- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
106 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:57:22.43 ID:yCfNfact0 - 司会「ま、待ってくれ! キミにここを出ていかれたら、私はお終いだ…!」
司会「残ってくれ…! お願いだ!」 司会「キミと奇妙な友情を感じていたのは、私だけなのだろうか…?」 俺「…司会さん」 女勇者「別にボクは、王国にチクって今すぐここを終わりにしてもいいんだけど」 司会「ど、どうぞ、お好きに連れて行ってください勇者様!」バッ 女勇者「クズが…」チッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
113 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:58:09.51 ID:yCfNfact0 - 女勇者「ゴブリンパウダーを持ってきてくれ。できるだけたくさんだ」
司会「ゆ、勇者様が、そんなものを…?」 女勇者「そんなわけがないだろう。この人用だ」 女勇者「すぐに使用量をゼロにすることはできない」 司会「そのう…しかしこれは、高価なブツでして…ね?」 司会「勇者様に余裕があるのなら、少しばかり恵んでいただけるとこちらもスムーズに出せるといいますか…」 女勇者「……」ブンッ 司会「ひいっ!」 女勇者「早くしてくれないか」 司会「わ、わかりました。ただちに…」 俺(この人…口調こそ穏やかだけれど、怖いな)
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
114 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:58:24.67 ID:yCfNfact0 - 女勇者「自己紹介は必要かい?」
俺「いえ…勇者様のことは、存じ上げております」 女勇者「楽にしてくれ。元より、ボクが無理を言ってキミについてきてもらっているんだ」 俺(魔王に対抗する人間として神に選ばれた、神紋を持って生まれた少女…) 俺(生まれ落ちたそのときに、最強の人間であることを決定づけられた存在)」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
116 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:58:34.02 ID:yCfNfact0 - 俺「なぜ、俺を…?」
女勇者「話した通りだ。側近と魔王を同時に相手取れないから、どうしても仲間が必要になったのさ。あの戦いを見て、確信したよ。キミはこの国で、ボクの次に強いよ」 女勇者「自惚れみたいな言い方になっちゃったね…ごめんね」タハハ 俺「いえ…」 女勇者(ずっとぼうっとしてるな…ゴブリンパウダーのせいか)ジッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
118 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:58:44.10 ID:yCfNfact0 - 女勇者「キミの事情は遠巻きには知っているけれど、深くは知らないんだ」
女勇者「だけど…キミが話さないのなら、根堀り葉掘りは訊かないよ」 俺「……ありがとうございます」 女勇者(話してはくれない、か) 女勇者(初めて肩を並べて戦える仲間だから、もっと親交を深めたかったのだけれど) 女勇者(彼は、ボクに関心がないらしい)ハァ 女勇者「ちょっと寂しいな…」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
120 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:58:52.41 ID:yCfNfact0 - 女勇者(ふう…旅続きは疲れる)チャプン
女勇者(ボクも歳頃の女の子なのだから、こんな異郷の湖ではなく、もっと綺麗なところで身体を洗いたいのだけれど…) 女勇者「仕方がない、か。魔王城の近くなのだから」 女勇者(あの人は色恋に関心がなさそうだから、そういう意味では仲間として安心できるのかな) 女勇者(ちょっと複雑だけれど…) 俺「……」スッ 女勇者「き、きゃあっ! お、俺さん、そういうのは…!」 俺「……悪い、ヤクでぼうっとしていたらしい」スッ 女勇者「…………」 女勇者「可哀想な人」ボソッ
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123 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:59:01.23 ID:yCfNfact0 - 俺「頼む…寝る前に、頼む…」ガリガリ
女勇者「もう少し、量を減らさないと…」 女勇者「食事を増やして気を紛らわせるとか…」 俺「食べても食べても、気持ち悪いだけなんだ!」 女勇者「…ゴブリンパウダーさえなければ、キミは本当に最高の仲間なのだけれどね」 俺「お前にはわからねぇだろうなあ!」 俺「頭痛が酷くて、頭がイライラして、寒くて、寂しくて…」ガタガタ 女勇者「…わかったよ。使うといい」ハア
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125 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:59:15.03 ID:yCfNfact0 - ガサコソ
女勇者「……」ウツラウツラ 女勇者「キミ……まだ、起きているのかい?」 俺「……」ガバッ 女勇者「きっ、きゃあっ!」ドサッ 俺「暴れないでくれ…」ハァハァ 女勇者「キミがそういう人だとは思わなかった! 心底軽蔑したよ!」 女勇者「今なら、なかったことにする。早くボクの上から降りてくれ……!」 俺「…………」ハアハア 女勇者「降りろ! このっ、下衆が! 本当にボクは、キミに失望した!」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
127 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 22:59:27.56 ID:yCfNfact0 - 女勇者「この…ヘンタイがっ!」ドカッ
女勇者「信用していたのに…サイテイだよ!」ツゥッ 女勇者「こ、今後、ボクの三メートル以内に近づかないでくれ!」 俺「お、俺を、見捨てるのか…」ポロポロ 女勇者「な、何も、泣くこと…!」 俺「寂しいんだ、苦しいんだ」ガタガタ 女勇者「……」 俺「お願いだ…俺を、俺を受け入れてくれ」 女勇者「…………」 女勇者「……わかった、よ。元よりボクが、強引に手伝わせている、命懸けの旅路だ」
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130 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:00:01.65 ID:yCfNfact0 - 女勇者「ああっ、うぐ、ああ……んはぁ……」ハァハァ
女勇者「ボ、ボク……初めてだったのに、こんな、激しく……本当に、酷いよ……キミは」ギュッ 俺「……」ギュウッ 女勇者「キ、キミ……」 俺「もう、もう離さないからな…」 女勇者「そ、そんな恥ずかしいこと言わないでくれよ。ボ、ボクはあくまで、その……」 俺「女剣士……もう、離さないからなあ……ごめんなあ……」ボロボロ 女勇者「…………」 女勇者「……ああ、そういうことか」ボソッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
138 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:00:43.28 ID:yCfNfact0 - 俺「…………」ガリガリ
女勇者「どうしたんだい、キミ。そんなに辛いなら、アレをそろそろ使った方が……」 俺「いい……」 俺「もう、いい……」ガリガリ 女勇者「……そうかい」 女勇者「寝る度に騒がれても迷惑なのだけれどね」 俺「わかってる…善処する…」ガリガリ 女勇者「…………」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
141 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:01:03.72 ID:yCfNfact0 - 女勇者「動かないでくれよ……」
女勇者「はい、巻き終わったよ」 俺「悪い…ドラゴンなんか、鈍い奴の爪を受けるなんてな」ゼェゼェ 女勇者「戦いに集中できていないからだ」 女勇者「今のキミは、足手まといだよ」 俺「そこまで……」 女勇者「そこまでだよ」 女勇者「使いなよ、ゴブリンパウダー」ギロッ 俺「それは、できない……」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
146 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:01:14.49 ID:yCfNfact0 - 俺(そろそろ抜けて来たんだ……)
俺(もうちょっと我慢すれば、剣の腕だって……!) 俺「発作を抑えるためには、とにかく聖水を呑めば!」ゴクゴク 俺(余計に渇く……なんだ、これは!)ハアハア 俺「うう、ううう……」ボロボロ 女勇者「聖水に入れておいたんだ、ゴブリンパウダー」 俺「は、はぁ!?」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
148 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:01:25.18 ID:yCfNfact0 - 女勇者「いいかい、キミの剣の腕は、ゴブリンパウダーありきのものなんだよ」
女勇者「気が付いていなかったわけがない」 女勇者「あの超人的な集中力は、ゴブリンパウダーの副産物なんだ」 俺「そ、そんな……」 女勇者「だから、抜けたら剣の腕が戻るなんて幻想だよ。キミには、魔王討伐が終わるまではゴブリンパウダーを服用してもらう」 俺「う、うう、ううう……」ヨロッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
152 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:01:47.59 ID:yCfNfact0 - 俺「女剣士、女剣士、女剣士!」ハァハァ
パンッ、パンッ、パンッ 女勇者「んぐっ、はぁ! ああ、そうだよ! ボクが、ボクが、キミの女剣士だよ」ハァハァ 女勇者「大丈夫、だよ…んっ! ボクは、いなくならないからっ! キミの前から!」 女勇者「キミのすべてを受け止めてあげるよ、ボクだけが!」 俺「愛してるぞ、女剣士……女剣士……」ギュウッ 女勇者「ああ、ボクも、ボクも、愛してるよ……俺……」ギュウッ 女勇者「キミが誰を見ていても……ボクだけは、キミを見ているからね……」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
162 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:02:24.01 ID:yCfNfact0 - なんで荒すんや?
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
168 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:02:47.97 ID:yCfNfact0 - ワイが何をしたっていうんや
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
177 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:03:14.91 ID:yCfNfact0 - ワイじゃなくてワイ以外が怖いやろこれ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
181 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:03:40.89 ID:yCfNfact0 - なんならワイが怖いわ
なんでこんなことするんや
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
189 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:04:21.19 ID:yCfNfact0 - >>186
それもワイやで
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
192 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:04:36.32 ID:yCfNfact0 - >>188
は?
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
194 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:04:54.54 ID:yCfNfact0 - 女勇者「ほら、早く使っておくれよ、キミ」ドサッ
俺「だ、大丈夫だ……ここまで服用しなくても……」 女勇者「魔王との戦いで、キミに足を引っ張られたくないんだ。わからないかな?」ギロッ 俺「そ、そんな……だが……」 女勇者「……」イラッ 女勇者「早く使えよ! 散々ボクを身勝手に犯しておいて、今更自分の身が可愛いから使いたくないのかキミは!」 俺「…………」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
197 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:05:04.88 ID:yCfNfact0 - 女勇者「また魔王城まで戻ってこられたよ」
女勇者「やっぱり仲間がいると、ペースが全然違うよ。キミがいてくれてよかったよ」ギュウ 俺「…………」 女勇者「奥の王の間に、魔王と……女剣士さんがいるよ」 女勇者「ボクは魔王を殺す」 女勇者「その間に、キミは、女剣士さんを殺すんだ。いいね?」ズイッ 俺「……わかっている」 女勇者「余計な気は起こさないでくれよ。彼女は、魔人になってから既に千人以上を殺してるんだ」 俺「……勿論だ」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
200 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:05:26.53 ID:yCfNfact0 - 女勇者「…………」
女勇者「キ、キミ、さ……その、この戦いが終わったら……ボクと結婚しなよ」カアッ 俺「え……」 女勇者「キミみたいな末期の中毒者の傍で支えてあげられる理解者は、ボクくらいしかいないよ」 女勇者「キミはボクがいなかったら生きていけない。そう思うだろう?」 俺「だが、だが、俺は……」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
202 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:05:37.04 ID:yCfNfact0 - 女勇者「ボクがわざわざキミのゴブリンパウダーの使用量を調整して……それも、なるべく使用量が少なく済む様に、こうしてキミを抱きしめてあげているんだよ」ギュッ
女勇者「少量でもしっかりと、夜に眠れるようにね」 俺「だが、俺なんかで……」 女勇者「い、言っておくけれど、魔王討伐のために今は付き合ってあげているけれど、それが終わったら……わざわざボクは、他人のためにそんなことはしてあげないからね」 女勇者「しっかり……その、自分の今後も考慮しておくれよ」 女勇者「まさか、また廃棄街の剣闘士になるつもりじゃあないんだろう?」 俺「…………」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
203 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:05:53.70 ID:yCfNfact0 - 俺「少し、考えさせてほしい」
俺「その……魔王討伐が、終わるまで……」 女勇者「まさか、キミは、これだけボクを傷物にしておいて、さようならするつもりなのかい? ねえ?」ギロッ 俺「……わかった」 俺「魔王討伐が終わったら、結婚しよう。女勇者」 女勇者「……ありがとう。ごめんね、脅すような言い方をしてしまって」ギュッ 女勇者(大丈夫だよ……。キミは、ボクが、絶対に人並みの幸せを送れるようにしてあげるからね)グッ 女勇者(そのためにも、キミには女剣士を殺してもらう)
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
205 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:06:03.21 ID:yCfNfact0 - ―魔王城―
魔王「……ふむ、また来たのか」 魔王「まさかこの魔物の王たる我が、たった一人の人間を警戒せねばならんとはな」 魔王「おのれ、神紋の女神め……」チッ 俺(あれが、魔王……)ゴクリ 俺(千年に渡り、魔物を生み出し続けてきた怪人) 俺(かつて万の兵が魔王を倒すべく送られたというが、道中の魔物に滅ぼされ、一人として魔王の元まで辿り着くことができなかったという) 俺(俺は、そいつの前まで来たというのか) 魔王「なんだ……? 神紋を持たぬ、ただの人間が紛れているではないか」 魔王「神紋なくば、我が魔法も、闇の衣も退けることが叶わぬぞ」ハンッ 魔王「場違いな虫けらめ。まずは貴様から消してやろう」 俺(こんな奴相手に、本当に俺なんかの剣が通用するのか……?)ゾッ 女勇者「わかっているだろう? キミは、あいつの相手をしなくていいよ」
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- ギャル「男君さ、オタクっぽくてキモいよね〜」ギャル「わかるー(笑)」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:06:11.72 ID:yCfNfact0 - ギャル「この前ちらっと見たらさあ、スマホでなんかエロい恰好した女並んでるソシャゲやってたし」
ギャル友「きっしょwやばすぎでしょ」 ギャル「授業中女の子の落書きしてたし」 ギャル友「アハハハ! うわ〜性犯罪者なりそう」 ギャル「シャツも四パターン着回してるだけだしさぁ。絶対あいつ童貞でしょ」 ギャル友「ないわ〜! ってか、よく気付いたわね」 ギャル「私が声掛けてやっても、メール送ってやっても無視するし。マジムカつくんだよね。調子乗ってる」ガリガリ ギャル友「……ギャルちゃん?」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
210 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:06:29.27 ID:yCfNfact0 - 魔王「クク……勇者とて、所詮は人間か。一人が寂しく、情夫を雇ったとはな!」カカカ
女勇者「彼は、必要な人材だった。それだけだ」 魔王「建前に過ぎぬな。我が魔眼は、嘘を見抜くぞ」 魔王「貴様ら……通じておるな」ククッ 女勇者「なっ!」 魔王「女神も人選を誤ったものよ。如何に強大な力を持とうと、人間であることが枷となる」 魔王「やはりその男から消し飛ばしてくれるわ!」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
213 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:06:46.14 ID:yCfNfact0 - 魔王「何発避けられるか見物だな!」シュウウウン
俺「あの光は……!」 女勇者「く、来る! 魔弾だ! 一か所に留まるな!」 スッ 女剣士「…………」 俺「お、女剣士……!」 俺(顔は青色になって、髪は白くなっている……) 俺(背には禍々しい翼があり、獣のような爪と牙……) 俺(本当に……人間を辞めてしまったのか)グッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
218 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:07:14.11 ID:yCfNfact0 - 魔王「そこに立つな、魔法の邪魔だ」
女剣士「……あの男の相手は、私に任せてください」 魔王「あんな雑魚はどうでもよかろう。それより、勇者の方を……」 シュンッ ガッ 魔王「……その剣では、闇の衣のある我は斬れぬぞ」 女剣士「魔力が尽きるまで斬ってもいいのですが」 魔王「チッ、好きにするがいい。そいつが因縁の男か。早く終わらせるのだぞ」 俺(今の剣……全く見えなかった。人間の頃とは段違いだ) 俺(だが、やるしかない) 俺(俺は……今度こそ、もう逃げない!)シュッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
219 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:07:29.18 ID:yCfNfact0 - キィンッ キィンッ
ガッ 女勇者「剣の方はあまり得意じゃないみたいだね」 女勇者「速いけど、技術自体はボクの俺さんとどっこいどっこいってところか」 魔王「黙れ小娘が!」シュウウウ タンッ 女勇者「剣士の目の前で魔法なんて、間に合うわけないだろ?」 魔王「うぐっ!」 ズパッ 魔王「ガハッ! こ、小娘がァ!」 女勇者「どうしたんだい?」 女勇者「あの子達より、ボク達の方が先に決着が着きそうだよ」 魔王「女神め……勇者め……!」ゼェゼェ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
222 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:07:46.44 ID:yCfNfact0 - 俺「……ずっと、会いたかった」
俺「ごめんな……あの日、とどめを刺してやれなくて」 女剣士「…………」 女剣士「……今度こそ、殺してくれるの?」 俺「ああ」 俺「愛してるよ、女剣士」 女剣士「…………」 俺「人生最高の試合にしよう」シュッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
224 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:08:00.22 ID:yCfNfact0 - シュッ、シュンッ
シュッ ドガッ! 俺(防戦一方……!)キィン 俺(女勇者が、魔王と同時に相手取れないと判断したわけだ) 俺(女剣士と魔王に前衛と後衛を分けられたら、如何にあの子でも手数が足りなすぎる) 女剣士「どうしたの? 私を殺すんじゃなかったの?」 女剣士「ねぇ、早く殺してよ」 女剣士「貴方の剣で、私を突き刺してよ」シュンッ 俺「ぐっ!」カァン
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
227 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:08:17.67 ID:yCfNfact0 - 女剣士「早く早く早く早く」
キンキンキンキンンキンッ 俺(剣が、速すぎる……!) 女剣士「早く早く早く早く早く早く早く早く」 俺(人間の限界を、二回りは超えている!) 女剣士「早く早く早く早く早く早く早く早く」 女剣士「早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く」 キンキンキンキンンキンッ キンキンキンキンンキンッ ザシュッ 女剣士「あ、がはっ!」 俺「言われなくてもだ!」ゼェゼェ 女剣士「アハ……痛い。血が流れてる。まともな傷を負ったのなんて、もう随分と久し振りみたい」 女剣士「痛いのが、すっごく気持ちいい」ペロ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
230 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:08:39.33 ID:yCfNfact0 - 魔王「我が、我が滅びるわけがない!」ゼェゼェ
魔王「我は千年生き続けた魔物の王なり!」 魔王「滅びるのは貴様ら人族だ!」 女勇者「長く生き続けただけあって、さすがにしぶといね」ゼェゼェ 女勇者「でも、すぐに楽にしてあげるよ」 女勇者「闇の衣も、随分と薄くなったじゃないか」 女勇者「その光が、お前の命の灯火なんだろう?」 魔王「な、なにをしておるのだ女剣士! そんなただの人間、すぐに捻り殺してしまえ!」 魔王「早く我の、補佐をしろぉっ!」 女勇者「急かさないであげてくれよ」 女勇者「俺さんには、しっかりあの子との件に決着をつけてもらわないといけないからね」 女勇者「これから俺さんと人生を歩むのは、あの子じゃなくてボクなんだから」 女勇者(きっちりとケジメをつけて、ゴブリンパウダーを断って……それからようやく、ボクのことをちゃんと見てもらえるようになるんだ)
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
235 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:09:06.33 ID:yCfNfact0 - 俺「うおおおおっ!」ザシュッ
女剣士「アハ、アハハハハ……」ドクドク 俺(胸部をかなり深く斬った) 俺(魔人の身体とはいえ、さすがに……!) 女剣士「斬られる度に、貴方の愛を感じる……」 俺「!」 女剣士「私の愛も、受け取ってぇっ!」 ズシュッ ザシュッ 俺(左耳と、左肩が……!) キンキンキィン 俺(あっさり斬らせてくれたわけだ。魔人の身体が、予想以上にタフ過ぎる)ゼェゼェ 俺(ゴブリンパウダーで痛覚が麻痺してなかったら、追撃でまず殺されてた……) 女剣士「アハァッ!」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
236 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:09:22.59 ID:yCfNfact0 - 俺(頼む……)
俺(この戦いで、死んだっていい) 俺(だから……この試合だけは勝たせてくれ!) シュンッ ズシュッ 女剣士「凄い、凄い、凄い……今の私が、貴方の剣に追いつけない」 女剣士「やっぱり貴方は、本物の天才だった」 俺「ゴブリンパウダーを、減らさなくてよかった」ボソッ 俺(女勇者の言う通りだ。地下闘技場に落ちてから、俺を支えていた強さの一端は間違いなくゴブリンパウダーだった) 俺(今の俺は……ゴブリンパウダーと脳内麻薬の興奮作用と痛み止めが、ぐちゃぐちゃに混ざってるみたいだ) 俺(全身どころか、まるで辺り一帯の空間中が俺の目になったみたいだ)
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
238 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:09:39.67 ID:yCfNfact0 - キィンキンキンッ
俺(今まで見た何より速いはずの女剣士の動きが、遅く見える) 俺(脳の処理に、身体が追い付かないのが口惜しいくらい) 俺(頭が凄い熱くて、それが恐ろしく気持ちいい) 俺(きっと俺の脳は、この戦いが終わったらダメになっちまう) 俺(だが、今の俺なら、女勇者にだって勝てそうだ) ザクッ、ズシュッ、バシュッ ザシュッ、ザシュッ 女剣士「あ、ああ、あああっ!」ハァハァ ザクッ、ザクッ 女剣士「もっと……もっともっと、私を壊して!」ハァハァ 女剣士「もっともっと、もっともっともっともっと!」ハァハァ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
239 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:09:48.85 ID:yCfNfact0 - ザンッ
俺(剣を持つ手を落としたっ!) 女剣士「ウフ、ウフフフ……さすが、貴方ね」ハァハァ 女剣士「まだ、終わりじゃないでしょ?」シュンッ 俺(爪で戦うつもりか?) 俺「ああっ! 今日は最後までやってやる!」 キンキンキンキンキンキンキンキンキン キンキンキンキンキンキンキンキンキン
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
241 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:10:10.32 ID:yCfNfact0 - ガシュッ
女剣士「貴方の利き腕、もらっちゃった。ウフ、ウフフフ」ハァハァ 俺「……くれてやったんだ。お前にな」 ドシュッ、ドシュッ 女剣士「あ……両腕、なくなっちゃった、あ、ああ……」ヨロッ 俺「これで終わりだ」ドスッ 女剣士「…………あ、ああ、心臓……魔族は……」バタッ 俺「終わった……これで、ようやく」ヨロッ 俺「愛してるよ……女剣士……ずっと、ずっと」ギュッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
248 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:10:59.46 ID:yCfNfact0 - 魔王「女剣士が、敗れたのか……?」
女勇者「よかった……俺さん」ホッ 魔王「ま、まさか、まさか……」 魔王「最高位の魔人となった女剣士が、ただの人間に……?」 魔王「こんな、こんなことが……」ワナワナ 魔王「我が、我が、敗れるのか……?」 女勇者「よそ見してる場合かいっ!」シュンッ 魔王「う、うおおおおっ! 来るなああああっ!」 ザシュッザシュッ 女勇者「うぐっ……! し、しくじっちゃったか」 女勇者「大丈夫……まだまだ戦える。向こうも決着はついたんだし、すぐにこいつを殺す……!」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
251 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:11:22.04 ID:yCfNfact0 - 魔王「うおおおおおおおおっ! うあああああああっ!」バッ
女勇者「に、逃げるつもりかっ!」 女勇者(いや、違うっ!)ゾッ 女勇者「逃げて俺さんっ! 魔王は、キミを殺すつもりだ!」ダッ 魔王「ただの人間如きが、世界の代行者たるこの偉大なる我の邪魔をするなあああああっ!」シュウウウン 俺「なっ!」 俺(身体が……身体が、もう、動かない) 俺(限界を何周も超えてたんだ……) 俺「悪い、女勇者……俺は、ここまで……」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
252 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:11:36.57 ID:yCfNfact0 - 魔王「死ねええええええええいっ!」
魔王「我が暗黒魔法、至近距離から受けるがいい!」 俺「……っ」 ドゴオオオオオオオオンッ! 俺「…………」 俺「俺……生き、てる?」 女勇者「ごめ、んね……キミ」ドサッ 俺「おっ、女勇者っ! そんな、俺を庇って……!」 女勇者「ボク……約束守って、あげられないみたい」ニコッ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
260 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:12:02.55 ID:yCfNfact0 - 女勇者「フフ……みんな、ボクのことを知ったら馬鹿にするのかな」
女勇者「魔王を倒して、世界を救えるところだったのに……」 女勇者「ボクはそんなことより、キミ一人を助ける方がずっと大事だと思っちゃったんだ」 俺「お、女勇者……」 女勇者「おかしいよね」 女勇者「これで、これからも魔物が蔓延って沢山の人が苦しみ続けることになったのに……」 女勇者「ボクはそんなことより、キミがこれからどうなるのか、そのことばかりが頭の中でいっぱいなんだ」 女勇者「ごめんね……キミの隣にいられなくて」 女勇者「愛してたよ……凄く、誰よりも、何よりも」ガクッ 俺「う、嘘だよな……そんな……」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
270 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:13:24.64 ID:yCfNfact0 - そんな荒らさんでええやん
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
273 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:13:52.23 ID:yCfNfact0 - 魔王「馬鹿な小娘め……だから人間であることが枷になると言ったのだ」ゼェゼェ
魔王「ク、ククク、情夫など雇うからこうなる」 魔王「最後に生き残るのはやはりこの我であった! フハハハハ!」 魔王「やったわい! 女神の奴を出し抜いてやった!」 俺(動け……俺の身体!) 俺(女勇者の想いを、旅路を、生き様を、無駄にするな!)スクッ 俺「うおおおおおおおっ!」 ザンッ 魔王「ハッ、神紋のない貴様には我を傷つけることなど叶わぬわ!」
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
281 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:15:09.13 ID:yCfNfact0 - >>271
いやこのスレの惨状は酷過ぎるで
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- ギャル「男君さ、オタクっぽくてキモいよね〜」ギャル友「わかるー(笑)」
1 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:15:41.41 ID:yCfNfact0 - ギャル「この前ちらっと見たらさあ、スマホでなんかエロい恰好した女並んでるソシャゲやってたし」
ギャル友「きっしょwやばすぎでしょ」 ギャル「授業中女の子の落書きしてたし」 ギャル友「アハハハ! うわ〜性犯罪者なりそう」 ギャル「シャツも四パターン着回してるだけだしさぁ。絶対あいつ童貞でしょ」 ギャル友「ないわ〜!」 ギャル「私が声掛けてやっても、メール送ってやっても無視するし。マジムカつくんだよね。調子乗ってる」ガリガリ
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- 女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
295 :風吹けば名無し[]:2020/11/01(日) 23:16:47.17 ID:yCfNfact0 - 魔王「すぐに楽にしてや……」
シュウウン 魔王「これは……」 魔王「闇の衣が、剥がれた……? 女勇者を殺したときに、我の魔力が尽きたというのか?」 俺「行くぞっ!」 魔王「止めろっ! そ、そうだ、世界の半分をお前にやろう! だからっ……!」 俺「死にやがれェッ!」 ザシュッ 魔王「あ、ああ……我が、我が、こんな、ただの人間に……! 勇者を凌いだというのに、馬鹿な……!」ドサッ
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