- 【MEIKO・ミク】VOCALOIDで百合6【リン・ルカ】
3 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/11/05(月) 15:37:57.29 ID:tkbufxP0 - >>1乙
失礼します。単発のSS書きです。 ルカミクSS投下させていただきます。 長さは18レス分になります。よろしくお願いいたします。
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- 【MEIKO・ミク】VOCALOIDで百合6【リン・ルカ】
4 :(1/18)[sage]:2012/11/05(月) 15:38:41.26 ID:tkbufxP0 - 「戦うのよ、ハートを撃て……♪」
携帯電話から、力強い歌声が流れ出す。 「…んん……」 それが置かれている枕元に、布団の中からぬっと手が伸びると、手探りで電話をつかみ、音を止めた。 「ふぁ……」 電話の持ち主、初音ミクは布団から起き上がると、大きなあくびを一つして、寝ぼけまなこでディスプレイの時計を見た。 午前9時。 「9時……9時かぁ……」 少しの間、布団にぺたんと座り込んだままで、ぼやっとしているミク。――だが。 「……9時ぃっ!?」 突然、頭のてっぺんが抜けたような大声を上げると、ミクはその場でがばっと立ち上がった。 「あああ、ヤバいっ! 今日のバイト、9時前には集合予定だったのにっ!」 そう叫びながら、大慌てで着替えをするミク、寝巻きにしている緑色のジャージをぽい、と放ると、 洗濯カゴに顔を突っ込み、それほど汚れの目立たないシャツとジーンズを引っ張り出して、あたふたと身に着けた。 「このバイト代もらいそこねたら、また家賃延滞するハメに……! とにかく、急がないと!」 キッチンで適当に顔を洗い、髪の毛を無造作にヘアゴムで縛ると、財布と携帯電話、それから家の鍵だけを引っつかんで、 ミクはばたばたと部屋を駆け出していった。 (ああ……ミクったら、ようやく起きましたのね……もう、ホントにお寝坊さんなんですから……) そんなミクの様子を、アパートのミクの部屋の、真向かいのドアの隙間から、こっそりと覗いている者がいた。 「……でも、そんな所がドジっ子らしくて、また一段と可愛いですわ〜」 きい、とそのドアが開き、内側から、桜色の長髪が印象的な、ロングスカート姿の美女が姿を表す。 「さあ、わたくしものんびりしてる場合ではありませんわね……早くミクの後を追って、その勇姿を目に焼き付けなければ!」 そう言うが早いか、その女性――巡音ルカは、ハンドバッグを抱えなおすと、いそいそとアパートの玄関へ向かうのであった。
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5 :(2/18)[sage]:2012/11/05(月) 15:39:57.26 ID:tkbufxP0 -
――ここは、ボーカロイドだけが暮らすアパート「ボカロ荘」。初音ミクと巡音ルカはそれぞれ、ここで一人暮らしをしている 女性型ボーカロイドだった、 アパートの入居者としては、ルカの方が先輩にあたる。元々、一緒に暮らしていたマスターとのいざこざから逃げ出してきた ルカが、このアパートにやって来てから、もうずいぶんの月日が経とうとしていた。 一人暮らしは不便も多いが、その自由は何物にも代えがたい。ルカは毎日を、それなりに楽しく過ごしていた。 そんなルカの前に――文字通り目の前の部屋に、ある日、ミクがひょっこりと現れたのだ。 ルカは今でも、ミクが初めて挨拶にやってきた日のことを忘れられない。 部屋の中でくつろいでいたルカの耳に、コンコン、と飛び込んできたノックの音と、 「すいませーん……」 という、遠慮がちな訪いを立てる、ミクの声を。 「はい、どなたかしら?」 がちゃり、とドアを開けたルカの前には、トレーナー姿で、緑色の髪をツインテールにした一人の少女が、しゃちこばって 立っていた。 「あ……どうも」 少女はおどおどとした様子で、ちらちらと上目遣いをしながら、ルカに話しかけてきた。 「えと……今度、そこの部屋に住ませてもらう事になった、初音っす。どぞ……よろしく」 ぺこり、とミクが小さく頭を下げる。 その姿を見下ろした時、ルカは、きゅぅん、と胸が高鳴るのをはっきりと自覚した。 (……可愛いっ!!) ――これ以上ないほどの、完全な一目惚れであった。
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6 :(3/18)[sage]:2012/11/05(月) 15:47:03.05 ID:tkbufxP0 -
「?……あの、ええと、巡音、さん?」 返事もせず、直立不動のままでぶるぶると震えだしたルカを見て、ミクが心配そうに声をかける。 「へっ!? あっ、ああ、ここ、これはどうもご丁寧にですわ!」 我に返ったルカが、しどろもどろで挨拶を返し、ギクシャクとした動作でお辞儀をする。そのまま顔を上げた所で、二人は 正面から向き合う形になった。 (可愛い……! ホントに可愛らしいですわ……! 宝石のようなその瞳、みずみずしい果実のようなその唇、 若木に成る、新緑のようなその髪……! 全てがまるで、お人形のように……!) ほぉぉっ、と密かにため息を漏らすルカ。ボーカロイドが人形のようなのは、ある意味、当たり前のことなのだが。 「じゃ……これで」 もう一度、ぺこ、と会釈をして、ミクがその場を去ろうとする。その背中に向けて、ルカは思わず声をかけていた。 「あっ、あのっ! ちょっと、お待ちになって!」 「え?」 振り返ったミクに、ルカは何か、もう一言、言葉をかけたかった。彼女と親しくなるために。 日常的に、会話を交わせる仲になるために。 「あの、その、わ、わたくし、あなたの……」 だが、上手い言葉が出て来ない。 「……?」 だんだんと、妙なものを見るような目つきに変わっていくミクに、ルカの焦りはさらに加速する。 (とにかく、困った事があったら、何でも相談してほしい、って……! あと、笑顔を見せて好印象を……!) それだけを伝えようとしたルカの口から出てきたのは、以下のような言葉であった。 「貴女如きでは手に負えない難題があれば、遠慮なく、このわたくしに助けを求めるといいですわ! その時は、力になって 差し上げてもよろしくってよ? まあ、それも気が向いたらの話ですけれど。おーっほっほっほ!」 ――二人の動きが固まり、一瞬の間が空いたのち、 「……そーすか」 という、ミクの乾いた声がぽつり、と吐き出され、がちゃり、ばたんというドアの音が響いた。 一人、ぽつんと取り残されたルカは、かなり長いこと、その場で立ち尽くしていたのだった。
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7 :(4/18)[sage]:2012/11/05(月) 15:52:26.19 ID:tkbufxP0 -
そんなこんなで、最悪の第一印象をミクに与えてしまったルカは、その後、ことある毎にミクに話しかけ、何とか挽回に 努めてきた。が、その気持ちが空回りしてしまうのか、いつも結果は芳しくない。 その一方、ミクを想う気持ちは膨れ上がる一方であり、それはちょっと、歪んだ形をとって、噴出してしまう結果となった。 すなわち―― 「おはようございます、巡音さん」 アパートの玄関で、ルカは、管理人のカイトと出くわした。彼は男性型ボーカロイドだが、住人ではなく、このアパートの 管理人を勤めている。 「あら、カイトさん。おはようございます」 ルカは立ち止まり、にっこりと笑顔を浮かべてあいさつをする。 「今朝は、初音さんも巡音さんも、朝早くからお出かけですね」 ほうきを片手に、掃除をしていた手を休めて、カイトがルカに話しかける。 そうなんですの、などとルカが相槌を打つうち、カイトがふふ、と微笑んだ。 「巡音さん、今日は何だか、浮き浮きしているようですね。何か、いい事でもあったんですか?」 「ええ、ちょっと」 あいまいにそう答えると、それじゃ、とルカは歩き出した。お気をつけて、とカイトが手を振り、見送る。 (そう……これ以上にうれしい事があるかしら) アパートから、駅前に続く道を足早に歩きながら、ルカは口元が緩むのを抑えられない。もう一度、ハンドバッグにちらりと 視線をやり、その上から、中に忍ばせているビデオカメラの存在を確かめるようにそっと撫でた。 (今日は待ちに待った、ミクの、ヒーローショー出演のバイト当日……! きっとミクの、キュートでセクシーなコスプレ姿が 拝めるに違いありませんわ!) ――愛しのミクの姿を、こっそりとフィルムに納め、一人それを眺めては悦に入る―― 早い話が、盗撮である。
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8 :(5/18)[sage]:2012/11/05(月) 15:58:48.87 ID:tkbufxP0 -
『……さあ、ちびっ子のみんな! 大きな声で叫んでね! せーの……』 『うーろたーんだー!』 ルカが駅前広場にやって来たころには、もう『卑怯戦隊うろたんだーショー』のステージは始まっていた。 「開演には間に合いませんでしたけど……ミクも、少し前に着いたところでしょうから、出番はまだのはずですわね」 そう言いながら、ルカはきょろきょろとあたりを見回すと、広場の植え込みに素早く飛び込み、そっと身を隠した。 ここからなら、関係者に気づかれることなく、広場の特設ステージ全体をカメラに収められる。 「前回の『マジカル☆ぬこレンレンショー』の時は、警備員に見つかって偉い目に会いましたもの……もう二度と、あんな失敗を 繰り返すわけには参りませんわ」 そう言いながら、ルカはてきぱきとビデオカメラを取り出すと電源を入れ、すちゃっ、と眼前に構えた。 「……さあ、早いところ出ておいでなさい、ミク……! あなたのステキな姿、このわたくしが、フルハイビジョンで記録に 留めてさしあげましょう!」 どこぞの狙撃手のような面持ちで、ふふふ、とファインダーを覗き込むルカ。 ――しかし。 『ギギィッ! だまし討ちとは卑怯だぞ、うろたんだー!』 『うるさい! どんな手を使おうとも、勝った者が正義なのだ!』 『その調子よ! がんばって、うろたんだー!』 待てど暮らせど、ミクの現れる気配はなかった。 ヒーローサイドの女戦士でもなく。 分厚い着ぐるみを着た怪人でもなく。 ましてや司会のお姉さんでもない。 (……一体、ミクはどこにいるのかしら……?)
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9 :(6/18)[sage]:2012/11/05(月) 16:05:03.39 ID:tkbufxP0 -
もしかして、自分は何か勘違いをしているのだろうか、とルカは不安になった。 (……いえいえ、そんなはずはありませんわ。一週間前に、ミクの部屋にべったりと耳をくっつけて盗み聞きした電話では、 確かに今日、このステージでバイトをする、と……) ぶんぶんと、激しく首を横に振るルカ。その勢いで、手に持つカメラが左右にぶれる。 と、その時。 「……?」 映像の右端、ステージよりも手前の路上に、何かが映った気がして、ルカはカメラを引き、そちらに焦点を合わせる。 そこにいたのは―― 「……よろしくお願いしまーす……。あ、よろしくお願いしまっす」 頭からつま先まで、真っ黒な全身タイツに身を包み、テレビ番組名の書かれたポケットティッシュを通行人に配っている、 一人の戦闘員の姿。 そして。 (ま……まさか……) その後頭部には、大量の髪を無理やりまとめ込んだような、特大サイズのお団子が出来ていた。 (ミクですわあれー!?) あまりの衝撃に、ぽかんと口を開けて固まってしまうルカ。 「そんな……花も恥じらう年頃の乙女が、この寒空の中、あんな格好で一人、路上に立っているなんて……! 不憫……! あまりに不憫すぎますわ、ミク……!」 ルカが思わず、はらはらと落涙する。 が、当のミクは平然としたもので、通行人に投げかけられる奇異の目つきもものともせず、淡々とティッシュ配りをこなして いるのであった。
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10 :(7/18)[sage]:2012/11/05(月) 16:11:15.57 ID:tkbufxP0 -
「……あー! こいつ、うろたんだーに出てくる悪い奴だ!」 「やっちまおーぜ、みんな!」 通りすがりの小学生の集団が、ミクに向かってちょっかいをかける。慌てたミクが、ぽろり、とティッシュを取り落した。 「ちょ……やめ……」 ぽかぽかと脇腹をこづき、足を引っ掛けようとするその様子に、ルカはぎぎぎ、と歯軋りをした。 (あのクソガキ共、わたくしのミクに何て事を……! 冷凍マグロで頭かち割ってやりますわよ……!?) その内飽きてしまったのか、小学生たちはさっさとどこかに行ってしまった。 ふう、とため息をつくと、ミクは衣装を整え、仕事を再開する。 (ああ……あんな目に合っても、なおも職務を全うしようとするなんて……! 何て健気なの、ミク……!) その、どんな逆境にも決してへこたれない凛とした姿に、ルカは人知れず、涙を流して感動するのであった。 (……それにしても、ちっともティッシュを受け取ってくれる人がいないようですわね……) しばらくミクを撮影していたルカが、ふとそう思う。 確かに道行く人たちも、顔の見えない全身黒タイツの人間から、ティッシュを受け取るのははばかられるであろう。 (まったく……誰もかれも目が節穴ですこと。あんな絶世の美少女がそこにいるというのに。……わたくしだったら、その場で 全てのティッシュを受け取って、おもむろにデートに誘ってオシャレなカフェでお茶をして、それから、それから……) ――そんな事を考えているうち、ルカは次第に、自分の妄想の世界へとのめり込んでいってしまった。
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11 :(8/18)[sage]:2012/11/05(月) 16:48:23.06 ID:tkbufxP0 -
「……わあぁ、すごくステキなお家ですね!」 豪華な屋敷の門の前で、ミクの笑顔がぱあっと輝く。 そんな彼女に、ルカがファサッ、と髪をかき上げながら答えた。 「ふふ、そうかしら? まあこの位、大したものではありませんわ。ここはただの別宅ですもの」 「ええー、これが別宅なんですか? すごーい!」 無邪気にはしゃいでいたミクだったが、突然、申し訳なさそうな表情に変わると、おずおずとルカに尋ねた。 「……でも、ホントにいいんですか? ルカさん……。路上で私が売っていたマッチを全部買い取っていただいた上、 お食事までごちそうになってしまって、あげくに、こんなステキなお家に招いていただくなんて……」 「あら、何を言うかと思えば……」 ルカが、ちょん、とミクの鼻を指でつつく。 「そんな事を気にしていたの? バカねえ、あなたは何も遠慮する必要なんてないのよ。これは全部、わたくしがしたくて やっている事なんだから」 「でも……」 未だもじもじとしているミクの手を引いて、ルカはすたすたと歩きだした。 「さあ、とにかく早く、中に入りましょう? 詳しい話は、あとあと」 「は、はい、ルカさん」 そこで急に、ぴたり、とルカの足が止まった。 「……それから、もう一つ。あなたに言っておく事がありましたわ」 「?」 そして、きょとんとしているミクの方を振り向くと、にっこりと微笑んだ。 「わたくしを呼ぶ時には、『おねえさま』と呼ぶ事。よろしくって?」
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12 :(9/18)[sage]:2012/11/05(月) 16:54:21.03 ID:tkbufxP0 -
「……お風呂、ありがとうございました、おねえさま。広くてとっても気持ちよかったです」 「そう、それは良かったわ」 浴室から戻ってきたミクを、ルカは自室のベッドの上で迎えた。 「……それじゃ、そろそろ寝ましょうか。こちらへいらっしゃい」 「はい、おねえさま」 ルカの言葉に素直に従い、ミクは、二人用サイズのベッドに寝転ぶ。 「それじゃ、お休みなさい……」 ルカがぱちん、と照明を落とすと、部屋の中は真っ暗になった。 向かい合って布団に入り、枕を並べる、ルカとミク。少しの間、部屋には、すうすうという二人の寝息だけが響いていた。 「ん……」 だが、やがて、その静寂に、ほんの少しの亀裂が入る。 「うう……ん?」 途切れ途切れにか細い声を上げていたミクは、何かに触れられているような感覚に、とろとろと目を覚まし、自分の体を 見下ろした。 「……!」 暗闇に目が慣れてきた頃、そこに見えたのは、ルカが、ミクのパジャマの袂に手を差し込んでいる光景だった。
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13 :(10/18)[sage]:2012/11/05(月) 16:58:20.50 ID:tkbufxP0 -
「お……おねえさま……!?」 思わず大声を出してしまうミクに、ルカが「しっ」と人差し指を唇に当てた。 「大丈夫よ、怖がらないで……」 そして、ミクの胸元にさしこんだ手の平を、すりすりと動かす。 滑らかなその手の感触は、ミクに心地よい冷たさを味わわせる。 「あ……っ、おねえさま、そんな……っ」 「何も心配いりませんわ。わたくしに、全てを委ねて、楽になさっていて……?」 ミクの耳元で、ルカがささやいた。その甘い声は、ミクの思考を優しく蕩けさせていく。 ルカの指が、ミクの突起を探り当てる。小さく突き出したそこを、ルカは、ほとんど触れるか触れないかの距離で、 執拗になぞった。もどかしさとくすぐったさが、ぴりぴりとした快感となり、ミクが小さく声を上げる。 「んんっ……!」 「そう……全てをただ、ありのままに受け入れるの……それだけの事ですわ」 ルカが、ふっと微笑んだ。
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14 :(11/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:00:36.09 ID:tkbufxP0 -
「ほら……ミクも」 パジャマのボタンをプチ、プチと外し、ルカが自分の体を露出する。押さえつけられていた胸が、ぷるん、と揺れた。 「わたくしの身体に、触れてちょうだい……?」 ちょうどその時、窓から月光が差し、さぁっと室内を照らした。 「おねえさま……」 月明かりにさらされたルカの体は、この世のものとは思えないほどに白く透き通り、美しく輝いてすら見えた。 それに魅入られたように、ミクがほぼ無意識に手を伸ばす。形の整ったルカの乳房に触れると、二度、三度と揉みほぐした。 「んっ……どうかしら? 私の胸は」 「は、はい、すごい……柔らかいです……」 「ふふ、嬉しい……ほら、もっと近くで御覧なさいな……?」 そう言うとルカは、ミクの頭を抱き寄せ、自分の胸に、むにゅうっ、と埋める。 「んむっ……ぷは、んちゅぅっ……」 ぎゅうっ、と柔肉に顔を押し付けられたミクは、なんとか息を整えると、ルカの乳首にちゅうちゅうと吸い付いた。 ぎこちない舌使いではあったが、それがかえって、ルカの母性をぞくぞくと刺激する。 「あんっ……そうよ、いい子ね……」
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15 :(12/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:10:38.43 ID:tkbufxP0 -
「ああっ、おねえさまっ、私っ、私、もうっ……!」 ぬちゅり、という水音を立てながら陰唇を弄られるうち、ミクが泣きそうな声でルカに訴えた。 それを受けて、ルカがもう片手で、優しくミクの体を抱き、耳元に口を寄せる。 「いいのよ……恥ずかしがることはないわ。私の腕の中で、果てなさい……」 そして、その耳を、はぷっ、と優しく咥えた。 「はぁぁん……っ!」 その瞬間、ミクはルカの手によって、絶頂に導かれていた。 ルカが、ミクの髪を、愛でるようにさらさらと撫でる。 「……素敵だったわよ、ミク………ひゃんっ!?」 その瞬間、突然、ルカの秘裂に、何かがひたり、と触れた。 「ふふ……おねえさまも、意外とカワイイ声、出すんですね……」 見れば、未だに荒い息をつきながらも、ふふっと挑発的に笑うミクが、ルカの太股に指を這わせてきていた。 「ちょ、ちょっと、ミク……!」 「私ばっかりしてもらってたんじゃ、不公平ですもん。今度は私が、おねえさまにしてあげますね?」 そう言うと、ミクはすっと唇を差し出し、ルカにちゅっ、と口付けをした。 「んっ――!」 唇を、ちろちろと優しく舐められ、股間をくにゅくにゅと弄ばれるうちに、ルカの意識は、甘い夢の中へと溶けていき――
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16 :(13/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:16:32.24 ID:tkbufxP0 -
「いやん、ダメよ、ミクったら、そこはダメ……! ああっ、でも意外と積極的……!」 「―――カさん。ルカさんってば」 「ううん、違うわ、ミク。わたくしの事は、おねえさまって………へ」 植え込みの中で、ゴロゴロとのた打ち回っていたところを誰かに声をかけられ、ルカはようやく、我に返った。 目の前に、その「誰か」の足元がある。 真っ黒いその足から、次第に視線を上の方に向けていくと、そこには。 「……何やってんですか、こんな所で」 タイツの顔の部分を脱ぎ、呆れたような顔をしてこちらを覗き込んでいる、ミクの姿があった。 「みっ、ミミミミクさん!? どどっ、どうしてここが!?」 突然、妄想の世界から現実に引き戻されたルカは、激しくうろたえた。大きなお団子ヘアーのミクもかわいかったが、今は それどころではない。 「いや……私いま、ちょっとその辺でバイトしてたんですけど、そしたらこっちの方で、なんか人がざわついてたんで 来てみたら……」 はっと植え込みの周りを見てみれば、そこにはたくさんの通行人が輪になって、ルカを取り囲んでいた。何人か、携帯電話を 掲げて、写真を撮っている若者も見かけられる。 「あ……あ……」 ようやく事態を把握しだしたルカは、顔を真っ赤にして、その場でプルプルと震え出す。 が、最後の力を振り絞って立ち上がると、必死にいつもの態度を取り繕い、 「あああ、あらあらあら! そそ、それは奇遇でしたことですのね! わたくしもちょうど! たまたま! ここに所用を 片付けに来たところでありましてよ!」 と、精一杯の声を振り絞った。
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17 :(14/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:22:19.03 ID:tkbufxP0 -
「用って……こんな所で何やってたんですか?」 「そそ、それはもう、貴女ごときには到底理解できないような、高尚で崇高で高慢な所用に決まっていることでしょう!?」 限界ギリギリでしゃべり続けるルカ、言葉使いも段々と怪しくなってきた。 「はあ……まあ、何でもいいですけど……」 ぽりぽりと頭をかきながら、ミクが、言いにくそうに顔をそらした。 「早く、拭いた方がいいんじゃないですかね……鼻血」 たら、とルカの鼻の下に流れたそれが、ぽたりと赤い雫になって、植え込みの土に染み込んでいった。 「〜〜〜〜っ!!」 ぼん、という音がして、ルカの頭で何かが弾ける。 矢も楯もたまらなくなり、ルカは、ミクにくるりと背を向けると、辺り構わず全速力で駆け出した。 「行っちゃった……何だったんだろ。……あれ?」 唖然としたまま、その背中を見送ったミクは、地面に何かが転がっていることに気づいて、それを拾い上げた。 「……ビデオカメラ?」
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18 :(15/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:28:20.76 ID:tkbufxP0 -
――その日の夜半。 「おや、巡音さん。お帰りなさい」 アパートの廊下に掲示物を貼り出していたカイトは、玄関の方からやって来たルカに気づき、声をかけた。 「お出かけはいかがでしたか? こんな時間まで、ずいぶんと楽しんでいらっしゃったみたいですね」 にこにこと、親しげに話しかけるカイトに対し、ルカはどんよりとした表情で、上半身を折り曲げ、体を引きずるようにして 歩いている。 そして、カイトの目の前まで来ると、すくい上げるような目つきになった。 「……やかましいのよこの裸ザル。その鼻の穴に一本ずつチュー○ットぶち込むわよ?」 「ええ!?」 朝とは別人のように沈み込んでしまっているルカにカイトは驚き、ただ、自分の部屋へと戻る彼女を、ぽかんとして見送る ばかりであった。 「……嫌われた。絶対、ミクに嫌われた……」 廊下を歩きながら、ルカが繰り返し、ぽつぽつと呟く。 「あんな恥ずかしいところを見られて、訳の分からない事を言った上に、黙って逃げ出したりして……うう、もう絶対、 変な女だと思われてますわ……」 そう言って、顔を手で覆うルカ。変な人だと思われているのは初めからなのだが。 「しかも、慌てていたせいでビデオカメラまで置いてきてしまって……。こんな時間になるまで探し回りましたけど、結局、 見つかりませんでしたわね……」 がっくりとうなだれながら、自室へとたどり着いたルカ。ちら、と一瞬だけ、ミクの部屋の方へ目をやってから、自分の部屋の ドアノブに手を伸ばした。 と。 「……?」 そこに、コンビニ袋が一つ、ぶら下げられているのを見つけた。
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19 :(16/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:34:23.86 ID:tkbufxP0 -
「何かしら……これ」 ルカは袋を手に取ると、がさがさと中身を取り出してみる。そして、「あっ!」と声を出して驚いた。 そこには何と、無くしたはずのビデオカメラが包まれていたのである。 「これ、わたくしの……! でも、一体誰が……?」 袋には、他にも何かが入っているようだ。ルカは一枚のメモ用紙を見つけ、それを手に取った。 表面に、文章が書かれている。 『ルカさんへ。 初音です。駅前にカメラを忘れていったみたいなので、お届けしました。その時に、いけないとは思ったのですが、 ルカさんのものなのか確認するために、ちょっと内容を再生しました。ごめんなさい。』 「ええっ!?」 とんでもない事が書かれているそのメモ用紙を手に、ルカはもう一度、ばっとミクの部屋の方を振り向いた。金属製のドアは、 素知らぬ顔をルカに向けており、そこからは当然ながら、なんの表情も読み取ることはできない。 (まさか、ビデオカメラがミクに拾われていたなんて……! しかも、中身を見られたですって……!?) 不安に、ドキドキとルカの鼓動が早まる。もし、ミクの姿を盗撮しているところがバレでもしたら、一巻の終わりだ。 細かく震える手で、ルカはもう一度メモ用紙を握り直し、廊下の頼りない電燈の下で、恐る恐る続きを読んだ。 『ルカさん、うろたんだーショーを見に来てたんですね。態度がヘンだったのも、「大人がヒーローショーを見に来るなんて 恥ずかしい」とか、思ってたせいだったんでしょうか。 それはともかく、ショーの映像の裏で、何かをぶつぶつ呟いているルカさんの声が入っていたので、その時点でルカさんの ものだと思い、再生は停止しました。だから、それ以降の部分は見ていません。』 「――セェェフ!!」 自分の独り言グセに深く感謝しつつ、ルカはグッと力強くガッツポーズを決めた。
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20 :(17/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:41:37.14 ID:tkbufxP0 -
見れば、袋の中には他にもまだ、何かが入っている。 のぞいてみると、今朝、ミクが配っていたポケットティッシュがいくつか包まれていた。 『それから、配り損ねたティッシュをこっそりガメてきたので、これで鼻血を拭いてください。よく分かりませんが、体を お大事に。』 文章の続きは、そう締めくくられていた。 「ミク……!」 メモを持った手を、胸にぎゅっと当てて、ルカは目を閉じた。 その瞳から、涙がぽろり、とこぼれる。 先程まで、胸の内に溜まっていた淀んだ気持ちは、すでに、きれいさっぱり無くなっていた。 「……だらしなくて、ぶっきらぼうな所もあるけれど、でも、いつでも頑張ってて、他人に優しい……。そんなミクが、 わたくしはやっぱり、大好きですわ……」 明日こそ、きちんとお礼を言おう。素直に、気持ちを伝えよう。 そう決意したルカは、ティッシュを手に取り、涙を拭きとろうとする。 が、しかし。 (……ミクが、配り損ねたティッシュ?) その指が、ティッシュをつまみ上げたところで、ぴたり、と止まった。
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21 :(18/18)[sage]:2012/11/05(月) 18:47:30.39 ID:tkbufxP0 -
メモのその文章に、何かを感じたルカは、ビデオカメラの電源を入れ、ミクがティッシュ配りをしているシーンを再確認する。 見ると、全身タイツのように見えた衣装は、ただのタイツではなく、ところどころに、目立たないようにポケットが付いている ようで、ミクは、そこからティッシュを取り出しては、通行人に手渡していた。――すなわち、 胸や。 腰や。 お尻のあたりから。 (……つまり、配られなかったティッシュというのは、一日中、ミクのそれらの部位に密着して――) にわかに、ルカの吐息がはあはあと荒ぶり出す。 それから突如、そのティッシュをむんずと鷲掴みにすると、全速力で部屋に駆け込んで、がちゃん、と勢いよくドアを閉めた。 ――結局の所、ティッシュは全て、ルカの手によって『あらぬ目的』に利用されてしまい、その日のうちにゴミ箱行きとなり、 それが原因で、ルカは次の日、ミクとまともに顔を合わせることが出来ず、またしても奇行に走ってしまう事となる。 こうして今日も、ボカロ荘の日常は、変わることなく続いていくのであった。
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- 【MEIKO・ミク】VOCALOIDで百合6【リン・ルカ】
22 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/11/05(月) 18:50:17.60 ID:tkbufxP0 - 以上、お目汚し失礼いたしました。
楽しんでいただければ幸いです。
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