- 彡(;)(;)「死んだマッマのビデオレター見るンゴ…」
551 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 01:57:17.09 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「革命」
ジャイアン「革命返し」 スネ夫「革命返し返し」 ジャイアン「……キングの3ペア」 スネ夫「2の3ペア、ジャイアンある?」 ジャイアン「……」 スネ夫「ないんだね、8切り、4出してはいあがり」 ジャイアン「……おもしろいかこれ」 スネ夫「ん、まぁ……2人でやるもんじゃないよね」 ジャイアン「今何時だ?」 スネ夫「1時50分、そろそろ行こうか」 ジャイアン「いよいよだな」
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- 彡(;)(;)「死んだマッマのビデオレター見るンゴ…」
553 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 01:57:40.44 ID:zEfhvEN60 - ジャイスネは寝静まったスネ夫宅をあとにする
スネ夫「ところでジャイアン、そのハンマーは何?」 ジャイアン「護身用だよ」 スネ夫「っていうか何そのリュック」 ジャイアン「もしかしたらもうここへは戻って来れないかもしれない 必要になりそうな物をとりあえず詰めてきたぜ」 スネ夫「なるほど、それにしてもこんな深夜にこの辺を歩くのは初めてかもしれない」 ジャイアン「確かにな、いつもならとっくに寝てる頃だよ」 ジャイアン「いつもならな……」 スネ夫「ああ……」 それからのび太邸へまでは二人とも無言で走り続けた
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556 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 01:57:59.60 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「……着いたな」
スネ夫「まず、のび太ん家が本当に寝てるか確かめなきゃ」 ジャイアン「じゃチャイムを」 スネ夫「おい待てよ」 ジャイを制止させたスネ夫はその辺にある小ぶりな石を2、3個拾い集める スネ夫「漫画で見たんだよ、これをのび太の部屋の窓に投げて反応を確かめる」 ジャイアン「よし遠投に定評のある俺がやろう」 スネ夫「……軽くだよ、割るのが目的じゃn」 ジャイアン「そぉい!!」 ヒュッ パキッ! スネ夫「おい」 ジャイアン「え?」 スネ夫「えじゃねーよ、割ったらのび太ん家起きるだろうが」 ジャイアン「割ってどんな反応するか見るんじゃないのか?」 スネ夫「……もういいよ、それよりあんな音してものび太ん家静かだな」 ジャイアン「既に家族みんな熟睡してるってことだ」 スネ夫「よしジャイアン、ピッキングの用意を」 ジャイアン「おう」 スネ夫「おいなんでハンマーかまえてんだおい」
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557 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 01:58:17.13 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「よし行くぜ俺様のピッキング技術」
スネ夫「ねぇジャイアン様待ってよねぇ」 ジャイアンは思いっきりハンマーを振り上げるとのび太ん家の正面ドアノブにおもっくそ打ち付けた ガァンッ!!!! すさまじい金属音が鳴り響き、ドアノブが少しに下に傾く ジャイアン「ふぅ一打目はこんなもんか」 スネ夫「おい何そのピッキング、ちょとりあえず隠れろ」 ジャイアン「なんだよ!これがサムターン回しっつーんだろ!?」 スネ夫「サムターン回ってねえ上にそれサムターン回しじゃねえよ!」 ジャイアン「あ、そうなの?わりぃわりぃ」 スネ夫「……それにしても静かだな あれだけ音がしといて誰も起きないのは奇跡かもしれない」 ジャイアン「ま、結果オーライっつーこったな」 スネ夫「オーライじゃねーよドアどうすんだよ、どうやって侵入すんだよ」 ジャイアン「そうだこれがあるわ」 ジャイアンはしょっていたリュックサックを開け、ガムテープを取り出した それをのび太家のドアのガラス部分に何重にも貼っていく その様子を、2階からじっと見つめる2つの目があった
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561 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 01:58:55.71 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「なるほど……」
ジャイアン「へへったまには俺も閃くだろ」 幾重かにガムテープを張り終えるとジャイアンは肘鉄をドアガラスにかました ゴシャッ! 予想以上に音が大きかったことに驚く二人 ジャイアン「……」 スネ夫「……」 二人は息を潜めて中の様子を伺う スネ夫「……まだ寝てんのか……?さっきからあれだけ大きな音を立ててんのに?」 ジャイアン「ま、のび太の親だからな、納得できるぜ」 スネ夫「ふむ……」
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564 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 01:59:24.59 ID:zEfhvEN60 - 割れたドアの隙間に手を入れ慎重に鍵を外す
スネ夫「……開いた」 ジャイアン「スネ夫先いけよ」 スネ夫「オッケイ」 スネ夫は右手にマーマー棒をかまえ、左手をポケットの中へ突っ込んだ ドアを開けてゆっくりと進む、先は一面暗闇で何も見えないが のび太ん家は何度か行ったことがあるから部屋の配置はだいたい解かる 問題は3人がどこで寝ているかだ ドラえもんはのび太の部屋の押入れ、パパの部屋は確かのび太の向かいだった……はず じゃママはどこで寝てる……? 廊下を慎重に進み、階段へたどりつく まだ人の気配は無い
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567 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:00:02.28 ID:zEfhvEN60 - 慎重に階段を上がっていく
家を建ててもう古いのか、一段一段上がっていくごとに板がギシ、ギシ、と軋む 周りが静かなせいか音が余計大きく聞こえてしまう 階段を昇り終えると突き当たりは行き止まり、その両側に部屋がある 左はのび太の部屋、右はのびパパの部屋 スネ夫はジャイアンにジェスチャーで「中の・様子を・伺う」 ジャイアンは親指をグッと立てて了解すると共にハンマーを取り出そうとした スネ夫はそれをサイレントに、かつ必死に止める スネ夫はそっとふすまを1cmほど開け中の様子を見る 部屋は暗く誰もいない 普段ならのび太が布団を敷いて寝てるが そののび太はもういない ドラ「誰だ!!」
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568 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:00:20.40 ID:zEfhvEN60 - 突然現れたドラえもんに2人は一瞬ひるんでしまった
同時に電気がつく、向かいの襖から妖艶な蒼いボディのドラえもんが現れる ドラえもんは物音がした時からパパの部屋に待機しコソ泥を待ち構えていたのだ お互いの顔が現れ、廊下をはさんで両者が対峙する形になった ドラ「あれ!ジャイアン?と後ろにいるのは……スネ夫?なんでここに」 予想もしなかった深夜の友人の訪問にドラえもんは目を剥いた その時ジャイアンを影にしていた、スネ夫が動く まるで忍者のように、ドラえもんの懐へ飛び込む その右手にはマーマー棒 これが見知らぬ泥棒であったらドラは勝負をすぐつけていた しかし今向かってきているのは幾多の冒険を共にしてきた仲間、友人である それがドラえもんに一瞬の空虚ができてしまった
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570 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:00:53.17 ID:zEfhvEN60 - スネ夫の握るマーマー棒に異変を察知したドラえもんは
スネ夫より一瞬遅れて予め出しておいた空気砲を、スネ夫の右手に打ち込む 空気砲を受けたスネ夫の手からマーマー棒が吹き飛ばされる と同時にスネ夫は体を軸にして、ねじるような格好から左のポケットに突っ込んでいた手を出す その手にはスタンガン この先読みプレーのおかげで勝利の軍配はスネ夫にあがった ドラえもんはガクガクと機械らしい動きをした後、白目を剥き、動かなくなった スネ夫「……ふぅ」 スネ夫「You are not my match(相手が悪かったな)」
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577 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:01:55.83 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「な……な、なんだこれ」
かろうじて出すことのできた言葉であった 一瞬であったが友人同士の対決を目の当たりにして 改めて自分は非日常にいるのだと悟った スネ夫「まぁあれだけジャイアンが音立ててドラえもんが気づかないはずないからね」 ジャイアン「す、すまん」 スネ夫「いいよ、それよりパパママはどこにいるんだ……? いくらのび太の親でも空気砲の音に気づかないのはありえない」 その答えはすぐに見つかった ドラえもんの待機していた部屋、即ちパパの部屋にどこでもドアがあった 扉は閉じている スネ夫「……なるほど」 ジャイアン「な、どういうことだスネ夫?」 スネ夫「あらかじめパパママをどこドアで安全な場所へ避難させていたんだ」
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579 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:02:17.41 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「するってーと、この先に二人がいるってわけか」
スネ夫「多分ね、こっちに戻ってこないうちにドアをしまっちゃおう」 スネ夫は動かなくなっているドラえもんからポケットを剥ぎ取り、どこでもドアをしまいこんだ ジャイアン「ドラえもん……死んでないよな?」 スネ夫「改造したっていっても、人間に食らわせても数十分ノビるくらいだよ ただロボットには試したことがないからわからないけどね」 ジャイアン「……ドラえもん死ぬなよ……」 ジャイアンは横たわったドラえもんに手を合わせ黙想のつもりであろうか、しばし目を閉じた それを尻目にスネ夫はその間押入れ開け、何かを探し始めた スネ夫「確かこの辺だったはず……」 布団と布団の間をまさぐり それ があった ドラえもんのポケットと対になる存在、スペアポケット
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580 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:02:34.43 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「さて、本当はここでドラえもんも処分したいところなんだけど」
ジャイアン「お、おい!目的はドラえもんからポケットを奪い取るだけだろうが!」 スネ夫「確かにね、でもドラえもんが起きてポケットが無いって気づいたら とりあえず未来へ行くと思う 少なくとも僕ならそうする」 ジャイアン「それでも!ドラえもんは俺らの大事な心の友だろうが!」 スネ夫「その心の友の友を殺したのは……他ならぬ僕らじゃないか」 ジャイアンはそこで言葉を詰まらせる 自分達はのび太を殺して、関係の無い清掃員さんも殺して、ついにはドラえもんまでも。 ジャイアン「ドラえもんを殺しても殺さなくても、いずれ未来にはバレる」 スネ夫「まぁそうだね、僕らはドラえもんの私生活の一部しか知らないから 毎日未来の機関と連絡を取り合ってるかもしれない」 ジャイアン「じゃあ、殺しても殺さなくてもどっちでもいいじゃねえか」 スネ夫「……」 ジャイアンの普段である動の怒りではなく、静の怒りであった スネ夫「わかったよ」 ジャイアン「……ごめんなドラえもん」
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582 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:02:59.01 ID:zEfhvEN60 - 二人でドラえもんを押入れの中へ押し込むと、電気を消した
スネ夫「……さっきからなんか外が騒がしいな」 ドラえもんからポケットを剥ぎ取った時くらいからであろうか 外に人の声が聞こえるのをスネ夫は察知していた ジャイアンは窓から外の様子を伺った ジャイアン「まずいぞ……近所の人達が集まってきてる!」 スネ夫「ジャイアンのドアノブガキーン、ガラスガシャン、そんで空気砲ドカン、か こんだけ音がすればそりゃ気づくよなぁ」 ジャイアン「うわっパトカーが来るぞ!」 50m先ぐらいから赤い光を纏わせた車がこちらへ向かってきている ジャイアン「どどどどどどどうすんだよ!!スネ夫!俺ら捕まっちゃうぜ!」 スネ夫「ジャイアン、こっちにはポケットがあるんだよ 現代社会相手なら僕らは無敵なんだよ」 スネ夫はどこでもドアを出した スネ夫「とりあえず裏山へ」
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584 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:03:30.54 ID:zEfhvEN60 - ドアをくぐると夕方のび太達の遺体を隠した場所であった
草むらをかきわけると蝋人形のようにピクリとも動かないのび太とおじさんが横たわっている 既に目は乾き、紙風船のようにパリパリになっていた スネ夫「とりあえずこの2人かさばるよね」 ジャイアン「かさばるって物じゃないんだから……」 スネ夫「はい、取りこみペーパー」 ジャイアン「その紙の上に物体を置くと紙に取り込まれて 取り込んだ後も紙の重さは変わらないから重たいものでも持ち運べる っていう取り込みペーパーじゃないか!」 スネ夫「……そうだね」 二人はのび太とおじさんを紙の上に乗せ、取り込んだ のび太の体は紙に吸い込まれ、やがて紙と一体になった その紙を折りたたみスネ夫はポケットにしまいこんだ
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585 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:04:01.16 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「今頃、のび太ん家はどうなってんだろうな」
スネ夫「警察が来て、まずドアが壊れていることに気づく 警察は中に踏み込んで人がいないことを不審に思う」 ジャイアン「すると……?」 スネ夫「まずは強盗か、あるいは誘拐の線で捜査するだろうね しかし金目の物が盗まれていない、となると」 ジャイアン「なると……?」 スネ夫「集団失踪、あるいは夜逃げ」 ジャイアン「でも気絶させたドラえもんがまだ家にいる!」 スネッと「うん、ドラえもんが気づいて、警察に事情を話す」 ジャイアン「俺らは改めてお尋ね者ってわけか」 スネ夫「そういうことだね……」 ジャイアン「これから逃亡生活か……」
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586 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:04:25.53 ID:zEfhvEN60 - 二人の間にまた沈黙が流れる
逃亡生活といってもまだ二人は小学生 これからまだしたいことだってあるし、ぼんやりではあるが将来の夢もあったはずである 家族、友人、これまでの自分の一切を捨てて これから一生死ぬまで見えない数々の敵から逃げなくてはならない 道具があるとはいえ、小学生にとってこれから先は あののび太ん家の廊下より遥かに暗いものであった ジャイアン「全部なかったことにできたら……」 スネ夫「もしも、今までのが夢だったら、ってか」 ジャイアン「あ」 スネ夫「あ」
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587 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:04:48.44 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「もしもボックス!!」
スネ夫「……僕もそれを考えてた、でもね」 ジャイアン「もしものび太が死んでなかったら! もしも今までのことが全て無かったことだったら!」 スネ夫「あのねジャイアン、僕だって逃亡生活は嫌だよ 逃亡生活は最後の最後どうにもならなかった時にしようと考えてた」 ジャイアン「だから!!もしもボックスがありゃ全部元に戻るんだよ!!」 スネ夫「ジャイアン、のび太はあの時死んでいた、脈も調べたし、瞳孔、心臓も調べた もしもじゃない、完全に死んでいたんだ」 ジャイアン「ですから!!それが無かったことにできるのがもしもボックスだろうが!」 スネ夫「とどのつまり死人を生き返らせる?倫理的に考えてそんなことが許されるの? それが出来るのならなんで未来にはいまだに葬儀屋があるんだい?」 ジャイアン「……」 スネ夫「もしもボックスでも出来ることと、出来ないことがあるんだよ 第一成功したとしても時空犯罪法に引っかかる、未来を変えちゃうことになるからね」 ジャイアン「……でも」
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588 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:05:10.88 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「でも……俺は試してみたい」
スネ夫「いい加減にしてくれよ、その無かったことにできたらって思考をやめてくれ 僕らはのび太を殺してしまったんだよ 何百の道具を使おうと、幾千の未来を変えようとも 僕らは、のび太を、殺してしまった、って事実は消えないんだよ」 ジャイアン「わぁってるよんなこと!!でもよ!!んなこといったら俺らはどうすればいい!? お前だって言ってたろ!!警察は嫌だって!!エリート人生から外れる!? 友達を殺してエリートなんざちゃんちゃらおかしいんだよ!!」 スネ夫「僕らに出来ることは……十字架を背負うことだ」 ジャイアン「十字架?その道具を使えばのび太は戻ってくるのか?」 スネ夫「違う、僕らはのび太を殺した、それは揺ぎ無い事実 だからこそその事実を胸にのび太の分まで生きる責務があるってことだよ」 ジャイアン「十字架……」 ジャイアンを見てスネ夫は思った こいつはきっと今なんでもいいから救いを求めてる いつもはいばりちらしてるクセにこういうシリアスな展開になるととたんに脆くなる、典型的な卵人間 ちょっと……危ないなこいつ この状態じゃ自責の念に耐え切れず、十字架を放棄して一切合財をゲロってしまうかもしれない それだけは避けたい スネ夫「……わかったよジャイアン」
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591 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:05:29.31 ID:zEfhvEN60 - スネ夫は何かを決意したようだった
ジャイアン「え……?」 スネ夫「いいかい?僕らがのび太を殺したっていう事実は変わらない、だよね?」 ジャイアン「ああ……」 スネ夫「かといって警察へ行って云々で裁きを受けるってのは 現代の手法であって、それが正解ではない、言ってること解かる?」 ジャイアン「罪を償う方法は1つじゃないってことか……?」 スネ夫「そう、現に世の中には人を殺して刑務所へ入って 出てからまた人殺しをする奴もいるだろ」 ジャイアン「ああ、ニュースでそういうのをたまに見る」 スネ夫「そういう奴にとって刑務所は何の意味も成さないだろ? だから警察に行くってのはただの選択肢の一つであって 僕らには僕らの罪の償い方があるんだよ」 ジャイアン「……おお」 スネ夫「のび太を殺したってこと無かったことにするんじゃない 僕ら二人の中に永遠に刻むんだ、僕ら二人だけの中、にね」
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592 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:05:53.59 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「俺らだけ?」
スネ夫「恥ずかしい話、僕も無かったことにできたらどんなにいいかって思った でもそれじゃダメなんだよ、のび太は大事な友達だ……今でもね 友達にひどい目を合わせて 無かったら なんてムシが良すぎる だから僕らの中だけで十字架を背負うんだ」 ジャイアン「僕らの中だけってなんだよ?別の選択肢ってなんだよ ちょっとわけがわからなくなってきたぞ」 スネ夫「まぁ早い話、のび太が死んだってのは僕らだけの秘密にして 道具使いまくって隠ぺい工作しまくって、僕らはこれから普通に生活しつつ のび太への贖罪、罪滅ぼしするってことだよ」
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595 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:06:14.03 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「あ、なるほど……っておい、そんなことできんのか!?」
二人の間にまた沈黙が流れようとしたその時、スネ夫が静かに口を開く 懐かしの あの メロディー スネ夫「……あんなこといいな、できたらいいな」 ジャイアン「……あの殺人、こんな殺人いっぱいあるけど〜」 スネ夫「みんなみんなみんな、揉み消してくれる、不思議なポッケで揉み消してく〜れ〜る〜!」 ジャイアン「のび太の死〜を隠蔽した〜いな〜!」 スネ夫「あのね、ふざけてる場合じゃないの」 ジャイアン「………」 スネ夫「こっちにはポケットがある、隠蔽工作の道具なんか山ほどあるんだよ ……まずはこれだ」 スネ夫がポケットからタンマウォッチを取り出した
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596 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:06:42.12 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「タンマウォッチ、ターンマ!」
スネ夫がそう言うとウォッチのボタンを押した ジャイアン「何も変わらないぞ」 スネ夫「今は僕らしかいないからね、実感がないと思う」 スネ夫はどこでもドアを取り出し、のび太の家とだけ言った スネ夫「さ、行こう」 ジャイアン「お、おう……!」
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598 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:07:03.22 ID:zEfhvEN60 - 二人はドアをくぐり、再びのび太の部屋へ戻ってきた
ジャイアン「うわっ!警察!!」 のび太の部屋ではちょうど警察官2人が踏み込んだ時のようであった 1人が部屋を見回る様子で、もう1人が動かないドラえもんに何かを訴えているようだった スネ夫「ジャイアン落ち着いて、時間は止まってるんだから」 ジャイアン「わ、わかってるけどびっくりするだろJK……で、どうするんだ?」 スネ夫「まずはドラキュラセット、そしてバキューム蚊」 ジャイアン「それはドラキュラ化するマントとキバ! 血を吸うのではなく、脳みそから記憶を吸い取るための道具 これを付けていれば、体がコウモリのように小さくなり、空を飛べる ただし、ニンニクや十字架に弱くなるというドラキュラセットと ヘルメットをかぶると蚊に変身でき刺した相手に忘れて欲しい記憶を 管から吸い取ることができるバキューム蚊だな!」 スネ夫「ご苦労」 スネ夫「2つは同じような能力だけど一応両方使って重ね掛けしておこう 特にドラえもんにはね」 ジャイアン「じゃ俺はバキューム蚊を、スネ夫はドラキュラセットを」 スネ夫「オッケー」
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599 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:07:30.28 ID:zEfhvEN60 - スネ夫がドラキュラセットを身に着けると煙と共にコウモリの姿に変身した
そしてドラえもん、警察官、外にいる野次馬の記憶を次々と吸い取っていく 一通り吸い終わると部屋に戻った スネ夫「ジャイアンこっちは終わったよ」 ジャイアン「こっちも粗方終わったとこだ」 スネ夫「次はこいつらを元の位置に戻さないとだね」 ジャイアン「こいつら全員をか?疲れそうだな……」 スネ夫「だから道具があると何度言えば(ry」 ジャイアン「あ、そうか」 スネ夫「それにはこれがいいかな……かるがるつりざお」 ジャイアン「名前からどんな物か推測できるのでここでは省略します」 スネ夫「誰と話してんの?」 ジャイアン「なんでもない」 スネ夫「どこでもドアも併用しようか」
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601 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:07:58.31 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「……この人でラストだ」
スネ夫「よし、とりあえず元通りだね」 ジャイアン「ドラえもんはどうする?」 スネ夫「とりあえずタイム風呂敷使ってスタンガン食らわす前の状態にする」 スネ夫はタイム風呂敷を取り出すとドラえもんに被せた 風呂敷を捲るとジャイスネが来る前の寝てる状態のドラえもんに戻っていた スネ夫「よし、これでとりあえずは隠蔽した」 ジャイアン「これからどうするんだ?」 スネ夫「僕らは今本当なら僕ん家で2人、いや3人で寝てるはずなんだ」 ジャイアン「じゃ戻るか」 スネ夫「そうしよう」 ドラえもんを押入れの中に戻し、ポケットを元通り装着し、スペアポケットを元あった場所へ隠し ジャイスネはスネ夫宅へ戻った
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603 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:08:17.99 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「ふぅ」
ジャイアン「とりあえずひと段落か」 スネ夫「そうだね」 ジャイアン「それで、のび太はどうなってことにするんだ?」 スネ夫「のび太は夜グローブを取りに行ったってことになってる」 ジャイアン「でもドラえもんにはその時2階にいるって言っちゃってるよな」 スネ夫「そうか……」 スネ夫は少し考えた後 スネ夫「僕らにからかわれて家を出てっちゃったってことにしよう」 ジャイアン「わかった」 スネ夫「じゃ、タンマウォッチを戻すよ、やり残したことはないね?」 ジャイアン「多分大丈夫なはずだ」 スネ夫は再びタンマウォッチのボタンを押した、止まっていた時間が動き出す
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604 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:08:34.04 ID:zEfhvEN60 - 二人は押入れから布団を出し、その上に寝転んだ
今日一日だけで色々あった……午前中は野球をし、午後は……もう考えるのはよそう 二人とも精神的、肉体的にも疲れはピークであった ジャイアン「明日から俺らの新しい日が始まるんだな」 スネ夫「そうだね、くれぐれもボロを出さないようにね」 ジャイアン「わかってる」 スネ夫「じゃあおやすみ」 ジャイアン「ああ、おやすみ」 スネ夫「あ、明日は5時起きだからね」 ジャイアン「なんでだ?学校に行くには早すぎるだろ」 スネ夫「いいから」 ジャイアン「わかったわかった」
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605 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:08:55.65 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「ジャイアン起きて」
ジャイアン「ごぉぉぉぉぉ」 スネ夫「JA-I-A-N」 ジャイアン「ンガァァァァ」 スネ夫「ジャーイアーン!」 ジャイアン「ズゥゥゥゥゥ」 スネ夫「出ベソ」 ジャイアン「何?」 スネ夫「あ、ジャイアンおはよう」 ジャイアン「おおスネ夫かおはよう、のび太はまだ寝てんのか?ったくしょうがねえな」 スネ夫「……」 ジャイアン「……あ……わりぃ」 スネ夫「下へ降りよう、話は僕にあわせて」 スネ夫はそう言うとジャイアンを連れて1階へ降りた
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607 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:09:09.56 ID:zEfhvEN60 - スネ夫は1階へ降りてすぐにある部屋へ入った
部屋に入るとマダムな香水の芳しき匂いとピンクの壁紙がジャイアンを出迎えた ジャイアン「うわっなんだこの匂い!」 スネ夫はもう慣れているのであろうか、表情を変えず部屋の奥にあるベッドへ向かった スネ夫「ママ、起きて」 スネママ「……ん……スネちゃまなんザマスか?」 スネママが眠たそうにその体を起こす ジャイアン「うわっなんでお前の母ちゃん裸なんだよ!!」 スネママ「裸で寝ると美容にいいんザマスよ」 ジャイアン「目が腐る……」 スネ夫「ママ大変なんだ、朝起きたらのび太がいないんだ」 スネママ「なんざますって!?のび太さんが!?大変ザマス!!」 スネ夫「昨日僕らがからかって……それっきり出ていっちゃったんだ……」 スネママ「マァー!スネちゃま泣かないザマス!お家に戻ってるかもしれないざますよ!」 スネ夫「そうかな……じゃあジャイアンとのび太の家へ行ってみるよ!」 スネママ「ママはのび太さん家へ電話するザマス!」 スネ夫「行こうジャイアン、のび太の家へ」
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608 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:09:34.36 ID:zEfhvEN60 - 家を出るとスネ夫はのび太の家とは反対の方向へ向かった
ジャイアン「おいスネ夫!のび太ん家はそっちじゃねーぞ!」 スネ夫「いいからついてきて」 ジャイアンはスネ夫の後を追った ついたのは町外れの用水路であった ここでは毎年子供が用水路に誤って落ち、死亡するという事件があった為 学校では近くを通らないように十分気をつける、と先生が言っていた スネ夫はポケットからタンマウォッチを取り出すと 用水路の中へ投げ込んだ ジャイアン「おい捨てちまうのか?」 スネ夫「これでいいんだ」 スネ夫「さ、のび太の家へ向かおう」
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611 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:09:51.76 ID:zEfhvEN60 - スネ夫はのび太の家のチャイムを鳴らした
スネ夫「すいませーーん!」 スネ夫「すいませーーん!」 ジャイアン「おタバコは?」 スネ夫「すいませーーん!」 ママ「はーい……あらスネ夫さん、どうしたのこんな朝早く……」 スネ夫「あの、のび太君戻ってきてますか?」 ママ「え?のび太ならスネ夫さんの家にいるんじゃないの?」 スネ夫「じつはかくかくしかじかで……」 ママ「ええっ!?のび太が!?大変だわ!!」 スネ夫「僕らも心当たりのある場所を探してみます!」 ママ「ええ、お願い!ドラちゃんにも協力してもらいましょう!」 ママ「ドラちゃーん!」
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612 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:10:09.58 ID:zEfhvEN60 - ドラ「どうしたんだいこんな朝早くに……」
スネ夫「実はかくかくしかじかで」 ドラ「なんだってーのびたくんがあーそれはたいへんだ」 スネ夫「なんかのび太を探す道具無いの?」 ドラ「これがある、……えーと、あった たずねびとステッキー!」 ジャイアン「やっぱ本家は違うなスネ夫」 ドラ「本家?」 スネ夫「いやなんでもないよ、早く探そう!」
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613 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:10:25.87 ID:zEfhvEN60 - ドラ「のび太君の居場所を教えて」
ドラえもんはそう唱えるとステッキを放り投げた しかし放り投げられたステッキは倒れることはなく物理法則を無視し、直立不動のままであった ドラ「たずねびとステッキが反応しない……だと……?」 スネ夫「それは……どういうこと?」 ドラ「……通常たずステは地球上に存在するならば 地球の裏側にいてもちゃんと反応して道を示してくれるはずなんだ」 ジャイアン「それが反応しないってことは……」 ドラ「どこか別次元にいる……あるいはこの世にいない、とか……」 スネ夫「それはたいへんだw」 ジャイアン「おーw」 ドラ「おほほw」
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615 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:11:06.62 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「うーん、タイムマシンでどっかに遊びに行ってるとかかなぁ?」
ドラ「今見てきたけどタイムマシンはあったよ、おかしいな……」 ドラ「じゃこれを使おう、……強力においついせき鼻!」 ジャイアン「これも又名前から推測できますので省略という形にさせてください」 スネ夫「だから誰と喋ってるんだよ」 ドラえもんは強力においついせき鼻を自分の鼻にくっつけた ドラ「フゴフゴ、フゴフゴ」 スネ夫「……」 ジャイアン「……」 ドラ「フゴフゴ、フゴフゴ」 スネ夫「……」 ジャイアン「……」 ドラ「フゴフゴ、フゴフゴ」 スネ夫「ブフッw」 ジャイアン「w」 ドラ「おい笑うなよw」
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620 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:11:41.84 ID:zEfhvEN60 - ドラ「……」
スネ夫「で、フゴえもん、いやドラえもんのび太は見つかりそう?」 ジャイアン「……ドラえもん?」 さっきまでの和やかなムードから一変、ドラえもんの表情が険しくなった ドラ「さっきのたずステあったよね……」 スネ夫「うん」 ドラ「あれは未来でも古い品でね、命中率が70%な上によく故障するんだ」 スネ夫「そうなんだ」 ドラ「でも今のは違う、比較的新しい道具で、命中率はほぼ100% ましてや自分の家の前なんてのび太君の匂いがつきまくってるはずなのに……」 ドラえもんはポケットをまさぐるともう一つ道具を出した ドラ「これだ、人探し傘」
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621 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:12:06.11 ID:zEfhvEN60 - ドラえもんの出した 人探し傘
一見普通の傘であるが、傘の先端に矢印が装着されていて この傘を差して歩くと、矢印が会いたい人の方へ指して誘導してくれる ジャイアン「というものである」 スネ夫「お前のセリフだったのかよ」 ドラえもんはそんな馬鹿二人のやりとりを全く気にせず、傘を広げた ドラ「のび太君の居場所は?」 傘の先端の矢印がグルグルと回り始めた しかし、矢印は一向に止まる気配を見せない ドラ「のび太君の居場所は!?」 それでも傘の矢印は止まらなかった ドラ「大変だ……!」
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623 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:12:25.88 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「?」
ドラ「道具が3つとも無反応……」 ドラ「通常こんなことはありえないんだ…… タイムマシンにも乗ってない、のび太君に道具は何も貸してない……」 ドラ「この二つの符号が意味するものは一つ……!」 ジャイアン「お、おい……まさか」 ドラ「既にこの世にはいない、ということになる……」 スネ夫「……」
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625 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:12:43.28 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「は、はは……またまたご冗談を
ドラえもんの道具が故障なんてよくあることじゃない」 ジャイアン「そ、そうだよ、3つ共故障してるだけだよ」 ドラ「……」 スネ夫「……そろそろ学校始まる時間じゃない?」 ジャイアン「も、もしかしたら普通に学校にいたりしてなw」 スネ夫「あ、そうだよ、きっとそうだよ!」 ドラ「……2人は、学校があるからそろそろ帰ったほうがいいよ」 スネ夫「じゃ、じゃあそうさせてもらうよ」 2人はそう言うとのび太邸を後にした
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627 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:12:57.72 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「はぁはぁ、なぁスネ夫、俺らなかなか演技うまかったよな」
スネ夫「え、あ、うん」 学校へ行く途中 スネ夫はさっきのドラえもんが3つ目の道具を使った時のことを思い出していた 2つ目を使った時のドラえもんは不安の表情であったが 3つ目の道具を使った時の不安から絶望へ変わる途中、一瞬だけ見せた、憎悪という感情 スネ夫「僕の勘違いならいいんだけどな……」 ジャイアン「え?なんか言ったか?」 スネ夫「いやなんでも」 キーンコーンカーンコーン ジャイアン「やべぇ!予鈴だ!急げスネ夫!」
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629 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:13:16.96 ID:zEfhvEN60 - ガラガラッ!
先生「剛田!と、あとお前、あの、あー、アレだよアレ!そう骨川!遅刻しちゃいかんぞ!!」 ジャイアン「すみませーん」 スネ夫「すみません」 二人はそれぞれの席についた スネ夫は最前列の一つの席に目をやる のび太の席である、当然のび太がいるはずはなかった 先生「野比、野比!野比はまた遅刻かァ?」 先生も他の生徒ものび太の遅刻は日常茶飯事である為 のび太がいなくても誰も意に介さなかった
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630 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:13:33.95 ID:zEfhvEN60 - そして一時間目が終わり、2時間目も終わり、給食の時間になってものび太は現れなかった
給食の配膳中 しずかちゃん「のび太さんどうしたのかしら?風邪でも引いたのかしら?」 スネ夫「はは!のび太に限ってそれはないよ!」 ジャイアン「なんてったって馬鹿は風邪を引かないだもんなー!」 しずかちゃん「もうたけしさんったら……!」 出来杉「しずかちゃんプリン頂戴」 しずかちゃん「今日学校が終わったらのび太さんの家へ行ってみましょうか」 ジャイスネ「「そうしよう」」
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632 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:13:50.50 ID:zEfhvEN60 - 遂にのび太は6時間目が終わっても来なかった
結局のび太は無断欠席ということで先生から家へ連絡が行くらしい しずかちゃん「結局のび太さん来なかったわね」 ジャイアン「犬に追いかけられて一日中逃げ回ってたんじゃないのw」 スネ夫「ははwありえるねそれw」 しずかちゃん「プリントも届けにのび太さんの家へ行ってみましょう」 スネ夫「そうだね、そうしよう」 3人は学校を後にした
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633 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:14:08.88 ID:zEfhvEN60 - のび太邸
しずかちゃんがチャイムを鳴らす 家の中からダッダッダッという足音と共に豪快にドアが開けられた ママ「のび太は見つかったんですか!?……あ、しずかちゃん」 しずかちゃん「え?見つかるって?どういうことですかママさん」 ママ「実はかくかくしかじかで……」 しずかちゃん「ええ!?昨日の夜から?」 ママ「今先生から連絡があって、学校にもきてないって…… あの子のことだから私何かあったんじゃないかって心配で心配で……」 しずかちゃん「お邪魔します……!」 ジャイスネ「「お邪魔します」」
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634 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:14:27.31 ID:zEfhvEN60 - のび太の部屋へあがるとそこにはドラえもんが沢山の道具に囲まれて
必死にパソコンらしきものに何かを打ち込んでいた しずかちゃん「ドラちゃん!のび太さんは……」 ドラ「……いないんだ!!今ネットワークを通じて世界中からのび太君を探してるんだけど…… 過去100年から未来100年の地球上のどこにもいないんだ!!」 しずかちゃん「そ、そんな……」 しずかちゃん「そうだわ!タイムテレビがあるじゃない!!」 タイムテレビ、過去を映し出すミニタイムマシン この存在をスネ夫はすっかり忘れていた 全身のから血が引いていくのがわかる タイムテレビで昨日の事を見られたら…… スネ夫は横目でジャイアンを見た……ジャイアンもまた顔面蒼白であった
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636 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:14:57.92 ID:zEfhvEN60 - ドラ「タイムテレビは使えないんだ……」
しずかちゃん「え、どうして!?」 ドラ「22世紀でタイムテレビによるプライバシーの侵害うんたらかんたらで問題になってね 少し前にタイムテレビの販売、使用の前面的に禁止されたんだ」 ドラ「だからほら……」 ドラえもんはタイムテレビのスイッチを入れた、しかしザーッという砂画面以外は何も写らない ドラ「他にも道具はどんどん規制されつつある、未来もだんだんやかましくなってきたんだ」 しずかちゃん「……」 スネ夫とジャイアンはほっと胸を撫で下ろす 他の道具が規制されてるってことはタイムテレビ系統の道具も禁止されてるはず スネ夫「どうやら神はまだ僕を見放していないようだ……」
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639 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:16:21.07 ID:zEfhvEN60 - ドラ「タイムマシンも今そのプライバシー規制の線引きの真っ最中でね……
流石にタイムマシンまで禁止になることはないだろうけど、協議中は使用を控えなきゃいけない 僕みたいな公務員ロボットなら尚更ね」 しずかちゃん「そんな……じゃ、のび太さんは……」 ドラ「日本歴史大百科で調べた所、日本には神隠しが歴史上本当に存在してたらしい この歴史上の人達はある日突然姿を消して、一ヶ月後に何事もなく戻ってきたらしい!」 しずかちゃん「じゃあ……」 ドラ「……待つしかないよ、信じて」 しずかちゃんはその場で泣き崩れてしまった スネ夫「なんとかならないの?ドラえもん!」 ジャイアン「そうだよ!!規制だの云々言ってる場合じゃねえよ!!使おうぜタイムマシン!!」
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642 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:17:06.64 ID:zEfhvEN60 - スネ夫「いやドラえもんも家庭があるからそういうことはやめたほうがいいんじゃないかな」
ジャイアン「何いってんだよ!!タイムマシンがありゃのび太がどこで消えたのかわかるだろ!!」 スネ夫「うんそうだね、でも協議中は使用を控えなきゃだからね、うん」 ジャイアン「もういい!!ドラえもんがダメなら俺がいく!!それで文句ないだろ!!」 スネ夫「おい待てよ」
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643 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:17:31.44 ID:zEfhvEN60 - ジャイアン「うるせえ!!俺は行くぞ!!」
ジャイアンはスネ夫を連れて半ば強引にタイムマシンへ乗り込んだ そしてスロットをあわせ、タイムマシンを動かした タイムマシンの上でスネ夫が怒鳴る スネ夫「何考えてんだよ!!タイムマシン使ったら一発でバレちまうだろうが!!」 ジャイアン「だからだよ!!あの流れでもししずかちゃんが行くってことになったらそれこそ終わりだろうが!!」 スネ夫「あ、そうか……僕達2人ならいいのか」 ジャイアン「このまま適当な所へ行って、ちょっと時間がたったら帰ればいい」 スネ夫「見直したぜw」 ジャイアン「よせやいw」
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644 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:17:51.39 ID:zEfhvEN60 - その時タイムマシンで一週間後の算数のテスト問題をバッチリコピった2人が帰ってきた
もちろん2人は打ち合わせ済みである スネ夫「……」 ジャイアン「……ドラえもん」 ドラえもん「やっぱり……」 スネ夫は泣き崩れ ジャイアンは仁王立ちしたまま涙をこぼし始めた ジャイアン「のび太は……用水路……に落ちて……そのまま」 スネ夫「手に……何か持ってた……」 ドラえもん「……今僕達も見たんだ、タンマウォッチ、確認したら僕のポケットからなくなってた……」 しずかちゃん「あ……ああ……のび太さん……!!」 4人は暫くその場で泣いていた
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646 :風吹けば名無し[]:2018/03/22(木) 02:18:43.93 ID:zEfhvEN60 - ドラ「……あの2人大丈夫かな」
しずかちゃん「きっと大丈夫よ……こういう時あの2人は心強いもの」 ドラ「うん……実はもう一つ気になることがあるんだよね」 しずかちゃん「なぁに?」 ドラ「のび太君が僕の道具を勝手に持ち出したっていうことも考えて 現在の時間軸において未来の道具が地球上のどこにあるか分かるレーダーがあるんだけど ……ちょっとここみてくれる」 しずかちゃん「あら?一つだけ赤い光が点滅してる場所があるわ」 ドラ「……この点滅場所、古い用水路の終着付近なんだ」 しずかちゃん「まさか……」 ドラ「考えたくないよ……のび太君は泳げないんだ!!」
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