- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
303 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:17:25.88 ID:yCfNfact0 - 俺「女勇者……」ヨロッ
俺「なぁ、女勇者……お願いだ、目を覚ましてくれよ……」 俺「魔王……倒したよ。全部、女勇者のお陰なんだ」 俺「俺さ……結婚しようって言われて、本当に嬉しかったんだ」 俺「もう、まともに生きられることなんてないと思っていたから……」 俺「なのに、なのに、こんな……あ、ああ、あああ……」 「う、うう、あ……」 俺「え、まだ、生きて……?」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
313 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:18:21.44 ID:yCfNfact0 - ―一年後―
俺「……獣の皮、金に換えてくれ」 村人A「あ、ああ。旦那、よく隻腕でそんな大熊を狩れるね」 村人A「これ、金だよ。ほら」 俺「……」コクッ タッタッタッタッタ 村人B「あいつ、頭が麻薬で駄目になってんだ。金なんて誤魔化してやればよかったのに」 村人A「そ、そういうわけにもいかねぇだろ」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
320 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:19:07.77 ID:yCfNfact0 - 俺(あのとき……女剣士が言い掛けていた言葉……)
女剣士『…………あ、ああ、心臓……魔族は…』 俺(あれは、魔族の心臓は二つある、ということだった) 俺(あの日、魔王を討伐した俺は女勇者を埋葬し……) 俺(四肢のなくなった女剣士を連れ帰って、山奥の小屋でひっそりと彼女と暮らしている)ギィ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:30:28.01 ID:yCfNfact0 - チノ「ワイさんみたいな猿を猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
ワイ(なんでワイがこんな目に……) 数年前、『盲目の一人娘を世話係も付けずに放置しているのは世間体が悪いのでは』という懸念の声があり、結果、ワイはチノちゃんの身の回りの世話をすることになった しかしチノちゃんはなんだかワイのことがキライみたいで、いつもいつも鉄杖で叩いてきて、ワイの全身がイタイイタイなのだった チノ「うっ」ヨロッ ワイ「し、失礼いたします!」バッ ワイ「大丈夫でございますか!」 チノ「……なぜ、石のある上を歩かせたんですか?」ギロッ ワイ「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」 チノ「……」スッ ガツッ、ドゴッ ワイ「うぶっ!」 ワイ「お、お辞めください!」 チノ「私は、ラビットハウスの長女ですよ! 私の身体に傷でもつけたら、ワイさんはどう償うつもりだったんですか!」ドゴッ、ドガッ チノ「身寄りのない浮浪者の手でも引いているつもりだったんですか!」 チノ「次やったら殺してやります!」 ワイ(こ、このままだと殺される……)ハァハァ
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- ギャル「男君さ、オタクっぽくてキモいよね〜」ギャル友「わかるー(笑)」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:33:16.85 ID:yCfNfact0 - ギャル「この前ちらっと見たらさあ、スマホでなんかエロい恰好した女並んでるソシャゲやってたし」
ギャル友「きっしょwやばすぎでしょ」 ギャル「授業中女の子の落書きしてたし」 ギャル友「アハハハ! うわ〜性犯罪者なりそう」 ギャル「シャツも四パターン着回してるだけだしさぁ。絶対あいつ童貞でしょ」 ギャル友「ないわ〜!」 ギャル「私が声掛けてやっても、メール送ってやっても無視するし。マジムカつくんだよね。調子乗ってる」ガリガリ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:34:09.21 ID:yCfNfact0 - チノ「ワイさんみたいな猿を猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
ワイ(なんでワイがこんな目に……) 数年前、『盲目の一人娘を世話係も付けずに放置しているのは世間体が悪いのでは』という懸念の声があり、結果、ワイはチノちゃんの身の回りの世話をすることになった しかしチノちゃんはなんだかワイのことがキライみたいで、いつもいつも鉄杖で叩いてきて、ワイの全身がイタイイタイなのだった チノ「うっ」ヨロッ ワイ「し、失礼いたします!」バッ ワイ「大丈夫でございますか!」 チノ「……なぜ、石のある上を歩かせたんですか?」ギロッ ワイ「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」 チノ「……」スッ ガツッ、ドゴッ ワイ「うぶっ!」 ワイ「お、お辞めください!」 チノ「私は、ラビットハウスの長女ですよ! 私の身体に傷でもつけたら、ワイさんはどう償うつもりだったんですか!」ドゴッ、ドガッ チノ「身寄りのない浮浪者の手でも引いているつもりだったんですか!」 チノ「次やったら殺してやります!」 ワイ(こ、このままだと殺される……)ハァハァ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:36:47.48 ID:yCfNfact0 - チノ「ワイさんみたいな猿を猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
ワイ(なんでワイがこんな目に……) 数年前、『盲目の一人娘を世話係も付けずに放置しているのは世間体が悪いのでは』という懸念の声があり、結果、ワイはチノちゃんの身の回りの世話をすることになった しかしチノちゃんはなんだかワイのことがキライみたいで、いつもいつも鉄杖で叩いてきて、ワイの全身がイタイイタイなのだった チノ「うっ」ヨロッ ワイ「し、失礼いたします!」バッ ワイ「大丈夫でございますか!」 チノ「……なぜ、石のある上を歩かせたんですか?」ギロッ ワイ「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」 チノ「……」スッ ガツッ、ドゴッ ワイ「うぶっ!」 ワイ「お、お辞めください!」 チノ「私は、ラビットハウスの長女ですよ! 私の身体に傷でもつけたら、ワイさんはどう償うつもりだったんですか!」ドゴッ、ドガッ チノ「身寄りのない浮浪者の手でも引いているつもりだったんですか!」 チノ「次やったら殺してやります!」 ワイ(こ、このままだと殺される……)ハァハァ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
4 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:37:57.45 ID:yCfNfact0 - ワイ(……ラビットハウスの料理はやっぱり豪華だな)
チノ「…………」 チノ「ぼさっとしていないで、口許まで運んでください」 ワイ「そ、それもですか」 チノ「…………」イラッ ワイ「い、いえ! なんでもありません!」 ワイ(……こんなことまでさせて、恥ずかしくないのか?)チャカチャカ ワイ(こいつワイを人間だと思ってないから、そういう感情はないのかもしれんな) ワイ(お高く留まりやがって。今フォークで突いてやったら、殺せるのに……) チノ「早くしてください!」バンッ ワイ「はっ、はい! 何からとりましょうか!」
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
9 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:39:05.44 ID:yCfNfact0 - チノ「……取るのは遅いわ、間違えるわ、下に落とすわ」
チノ「使えないのはしっていましたが、最低ですね」ハァ ワイ「……お粗末様でした」 チノ「全部で八回でしたね」スッ ワイ「え……チ、チノちゃん?」 シュンッ、バンッ ワイ「おぶっ! あがっ!」
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:45:30.57 ID:yCfNfact0 - チノ「ワイさんみたいな猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
ワイ(なんでワイがこんな目に……) 数年前、『盲目の一人娘を世話係も付けずに放置しているのは世間体が悪いのでは』という懸念の声があり、結果、ワイはチノちゃんの身の回りの世話をすることになった しかしチノちゃんはなんだかワイのことがキライみたいで、いつもいつも鉄杖で叩いてきて、ワイの全身がイタイイタイなのだった チノ「うっ」ヨロッ ワイ「し、失礼いたします!」バッ ワイ「大丈夫でございますか!」 チノ「……なぜ、石のある上を歩かせたんですか?」ギロッ ワイ「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」 チノ「……」スッ ガツッ、ドゴッ ワイ「うぶっ!」 ワイ「お、お辞めください!」 チノ「私は、ラビットハウスの長女ですよ! 私の身体に傷でもつけたら、ワイさんはどう償うつもりだったんですか!」ドゴッ、ドガッ チノ「身寄りのない浮浪者の手でも引いているつもりだったんですか!」 チノ「次やったら殺してやります!」 ワイ(こ、このままだと殺される……)ハァハァ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
2 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:46:01.31 ID:yCfNfact0 - ワイ(……ラビットハウスの料理はやっぱり豪華だな)
チノ「…………」 チノ「ぼさっとしていないで、口許まで運んでください」 ワイ「そ、それもですか」 チノ「…………」イラッ ワイ「い、いえ! なんでもありません!」 ワイ(……こんなことまでさせて、恥ずかしくないのか?)チャカチャカ ワイ(こいつワイを人間だと思ってないから、そういう感情はないのかもしれんな) ワイ(お高く留まりやがって。今フォークで突いてやったら、殺せるのに……) チノ「早くしてください!」バンッ ワイ「はっ、はい! 何からとりましょうか!」
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
3 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:46:50.85 ID:yCfNfact0 - チノ「……取るのは遅いわ、間違えるわ、下に落とすわ」
チノ「使えないのはしっていましたが、最低ですね」ハァ ワイ「……お粗末様でした」 チノ「全部で八回でしたね」スッ ワイ「え……チ、チノちゃん?」 シュンッ、バンッ ワイ「おぶっ! あがっ!」
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
8 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:48:06.46 ID:yCfNfact0 - リゼ「大丈夫か、ワイさん? こんな、怪我だらけで……」
ワイ「気を遣ってくれてありがとうございます」 ワイ「これくらい平気ですよ」ハハハ リゼ「食事の時間以外チノに付きっきりなのに、チノの横暴で食事もまともに取れずに殴られっぱなしなんて……」 ワイ「……」 リゼ「……大変だろ、チノの世話は。あんな奴放っておけばいいのに」 リゼ「一度一週間くらい放置してやった方が、他人様のありがたみがわかるってもんだ」
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- ギャル「男君さ、オタクっぽくてキモいよね〜」ギャル友「わかるー(笑)」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:48:24.48 ID:yCfNfact0 - ギャル「この前ちらっと見たらさあ、スマホでなんかエロい恰好した女並んでるソシャゲやってたし」
ギャル友「きっしょwやばすぎでしょ」 ギャル「授業中女の子の落書きしてたし」 ギャル友「アハハハ! うわ〜性犯罪者なりそう」 ギャル「シャツも四パターン着回してるだけだしさぁ。絶対あいつ童貞でしょ」 ギャル友「ないわ〜!」 ギャル「私が声掛けてやっても、メール送ってやっても無視するし。マジムカつくんだよね。調子乗ってる」ガリガリ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
12 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:49:04.86 ID:yCfNfact0 - ワイ「……チ、チノちゃんに聞かれたら大変なことに」
リゼ「このくらい、皆口にしてる」 リゼ「それに、あの有様だ。目が見えなくなってからキチガイみたいに騒いでるから皆遠ざけてるし、咎めて騒ぐのなんかあの小猿くらいだよ」 ワイ「そんなものですか……」
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
15 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:50:23.95 ID:yCfNfact0 - ドンッ、ドンッ
チノ「遅いです! 食事くらい、すぐに済ませてください!」 ワイ「は、はい、すぐに!」 リゼ「大変だな……」 リゼ「ラビットハウス自体はココアが継いで、上手く回してくれてるんだが……」 ワイ「で、では、また……」ドタドタ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
18 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:51:20.52 ID:yCfNfact0 - チノ「呼べばすぐ来るんですね」フンッ
ワイ「さ、さぼっていたわけではありません」 ワイ「その、急いできただけで……」 チノ「…………」スッ ワイ「ひっ!」 チノ「……まぁ、いいです。今回は見逃してあげます」 ワイ(た、助かった……)
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
24 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:52:15.86 ID:yCfNfact0 - チノ「私は光を失いましたけど、その代わり、耳はとてもいいんです」
ワイ「えっ……」 チノ「つまらない嘘は吐かないでください」 ワイ「…………」ゾオッ
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
28 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:53:52.63 ID:yCfNfact0 - チノ「早く着替えさせてください」
ワイ「……は、はい」ゴクッ スルスル ワイ(き、綺麗だ) ワイ(人の手を借りないと生きていけないから割り切ってるのかもしれないが……それでも、普通男にはさせないだろ) ワイ(本当にワイのことなんて、道具としか見てないんだな) ワイ(…………)ソオッ チノ「早くしてください。殺しますよ」 ワイ「ただっ、ただちに!」
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
34 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:55:20.80 ID:yCfNfact0 - ワイ「……こ、この位置で大丈夫でしょうか?」ソッ
チノ「本当に中央なのでしょうね」 ワイ「……少し動かしますね」 チノ「………」チッ ワイ「ひっ!」ビクッ チノ「これで、毛布を被せて……はい、終わりました。今日もお疲れ様でございました」 チノ「…………」 ワイ(ぺっ、労いの言葉もなしかよ)
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- 盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
47 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:58:45.33 ID:yCfNfact0 - ワイ(これで六時間開放される……)フウ
ワイ(チノちゃんが起きる一時間前から横にいろって、どう考えてもおかしいよなあ)ハァ リゼ「ワイさん、お勤めごくろう」 ワイ「どうも……」 リゼ「実はココアが俺さんと話がしたいって言っててな」 ワイ「そ、そうなんですか? しかし、睡眠時間がその……」ハハ リゼ「ココアに呼ばれてたって言えばいい。明日は遅れていこう」 リゼ「今のチノも、ココアには大人しいんだ。ラビットハウスのことを全部任せてるからな」 ワイ「わ、わかりました。しかし、なんでワイなんかを……」
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