トップページ > なんでも実況J > 2015年10月07日 > NcHXLjmqM

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風吹けば名無し@転載禁止
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初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
43 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:45:43.53 ID:NcHXLjmqM
「初霜……今日はえらく積極的だな。」
「今日は散々一方的に悪戯されましたから。ちょっとした仕返しです。」
そう言って初霜は提督をこたつから引っ張る。
「提督、駆逐艦寮まで送ってって下さい。」
「……敷地内だし、憲兵も居る。俺がついて行かなくとも危ない所は無いだろう。」
「そうじゃないんですよ。……こたつから出たら寒いじゃないですか。くっついていれば暖かいでしょ?」
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
44 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:45:58.20 ID:NcHXLjmqM
そう言って初霜は提督の腕に引っ付いた。
「つまり俺と一緒に腕組んで歩きたいと?」
「駄目ですか?」
「いや、むしろ大歓迎。」

楽しそうに言って提督はこたつから這い出した。


初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
45 :ケッコンカッコカリ〜初霜の場合〜.txt[sage]:2015/10/07(水) 21:46:14.53 ID:NcHXLjmqM
フー、っと息を吐き出しながら私は敵フラグシップ級のル級に狙いを定める。夜の闇のせいでル級はこちらの位置をまだ把握していない。
腰の魚雷発射管に装填されているのは必殺の61cm酸素魚雷である。直撃すれば一撃で戦艦でも空母でも葬り去れるそれはかつての戦争で
連合軍からロングランスと恐れられた。駆逐艦から大型艦艇へ唯一致命傷を与えられる「槍」を私は放つ。

バーンという威勢のよい音と共に発射された計6発の酸素魚雷はル級に向かって海中を走っていく。私は心の中で命中までの時間をカウントする。

(…5、4、3、2、1…外れた!?)

炸裂音もしないし水柱も上がらない。ル級はこちらに気づいたようだ。ル級の16inch3連装砲の砲口と目が合った。背筋が凍る。

次の瞬間16inch砲が火を吹いたのが見えた。回避しなければ。と、頭では思うが体が反応しない。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
46 :ケッコンカッコカリ〜初霜の場合〜.txt[sage]:2015/10/07(水) 21:46:33.16 ID:NcHXLjmqM
次の瞬間、赤いペイント弾が私の腹に命中する。実戦だったら良くて大破。最悪轟沈していただろう。

見届け人兼教官役として付いて来ていた神通がル級を模した標的を回収している。この標的は自律して動き敵として
認識した物にペイント弾を発射する仕掛けが付いている。他にも幾つかタイプがあり深海棲艦との戦いを意識した訓練の時には有用だった。

「珍しいわね、アンタがやられるなんて。」
脇から訓練の様子を見ていた霞が声をかけてきた。胸元に着けてある「18」と書かれた部隊章が目を引く。
それはピカピカに磨き上げられており彼女が自分の所属している部隊に誇りを持っているという事が伺えた。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
47 :ケッコンカッコカリ〜初霜の場合〜.txt[sage]:2015/10/07(水) 21:46:49.37 ID:NcHXLjmqM
「珍しいわね、アンタがやられるなんて。」
脇から訓練の様子を見ていた霞が声をかけてきた。胸元に着けてある「18」と書かれた部隊章が目を引く。それはピカピカに磨き上げられており彼女が自分の所属している部隊に誇りを持っているという事が伺えた。
「あぁ、ちょっと今日は調子が悪くて…」
「…アンタ、何かあったんじゃないの?」
「別に何も無いわよ。」
「嘘おっしゃい。アンタと私の仲じゃない、それくらい分かるわよ。」
前世で同じ隊に所属した事もあり、坊の岬沖海戦でも共に戦った彼女とは現在でも友人同士である。
「訓練終わったら少し付き合うわよ。相談に乗るくらいならしてあげるから。」
彼女の性格は若干トゲトゲしい所があるものの、信用足りうると認めた相手にはとことん親身になってくれる。私はそんな彼女の性格は嫌いじゃない。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
49 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:47:05.84 ID:NcHXLjmqM
「えぇっ!アイツの方から告白して来た?!」
「ええ。」
訓練を終え帰還後ラウンジにて話を聞いてくれた霞はとても驚いた様子だった。当然である、私は以前提督に対する恋愛感情を彼女に相談した事があったからだ。それが提督の方からアクションをして来たのだ。やはり私は幸運なのだろう。
「で?なんて返事したの?」
「ええっとね…それがちょっと面倒な事になっちゃって…」
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
50 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:47:32.46 ID:NcHXLjmqM
回想

昨晩

私が秘書艦の仕事を終え、部屋に帰ろうとした時提督は声をかけて来た。
「初霜、ちょっと時間良いか?」
「はい、大丈夫です。」
「…あぁ、ソファにでも腰掛けていてくれ。」
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
52 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:47:54.24 ID:NcHXLjmqM
とりあえず言われた通りに私はソファに腰掛ける。
「…重要な話だ。多分、俺にとっても君にとっても。」
「…?新たな作戦か何か開始されるんですか?」
「…作戦と言うか、何と言うか…」
提督は初霜と向かい合う形で座った。
「俺にとっては…真珠湾、ミッドウェー並みの…いや、それは言いすぎか。そうだ、キスカだキスカ撤退戦。それくらい真剣な話だ。」
「キスカ…」
あの作戦には私も参加していた。その時の記憶が蘇る。あれほど上手く事が運んだ作戦は後にも先にも無いだろう。艦娘に転生した後も私はキスカ島(暗号名ではキス島)で包囲されていた陸軍の包囲を解いた事があったが、
その時は途中で深海棲艦の戦艦と遭遇して酷い目にあった。それを考えると木村提督がどれだけの運と指揮能力を持っていたかが良く分かる。霞がイマイチ提督を信用していないのはきっと彼女が
そんな木村提督のミンドロ島沖海戦での座乗艦になった事があるからだろう。提督と木村提督を比べたくなる気持ちも分かるが流石に相手が悪い気がする。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
53 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:48:09.96 ID:NcHXLjmqM
一方でしばらくブツブツ何か呟いていた提督だが、私が心ここにあらずといった状態だったので少し心配になったようだ。声をかけて来た。
「…初霜…?良いか?」
「っ!ごめんなさい!」
「もう一度言う。とても重要な話だ、しっかり聞いてくれ。」
「は、はい。」
すー、と息を吸い込んだ提督は覚悟を決めた様で一気に話した。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
54 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:48:25.56 ID:NcHXLjmqM
「初霜…好きだ。」

「…って、ええっ!?」
「…すぐに答えを出してくれなくても良い。ただ俺の気持ちは覚えておいてくれ。」
パニックだった。北号作戦でも坊の岬沖海戦でも生還した私だが、今回ばかりは焦った。憧れの人も私の事を好いてくれていた…なんて幸運なんだろうか私は…今の私は雪風ちゃんすら凌駕する存在だ!!
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
56 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:48:46.65 ID:NcHXLjmqM
だが、嬉しいと同時に私にはまだ心の中で少し迷いが有った。結果、
「…今の私は恋愛には興味がないの。それでも、待っててくれるの…?」
「…あぁ、いつまでも待ってやるさ。」
結局昨晩はそんな聞き方によっては死亡フラグに聞こえかねない台詞を残して撤退して来た。
これでは戦争が終わる直前に「私実は鎮守府に恋人が居るんですよ、戻ったらプロポーズしようと…実はもう花束も買ってあったりして。」
とか僚艦に呟いて直後にレーザーか機雷に吹き飛ばされてしまうかもしれない。どこかのポロが趣味のF−16乗りみたいに。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
58 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:49:10.90 ID:NcHXLjmqM
回想終了

「で、逃げてきたと…」
「…まぁ、そうなるわね…」
「なにやってんのよ…このグズ。応援してる私が馬鹿みたいじゃない…」
「返す言葉も見つからないわ…」
案の定霞はため息をついて「きみはじつにばかだなぁ…」とでも言いたげな表情で私を見てくる。視線が痛い。

「…なに?アンタ本当にアイツとくっつく気あるの?脅すわけじゃないけど、アイツ狙いの艦娘なんていっぱい居るわよ。」
ざっと思い浮かべるだけでも提督に好意以上の感情を持っている艦娘は多い。いつも積極的にアプローチを掛けている金剛を初め、雷、大鳳、瑞鳳、如月、榛名…ライバルは多い。
うかうかしてると提督を取られてしまう可能性もある。戦場で狙っていた標的を横取りされるのとは訳が違うのだ。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
59 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:49:29.31 ID:NcHXLjmqM
「私の思いは本気よ!!」
「だったら…」
「私の思いは本気…でも、ちょっと迷いもあるのよ…」
「迷い?」
一呼吸置いて私は語った。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
61 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:49:50.70 ID:NcHXLjmqM
「今は戦時よね…そんな中で私は提督と結ばれていいのかしら…って思って。」
私達は艦娘。守るべきものの為この身が文字通り水漬く屍となるまで戦わなければならない。そんな中で私は途中で幸せになっても良いものなのだろうか…
「何だ、そんな事?」
「何だ、って!私は本気で悩んで苦しんでるのよ!」
「…いい?初霜。この際だから言わせて貰うけどね、アンタは一人で色々抱え込み過ぎなのよ。」
「…」
霞は私が聴いてくれている事を確かめ、言葉を続ける。
「アンタは一人でも多くの人を守る為に戦ってる。それは私も立派だと思うし素直に尊敬するわ。でも、私に言わせれば全てを守り抜くなんてどだい無理なのよ。」
「そんな事!」
「…言い方が悪かったわ。所詮私達は言わば消耗品の艦娘、それも駆逐艦。一隻で出来る事なんて限られてるわ。
現に今日も戦場では誰かが死んでるし、そしてその人達を全員助けるなんてのも無理。」
そのまま霞は言葉を紡ぐ。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
62 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:50:06.62 ID:NcHXLjmqM
「…だから私は私自身の為に戦ってる…私自身と18駆の皆と鎮守府にいるたかだか数十人の為に戦ってる…」
「…」
「…アンタの信念を曲げろとは言わないわ。でも、もう少し肩の力抜いてもいいんじゃない?アンタのお姉さんの初春もいつも言ってるでしょ、戦争は一人でするもんじゃないって。」
「霞ちゃん…」
「…悪いけど、お国の為にどうとか、滅私奉公とかいう言葉、私は大嫌いなのよ。昔、阿呆な上層部が言い出したこの美辞麗句のせいで一体何人の貴重な人材が失われたことか…」
この辺はいかにも上層部嫌いで現場派な霞らしい。「後方の安全な防空壕に引きこもって現場に責任を負わせる事しか知らないお偉いさんに戦場の何が分かる。」というのが彼女の持論である。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
64 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:50:26.29 ID:NcHXLjmqM
「好きなら好きで良いじゃない、そんな面倒くさい事考えてないで。自分の気持ちに素直になりなさいな…
私はアイツの事は上官として信用はしてないけど、一人の男としては友達を任せるくらいに信頼はしてるから。」
提督にはきつく当たる事も多い霞だが、決して提督の事が嫌いな訳ではない。それなりの理由がある。
なんでも前世で上層部からの理不尽な叱責のせいで彼女達18駆の司令が割腹自殺してしまったらしいのだ。
その人はかつて私の艦長をしていた時もあったのでその人の事は私も良く知っている。非業の死を遂げたと聞いた時はショックだった。
その事が彼女の心に暗い影を落としている原因なのは間違い無いだろう。ちょうど私の名誉が戦後に貶められたのと同じように。
そんな事があったから彼女は提督にはそんな事になってほしくない。そんな感情があるからつい厳しい言葉を提督に掛けてしまうのだろう。
現に以前提督が部隊の損害から海域を途中撤退した時、上の連中が提督の陰口を言っていると聞いた彼女が自分の事の様に怒っていた事を私は覚えている。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
66 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:50:41.80 ID:NcHXLjmqM
「…信用と信頼…か…」
「…ガラにも無い事言ったわ…不愉快だったら忘れて。」
「いえ、少し気持ちが楽になったわ。」
「そう…良かった。」
満足げに霞は呟いた。
「だったら今からでもアイツの所に行ってアンタの思いを伝えてきなさいよ。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
67 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:50:57.40 ID:NcHXLjmqM
「えっ?今から!?」
「兵は拙速を尊ぶってかの孫子も言ってるわ。グズグズしてアイツを誰かに寝取られたらそれでお終いよ。」
「わ、分かったわ…行ってくる。」
「また途中撤退なんてしてきたりしたら私がアンタの事を雷撃処分するから覚悟しときなさいよ。」
恐ろしい事を言っているが顔は笑っている。不器用な彼女なりの私へのエールなのだろう。
「なんならそのままアイツと夜戦に突入してきても良いわよ。アンタの同室の雪風には私から言っておくから。」
「茶化さないでよ…」
と、霞に見送られて私は提督のいる執務室に進撃した。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
68 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:51:24.71 ID:NcHXLjmqM
「提督、いらっしゃいますか?」
「居るぞ、入れ。」
「失礼します。」
そう言って私は執務室に入る。今日の秘書艦は長門さんのはずだがすでに仕事を終えて部屋に帰ったのか姿は無かった。提督一人なら好都合である。
「…何か用かな?」
いつもと変わらない表情で提督は問いかけて来た。
ずるいと思う。昨晩あんな告白をしておいて至って平静なのだ。これではこれから思いを伝える私の方が緊張してしまう。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
70 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:51:40.21 ID:NcHXLjmqM
「…提督、昨日の話なんですが…」
「…」
「私は…」
「ストップ、少し心の準備をさせてくれ。」
前言撤回。ポーカーフェイスを装ってはいるが提督は提督で緊張しているらしい。現によく見ると緊張からか手が震えている。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
71 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:51:54.97 ID:NcHXLjmqM
「…よろしいですか?」
「…あぁ、こちらは大丈夫だ。」
少し深呼吸をして気持ちを落ち着けていた提督は覚悟を決めた様子で私の事を見てくる。言え、この人への思いをぶつけるんだ。と自身を鼓舞する。
「…提督、あれから少し自分でも考えました。私は本当にあなたの事が好きなのか、
今返事をして良いものなのか…そして、霞ちゃんに言われた言葉で決心がつきました…」
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
73 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:52:22.27 ID:NcHXLjmqM
「私もあなたの事が好きです。」

「…そうか、ありがとう…」
「…なかなか恥ずかしいものですね。思いを伝えるというのも…」
思わず提督から顔を背けてしまう。これで提督と晴れて恋人同士である。
他の提督LOVE勢の事を考えるとまだ問題が無いわけでは無いが、まぁ後の事は後で考える事にして今は彼と恋人同士になれた事を喜ぶとしよう。
「昨日は俺の方がそれをやったんだ。初霜がやらないというのも少々ずるいと思わないか?」
少々意地の悪い顔をして提督が言う。
「…意地悪…」
「俺が悪かったよ、そう拗ねるな…」
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
74 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:52:38.17 ID:NcHXLjmqM
「…提督…恋人同士といったらアレですよね。」
多少は反撃しても構わないだろう。私は唇を提督に向ける。
「…」
「…悪いと思ってるならそれなりの謝意を見せてくださいよ。」
「…分かった。」
私は軽く口付けしてくるくらいに思っていたが、提督は私の事を抱き寄せやや強引に唇を合わせてきた。
だが、こういうのも悪くないと思う。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
75 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:52:54.01 ID:NcHXLjmqM
「…ぷはっ」
30秒かそこいらだろうか、長い口付けを終え唇同士が離れる。キスの間に混ざり合った唾液がこぼれ落ちる
「…初霜、君が良ければで良いんだがこの続きもどうだ…?」
「続き?」
「まぁ、平たく言えば君をこのまま抱きたい。無論、夜戦的な意味で…」
「っ!?…分かりました、提督に任せます。」
「…無理しなくても良いんだぞ。」
「私もここまでしといて今更後には引けませんよ…よろしくお願いします。」
同室の雪風には…霞が何とか上手く伝えてくれる事を祈ろう。
「流石に執務室でするわけにもいかん。俺の自室に移動しよう。」
「はい。」
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
76 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:53:09.93 ID:NcHXLjmqM
そう言うと私は提督の腕に抱きつく。
青葉にでも見られたら面倒だが、いずれにせよ私と提督がこんな関係なのは遅かれ早かれバレてしまうだろう。
現在私が提督に恋心を抱いてる事を明確に知っているのは21駆メンバーと霞、雪風くらいだ。
彼女達には何度かこの件を相談した事がある。彼女達は信頼できるから良いとしよう。
そして問題はその他の艦娘である。この前のバレンタインの件で私も提督狙いである事が少々鎮守府に広まってしまっている。
もちろん口伝えの噂なのでどこまで広がっているかは分からない。
だが秘書艦を務める事が多いとはいえ提督と一緒に居る時間が増えれば怪しく思う艦娘も多くなるだろうし、
何かの拍子にイチャイチャしてる所を目撃される可能性もある。そして人の口には戸は立てられない。なので私は開き直る事にした。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
78 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:53:26.57 ID:NcHXLjmqM
「初霜…」
「これくらい良いでしょ。」
「誰かに見られたら…」
「その時はその時。誰かに会ったら私が堂々と宣言しますよ。『私はさっき提督と恋人同士になりました。』って。」
やれやれ、といった表情で提督は私と共に自室へと向かう。


―これよりR-18パート。苦手な人は撤退推奨―
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
79 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:53:56.45 ID:NcHXLjmqM
 特に誰かに目撃されるという事も無く私達は無事提督の自室に着いた。
「汚い部屋だが勘弁してくれ。とりあえずベッドにでも腰掛けてて。」
 汚い部屋と形容したがそこまでの汚部屋という訳でもなくそれなりに整理はされている。提督は奥で軍服を脱いでいる。これからする事を考えると少し不安だが後はなるに任せるしかあるまい。

「…初霜。もうそちらは大丈夫かな?」
「準備」を終え私の隣に座った提督はそう尋ねてくる。
「…はい、準備万端ですよ。」
 その言葉を合図に提督は私を自室のベッドに押し倒した。鍵はかけてあるし、提督の自室なら執務室の様に急に誰かが入って来るという事も無いだろう。

 怖い

 だが、同時に提督と一つになりたいという願望が心に浮かぶ
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
80 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:54:13.23 ID:NcHXLjmqM
結局私はその願望に忠実になる事にした。

提督の唇と私の唇が重なり合う。彼はフレンチキスで済ますつもりだったのだろうがそうはさせない。
私は腕を回して提督の体を半ば強引に抱き寄せる。彼は一見優男な印象をうけるが腐っても軍人である。
体はがっしりとしている。私の様な小娘一人抱きついたくらいでバランスを崩す事は無かったが、彼は私の行動に驚いたのだろう。
一瞬ひるんだ彼の口内に私はやや強引に舌をねじ込み蹂躙を開始する。
ここまで戦況は提督の有利だったがここらで多少反撃してもいいだろう。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
81 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:54:32.39 ID:NcHXLjmqM
一瞬ひるんだ提督もすぐに我に帰り迎撃を開始する。
舌を激しく絡ませながら提督は器用に私の服のボタンを外し、ブラをずらして小ぶりな乳房をあらわにする。
そのまま提督は唇を離し左指で左の乳首を、舌先で右の乳首の愛撫を始めた。
先程まで海上で訓練していたし、あまり良い香りはしていないだろうな…と思うがそれは仕方が無い。
それに火薬の匂いなどは既に体に染み付いていて今更洗って落ちる物でもない。
少なくとも重油と火薬と潮の混ざり合った香りが世間一般で言う少女の香りと間逆の物である事は確かだろう。
でも存外提督は特に嫌な顔はしていないのでこれはこれで興奮してくれているのかもしれない。
そんなくだらない事を考えているうちにも提督の愛撫は激しくなってくる。
「んっ、うん、あっ…」
自分でするのとは全く違う感覚に私の嬌声は自然大きくなる。
提督は攻め手を休めず残った右手の指を私の秘部に進出させる。ショーツの中に手を入れ触られてビクンと体が跳ねた。
他人に触られるのは当然初めての事であるので反応も大きくなる。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
82 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:54:48.11 ID:NcHXLjmqM
「初霜、弄るぞ。」
「はい…提督…初めてなので優しく…」
「了解。」
提督はそう言われた通りゆっくりと私の秘部を触る。割れ目に沿って指を転がし、弄り、確実に私に快楽を与えてくる。
秘部からは早くも愛液が染み出し卑猥にクチュクチュと音を立てていた。
「うっ、ああっ、提督…」
「濡れてきてるな。中に挿れても大丈夫かな…?」
そう言って提督は中指を立てて秘部への挿入を始める。
「待って、心の準備が…」
私も年頃の少女なので何度か自分でした事はあるが、怖くて膣内にまで指を挿れた事は無かった。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
83 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:55:10.83 ID:NcHXLjmqM
「…肩の力を抜いて、怖かったら目をつぶっておくと良い。」
「はっ、はい…っ、あぁっ、うぅん…」
提督の指が私の膣内に侵入して来た。初めての異物感に戸惑うが、やがてそれは快楽と興奮へと変化していく。
「ああっ…はぁ…提督、気持ち良いです。」
「それは良かった。痛かったらどうしようかと思ったよ。」


しばらく提督の愛撫を受けて快楽と興奮を高ぶらせていた私だが、そろそろ体が火照ってきてしまった。
それに提督の単装砲も興奮して巨大化しており発砲許可を今か今かと待っている様にも見える。
「…提督そろそろお願いします。」
「ああ。その前に初霜も服脱ごうか。多分汚れるだろうし。」
提督に言われて私も服を脱ぐ。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
85 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:55:27.84 ID:NcHXLjmqM
「あ、あの、あんまりジロジロ見られると恥ずかしいです。」
「ああ、すまん。初霜が綺麗でつい、な。」
そう言って提督は目を逸らす。今更裸を見られて恥ずかしいも何も無いが服を脱いでる所をねっとり視姦されるのはあまり気分の良い物ではない。

服を脱ぎ終え戦闘を再開する。戦況はこちらの不利だが、まぁこちらは「初陣」だし仕方が無い。
「初霜…もう我慢出来そうに無い。中に入れるぞ。」
「はい。」
そう言って提督は私を押し倒した格好のままで秘部に巨大化した「単装砲」を押し当ててきた。
お互いから分泌された粘液同士が絡み合ってヌチャヌチャと音を立てる。これが私の中に入る事を考えるとなんとも複雑な気分になった。
しばらく粘液同士を絡ませていた提督だったが意を決したのか、ついに肉棒を膣内に挿入してきた。
そして提督は挿入させた勢いのまま私の処女膜を貫く。
初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [転載禁止]©2ch.net
87 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:55:43.71 ID:NcHXLjmqM
「ぐっ…くぅっ…痛っ…」
「…すまん、もっと優しくするべきだった。」
「…大丈夫、こんなの戦場での負傷に比べたら…っうん…」
私の秘部からは先程から赤い血が愛液と交じり合って垂れている。初めての時は気持ちよくなれないとは聞いて覚悟はしていたが、
なかなかきつい物がある。だからといって提督に余計な気遣いをして欲しくは無い。
「あっ…くっ…提督…私は大丈夫だから…提督の好きに動いて。」
「だが…」
「いいから…すぐに慣れると思います…だから…」
「…初霜。」
そう言うと提督は私を強く抱きしめてキスをしてくれた。
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90 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:55:58.88 ID:NcHXLjmqM
「無理をするなって言ったろう?」
「…提督、心配しないでください。私はこうして提督と一緒になれて嬉しいんです。
だからこれくらい大丈夫です。続けてください…お願いします…」
「…分かった。俺も出来るだけ痛くないようにする。」
「お願いします。」
そう言って提督は行為を再開した。肉体同士がぶつかる音が室内に響く。
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91 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:56:15.09 ID:NcHXLjmqM
初めは痛いだけだったがやがて慣れてきたのかその痛みも多少和らいできた。その代わりに提督のモノが私の中を動くたびに膣内で痛みより快楽が占める比率が大きくなってくる。

「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」
「俺もだ…」
「良かった…提督も私で気持ちよくなってるんですね…っうん!」
「…正直言うと、もうこっちも余裕が無くなってきた。」
 ピストン運動を続けながら提督が呟く。正直こちらも限界が近づいている。
「私も…イキそう…提督、今日私安全日なんです。だから…中にっ!」
「初霜っ…もう限界だ…」
「はい。提督、いつでも…どうぞ。」
「うっ…くうっ…」
 提督はそのまま私の中に精液を発射した。熱いドロリとした精液が私の子宮に注がれていくのが分かる。
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92 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:56:30.78 ID:NcHXLjmqM
提督はそのまま私の中に精液を発射した。熱いドロリとした精液が私の子宮に注がれていくのが分かる。
「イクっ…イっちゃう…」
殆ど同じタイミングで私も達してしまった。はぁはぁという二人の荒い呼吸が室内に響いた。

「…もし直撃したら責任は取らせてもらう。」
抱き合いながら提督が呟く。
「…はい…その心構え、立派だと思います。」
「男としてそれくらいは…な。」
上官が部下を孕ませたとあれば色々と問題になるだろうがその時はその時と開き直る事にした。
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93 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:56:47.35 ID:NcHXLjmqM
「初霜に渡したい物がある。」
事後、しばらくベッドの中で私は提督と抱き合っていたが、
提督はそう言ってベットを離れ机の中から一つの小さな箱を取り出し私に手渡してきた。
「なんですかこれ?」
「開けてくれれば分かる。」
恐る恐る箱を開けると中には指輪が入っていた。埋め込んである宝石はトパーズだろうか?
「ええっと、これは…いくら何でも気が早すぎませんか…?」
「…そう言われても仕方が無いだろうな。だがそれは結婚指輪じゃないんだ。」
「と、言いますと?」
提督が語ってくれた話をまとめるとこういう事だった。
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94 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:57:03.46 ID:NcHXLjmqM
何でも少し前に軍で、ある程度錬度が高い艦娘を対象にした強化計画が発動されたらしい。
艦娘の能力にはある程度リミッターが掛けられているがそれを一定値解除してより艦娘を強化する事がその計画だ。
だが安全の為に掛けられたリミッターを外したのでは艦娘にも負担が掛かるし、なにより本末転倒である。
そこで艦娘に無理の無い範囲で安全にリミッターを解除するのがこの指輪の効果らしい。
提督が艦娘に指輪を渡す様を結婚に例えて「ケッコンカッコカリ」などと呼ばれているそうだ。
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95 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:57:18.80 ID:NcHXLjmqM
「そういう事だからこの機会にと俺は君への告白に至ったわけだ。」
「何故今に告白なのかと思ったらそういう事があったんですか…」
「君への思いは本気だぞ。」
「それくらい提督を見てれば分かりますよ。馬鹿にしないで下さい、私はこう見えても提督より年上なんですよ。」
私の生まれは1933年。今年で81歳である。艦娘の歳の数え方がそれで良いのかどうかは知らないが。
「それはそうと是非とも指輪を受け取ってくれないか?」
「もちろんです、ありがとうございます。ところでこの宝石も元々ついていたものですか?」
受け取った指輪を色々な角度から見ながら私は尋ねる。
「いや、それは俺の注文だ。金に関しては心配するな。それくらいの蓄えはあるし軍隊生活じゃ特に使う機会も無いしな。」
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97 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:57:35.52 ID:NcHXLjmqM
「でも加工しても指輪の効果って大丈夫なんですか?」
「その指輪を作った技術部の連中に頼んでしてもらった物だから安心してくれ…
艦娘の誕生日って起工日と進水日と就役日のどれにあたるか分からなかったから
初霜の進水日の11月の誕生石であるトパーズを選ばせてもらった。問題無かったかな?」
私の進水日は11月4日である。正直人間で言う誕生日がその三つの日のどれにあたるかは私も分からない。
「…それに関しては問題ありません。それにしてもトパーズですか…」
トパーズの石言葉は誠実、友情、そして「潔白」。汚された私の名誉の事を思うと偶然と言えばそれまでだろうが悪くない意味を持つ石だ。
「トパーズは嫌いだったか?」
「…いえ、大好きです。」
「それは良かった。早速つけてみてくれないか?」
言われた通り指輪を左手の薬指につける。大きさはぴったりである。そして同時に力が湧いてくるような気がした。
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98 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:57:51.62 ID:NcHXLjmqM
「どうですか?」
「うん、似合ってる。初霜は可愛いな。」
面と向かってそんな事を言われると照れてしまう。
私はお返しとばかりに提督に口付けした。
(終)
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99 :ケッコンカッコカリ〜初霜の場合〜 姉妹への報告の巻.txt[sage]:2015/10/07(水) 21:58:12.97 ID:NcHXLjmqM
「とにかく私は反対だ!初霜と提督が付き合う事なんて!」
「わらわはそうは思わんぞ。こやつならば初霜をどこぞの馬の骨にやるよりかは信頼出来る。それに義弟が増えるというのもまた一興じゃろ。」
「義弟も何もまだ二人は結婚なんてしてないだろ。」
「『ケッコンカッコカリ』なるものならしたらしいがのぅ…まぁ、カッコカリがつこうがつくまいがわらわは提督がこのまま初霜と関係を持って逃げる事などしないと思っておるし、させないが。」
「…子日も初春と同意見かな。それが初霜の答えならそれで良いじゃない。」
「私が言ってるのは初霜が提督と付き合うのは色々と問題があると…」
「お主が初霜の年齢の問題を言っておるのなら問題はあるまい?わらわ達は皆大正・昭和生まれの婆さんじゃぞ?それにこやつらはお互いを好いておる。それをわらわ達が邪魔するのも野暮じゃろ…」
「子日知ってるよ。このゲームの登場人物は全員18歳以上です。ってやつでしょ?」
「実年齢の問題では無い!あと子日姉は少し黙っててくれ。」
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100 :ケッコンカッコカリ〜初霜の場合〜 姉妹への報告の巻.txt[sage]:2015/10/07(水) 21:58:35.15 ID:NcHXLjmqM
かれこれ30分は同じ様なやり取りが続いている。議論が長くなっている原因は私達の付き合いを認めている初春姉さんと認めていない若葉の対立のせいである。子日姉さんはわりとどうでも良い様で私が幸せならそれで良いじゃない。というスタンスである。
私の保護者である姉達への報告と改めての挨拶を兼ねて用意した場である会議室に提督と共に来たのは良いが、開幕これでは先が思いやられる。

「もう良い!勝手にしろ。私は知らん!」
最終的には若葉がこれ以上の議論は不毛、と部屋を出て行ってしまった。そういえば若葉は私が提督に対する恋心を相談した時も反対していた。
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102 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:58:52.78 ID:NcHXLjmqM
「すまぬのう。じゃが、あやつはあやつでお主らの事が心配なんじゃよ…分かってくれ。」
「それに関しては気にするな。若葉の気持ちを考えれば当然だろうし罵倒にも慣れた。」
私の予想通り私達がこういう関係なのが明るみに出るのに時間は掛からなかった。大体青葉のせいである。これだから嫌いなのだ、ブンヤって奴は。
今でこそ多少落ち着いたが発覚直後は鎮守府内がお祭り騒ぎになった。もし、私達がすでに肉体関係になっているとスクープされていたらお祭り騒ぎを通り越してレイテ沖海戦再現祭りになっていただろう、要するに大惨事である。
が、青葉がまだ嗅ぎ付けて無いのか、それとも嗅ぎ付けたがその後の影響を考えて発表を自粛したのかは分からないが、それに関してはまだ特に騒ぎになっていない。もっとも、初春姉さんは何となく察しているようである…長女の勘というやつだろうか?
ちなみに私達の関係を聞いた艦娘の反応は大方4つに分かれる。素直に祝福してくれる娘。無関心な娘。私達の関係に否定的な娘。とりあえず提督を罵ってくる娘。この4つである。
ちなみに4番目に該当する娘は曙とか満潮とかである。まぁ、いつもの面子と言えばわかるだろう。とりあえず曙の提督の呼び方が「クソ提督」から「ロリコンクソ提督」になった。
前世の事を考えると私より大和や矢矧の方がよっぽど年下なのだが、艦娘に転生した時にこの姿になってしまった事を恨むしかあるまい。
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104 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:59:15.44 ID:NcHXLjmqM
「提督よ、わらわから一つ約束がある。」
「何だ?」
「…初霜を泣かすような事をするでないぞ。大切な妹を傷つけ泣かすような事があればわらわが承知せん。」
「子日とも同じ約束して。」
「それはわかっている。誓うよ。」
「…なら良い。妹を頼むぞ。」
「任せてくれ。必ず幸せにしてやる。」
「…提督。恥ずかしいですよ。」
嬉しいが、はっきり言われるとなかなかこそばゆい。
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105 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:59:31.62 ID:NcHXLjmqM
「ふむ、ところで提督よ。初霜と一緒になるという事はわらわ達の義弟になるという事じゃ。」
そう言って初春姉さんはニヤリと笑う。
「今後はわらわの事を「姉さま」とでも呼んで慕うと良いぞ。なに、執務中は軍の規律もあるからそう呼ばなくても良いが。」
「っ!?」
「子日は…お姉ちゃんって呼ばれ方が良い!」
提督が動揺している。義理とは言え弟になるわけだし当然と言えば当然なのだが一応上官と部下の関係もあるし、何より姉さんの事を初春姉さまと呼んでいる提督は違和感しかない。
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108 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 21:59:47.22 ID:NcHXLjmqM
「は、初春姉さま…」

「…」

「…」

「…」

「…」
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109 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 22:00:05.88 ID:NcHXLjmqM
「…ふむ、想像以上に気持ち悪いのう…」
「呼ばせといてこの言い草か。なかなか君も残酷だな。」
「冗談じゃ、冗談。いや、無論そう呼びたいなら呼んでも良いが…」
「遠慮させてもらうよ。」
「えー、子日は提督に『子日お姉ちゃん』って呼んで欲しいよ。」
初春姉さんと違い子日姉さんは限りなく天然でやっているから質が悪いと思う。

と、まぁ姉妹への挨拶は無事済んだ。だが、私にはまだやる事がある。
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111 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 22:00:19.21 ID:NcHXLjmqM
姉さんや提督達と別れ目的の人物を探す。彼女は軍港の灯台の上でたたずんでいた。

「ここに居たのね。若葉。」
「何の用だ?愛しの提督とイチャついてれば良いだろ。」
「…あんな風に飛び出していかれてほっとける訳無いでしょ…」
「余計なお世話だ。」
「悪いけど私はお節介な船だからね。迷惑がられようが、人の恋路を邪魔する意地悪な姉が相手だろうがほっとけないのよ。」
「…お人よしだよ、お前は。」
「褒め言葉として受け取っておくわ。」
そして私は若葉の横に立つ。
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112 :風吹けば名無し@転載禁止[sage]:2015/10/07(水) 22:00:34.94 ID:NcHXLjmqM
「…」

「…」

しばらく沈黙が続く。先に沈黙を破ったのは若葉だった。
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