- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」 [無断転載禁止]©2ch.net
90 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:16:26.55 ID:Lt5VrRjYa - 御坂「それで自分の能力に気づいたわけね」
詠矢「そうなんだ。変質はすぐに収まったんだけど、もしかしたらって思ってね」 詠矢「で、ここに来た目的、につながる訳ですよ」 白井「一応、話の筋は通ってますわね」 詠矢「信じるか信じないかはそちらさんの自由だけどね。嘘は言ってねえよ」 詠矢「さて、尋問は以上かな?終わりなら…帰らせてもらっていいかい?」 白井「そうですわね…事情聴取はこれぐらいですわね…」 白井「初春、調書の方はよろしいですの?」 初春「はい、バッチリです…(カタカタ)」 詠矢「へえ、そっちの娘、初春サンっていうのか」 詠矢「俺は詠矢空希ってもんだ。よろしくなー」 初春「あ、はい…どもです…(ペコリ)」
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92 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:16:38.70 ID:Lt5VrRjYa - 白井「では、今日はこれでお引取り頂いて結構です。但し!」
白井「次に出頭をお願いすることがあったら、素直に従うように」 詠矢「へいへい」 詠矢「じゃ、部屋に荷物が届くころなんで」 詠矢「そろそろ帰らせてもらうわ。んじゃ…あっと、白井サン」 白井「なんですの?」 詠矢「俺にも一つだけ聞きたいことがあるんだけどさ、いいかな?」
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93 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:16:57.78 ID:Lt5VrRjYa - 白井「答えられることなら答えますわ」
詠矢「白井サンの能力。射程はどれくらいなんだい?」 白井「…お答えするのは少し躊躇しますわね」 詠矢「俺のことを信用出来ないのも無理は無いと思うが…」 詠矢「どうしても確認したいことがあってね。頼むよ」 白井「ま、よろしいですわ。わたくしの空間移動の射程は最大81.5m…」 詠矢「当然、直線距離だよな…。なるほど…81.5mか…」 白井「なんですの?」 詠矢「いや、まだアレだな…。話すにはまだ立証が足りないかな…」 白井「…」
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94 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:17:11.84 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「んじゃ、皆さんまたなー」
御坂「またって…もう会いたくないんだけど…」 詠矢「まあ、そう言いなさんな。縁があればまた会うさ」 詠矢「そんじゃまた」 佐天「(ガチャ)やっほー、こんにちわー。遊びに来たよー!」 詠矢「…」 御坂「…」 白井「…」 初春「…」 佐天「…」 佐天「(え…何この空気…)」
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95 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:17:25.51 ID:Lt5VrRjYa - 初春「…あ…佐天さん…こんにちわ…」
佐天「うん…こんちわ…初春」 詠矢「…んじゃ、入れ違いで失礼するわ」 佐天「えっと…あなた…は…?」 詠矢「容疑者だよ…(ニヤリ)」 佐天「…へ?」 詠矢「…」 佐天「…?(行っちゃった)」 佐天「初春、今の人は?」 初春「ちょっと、事情を聞いていた人…ですね。なんか特殊な能力者みたいで…」 佐天「へえ…能力者…なんだ」 初春「レベルは0みたいなんですけど」 佐天「…ふーん…」
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97 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:17:43.87 ID:Lt5VrRjYa - 白井「……」
白井「本当レベル0なのかどうかは、本格的な検査を待つ必要がありますけど…」 御坂「どうしたの黒子?さっきからなんか考えてるけど・・・」 白井「あの方がわたくしに聞いたこと、少し気がかりですわね」 御坂「黒子の能力の射程の話?」 白井「ええ、なぜあの情報が必要だったのか…。何も裏が無ければよろしいのですが」 御坂「さあ…何考えてるわかんないヤツだし。確かに気にはなるわね」 白井「…本当に、何も無ければいいのですが…」
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98 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:17:56.60 ID:Lt5VrRjYa - (学生寮 自室)
詠矢「ふう、荷解きはこんなもんかな」 詠矢「やっぱ荷物は少なめにして正解だな」 詠矢「しかし学生寮って言うから、もっとみすぼらしい部屋を覚悟してたんだが」 詠矢「なかなかどうして、立派なモンじゃねえの」 詠矢「ベットもでかいしな…よっと(ゴロン)」 詠矢「(しかし、初日からいろいろあったなあ…)」 詠矢「(流石にちょっと疲れたかな…)」 詠矢「(考えることも増えたしな)」 詠矢「……」
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99 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:18:39.10 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「(白井サンの転移の射程は81.5m…)」
詠矢「(俺が飛ばされた橋の上は、それよりはるかに離れた場所だった)」 詠矢「(このことが何を意味するのか…)」 詠矢「(俺が、絶対反論の定義を)」 詠矢「(能力の『変質』だとあえて言った理由)」 詠矢「(ある一点の可能性を考えて、だったが・・・)」 詠矢「(まだ立証する根拠が足りないな)」 詠矢「(だが、もしかすると、もしかするかも知れんねえ…)」 詠矢「(まあ、いいや。また今度考えよう)」 詠矢「(ねむ…)」 詠矢「……」
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101 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:19:02.83 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「……」
詠矢「ん…」 詠矢「あれ…?寝ちまったのか?」 詠矢「うわ、もうこんな時間じゃねえか…」 詠矢「今日中に携帯を変え行くつもりだったのに」 詠矢「まあ、いいか。明日にすれば…」 詠矢「しかし…腹減ったな…」 詠矢「時間も時間だし当然か」 詠矢「今からなんか作るのも面倒だな…」 詠矢「コンビニでも行くか…」
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102 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:19:14.90 ID:Lt5VrRjYa - 店員「ありがとうございましたー」
詠矢「やっぱコンビニ来ると高く付くなあ」 詠矢「安いスーパー探して、ちゃんと自炊しねえとな」 詠矢「あー腹減った…先に唐翌揚げ食っちまうか(ムグ)」 詠矢「(モグモグ)…」 詠矢「(モグ)…あれ?」 詠矢「寮はどっちだっけか?」 詠矢「えーっと…」 詠矢「うわ…完全に迷っちまったな…」 詠矢「携帯無いといろいろ面倒だなー」 ??「ハァ…ハァ…くそっ!!」 詠矢「…?なんか人の声が…?誰かいるのか?」 ??「うわっ!…(ドサッ)」 詠矢「?(路地から人か…)。おい、アンタ大丈夫か!?」
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103 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:19:39.14 ID:Lt5VrRjYa - ??「来るな!!巻き込まれるぞ!!」
詠矢「巻き込むって何の話だよ…ってなんだ、あちこち怪我してるし」 詠矢「これは…火傷か?…まあとりあえず病院行こう。肩貸すぜ…よいしょっと」 ??「マズイ追いつかれたか!?。とにかく逃げないと!」 詠矢「へ?なんかヤバイの?…あれ…なんか…熱い?」 ??「伏せろ!!」 詠矢「…!!!」 路地の奥から、空間を嘗め尽くすように赤い波が近づいてくる。それは猛烈な熱を伴った炎だ。 詠矢「…!お、おい。なんだありゃ!」 ??「くそっ!!(キュイーン!!)」 詠矢「なっ!炎が…消えた!?」
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104 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:19:52.62 ID:Lt5VrRjYa - ??「……」
詠矢「…こりゃあんたの言うとおり、逃げるのが正解かね」 詠矢「とりあえず…そうだな、あっちのビルの影にでも隠れよう」 詠矢「上手くいけばやり過ごせるかも知れねえ」 ??「いや、あいつらの狙いは俺なんだ。通りすがりの人を巻き込むわけにはいかない」 詠矢「…面白いじゃねえの。そんな台詞、リアルで聞けるとは思わなかったぜ」 詠矢「というわけで、ちょいと関わらせてもらうぜ?」 ??「え?って…あんた、何考えてんだって…おい!!」 詠矢「はいそうと決まったらとっとと走る!!」
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105 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:20:05.48 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「…ふう…少し落ち着いたか…」
詠矢「ここは路地からも死角になってる。そうそうは見つからないだろう」 ??「…あんた…どうゆうつもりだ…」 詠矢「面白そうだから関わらせてくれって、さっき言わなかったか?」 ??「面白くなんかねえよ!これは冗談で踏み込んでいい世界じゃない」 ??「相手はこっちの命なんかなんとも思ってないんだ」 詠矢「生きるか死ぬかってんなら、アンタも同じだろ?それを解った上で、俺だけを逃がそうとした」 ??「……」 詠矢「そんな人を、見捨てて逃げたくはねえな」 ??「…あんた…」 詠矢「そういうこった。ま、数が多い方が生存確率も上がるぜ」 詠矢「とりあえず、情報を整理しようか」
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106 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:20:18.76 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「まずは自己紹介からだな。俺は詠矢、詠矢空希ってもんだ…よろしくな」
??「…俺は上条…当麻…だ。よろしく」 詠矢「上条サンねえ…了解」 詠矢「で、順番に行こう。まずはさっきの炎だが…」 詠矢「火炎放射器って訳でも…なさそうだな…」 上条「ああ、そうだ。あれはそんなもんじゃない」 詠矢「じゃあ、やっぱ発火系の能力者かな?」 上条「いや、それも違うんだ。あれは『魔術』だ」 詠矢「…『魔術』!?…って要するに『魔法』のことなのか?」
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107 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:20:32.33 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「そんなもん実在するのかよ」
上条「ああ、実在する。科学とはまったく概念の違う力だ」 詠矢「はー…またいきなりな話だな。流石の俺も思考が止まるわ…」 詠矢「まあいい。今そこに突っ込むのは時間の無駄だ。丸呑みにするとしよう」 上条「俺も魔術に関してはあんまり詳しい訳じゃ無いんだ。そうしてくれると助かる」 詠矢「お互い、話が早くていいな。それともう一つ、気になることがな…」 上条「言いたいことは大体わかる。やっぱ説明しといたほうがいいか…」 詠矢「じゃあ、あの消えた炎、やっぱりあんたの『力』なのか?」 上条「俺はレベル0の無能力者だ。ただ…」 上条「この右手には、あらゆる異能を打ち消す力が宿ってるんだ」 詠矢「打ち消すって…能力者の能力もか?」 上条「そうだ。『あらゆる異能』ってのは、魔術も能力も含んでる」 上条「この右手で触れさえすれば、全て打ち消すことが出来ちまうんだ」
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108 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:20:55.39 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「はー、そりゃまた…。なんとも問答無用な能力だな」
詠矢「ま、おかげで命拾いしたわけなんだが…」 詠矢「(右手がどうやって異能の力を見分けてるのか)」 詠矢「(触れる、とは言っても、厳密な効果範囲は何処から何処までなのか)」 詠矢「(なんとも『論証』しがいのありそうな能力だねえ…)」 上条「じゃあ、俺も聞いていいか、えっと…」 詠矢「俺のことは詠矢でいい」 上条「そっか。じゃあ詠矢、お前こそ何者なんだ?」 上条「この状況で、まるで緊張感もねえ。それどころか楽しんでるように見える」 上条「まだわかってねえんじゃないのか?相手は本気なんだぞ…」
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110 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:21:06.29 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「こんなことは初体験でね。まだ臨場感が足りないのは事実。だが、状況は理解してるつもりだ」
詠矢「それとな、俺にとって知識と経験はそのまま力になる」 詠矢「誰だって、成長を実感してるときは楽しいもんだろ?」 上条「…どういうことだ…全然わかんねえよ」 詠矢「そらそうか。俺の能力説明してねえもんな」 詠矢「俺も能力者だ。が、上条サンと同じレベル0。能力の名は絶対反論(マジレス)」 詠矢「能力に対して論証を…」 詠矢の言葉をさえぎるように、空中に次々と火の玉が浮かぶ。その数は、あっと言う間に目で追える限界を超えた。 上条「くそっ!もう見つかったか!」 詠矢「なんだ、これ…これが敵の攻撃か?」 上条「そうだ、コイツがヤバイんだ…逃げるぞ!!」 詠矢「いかにも襲ってきそうだしねえ…おうさ!」
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111 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:21:18.61 ID:Lt5VrRjYa - 火の玉は躊躇無く彼らに襲い掛かり、次々と炸裂する。
詠矢「うおっ!!爆発とかシャレになってねえぞ!」 上条「だからヤベエつったろ!!」 詠矢「(今のところ逃げ回ってれば何とかなるが、この手数、いずれ追い詰められるな)」 詠矢「なあ上条サン、敵の数は何人かわかるか?」 上条「多分、四〜五人、そのうち一人がこの魔術を使ってる魔術師だ」 詠矢「よし、大した数じゃねえな。ならこっちから攻めに出よう」 上条「そりゃ俺だってそうしたいけど…。逃げるので精一杯だろ!!」 詠矢「確かにまあ…うおっ!!(ドドドドドッ)」 上条「詠矢!俺の後ろに!!」 詠矢「たのむ!!」 上条「こなくそっ!!(キュイーン)大丈夫か!」 詠矢「…いや、助かったぜ。ありがとさん」 詠矢「しかし…このままじゃジリ貧だ。どうしたもんか…」 上条「なんか手があるのか?詠矢」
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112 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:21:40.31 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「…上条サン。敵の人数が解ってるってことは、一旦相手と接触したんだよな?」
上条「ああ、攻撃が始まってからしばらくして、何人かに囲まれたんだ」 上条「その中の一人が、炎の魔術を撃ってきて…」 詠矢「なるほど…つまり。奴らには接触する必要があったってことか…」 詠矢「さっきからのこの火球の攻撃、散発的過ぎると思ってたんだ」 上条「この攻撃は奴らの決め手にはならないってことか」 上条「実際、逃げ回ってればなんとかなるわけだからな」 詠矢「そう、その通り。これは敵を追い詰める手段に過ぎない」 詠矢「逆に言えば、こっちが消耗する前に、やっぱり打って出る必要があるな」 詠矢「…」 上条「なんだよ、急に黙って」 詠矢「…上条サン、酷いこと言っていいか?」 上条「なんだ…?」 詠矢「囮になってくれ」 上条「…はい?」
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113 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:21:56.69 ID:Lt5VrRjYa - (空き地)
路地を抜けた奥にある少し開けた場所。鉄骨が組み上がっただけの建設中のビルと、その資材が並べられている。 その中央に一人立つ青年、上条当麻である。 上条「…さあて」 上条「さあ、魔術師、もう弾切れか!?。俺はここにいるぞ!!」 ??「……」 影からにじみ出るように現れる5体の人影。それは、ちょうど星形になるように上条の周囲を取り囲む。 魔術師「ついに観念したか。上条当麻」 上条「あきらめてなんかいねえよ。ちょっと追いかけっこに飽きただけだ!」 魔術師「逃げるのをやめたのなら同じこと…。生きて帰れると思うなよ」 上条「やっぱりそうか…」 魔術師「…ん?」 上条「俺を殺したいのなら、さっきの魔術でやればいい」 上条「わざわざ姿を見せたってのは、そうする理由があるからだ」 魔術師「ハッ、何を言うかと思えばその程度の事か。それがわかったとろで何になる」
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117 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:22:14.92 ID:Lt5VrRjYa - 魔術師「どの道お前の命が尽きることには変わりはないわ!」
上条「どうかな…お前に俺が倒せるか?」 上条「その炎じゃじゃあステイルの足元にも及ばないぜ!」 魔術師「あのイギリスの魔術師か…。結構、私が劣るというのなら…逃げおおせてみることだな!」 魔術師「……」 魔術師が詠唱を始めると、周囲の兵らしき者が、懐から得物を取り出す。 兵A「…(シャキン)」 兵B「…(シャキン)」 兵C「…(シャキン)」 兵D「…(シャキン)」 上条「(なんだ、武器が変形して伸びた?3mぐらいないか?どうするつもりだ…)」 魔術師「死ねっ!!」 上条「うわっ!!」
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118 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:22:30.80 ID:Lt5VrRjYa - 魔術師の両手から放たれる一条の炎。それは扇状に広がり、あっという間に上条を包み込む。
上条「…!!(キュイーン)…」 上条「(くそっ!。この炎!!。確かに威力はステイル程じゃないが…」 上条「(効果範囲が広すぎる…。右手じゃ消しきれねえ!!)」 兵A「…(ザッ)」 兵B「…(ザッ)」 兵C「…(ザッ)」 兵D「…(ザッ)」 上条「(距離を…詰めてきやがる…。ダメだ、身動き取れねえ!!)」 詠矢「(ザッザッザッザッ)うりゃあ!!中段蹴りぃ!!」 兵B「…なっ!!」 何処からとも無く走ってきた詠矢の蹴りが、振り返ろうとした兵の脇腹に見事に命中した。
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119 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:22:49.94 ID:Lt5VrRjYa - 兵B「…ぐあっ!!…ゲフッ…(ガクッ)」
詠矢「よし、一人無力化…」 魔術師「なんだと!!伏兵か!」 上条「(…魔術が弱まった…集中が途切れたか?今なら抜けられる!)」 上条「…っ!!(ゴロゴロ)」 魔術師「しまっ…た!!」 詠矢「上条サン、大丈夫か!」 上条「ああ、おかげさんでなんとか…」 上条「あと、解ったぜ、奴らの狙いが…」 詠矢「狙い…ってーと?」 上条「魔術の攻撃は、俺を押さえ込むための手段でしかない」 上条「火球や炎で動きを封じて、あの長い武器で範囲外から攻撃するつもりだ」 詠矢「なるほど…魔術では上条サンを倒せないと初めから解ってたんだな…」 詠矢「あの武器…ハルバードってヤツかな…。しかしセコイ作戦だなあ」 魔術師「……」
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120 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:23:11.58 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「そこまで解れば話は早い。要するにだ」
詠矢「周りのザコを倒せば、その作戦は成立しなくなる!」 詠矢「上条サン、あの偉そうなヤツは後回しだ。あと一人引き受けるから、残りは頼むぜ!(ザッ)」 上条「勝手にノルマ決めるなよ!まったく…(ザッ)」 上条「さあて…悪いが、しばらく眠っててもらうぜ」 兵D「…(ガシャン)」 上条「…(武器を放した…まさか!)」 兵D「…!(ヒュッ)」 上条「とっ…とととっ!!(ザザッ)」 兵D「なにっ!!避けた、だと!?」 上条「懐から短刀か…あっぶねえ。もうちょっと気づくのが遅かったらヤバかったな」 兵D「貴様、いったい…!」 上条「黙ってろ!(ドカッ)」 兵D「…!!(ゴロゴロゴロ)…(ガクッ)」
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123 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:23:26.54 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「(うわ、吹っ飛んだよ。すげえパンチ力だな…)」
詠矢「さあて、こっちも負けてられねえな」 魔術師「やらせんぞ…」 魔術師「やらそんぞーーーーー!!!(ゴオッ)」 上条「うわっ!!!」 詠矢「また炎か!。上条サン!!」 上条「…!!!(キュイーン)…」 詠矢「(ダメだ、炎の効果範囲が広すぎて消しきれてねえ)」 詠矢「(あれが有る限り、まだ相手の有利は覆らない…)」 詠矢「(イチかバチか、やってみるか…)」
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124 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:23:38.93 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「おい、そこの魔法使い!!」
魔術師「…私は魔術師だ!」 詠矢「この際どっちでもいい!」 詠矢「魔術だか何だか知らないが、炎を起こしてることには変わりないな」 詠矢「それだけ膨大な火を起こすには、それ相応の可燃物が必要だ」 詠矢「しかもこれだけの範囲に広がるということは」 詠矢「可燃物は気体か液体のはず」 詠矢「見たところ、あんたはボンベもタンクも持ってるようには見えない」 詠矢「そんな大量の可燃物、どっから調達してるだ?」 魔術師「…ハハッ…」 魔術師「ハーッハハハハ!!愚か者め!!」 詠矢「…なんだ?」 魔術師「これは魔術!可燃物など必要ないわ!!」
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126 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:23:55.65 ID:Lt5VrRjYa - 魔術師「独自の原理によって生み出される力だ。科学側の前提など関係あるものか!!」
詠矢「な…なんだと!そんなインチキがあるか!」 詠矢「可燃物が必要ねえなんて…じゃあその炎は『燃焼』じゃ無いってのか!」 魔術師「同じ事を何度も言わせるな!。これは純粋な『魔術』の炎だ!」 詠矢「(くそっ!。やっぱりダメか。魔術を論証するには情報が少なすぎる)」 詠矢「(最初の計画通りザコを倒して…)」 魔術師「おっと…お前にも動かれては困るのでな…(スッ)」 詠矢「…!!炎と火球を同時に!」 詠矢「うわっ!!(ドカドカドカッ)」 上条「詠矢ー!!」 詠矢「(ぐっ…やべえ…逃げ回るのにも限界が…)」 詠矢「(諦めるな、諦めるなよ…何か手があるはずだ…)」
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128 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:24:25.10 ID:Lt5VrRjYa - 魔術師「さあて、仕上げといこうか…」
魔術師「上条当麻…。貴様の首と右腕、貰い受ける」 兵A「…(ジャキン)」 兵C「…(ジャキン)」 詠矢「上条サン!!」 魔術師「…死して我がローマ正教の礎となれ!!」 詠矢「…」 詠矢「…あ?」 詠矢「…お前今なんて言った?」 魔術師「なんだと…?」 詠矢「ローマ正教っていやあ、十字教の一派だよな?」 詠矢「あんたら宗教関係者なのか?」 詠矢「っていうか、風体からして僧侶だよな?」
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129 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:24:37.73 ID:Lt5VrRjYa - 魔術師「…?」
詠矢「僧侶がなんで炎なんか撃ってるんだよ」 詠矢「僧侶が使えるのは回復と補助、あと風系の攻撃呪文だけだろうが」 詠矢「世間の常識ひっくり返してんじゃねえよ…」 魔術師「お前は何を言ってるんだ」 詠矢「それに…神ってのは慈愛と許しの象徴だよな?特に一神教はそうだ」 詠矢「その神の使徒である聖職者が、人を傷つけることしか出来ない攻撃魔法を」 詠矢「平気で使ってるんじゃねえよ」 魔術師「な…なんだと…。これは、その教えを守るために」 魔術師「神が我々に与えて下さった力だ!!」 詠矢「じゃあ何か?おまえんとこの教義には」 詠矢「『目的のためには手段は選ぶな』とか」 詠矢「『邪魔なヤツは抹殺してかまわない』とか」
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130 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:25:15.99 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「書いてあるってのか?」
詠矢「だとしたらその宗教ってのは」 詠矢「どんでもねえ邪教だなあ!!」 魔術師「な、何を言う!ローマ正教の教義は…!!?」 魔術師「(…なんだ、魔術が…安定しない!!。炎が…消え…る…!) 詠矢「…!?(ちょっとまて、今のはキレてぶちまけただけだぞ)」 詠矢「(これでも効果あるのかよ!?)」 上条「炎が…?弱く…」 詠矢「上条サン!なんだかよくわからんが今だ!」 上条「わかった!!…(ザッ)」 魔術師「あ…慌てるな。詠唱の再構築を…」 上条「遅え!!」 魔術師「…く…そっ…炎よ!(ゴオ)」 上条「この程度…かき消せる!(キュイーン)…弾けろっ!(ドカッ)」 魔術師「ぐふぁぁぁっ!!!(ゴロゴロゴロ)……(ガクッ)」
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132 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:25:33.15 ID:Lt5VrRjYa - 上条「はあっ…はあっ…」
詠矢「…やったな…上条サン」 詠矢「さあて…残りはあんたらか?」 兵A「…(ガシャン)…(ササッ)」 兵C「…(ガシャン)…(ササッ)」 上条「逃げたか…」 詠矢「正直、助かるな…これ以上はキツイわ…」 上条「休んでるヒマねえぞ。結構な騒ぎになっちまった」 上条「すぐにアンチスキルが来る」 詠矢「なるほど…こっちも退散したほうがよさそうだな」 上条「詠矢、お前も寮生か?」 詠矢「ああ。そうだそうだ、ちょうど迷ってたところなんだわ」 上条「よし、じゃあとりあえず寮まで戻ろう。話はそれからだ」 詠矢「うい、賛成。案内してくんなー」
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133 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:25:44.56 ID:Lt5VrRjYa - (窓のないビル)
理事長「わざわざ君のほうから来るとは珍しい」 理事長「なんの用だね?」 土御門「ちょっと確かめたいことがあってな」 土御門「単刀直入に言おう。ヤツの能力…どう見る?」 理事長「新たに発見された原石のことかね?」 理事長「…君こそ、既に対象に接触したようだね」 土御門「ああ、ちょっと前になるがな」 土御門「まさかカミやんに先を越されてるとは思わなかったが…」 土御門「話によれば、魔術にも効果を発揮したらしいぜ?」 理事長「こちらでも情報は掴んでいるさ」 理事長「既に、レベル5である御坂美琴の能力を抑えた実績も有る」 土御門「へえ…あのレールガンをねえ…」 土御門「そこまで知ってて放置してるってのは…何か考えでもあるのか?」
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135 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:26:02.48 ID:Lt5VrRjYa - 理事長「いや…わからんさ」
土御門「なに?」 理事長「私とて、全てを知っているわけではない。全てを予想できるわけでもない」 理事長「特に彼の能力は未知数で不確定だ。どんな可能性を持っているかもわからない」 理事長「今の段階で、下手に介入するわけにもいかないのでね…」 土御門「だからといって、このままってわけにもいかんだろ?」 理事長「それはわかっている」 理事長「今まで通り監視を続ける。必要とあればこちらからも動く」 土御門「開発部の方で不穏な動きも出ている」 土御門「手遅れにならなきゃいいがな…」
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137 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:26:22.69 ID:Lt5VrRjYa - (とある高校)
詠矢「さーて、やっと昼休みか…」 詠矢「いろいろあったけど、どうにか転校初日にまでこぎつけたなあ…」 詠矢「正直生きてるのが不思議なぐらいイベント連発だったけどな」 詠矢「ま、今日のところは最初の挨拶もつつがなく済ませたし、順調な方かな」 詠矢「とりあえずメシだな。やっぱり学食行くのが定番か」 詠矢「えーっと…どこだっけか」 詠矢「なんか俺、昨日からやたらと迷ってないか?」 詠矢「…あれ?あの見覚えのある髪形は…?」 上条「…お、っと…詠矢じゃねえか!」 詠矢「あ、上条サン。ちわす。でもなんでここに?」 上条「そりゃ、同じ寮に住んでるんだから、高校も同じだろう」 詠矢「…そういえばそうか…当たり前だよな」 詠矢「なんせこっちに来たばっかりでねえ…いろいろと勝手がわからなくて」 上条「来たばっかり?…って、お前もしかして転校生なのか?」 詠矢「そうだぜ?ああ、それも説明してなかったか」 詠矢「俺は学園の外から来た。ちょうど上条サンと会った日にね」 詠矢「んで、今日は登校初日ってわけさ」
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139 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:26:39.64 ID:Lt5VrRjYa - 上条「そうなんか…どうりで見たこと無い顔だと思ってたんだよ」
詠矢「まあ、そういうわけで学校の方でもよろしくな。上条サン」 詠矢「で…、そちらのワイルドなお兄さんは?」 上条「へ?…ああ、そうか初対面だよな」 上条「コイツは土御門、俺のクラスのヤツでさ…」 土御門「始めましてだにゃー」 土御門「俺は土御門元春。カミやんのマブダチだぜい」 詠矢「おう、俺は詠矢…詠矢空希ってもんだ。よろしくなー」 土御門「カミやんから聞いたぜい。なんかすごい能力者らしいにゃ」 詠矢「すごいのかどうか俺にもまだわからないけどね…」 土御門「俺は絶対反論(マジレス)だっけか?。聞いたことのない能力だねえ」 土御門「しかも、学園に来たばかりってことは」 土御門「能力開発を受けて無い『原石』ときたもんだ」 詠矢「…」 土御門「自覚があるかどうかわからんが、あんたはすさまじいレアキャラなんだぜい?」 詠矢「情報としては知ってるが…自覚はねえかな…」 土御門「というわけで、そんなレアキャラの詠矢さん、改めてよろしくにゃ」 土御門「カミやんの新しい友達だっていうから、ぜひお近づきにと思ってねい」
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141 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:26:54.04 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「…友達?…俺がか?」
上条「ああ、そうだよ。まさか違うとか言うつもりじゃねえだろうな?」 詠矢「んー、まあ、それは願っても無いが…」 詠矢「っていうより、大歓迎だな。こちらこそよろしくな、土御門サン(スッ)」 土御門「ああ、(ガシッ)。えーっと、上条がカミやんだから、詠矢はヨメやんでいいかにゃー?」 詠矢「ヨメやん?…ははっ、いいなそれ」 詠矢「なかなか面白いじゃねえの。好きに呼んでくんな」 土御門「じゃあヨメやんだぜい」 詠矢「……」 土御門「どしたね、ヨメやん?」 詠矢「土御門サン、なんか部活やってる?」 土御門「いや、なんもやってないぜい?」 詠矢「じゃあ、学校外で、子供のころからなんかやってるとか?」 土御門「それも無いにゃー…何でそんなこと聞くんだ?」
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143 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:27:35.63 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「俺もガキの頃からそこそこたしなんでるでわかるんだが…」
詠矢「土御門サン、かなりいい体してるよなあ…」 詠矢「しかも、単純に鍛えただけじゃそんな体にはならない」 土御門「…」 詠矢「格闘技でもやってるんじゃないかなって思ったんだけどね…」 詠矢「変なこと聞いて悪かったな」 土御門「…いやいや、別にかまわんぜい」 上条「お前ら…その辺でいいか?」 上条「早くしないと昼休み終わっちまうぞ」 詠矢「ああ、そうだったな」 詠矢「んじゃ食堂行こうぜ、上条サン。案内よろしく」 上条「よっしゃ、任せとけ!。おい、行くぞ土御門」 土御門「…わかったぜい」
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144 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:27:45.36 ID:Lt5VrRjYa - とある高校 食堂)
詠矢「ふう、食った食った…」 上条「なんだよ詠矢、言うほど食ってなかったじゃないか」 詠矢「いやいや、まだ色々と物入りでねえ…」 詠矢「いきなり携帯も変える羽目になっちまったし」 詠矢「いろいろと節約しないとな」 上条「そりゃまあ、引っ越してきたばっかりで大変だろうけどさ」 上条「メシをガマンするのは辛くねえか?」 詠矢「これでも、金額と満足度を最大効率で考えて食ったつもりだぜ」 上条「…いちいち言い回しが解りにくいぞ、お前」 詠矢「それはそうとして、上条サン」 上条「ん、なんだ?」
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146 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:28:02.35 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「放課後にでもさあ、学校とか町とか案内してくんねえかな?」
詠矢「昨日から迷ってばっかりでさ、いろいろ教えてくれると助かるんだけどなあ…」 上条「それが今日は無理なんだよ。放課後バイトでさ…」 詠矢「なに、バイトですと?」 詠矢「もし空きがあれば、ぜひ俺にも紹介して頂きたいんですが!!」 上条「な、なんだよいきなり。普通のコンビニだぞ?」 詠矢「先ほど申しましたとおり、こっちの財政状態は非常に逼迫しているのです」 詠矢「早いことバイト見つけないとヤバイんだよ」 詠矢「コンビニぐらいがちょうどいいと思ってたとこだし、上条サンと同じ職場だと安心だ」 詠矢「頼むぜ上条サン!」
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149 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:28:22.92 ID:Lt5VrRjYa - 土御門「ほれほれ、『友達』の頼みだぜカミやん。なんとかしてやんなよ」
上条「あ…ああ、確か今募集してたと思うから…」 上条「店長に話してみるよ…」 詠矢「恩に着るぜ上条サン!じゃあ早速放課後に行くか」 上条「わかったわかった…じゃあ校門で待ち合わせな?」 詠矢「よし、決まりだ。じゃあ、また後でな」 詠矢「土御門サンもまたなー」 土御門「ああ、またにゃー」 詠矢「…(さてと)」 詠矢「(上条サンといると色々繋がってくるねえ)」 詠矢「(しかし…土御門って人、ありゃだだモンじゃねえな…)」 詠矢「(能力への知識、あの体つきと独特の雰囲気)」 詠矢「(修羅場くぐってるタイプって感じだね)」 詠矢「(…あの対応でよかったのかね)」 詠矢「(まあ、隙の無い奴だと思わせといたほうがいいだろうし)」 詠矢「(あんなもんかね…)」 詠矢「おっと予鈴だ…教室戻んねえと…」
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151 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:28:30.93 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「俺もガキの頃からそこそこたしなんでるでわかるんだが…」
詠矢「土御門サン、かなりいい体してるよなあ…」 詠矢「しかも、単純に鍛えただけじゃそんな体にはならない」 土御門「…」 詠矢「格闘技でもやってるんじゃないかなって思ったんだけどね…」 詠矢「変なこと聞いて悪かったな」 土御門「…いやいや、別にかまわんぜい」 上条「お前ら…その辺でいいか?」 上条「早くしないと昼休み終わっちまうぞ」 詠矢「ああ、そうだったな」 詠矢「んじゃ食堂行こうぜ、上条サン。案内よろしく」 上条「よっしゃ、任せとけ!。おい、行くぞ土御門」 土御門「…わかったぜい」
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153 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:28:51.53 ID:Lt5VrRjYa - (とあるコンビニ)
上条「ありがとうございましたー」 上条「ふう、一段楽したかな…」 詠矢「こっちも品出し終わったぜ」」 上条「おう、お疲れさん」 詠矢「いやあ、感謝するぜ上条サン。いいバイト紹介してくれて」 上条「そうか?普通のコンビニのだろ?」 詠矢「しらばっくれてんじゃねえよ…。ほら、店長がまた集めてくれてるぜ」 上条「ここの店長は廃棄品に甘いからな。少々持って帰っても大丈夫さ」 上条「時給は普通なんだけど、これが助かるんだよなあ」 詠矢「食費が抑えられるってのはありがたいやね」 上条「全部持ってくなよ。廃棄もそれなりに出さないと怒られるらしいから…」
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155 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:29:04.71 ID:Lt5VrRjYa - 上条「んじゃ、俺は倉庫の片付け行ってくる。レジ頼むぜ」
詠矢「うい。頑張ってなー」 詠矢「…」 詠矢「こっちに来しばらく経ったけど…」 詠矢「なんだかんだで結構知り合いも結構出来たし」 詠矢「バイトも学校も順調だし言うこと無いねえ」 詠矢「青春を謳歌してるってヤツかな!!」 詠矢「…」 詠矢「なんだろうこの一抹の空しさは…」 詠矢「まあいいや、雑誌の整頓でもしとくか…」
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159 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:29:27.76 ID:Lt5VrRjYa - ??「…」
詠矢「(お、お客さんだ)いらっしゃいませー」 御坂「え!」 詠矢「お、御坂サンじゃねえの。お久しぶりー」 御坂「なんでアンタがここにいるのよ!!」 詠矢「そりゃバイトしてるからに決まってるだろ」 詠矢「ほれ、バッチリ制服も着てるぜ」 御坂「…なんでたまたま寄ったコンビニで…」 御坂「よりにもよってアンタなんかに出会わないといけないのよ!」 御坂「なんの冗談よこれは!」 詠矢「ほら、また会うって言ってただろ?」 詠矢「なんかの縁なんだよ。こういうのもな…」 御坂「そんな縁、チェーンソーかなんかでブチ切ってやりたいわね…」 詠矢「まあまあ、そういうなよ。せっかくだからなんか買っていきな」
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160 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:29:39.88 ID:Lt5VrRjYa - 御坂「いいわよ、もう。どうせ立ち読みに来ただけだし、ここじゃなくたって…」
上条「詠矢、片付け終わったぜ」 御坂「え…!!」 上条「げ…ビリビリ…」 御坂「あんたねえ、いい加減にその呼び方やめなさいよ!!」 上条「ええ、はいはい、そうでしたね。御坂様」 上条「で、常盤台のお嬢様がこんな場末のコンビニに何の御用ですか?」 御坂「そりゃお客に決まってるでしょ!もっと丁重に対応しなさいよ!」 詠矢「さっき立ち読みに来ただけだって…」 御坂「…(ジロッ)」 詠矢「…なんでもございませんお客様」
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162 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:29:54.00 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「しかし、お二人が顔見知りだったとは…」
詠矢「上条サンの顔の広さには改めて驚愕だねえ」 上条「知り合いっつーかなんつうか…まあ、いろいろありまして…」 御坂「何よその嫌そうな顔は…」 上条「いえいえ、決してそのようなことは…」 上条「っていうか、詠矢こそ御坂と知り合いなのか?」 詠矢「ああ、まあね…。こっちも少々ありまして…」 御坂「…まあ…ちょっとね」 御坂「じゃなくて!話そらさないでよ!」 御坂「アタシと知り合いなのがそんなに嫌なわけ?」 上条「いえ、決してそのようなことは…」
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165 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:30:09.15 ID:Lt5VrRjYa - 御坂「じゃあなんでそんな引きつりまくった顔なのよ!(バチッ)」
上条「いや、…そうでなくてですね…ここで電撃を打たれるとですね…店の商品が…」 詠矢「…」 詠矢「仲いいな…あんたら…」 上条「へっ?」 御坂「へっ?」 詠矢「もしかして付き合っちゃってるとか?」 御坂「…!!」 御坂「な…、何言ってんのよ!バッカじゃないの!?なんでアタシがこんなヤツと付き合わないといけないのよ!!」 上条「違うぞ詠矢、それは激しく違う…。ていうかこの状況をみてなぜその結論に達するんだ…」 詠矢「…うわー…」 詠矢「ダメだよそれ、御坂サン」 御坂「…?」
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167 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:30:25.07 ID:Lt5VrRjYa - 詠矢「しゃべり始めのどもり、そしてその後の強すぎる否定。これはほぼ確定なのですよ御坂サン」
御坂「…アンタ何言ってんの?」 詠矢「そう、そしてこれ以上突っ込まないほうがいいのもまた道理」 詠矢「というわけでタワゴトだと思って聞き流してくんな」 御坂「…相変わらずわけわかんないヤツね…」 上条「詠矢が壮大な誤解をしてるようなのは気のせいでしょうか…」 詠矢「いや、もういいよ。この情報はいつか実を結ぶときが来るかもしれない」 詠矢「そのときまで俺の胸にしまっとくよ」 御坂「なんか、明らかにバカにされた気分ね…」 御坂「…フン…(スタスタ)」
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171 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:30:55.94 ID:Lt5VrRjYa - 上条「帰るのか?買い物はいいのかよ」
御坂「コンビになんて何処でもあるでしょ。わざわざこんな気分の悪いとこで買いたくないわ!」 御坂「…」 詠矢「帰っちまったか…」 上条「どうにか商品は無事だったな…」 上条「ふう…」 詠矢「どした、ため息なんぞついて」 上条「なんでこう、俺の周りのヤツはこんなのばっかりなんだ…」 上条「おかげで、上条さんの毎日はお祭りサバイバルな状態なんすよ!」 上条「俺だって普通に学生生活をエンジョイとかしたいわけでね…」 詠矢「エンジョイってーと?」 上条「そりゃやっぱり恋とか勉学とかを普通にたしなんででだな…」 詠矢「…」 上条「んで、彼女でもつくってさあ、こう…」 詠矢「……いやいや」 詠矢「彼女なら結構な勢いで作れそうなんだが…」 上条「それがさあ…どうにも出会いが無くてなあ…」 詠矢「…上条サン、割と本気で殴っていいか?」 上条「…なんでせうかその物騒な申し出は」
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173 :風吹けば名無し@無断転載禁止[]:2017/01/10(火) 07:31:10.28 ID:Lt5VrRjYa - (とある街角 夕刻)
詠矢「今日も良く働いたなあ…」 詠矢「さーて、晩飯は確保してるけど、ちょうどいい時間だし」 詠矢「スーパー寄って見切り品でも漁るかねえ」 詠矢「…♪」 詠矢「…お」 詠矢「(女の子が…絡まれてるのか?)」 詠矢「(この最先端の詰まった学園都市で、昭和の風景だねえ)」 詠矢「(しかしまあ、ちと路地の奥とはいえ、こんな往来で…アホじゃねえか?)」 詠矢「(ま、イベントが発生してるんなら積極的に攻めますか)」
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