある決心を伝えた。
「小雅、母ちゃんエアコンを買おうと思うんだ。ﾆｺﾆｺ」
「えっ･･？？ 母ちゃん本当？？このおうちに？？ｷｬｯｷｬ」
はしゃぐ小雅を見て決心をしてよかったと思った。
「でも･･母ちゃん？ エアコンって高いんでしょ？あと電気代もかかるよね？
小雅、今のままで全然大丈夫だよ？扇風機でも全然涼しいよ」
汗だくでいつもいるのに扇風機で涼しいはずがない。
小雅はいつだって気を遣うのだ。ごめんね小雅。
「小雅、これ見て！」
新聞店の店主にお願いして1枚頂いてきた〇〇電器の広告
先着3名の特価、これならどうにか捻出できる算段があった。
「小雅、明日母ちゃん電器屋さんに並んでくるよ！」
「母ちゃん！小雅も行くー！ ｷｬｯｷｬ」
「じゃあ明日開店前に行こうね、小雅。ﾆｺﾆｺ」
ああ、よかった。これで少し安心した。
明日は新聞のお仕事はお休み。
しくじることのないよう早めに電器屋さんに並ばなきゃ。
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316 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 13:19:58.80 ID:RFFPKeeB0 - ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾝ ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾝ
早朝、電話が鳴った。
こんな時間に何だろうと思い受話器をとった。
「ああ！小Y頭ちゃんかい？おはよう僕です、休みの日にごめんね。」
新聞店の店主からだった。
「あのさ、一人今日病気でね、人が足りなくなっちゃったんだよー。
フォローお願いできるかなぁ？」
ああ、電器屋さんに並ぶ時間まで間に合うかしら？
一瞬そう思ったが1日勤務日が増えるのは正直お給料の面ではありがたくもあった。
「はい、今から行きます」
ささっと身支度をし、小雅に「電器屋さんに並ぶまでは必ず帰るからね」
と約束し、家を出た。
「ああ、もうこんな時間」
慣れない地区の配達に少々手間取り、その後の片づけをしていたら
いつもより上がる時間が遅くなってしまった。
「小Y頭ちゃん、今日はありがとう！おつかれさん！」
「はい･･！手間取ってしまいすみませんでした、ではお先に失礼します。」
そう言うよりも早く自転車にまたがり急いで小雅の待つアパートに向かった。
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321 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 14:20:15.56 ID:RFFPKeeB0 - 「小雅、ただいまっ･･！」
「母ちゃん！おかえりっ！！」
小雅はすっかり支度をしてずっと待っていた様子だった。
「小雅、ごめんね。早く行こうね。」
「母ちゃん、これ飲んでから･･！」
いつものようにﾆｺﾆｺ笑顔で麦茶を一杯差出して来た。
小雅のおいしい麦茶を一気に飲み干し、すぐに2人で家を出た。
ｷｷーーッ ｶﾞﾁｬｯ
自転車の後ろの子供用シートに乗せるには大きくなりすぎた小雅を無理に乗せ
大急ぎで飛ばし、電器屋さんに着いたのは開店数分前だった。
「母ちゃん･･っ！ 人が沢山いるよ！」
小雅の指さす方を見ると、入り口付近には沢山の人が並んでいた。
「ああ･･遅かったか･･」
あの特価だもの。こんな時間に来ても間に合うはずはなかったんだ。
それでも一応･･と電器屋さんに入ることにした。
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323 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 14:50:24.61 ID:RFFPKeeB0 - ｿﾞﾛｿﾞﾛ ｿﾞﾛｿﾞﾛ
大勢の人の後ろを、買い物する風を装い小雅の手を引いて入店する。
あの特価のエアコン以外は買えるはずもなく、
他の家電も手の届かないぜいたく品。
でも電器屋さんで小雅が何か見て楽しめるかもしれない。
「？」
列がエアコン売り場とは違う方向へ進む。
特価品は別のブースで売るのだろうか？
「はーーい！来月発売！
新型スマホの予約受付はこちらになりまぁーーす！」
列のスピードは速まり、
その勢いに小雅と共に後れを取り、列からはずれてしまった。
「母ちゃん、エアコンじゃなくってスマホ買うの？」
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332 ：以下、名無しにかわりましてVIPが実況します[]：2018/07/17(火) 15:31:14.86 ID:RFFPKeeB0 - ﾀﾀﾀﾀｯ ﾀﾀﾀﾀｯ
列の方向と逆に踵を返し、
お店で走ってはいけないよといつも小雅に言うのに
どうしても足が止まらなかった。
「母ちゃんっ！ あるかな？まだうちのエアコンあるかなっ？」
「うん！小雅、あるよ！きっとまだあるようちのエアコン！」
「先着3名様ー6畳用エアコンの受付はこちらになりまぁす。」
スマホ売り場とは打って変わり活気の少ないエアコン売り場に着いた。
「あのっ！おねえさんっ あの、まだありますかっ･･･？」
小雅の大きな声に一瞬女性店員さんがたじろいだが、すぐに
「はいっ。かわいいパンダのお嬢さん、
最後の1台ありますよっ。こちらへどうぞ。」
(連日の酷暑により全国で熱中症患者が救急搬送されています)
テレビのニュースがそう伝える通り、
3連休はひどい暑さが続いている。静かにテレビを消し
「小雅、行ってくるね」
ひんやりとした涼風のそよぐ部屋ですやすや眠る小雅の寝顔にそう囁いて今日も家を出た。
おわり
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