トップページ > レズ・百合萌え > 2012年10月24日 > Xxnq7gx8

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名無しさん@秘密の花園
キルミーベイベーで百合2
キルミーベイベーで百合3

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キルミーベイベーで百合2
869 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:40:08.40 ID:Xxnq7gx8
百合ってほどでもないけど、せっかく書いたので投下。
なお、やすなはファンブックにあった初期設定のイメージで書いてます。
二人の出会いを想像してみました。

〜これはまだ、二人が出会って間もないころのお話〜

朝、教室に着いたら何だか騒がしかった。
周りのおしゃべりに耳を傾けると、どうやら転校生が来るらしい。
それを聞いて、私はそんなに驚かなかった。だって、予感があったから。
私の左横、窓際の一番後ろに、一つだけ不自然に空いた席がある。
それは、新年度が始まって一ヶ月経ったころ、気がついたら置いてあった。
だから、何となく頭の片隅で、いつか誰かがここに座るんだろうなって思っていた。
(どんな人かな。女子だったら、すぐに友だちになってみたいなぁ)
別に、男子でもかまわないけど、私はあまり男子と接するのが得意じゃない。
そんなことをぼんやりと考えていたら、チャイムが鳴って、先生がドアを開けて入ってきた。
「えー、今日から新しくこのクラスに転校生が来ることになりました」
教室のあちこちから歓声のような声が聞こえてくる。
「じゃあ、入ってきて」
先生がそう言って、転校生がゆっくりと教壇に向かって歩いてきた。
今度はざわめきが聞こえてきた。たぶん、日本人じゃないことにびっくりしているのだろう。
私と同じくらいの身長で、金髪の長いツインテールが印象的な女子。
碧い瞳が、私たちのことをサッと見渡す。緊張しているのか、無表情だ。
先生の隣に立って、自己紹介。
「私の名前はソーニャ。よろしく」
ものすごくシンプルな挨拶をして、小さく頭を下げる。
「じゃあ、ソーニャさんは一番奥のあの席に座ってください」
先生が私の横を指差すと、ソーニャさんは一つうなずいた。
どんな顔して迎えればいいだろう。私はふと、そんなことを思った。
何となくだけど、この出会いは第一印象がとても大事な気がした。
ここを間違えると、取り返すのは大変かもしれない。
ソーニャさんがほんの一メートルくらいの距離まで近づいてきた。すでにカバンは固から下ろしている。
私はこっそりと深呼吸してから、笑顔でこう告げた。
「初めまして、私は折部やすなだよ。仲良くしてね」
無難なことを言ったつもりだけど、ソーニャさんは椅子に座ってから一言。
「ああ」
返事はそれだけだった。
えっと……そう言われて私はどうリアクションすればいいのかな。
答えを見つけられないまま、一時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。
結局、この日ソーニャさんと交わした会話はこれだけだった。

キルミーベイベーで百合2
870 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:40:56.97 ID:Xxnq7gx8
数日経っても、私はソーニャさんとまともに言葉を交わすことができなかった。
隣の席でいつもムスッとした顔をして、淡々と学校での時間を過ごしている。
このころになると、クラスメイトの間でもどこかよそよそしい雰囲気が漂い始めていた。
『ソーニャさんには、何か隠し事がある』
それが、私たちの合言葉になっていた。
毎朝、誰よりも遅く教室に来て、授業が終われば誰よりも早く教室を後にする。
お昼はパンを一人で黙々と食べるだけ。時々、携帯電話が鳴ってどこの国か分からない言葉で会話をして、
思いつめたような表情を浮かべながら教室を出る。
みんな、ソーニャさんが何をしているのか知りたがっている。でも、話しかけられない。
いつしか、ソーニャさんは一人ぼっちになっていた。
ただ、当の本人はそのことを全く気にしていない様子。少なくとも、そう見えた。
今日も、帰りのホームルームが終わって、ソーニャさんは一目散に教室を出て行った。
すでにこれが、クラスの日常風景になりつつある。
でも、私はそれが嫌だった。何かを変えたかった。
気がつくと私は、ソーニャさんの背中を追いかけて走っていた。
学校を出たところで、ソーニャさんに追いついた。
「はぁっ、はぁっ……ソーニャさん。一緒に帰らない?」
肩で息をしながら、ソーニャさんに問いかける。久しぶりに全速力で走ったかも……。
「……好きにしろ」
ぶっきらぼうにそう言い残して、スタスタと歩き始める。私はそれを承諾の意と受け取って、ソーニャさんの横に並ぶ。

キルミーベイベーで百合2
871 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:42:09.10 ID:Xxnq7gx8
「ソーニャさんの家も駅の近くなの? それだったら、私と近いかもね」
「…………」
一緒に歩いてもう十分は経ったけど、会話のキャッチボールはちっとも成り立たない。
私がボールを投げても、ソーニャさんはまるで壁のように無言でそれを返してくる。
どうすれば心を開いてもらえるだろう……。
こうなったら、直球で勝負してみよう。
「ソーニャさんって、何かお仕事でもしているの?」
その瞬間、ソーニャさんが足を止めた。そして、私の顔をジッと見ながらこう言った。
「……知りたいか?」
どこか悲しげな表情を浮かべている。こんなソーニャさん、初めてだった。
これ以上、踏み込まないほうがいいのかもしれない。でも、私は先に進むことを選びたかった。
「……嫌じゃなかったら、聞きたい」
「そうか。まあ、一人くらい知っておいた方がいいかもしれないな」
そして、ソーニャさんにどこか落ち着いて話せる場所はないかって聞かれて、私は近くの公園を教えた。
夕暮れ時の公園には子どもはまばらで、鳥の鳴き声が遠くに聞こえた。
ベンチに腰かけて、カバンをそばに置く。
「たぶん、言っても信じないだろうけど――」
そう前置きしてから、ボソッとつぶやく。
「私は殺し屋だ」
「…………」
今度は私が黙り込んでしまった。何を言えばいいか分からなかった。
これが他の人だったら、「またまた、そんな嘘ついちゃって」と軽く流したかもしれない。
でも、ソーニャちゃんの口調は、嘘をつくそれじゃなかった。
「詳しくは言えないが、私はある組織に所属していて、そこからの命令を受けて誰かを始末したり、あるいは誰かを守ったりしている」
「そっ、そうなんだ……」
「逆に、私が刺客に命を狙われたこともある。一度や二度じゃなく、数えきれないほど」
それからしばらく、ソーニャさんは色々な話を聞かせてくれた。
この世界に足を踏み入れるきっかけや、どうして日本に来たかとか、色々なことを。
私はただ黙って聞き入っていた。ソーニャさんのことを知れるのが、単純に嬉しかった。
どれくらい時間が経っただろう。
ソーニャさんがハァっと嘆息してから、こう言った。
「……だから私は、いつも一人でいるんだ。殺し屋に友だちなんて必要ないからな」
遠くを見つめる瞳が、心なしか潤んでいるように見えた。
「他人を面倒なことに巻き込みたくない。……分かっただろう? お前も、もう私に関わらないほうがいい」
「…………」
「じゃあ、私はこれで……って、何するんだ!」
カバンを肩にかけて腰を上げようとするソーニャさんのスカートの裾を、私は無意識のうちにつかんでいた。
「待ってよ。ソーニャさんの話は終わったかもしれないけど、私はまだだよ」
とまどいつつも、ソーニャさんがまたベンチに座る。
「ソーニャさん。一つお願いがあるの」
「何だよ。まさか、誰か殺してくれって依頼じゃないだろうな」
「違うよ。私と友だちになってほしいの」

キルミーベイベーで百合3
1 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:55:16.49 ID:Xxnq7gx8
前スレが512kを超えているので書きこめないという状態になったため、新スレを立てました。

○「キルミーベイベー」限りなく公式HPに近いサイト
 http://killmebaby.tv/top.html

○キルミーベイベー公式ホームページ|TBSテレビ
 http://www.tbs.co.jp/anime/kmb/

※前スレ キルミーベイベーで百合2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1332736742/
キルミーベイベーで百合3
2 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:57:11.52 ID:Xxnq7gx8
ご迷惑をおかけして申し訳ないです。
前スレで最後まで投下できなかったので、またさせてください。
すいません。

〜これはまだ、二人が出会って間もないころのお話〜

朝、教室に着いたら何だか騒がしかった。
周りのおしゃべりに耳を傾けると、どうやら転校生が来るらしい。
それを聞いて、私はそんなに驚かなかった。だって、予感があったから。
私の左横、窓際の一番後ろに、一つだけ不自然に空いた席がある。
それは、新年度が始まって一ヶ月経ったころ、気がついたら置いてあった。
だから、何となく頭の片隅で、いつか誰かがここに座るんだろうなって思っていた。
(どんな人かな。女子だったら、すぐに友だちになってみたいなぁ)
別に、男子でもかまわないけど、私はあまり男子と接するのが得意じゃない。
そんなことをぼんやりと考えていたら、チャイムが鳴って、先生がドアを開けて入ってきた。
「えー、今日から新しくこのクラスに転校生が来ることになりました」
教室のあちこちから歓声のような声が聞こえてくる。
「じゃあ、入ってきて」
先生がそう言って、転校生がゆっくりと教壇に向かって歩いてきた。
今度はざわめきが聞こえてきた。たぶん、日本人じゃないことにびっくりしているのだろう。
私と同じくらいの身長で、金髪の長いツインテールが印象的な女子。
碧い瞳が、私たちのことをサッと見渡す。緊張しているのか、無表情だ。
先生の隣に立って、自己紹介。
「私の名前はソーニャ。よろしく」
ものすごくシンプルな挨拶をして、小さく頭を下げる。
「じゃあ、ソーニャさんは一番奥のあの席に座ってください」
先生が私の横を指差すと、ソーニャさんは一つうなずいた。
どんな顔して迎えればいいだろう。私はふと、そんなことを思った。
何となくだけど、この出会いは第一印象がとても大事な気がした。
ここを間違えると、取り返すのは大変かもしれない。
ソーニャさんがほんの一メートルくらいの距離まで近づいてきた。すでにカバンは固から下ろしている。
私はこっそりと深呼吸してから、笑顔でこう告げた。
「初めまして、私は折部やすなだよ。仲良くしてね」
無難なことを言ったつもりだけど、ソーニャさんは椅子に座ってから一言。
「ああ」
返事はそれだけだった。
えっと……そう言われて私はどうリアクションすればいいのかな。
答えを見つけられないまま、一時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。
結局、この日ソーニャさんと交わした会話はこれだけだった。

キルミーベイベーで百合3
3 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:58:00.85 ID:Xxnq7gx8
数日経っても、私はソーニャさんとまともに言葉を交わすことができなかった。
隣の席でいつもムスッとした顔をして、淡々と学校での時間を過ごしている。
このころになると、クラスメイトの間でもどこかよそよそしい雰囲気が漂い始めていた。
『ソーニャさんには、何か隠し事がある』
それが、私たちの合言葉になっていた。
毎朝、誰よりも遅く教室に来て、授業が終われば誰よりも早く教室を後にする。
お昼はパンを一人で黙々と食べるだけ。時々、携帯電話が鳴ってどこの国か分からない言葉で会話をして、
思いつめたような表情を浮かべながら教室を出る。
みんな、ソーニャさんが何をしているのか知りたがっている。でも、話しかけられない。
いつしか、ソーニャさんは一人ぼっちになっていた。
ただ、当の本人はそのことを全く気にしていない様子。少なくとも、そう見えた。
今日も、帰りのホームルームが終わって、ソーニャさんは一目散に教室を出て行った。
すでにこれが、クラスの日常風景になりつつある。
でも、私はそれが嫌だった。何かを変えたかった。
気がつくと私は、ソーニャさんの背中を追いかけて走っていた。
学校を出たところで、ソーニャさんに追いついた。
「はぁっ、はぁっ……ソーニャさん。一緒に帰らない?」
肩で息をしながら、ソーニャさんに問いかける。久しぶりに全速力で走ったかも……。
「……好きにしろ」
ぶっきらぼうにそう言い残して、スタスタと歩き始める。私はそれを承諾の意と受け取って、ソーニャさんの横に並ぶ。


キルミーベイベーで百合3
4 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:58:52.30 ID:Xxnq7gx8
「ソーニャさんの家も駅の近くなの? それだったら、私と近いかもね」
「…………」
一緒に歩いてもう十分は経ったけど、会話のキャッチボールはちっとも成り立たない。
私がボールを投げても、ソーニャさんはまるで壁のように無言でそれを返してくる。
どうすれば心を開いてもらえるだろう……。
こうなったら、直球で勝負してみよう。
「ソーニャさんって、何かお仕事でもしているの?」
その瞬間、ソーニャさんが足を止めた。そして、私の顔をジッと見ながらこう言った。
「……知りたいか?」
どこか悲しげな表情を浮かべている。こんなソーニャさん、初めてだった。
これ以上、踏み込まないほうがいいのかもしれない。でも、私は先に進むことを選びたかった。
「……嫌じゃなかったら、聞きたい」
「そうか。まあ、一人くらい知っておいた方がいいかもしれないな」
そして、ソーニャさんにどこか落ち着いて話せる場所はないかって聞かれて、私は近くの公園を教えた。
夕暮れ時の公園には子どもはまばらで、鳥の鳴き声が遠くに聞こえた。
ベンチに腰かけて、カバンをそばに置く。
「たぶん、言っても信じないだろうけど――」
そう前置きしてから、ボソッとつぶやく。
「私は殺し屋だ」
「…………」
今度は私が黙り込んでしまった。何を言えばいいか分からなかった。
これが他の人だったら、「またまた、そんな嘘ついちゃって」と軽く流したかもしれない。
でも、ソーニャちゃんの口調は、嘘をつくそれじゃなかった。
「詳しくは言えないが、私はある組織に所属していて、そこからの命令を受けて誰かを始末したり、あるいは誰かを守ったりしている」
「そっ、そうなんだ……」
「逆に、私が刺客に命を狙われたこともある。一度や二度じゃなく、数えきれないほど」
それからしばらく、ソーニャさんは色々な話を聞かせてくれた。
この世界に足を踏み入れるきっかけや、どうして日本に来たかとか、色々なことを。
私はただ黙って聞き入っていた。ソーニャさんのことを知れるのが、単純に嬉しかった。
どれくらい時間が経っただろう。
ソーニャさんがハァっと嘆息してから、こう言った。
「……だから私は、いつも一人でいるんだ。殺し屋に友だちなんて必要ないからな」
遠くを見つめる瞳が、心なしか潤んでいるように見えた。
「他人を面倒なことに巻き込みたくない。……分かっただろう? お前も、もう私に関わらないほうがいい」
「…………」
「じゃあ、私はこれで……って、何するんだ!」
カバンを肩にかけて腰を上げようとするソーニャさんのスカートの裾を、私は無意識のうちにつかんでいた。
「待ってよ。ソーニャさんの話は終わったかもしれないけど、私はまだだよ」
とまどいつつも、ソーニャさんがまたベンチに座る。
「ソーニャさん。一つお願いがあるの」
「何だよ。まさか、誰か殺してくれって依頼じゃないだろうな」
「違うよ。私と友だちになってほしいの」

キルミーベイベーで百合3
5 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/10/24(水) 22:59:41.10 ID:Xxnq7gx8
ソーニャさんがジトッとした目つきで私をにらむ。
「……お前、私の話をちゃんと聞いてなかったのか?」
「聞いたよ。ソーニャさんが殺し屋だってことは、十も承知だよ」
「じゃあ、どうして……」
「私にとって大切なのは、ソーニャさんが何をしているかじゃないもん」
首をかしげるソーニャさんに、私は自信を持って告げる。
「今日、ソーニャさんと一緒に歩いて、一緒におしゃべりして、すごく楽しかった。友だちになりたい理由は、これで十分だよね?」
「……本当に、そう思っているのか?」
「もちろん! これからもよろしくね、ソーニャさん」
心からの思いを伝えると、ソーニャさんは恥ずかしそうにうつむきながらこう言った。
「……好きにしろ」
今日、この言葉を聞いたのは二度目。でも、最初のときとは明らかに違う。
だって、ソーニャさんの口元がちょっとほころんだように見えたから。

それから私たちは、公園を出てまた帰り道を歩き出した。
ふと、私は思いつきで少しいじわるな質問をしてみた。
「ねえ、もし組織から『折部やすなを殺せ。できなければソーニャを殺す』って命令が来たらどうする?」
「そのときは……たぶん必死に考えるだろうな」
「考えるって、何を?」
もったいぶるように間を置いてから、ソーニャさんが返事する。
「二人とも助かる方法を」
「……ありがと!」
その言葉がすごく嬉しくて、つい手をつないじゃった。
「おい、恥ずかしいからやめろよ!」
「いいじゃん。もうすぐ私の家だから、それまでは、ね?」
「……仕方のないやつだな」
渋々といった感じで、だけど受け入れてくれた。
今日一日で、ずいぶんと心が通じ合えた気がする。
明日からは、ソーニャ‘さん’じゃなくて、ソーニャ‘ちゃん’って呼んでみよう。
そんなことを思いながら、夕焼けに染まる道をゆっくりと、ゆっくりと並んで歩いた。

Fin.


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