- 彡(;)(;)「死んだマッマのビデオレター見るンゴ…」
647 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:19:15.56 ID:zEfhvEN60 - どれほどの時間が経っただろうか、あたりは夕焼け色に染まり
西の空はもう青暗く染まり始めていた しずかちゃん「……今日はもう帰りましょう」 ドラえもん「そうだね……明日、明日のび太君を探しに行こう」 ジャイスネ「「ああ、そうしよう」」 しずかちゃん「それじゃ……また……」 ドラえもん「バイバイ……」 ジャイスネ「「バイバイ」」 しずかちゃんが部屋を出て行く スネ夫「僕らも……帰ろうか」 ジャイアン「ああ、そうするか……」 ドラえもん「うん」 ドラえもん「ああ、その前にさ」 ドラえもん「のび太君を おいていけ!」
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649 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:19:47.91 ID:zEfhvEN60 - ドラえもんの怒声、いやそれは咆哮というべきであろうか
突然の出来事にスネ夫とジャイアンは恐れをなしてその場にへたり込む ドラえもんは無言でポケットから道具を取り出す それは朝ドラえもんがのび太君捜索に使ったあの傘であった その傘を広げ、再びこう唱える ドラえもん「のび太君は、どこにいる?」 傘の上の矢印はやはりクルクルと回るだけであった ドラえもん「この傘は捜してた対象を発見した時、回る仕組みなんだよ、こうやってね」 ドラえもんは次に2番目に使った道具、強力においついせき鼻であった ドラえもんはそれを装着すると、辺りの匂いを嗅ぎ始めた もう二人は笑えない、いや笑うことは許されない ドラえもん「のび太君の匂いだ、その右のポケット……」 ドラえもん「においついせき鼻で目を疑った、そして人探し傘で確信へ変わった」 ドラえもん「出せよ、大事な僕の親友を」
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651 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:20:09.43 ID:zEfhvEN60 - スネ夫は声にならないしぐさでポケットからくしゃくしゃになった2枚の紙を取り出す
その紙にはあの清掃員のおじさんと、変わり果てた親友のび太が描かれていた ドラえもん「……」 ジャイアン「わ、悪かった!!!悪かったああああ!!」 スネ夫「ごめんなさあい!!僕達!!僕達!!」 二人はドラえもんの前に土下座して何度も謝った ドラえもんはまるで汚い羽虫を見るような目で二人見下した そして、近くにあったタイムテレビのスイッチを入れた そこには昨日の野球の試合から、壮絶なリンチ、遺体の処理、深夜の隠蔽工作 全てが、映し出されていた ドラえもん「こんな……友達が友達を殴り殺してるシーンなんか…………れるか」 ドラえもん「こんなものしずかちゃんに見せれるわけがないだろう!!!」
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654 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:20:48.35 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
ジャイアン「殺すつもりじゃなかった!!本当だ!!許してくれ!!」 ドラえもんは謝る二人を見向きもせず、紙を拾い、ポンと紙の裏面を押した 同時に紙から現れるのび太、変わり果てた姿であったが、ようやく、のび太は我が家に戻れたのである そんなのび太を抱きかかえ、ドラえもんは一筋の涙を流しながら ドラえもん「おかえり……のび太君」
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655 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:21:10.36 ID:zEfhvEN60 - --------
のび太「うわー!!遅刻だ遅刻だ!!」 ドラ「もう!早く起きなさいっていつも言ってるでしょ!」 のび太「そんなこといったってウワーッ!!」 ママ「のび太!!朝ご飯くらい食べていきなさい!!」 のび太「パンもって行くよ!!行って来ます!!」 ドラ「いってらっしゃーい、のび太君」 しずかちゃん「おはよう!のび太さん!」 のび太「あれ?しずかちゃんも寝坊?」 しずかちゃん「ふふ、そうなのよw昨日遅くまで本を読んでたから……」 のび太「ははっ、しずかちゃんもそんなことがあるんだねw」 ジャイアン「おうのび太!!遅刻してんじゃねーぞ!!」 のび太「ジャイアンだってそうじゃないか!」 ジャイアン「学校まで競争だ!!」 しずかちゃん「ふふ……のび太さんが戻ってきて本当によかった」
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658 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:21:37.59 ID:zEfhvEN60 - 先生「こら!!剛田!源!!そして、野比ッッ!!」
3人「はいっ!!」 先生「遅刻とはたるんどるぞ!!3人共廊下にたっとれ!!」 ジャイアン「あーあ」 しずかちゃん「廊下に立たされるのなんて初めてかもw」 のび太「僕はもうすっかり常連だけどねw」 ジャイアン「……もう一人、いればな」 しずかちゃん「スネ夫さんね……」 のび太「転校、急すぎるよな……」 スネ夫は野球の次の日にパパの会社が倒産して急遽転校となった 一部では神隠しなどの噂もたっているが、真相はわからない
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659 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:22:03.09 ID:zEfhvEN60 - いつものようにまた、学校が終わり、家へ帰る
残念ながら我が家ではない のび太「ただいま〜」 ドラえもん「おかえりのび太君、今日名札を机の上においてったでしょ」 のび太「あ、忘れてた」 机の上にある名札を手に取る、名札に刻まれた「野比、のび太」の文字 ドラえもん「ふふふ」 のび太「……」 ドラえもん「君は、のび太君なんだよ」 のび太「わ、わかってるよ」
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662 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:22:19.15 ID:zEfhvEN60 - ドラえもん「のび太君の親が死ぬまで、君を知る僕以外の全ての人が死ぬまで」
ドラえもん「君はのび太君じゃないといけないんだよ」 ドラえもん「わかったね?のび太君」 おしまい
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