- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
253 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:28:55.46 ID:CGeee45f0 - >>243
それがしつこいと言っとる ここなんjやぞ 一覧でクソスレが視界に入るのは大災に遭ったのと同じだと思え
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- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
257 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:30:12.85 ID:CGeee45f0 - >>251
まあせやな でも声ナチュラルに調整するの、よくわからん上に面倒やねんな 十分動画に二時間くらいかかるし、意味わからん作業やし
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- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
261 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:31:11.85 ID:CGeee45f0 - >>254
いっぱい転がっとるのはあるな でもシチュボなんてありきたりな奴多いし、正直ワイなら勝てると思っとるんやろけどどうやろ?
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- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
266 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:32:14.65 ID:CGeee45f0 - >>255
まあそうやな でもSSスレ荒らしは異常者や これでけははっきりと言える
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- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
271 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:33:48.27 ID:CGeee45f0 - >>264
まあしゃあないかそれは サイゼお嬢様と盲目お嬢様元に二本動画あげてみるわ 五本いったら全部声優に頼んでイラスト依頼するわ
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- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
273 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:34:45.44 ID:CGeee45f0 - >>268
そうや
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- 盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」
274 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:35:03.55 ID:CGeee45f0 - >>272
ありがとうやで
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:42:29.54 ID:CGeee45f0 - プルルルル プルルルル
俺「家電なんて珍しいな……」ガチャ 俺「どちら様ですか?」 友達『俺君……? 久し振り、僕が大学を辞めたきりだから、五年振りだね』ゼェゼェ 俺「は……?」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
2 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:42:38.59 ID:CGeee45f0 - 俺「…………」
友達『……怒ってるのかな? そうだよね、だって……』 俺「いや、なんでお前、俺の名前知ってるんだよ」 友達『君の気持ちはわかる。でも、君にしか頼めないことだ。君しか信用できないんだ』 俺「だから誰だよ」 友達『ごめん、箱を預かってくれ!』 俺「はあ?」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
3 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:42:47.23 ID:CGeee45f0 - 俺「いや、第一お前なんて知らな……」
友達『……どれくらいだろう? 半年、いや一年、箱を預かってほしい』 俺「だから……」 友達『お願いだ……。深夜の零時に、小学校前の公園に来てくれ!』 友達『変な時間に呼び出して、悪いとは思っているんだ! でも、その時間しかないんだ!』 俺「いや、意味がわからな……」 友達『お願いだ! 一分とも遅れずに来てほしい! 本当に僕には、どうにもならないんだ! この箱は……』 俺「…………」ガチャ 俺「なんだよ……ふざけた電話だな」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
4 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:42:55.74 ID:CGeee45f0 - 俺(寝付けないな……もう、0時回ってるっていうのに)
俺「…………」 友達『お願いだ! 一分とも遅れずに来てほしい! 本当に僕には、どうにもならないんだ! この箱は……』 俺(切羽詰まった様子だったな) 俺(いや、あいつがどうなったって、どうでもいいことだ) 俺(そう、どうでもいい……それに今からいったって、ついたころには1時近くだ)
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
5 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:43:07.43 ID:CGeee45f0 - ―公園・1時―
俺「来ちまった、か」ハァ 俺「いないじゃないか、クソ……こんな夜中に外出しやがって、うう、寒い」 俺「遅れたせいか? うう……まぁ、帰って寝るとするか」 俺「……懐かしいな。この公園、もう十年は着てなかったか」 俺「…………」 俺(そういえば昔、俺は、ここにタイムカプセルを埋めたっけ)
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
7 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:43:17.01 ID:CGeee45f0 - 俺(何人かで埋めて……成人式の日に掘り起こすって)タッタッ
俺(結局その頃は当時の友達と飲みに行って)タッ 俺(田舎の小学校なんてどうでもよくて)タッタッ 俺(きっとどうせ、誰も来ないだろうって)タッタッタ 俺「あった……飛び出し注意のポスターの前に…」 俺(掘り返した後がある……それも、すぐ最近に)
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
9 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:43:26.88 ID:CGeee45f0 - 俺「なんだ、これ。タイムカプセルじゃない……」
それは よく俺が釣りに持っていくクーラーボックスくらいの大きさをしていた 厚い布のカバーで覆われ その上からガムテープで 雑に雁字搦めにされていた まるでそれは包帯に包まれた木乃伊を連想させる 一人深夜の公園にいる俺には それがどうにも不穏なものに思えた 夜の冷気に混じり つぅんと目と鼻につく様な甘い匂いがする それがまた溜まらなく 俺を不安な気持ちに駆り立てるのだ 俺(これを預かってほしかったのか、あいつは……?) 俺(これは、持っていくべきじゃないんじゃないか? そもそもこんなでかいもの持って運ぶのは面倒だ) 俺「…………」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
10 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:43:37.72 ID:CGeee45f0 - 俺「クソ、ここまで来ちまったんだ。持って帰るか」
俺(重……まぁ、持って帰れない重さじゃないか) ドンドン ドンドン 俺(今、箱が揺れた様な……気のせいか?) 俺「えっと、今の時間……スマホスマホ、クソ、もう二時かよ」 俺(あれ、ポスターに何か、落書きされてる……?) ポスター『絶対に開けないで。必ず取りに行きます。君の一番の友より』 俺「…………」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
11 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:43:45.74 ID:CGeee45f0 - 俺「ふう……帰ってきた」
俺「電話の箱が、あの箱なのは間違いないだろうけど」 俺「そもそもあいつ、本当に俺の友達だったのか……?」 俺「……でも、あの場所はタイムカプセルの場所だったし」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
13 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:43:51.94 ID:CGeee45f0 - ピンポーン ピンポーン
俺「なんだ? 宅配便か?」 ピンポーン ピンポーン 俺「…………」 ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン 俺「な、なんだこれ……」ゾッ 俺「インターフォンには……なんだ、このおっさん。全然知らないぞ……」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
16 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:44:11.03 ID:CGeee45f0 - 俺「……諦めたのか」
ピンポーン 俺「うっ……」ビクッ 俺(アパートの玄関じゃなくて、部屋の前から鳴らしてる!) 俺(誰かが中に通しちまったんだ!)ダラダラ ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン 俺「帰ってくれ……帰ってくれ……」 俺「なんで俺がこんなことに……!」 俺「あの箱のせいなのか?」 俺「……帰ってくれたか?」 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン 俺「ひっ!」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
17 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:44:28.23 ID:CGeee45f0 - 俺「とりあえず、この箱は押し入れにでも隠しておこう」
俺「見られたらまずいのかもしれない」 ガチャ 俺「えっ……」 中年「なんだ、開いてるじゃないか」 中年「どうしていない振りをしたんだ?」 俺「…………」 俺「し、知らない人だったから、その……」 中年「ふうん」 中年「俺はこういうもんだよ。中年っていう」 俺「け、警察……?」ジッ 中年「おっと、あんまり人に見せるもんじゃないから、これ」サッ 俺「す、すいません」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
18 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:44:43.57 ID:CGeee45f0 - 中年「君さ、なにか変わったものを誰かからもらったり、拾ったりしていないかな?」
俺「か、変わったもの……?」 俺「…………」 俺「い、いえ、抽象的過ぎて、よくわからないです」 中年「……」 中年「本当に心当たりがないのか? 嘘を吐くと罪になるぞ」ギロッ 俺「そ、そんな脅す様な事を言っていいんですか」 中年「……」チッ
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
19 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:45:00.93 ID:CGeee45f0 - 俺「……あの、どうして俺のところに?」
中年「あのな、事件のことは無関係かもしれない人間には漏らせないから」 俺(な、なんだか段々態度悪くなってきたな) 俺「あ、あの、こういう聞き込みって、警察は二人組で行うんじゃないんですか?」 中年「は?」 俺「事件関係者だと、聞き込み相手が暴れるかもしれないからって」 俺「あの、ドラマで見ただけなんで、あれですけど……」ボソボソ 中年「ドラマの話に決まってるだろ、馬鹿か」 俺「で、ですよね……すいません」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
21 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:45:22.30 ID:CGeee45f0 - 中年「本当に知らないんだな?」
俺「し、知らないも何も、よくわかりません……」 俺「人から何かもらったことなら、よく考えれば思い出せるかもしれませんが……」 中年「はぁ、もういいよ」スッ 俺(う、上手く誤魔化せたか……)ホッ 中年「…………」ジロッ 俺「……そ、それでは、さようなら」 俺(俺の反応を見てたのか?)ゾッ 中年「……嘘吐きめが」ボソッ 俺「えっ……」 ガチャン 俺「…………」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
24 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:46:44.06 ID:CGeee45f0 - 俺「どうしたらいいんだこの箱……」
俺「ネットで調べるにも、あまりに情報がなさすぎるし……」 俺「小学校の頃の同級生の誰かだったんだよな?」 俺「声だけだと、どうにも判断できなかったが……」 俺「なんで俺なんかに……」 俺「…………」コンコンコン 箱「…………」 俺「何の反応もない……一回、変な物音が鳴った気がしたんだが」 俺「気のせいだった、わけないんだがなあ……」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
25 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:46:53.03 ID:CGeee45f0 - 俺「……そもそも、俺にこれを渡す必要があったのか?」
俺「ネット掲示板で聞いてみるか……」 俺「『変なクーラーボックス拾ったんだが、中身は何だと思う?』っと……」 『知るかカス』 俺「ごもっとも……」 『交番に届けろ定期』 俺「説明するの難しいなあ……」 『元あった場所に置いてくる』 俺「それ何が解決するんだよ」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
26 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:47:06.29 ID:CGeee45f0 - 『開けろ』
『開けろ』 『開けろ』 俺「……う〜ん、開けるか」 俺「あれ、これ同じIDの奴だな」 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『めっちゃ開けろって書いてる奴いて草』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『おめーこええよwww』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 俺「…………」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
27 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:47:23.91 ID:CGeee45f0 - 俺「これヤバい奴なんじゃ……」
俺「ちょっと掲示板怖いから放っておくか」 『1消えた?』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『アルミホイルとか好きそう』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 『これツールだろ』 『開けろ』 『開けろ』 『開けろ』 俺「…………」 『開けろよ。〇〇小学校卒業の二十六歳、〒**-**、〇〇県、○○区、**-**の俺』 俺「……は?」 『開けろ。開けないと後悔させる』
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
28 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:47:43.90 ID:CGeee45f0 - 俺「ど、どういうことだよ! なんで俺の住所が……」
俺「ま、前の変な警察か?」 俺「なんで、こんな……」 俺「ど、どうしたら……」 俺「……箱、開けるか?」 俺「俺が何に巻き込まれているのかもわかるかもしれない」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
33 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:48:19.55 ID:CGeee45f0 - 俺「本当に、厳重だな……」ビリビリビリビr
俺「カッターが必要だな、これ」ハァ 俺「よし、これで……」ガッガッ 俺「……接着剤流し込まれてるな、クソ」ガツッガッッ 俺(本当に、開けていいんだろうか) 俺(まるで開けたら、誰かが得をするような書き方だった気がするぞ) 俺「いや、考えるな! とにかく開ける!」ガッ
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
42 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:50:07.23 ID:CGeee45f0 - ピンポーン
俺「ひっ!」ビクッ 俺「……」ソッ 女「…………」 俺「な、なんだ、会社の後輩か」ホッ 俺「今開けるぞ……と、箱は押し入れに入れておかないとな」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
46 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:50:19.04 ID:CGeee45f0 - 女「近く寄ったんで、せっかくなので先輩の家に飲みに来ました」ケラケラ
俺「せめて事前に連絡しろよ……」ハァ 女「今晩泊ってっていいっすか!」バンバン 俺「枕を叩くな、そして女友達は泊めん」シッシッ 女「えー……ケチっすう」ブーブー
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
59 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:52:25.06 ID:CGeee45f0 - 女「ん? 何すかこの粉?」
俺「あ…」 俺(接着剤削った奴か) 俺「箪笥の裏掃除したら散らばったんだよ。ちょっと掃除機かけるから下がってろ」 女「うーっす」ビシッ 女「冷蔵庫漁っておきますね!」 俺「やめろ」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
60 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:52:36.44 ID:CGeee45f0 - 俺「ツマミはないぞ」
女「こんなこともあろうかと、じゃがりこいっぱい買っておきました!」 女「あい、お土産っす。好きなだけ食べていいっすよ!」 俺「……どうも」ボリボリ 俺「……」 女「どうしたんっすか? 深刻な顔して」 俺「……実はさ、変な箱もらったんだよね」 女「え? 箱っすか?」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
61 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:52:36.76 ID:CGeee45f0 - 俺「ツマミはないぞ」
女「こんなこともあろうかと、じゃがりこいっぱい買っておきました!」 女「あい、お土産っす。好きなだけ食べていいっすよ!」 俺「……どうも」ボリボリ 俺「……」 女「どうしたんっすか? 深刻な顔して」 俺「……実はさ、変な箱もらったんだよね」 女「え? 箱っすか?」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
62 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:52:46.48 ID:CGeee45f0 - 俺「一人で開けるの怖いから、ちょっと一緒に開けてくれないか?」
女「なんかちょっと色々よくわからないんっすけど」 女「……え、先輩ちょっとビビリすぎません?」クスッ 俺「な、なんでもいいだろ?」 女「ビービリ、ビビリ! 先輩ビビリ!」 俺「……もういい、後で一人で開ける」 女「冗談っすよお! 手伝いますって!」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
65 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:53:07.16 ID:CGeee45f0 - 女「で……先輩、その箱はどこに隠してるんっすか?」
俺「あ、ああ、今は、押し入れにある」 女「なるほど、じゃあ早く開けましょうか!」 俺「……あれ?」 俺「ああ、うん、そういう話だったよな?」 女「おおっ! この箱ですね!」ユッサユッサ 俺「なんだ、この違和感……?」 俺「つっ!」ズキッ 俺「頭痛……?」 俺「急に、吐き気が……」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
80 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:56:04.06 ID:CGeee45f0 - 友達『この箱だけは、なんとしても守り抜かないと駄目なんだ!』
友達『僕達だけの問題じゃない!』 俺『ああ、わかってる!』 俺「……これは、いつの記憶だ?」 俺「確かに俺は、あいつを知っている……?」 中年『……』バンバン 俺『友っ!』 友達『まさか、銃なんて持ってたとはね』ハァハァ 友達『いいかい、君だけでも逃げ遂せるんだ。頼んだよ』 俺「なんだ、この記憶、この感覚……」 俺『それを返せよ!』 女『じゃあ、開け/るっすよ」 俺「!」 俺「返せよっ!」バッ 女「きゃあっ」ドタッ
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
87 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:56:34.01 ID:CGeee45f0 - 俺(よくわからないが、あいつに箱は渡しちゃ駄目だ…)
俺(俺がこれを持って逃げる!)ダッ 女「先輩! どうしたんっすか! 先輩!」 女「先輩ってば!」 女「…………」 女「チッ」 俺「とにかく、アパートからは出ないと…!」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
92 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:56:52.38 ID:CGeee45f0 - 俺「どうにか街に逃げた……」ゼイゼイ
俺「でもこんなの、どうしたらいいんだ」 俺「職場で女に顔は合わせるし……」 俺「そもそも、なんであいつが危険だと思ったのかがわからねえ」 俺「なんだか、あの箱を開けようとしたら変なデジャブというか、記憶が……」 中年「…………」ダッ 俺「に、偽警官!」 俺「クソッ!」ダッ
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
94 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:57:13.12 ID:CGeee45f0 - 俺「クソ、こんな箱持ったままじゃ逃げ切れない!」
俺「誰か、あの男を邪魔してくれ! 誰か!」 「何の騒ぎだ?」 「喧嘩だろ」 「ドラマの撮影?」 中年「…………」ズンズンズン 俺「駄目だ、どんどん距離が近くなってくる……」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
96 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:57:38.82 ID:CGeee45f0 - 俺「はぁ、はぁ……もう、走れない」ヨロヨロ
中年「その箱を渡せ」 中年「それがお前の為にもなる」 俺「じゃあなんで、あの時アイツを撃った!」 中年「……? 何の話だ」 俺「お前みたいな奴、信じられるか」 中年「いいから寄越せ!」バッ 俺「うぐっ!」ドサッ
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
97 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:57:55.08 ID:CGeee45f0 - 中年「邪魔だ!」ゴッ
俺「うぐっ……!」 中年「ようやく回収できた……」ヒョイ 俺「うわぁああああ!」バッ ゴンッ 中年「ぐはっ!」 俺「や、やった、奪い返した……!」 中年「チッ!」スチャッ 俺「け、拳銃!? 本当に持ってたのか!」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
100 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 12:59:12.73 ID:CGeee45f0 - 「おい、拳銃だぞ!」
「お、玩具だろ……まさか」 中年「……チッ、野次馬め」 俺「う、うう、ううう……」 中年「置いてその場を去れ!」 俺「うわああああ!」ダッ 中年「馬鹿野郎が……!」 バンバンッ 俺「あがっ!」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
108 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:00:27.29 ID:CGeee45f0 - 「本当に撃ったぞ!」
「橋から落ちた!」「逃げろおお!」 「誰か助けろ!」「警察と救急車を!」 俺(俺……撃たれて、落ちたのか) 俺(意識が、霞む……) 俺(箱……俺、まだ抱えてるのか……) 俺(箱にも、銃弾が当たってる……) 俺(ああ、俺、もう、死ぬんだ……)
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
111 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:00:53.63 ID:CGeee45f0 - 俺(橋の上から、中年野郎がこっちを見てやがる)
俺(結局あいつら箱、回収できなかったじゃねえか) 俺「ざまあ、見やがれ……」 俺(最後に箱、開けられねえかな……) 俺(自分の死因くらいは知っておきたい……) 俺(駄目だ……力、入らない……もう、目も……)
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
117 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:02:18.23 ID:CGeee45f0 - 俺(あ、箱が、手から離れる……)
プルルル プルルルル…… 俺(なんだ、これ……箱が鳴ってる?) 俺(違う、これはただの幻聴で……) プルルル プルルルル…… プルルル プルルルル…… 俺(…………) 俺(……) 俺(…)
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
120 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:02:45.62 ID:CGeee45f0 - プルルルル プルルルル
俺「家電……?」 俺「最近掛かってきたような気もするな」 俺「いや、気のせいか。最近はスマホばっからだからな」ガチャ 俺「どちら様ですか?」 友達『俺君……? 久し振り、僕が大学を辞めたきりだから、五年振りだね』ゼェゼェ 俺「ああ、えっと……」 俺「悪い、誰だっけ。すぐそこまで出てるんだけど、思い出せなくてな」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
122 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:03:18.53 ID:CGeee45f0 - 友達『……僕が、わかるのかい?』
俺「え?」 友達『いや……なんでもないよ』 友達『あのね……君にしか頼めないことがあるんだ。君しか信用できないんだ』 俺「え……?」 友達『ごめん、箱を預かってくれ!』 俺「箱……?」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
123 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:03:27.62 ID:CGeee45f0 - 友達『……どれくらいだろう? 半年、いや一年、箱を預かってほしい』
俺「え、まあいいけど……」 友達『深夜の零時に、小学校前の公園に来てくれ!』 友達『変な時間に呼び出して、悪いとは思っているんだ! でも、その時間しかないんだ!』 俺「それくらいはいいよ。わかった、公園に行く」 友達『お願いだ! 一分とも遅れずに来てほしい! 本当に僕には、どうにもならないんだ! この箱は……本当に、大切なもなんだ!』 友達『詳しくは会ったときに説明するよ!』 俺「あ、ああ、大変そうだな」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
125 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:03:54.08 ID:CGeee45f0 - 友達『う……あいつが、そこまで来てる』
友達『ごめん! また現地で話そう!』 俺「お、おう」 俺「ところでお前、名前なんだっけ……」 ガチャ 俺「切れちまった……」 俺「よくわからないし、正直面倒臭いが……きっちり行ってやるか」
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- 友達「ごめん、箱を預かってくれ!」俺「はあ?」
128 :風吹けば名無し[]:2020/11/22(日) 13:04:35.27 ID:CGeee45f0 - ―公園・11時30分―
俺「うう、寒い……」 俺「予定より早くに出過ぎたな」 俺「後三十分ここで待つのって無理だろ」 俺「コンビニでも行くか……?」 パァン、パァン 俺「えっ……」 俺「これ、銃声……?」 俺「い、いや、そんなわけないか」
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