- 桃色四葉で百合萌え★3
707 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 09:03:35.68 ID:PrE6qt8c - 赤黄
「はぁ…どーしよ…」 やってしまった またやってしまった 夏菜子のこと、怒らせちゃった 移動中の車で、ワガママばっかり言ってたら「いい加減にしろよ!」って一喝 いつもはこんなことで怒る夏菜子じゃないけど、たぶん相当疲れてたんだと思う ソロの仕事が増えてここんところ休みなかったし 移動中に寝て少しでも疲れが取れるようにしてるのもわかってた わかってたけど、かまってほしくてそれでつい… 謝りたいけどそれから目を合わせてくれない 話しかけようとしても逃げられる、さっきからこの繰り返し そんなことしてるうちに今日泊まるホテルに到着した 「詩織、今日こっちの部屋泊まる?」 「ううん、大丈夫ありがと」 「でもっ…」 「杏果体調良くないんでしょ?詩織はいいからゆっくり休んで」 心配してくれた杏果の申し出を断って、自分の部屋に向かった 今日は3人だかられにちゃんもあーりんもいない だけど風邪気味の杏果の部屋に行くわけにもいかないし、今日は一人で反省の意味も含めて寝ようって決めた 部屋に入って、テレビを付けて、お風呂に入る ここまではなんとか一人でも出来たけど、問題はこれから 家でも外でも一人で寝たことなんてほとんどない テレビを付けても、音楽を流しても寂しいことに変わりはない いや、それよりも夏菜子を怒らせたままなのが気になって眠れない このまま呆れられて、別れようなんて言われちゃったら… 想像するだけで、じんわりと溢れてくる涙 「っ…かなこぉ…ひっく…」
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708 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 09:04:39.45 ID:PrE6qt8c -
ピンポーン 我慢できなくて泣いてるとふいに聞こえたインターホン こんな時間に誰だろう すぐに起き上ってドアを開けた 「あっ…」 「やっぱり泣いてた」 そこにいたのは、会いたくてたまらなかった人 「…なんで?」 「仕方ないじゃん、気になって眠れなかったんだから…」 「ごめんっ…ごめんなさい…っ」 「ん、もういいよ。私も八つ当たりしちゃったところあったし」 そっと抱きしめて、ぎゅってしてくれる腕が嬉しくて同じように抱きしめ返した 詩織が謝る度にあやすように叩かれる背中 「ほら、こんなとこいつまでも立ってないで部屋入ろう?」 「うん…あれ?詩織の部屋?」 手が引かれて、そのまま詩織の部屋に進んでいく いつもなら夏菜子の部屋に行くのに 二人でベッドに腰掛けると「私の部屋まで待てないから」それだけ呟いて、涙で濡れた唇が塞がれた。 fin.
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717 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 18:53:38.58 ID:PrE6qt8c - 【初夜の事情】
『聞きたいことがあるんだけど』 そう言われて呼ばれたホテルの一室 一緒に行きたいとごねる詩織をあーりんに押し付けてからすぐ隣の杏果の部屋に入った 「それで?聞きたいことって?あ、勉強なら付き合えないよ。わかんないもん」 出されたお菓子をつまみながら呼ばれた理由を問う 「夏菜子に勉強聞くくらいなら犬に聞いた方がマシだと思う」 「ちょっと!それ失礼すぎるから!」 「あ、犬に失礼だよね。ごめんごめん」 「そうそう、っておーい!そんな話じゃなくて!どうかしたのか聞いてるの!」 「どうかしたってゆうか…その、なんて言えばいいのか…」 急に杏果の顔が赤く染まる あれ?これってもしかしてもしかすると… 「あーりんのこと?」 「…なんでわかったの?」 「顔、真っ赤だよ」 「うっ…まぁその通りなんだけどさ。今日はあとで、あーりんが泊まりにくるんだよね」 「そうなの?ってことはつまり…?」 すぐにピンときてニヤリと笑うと、杏果は恥ずかしそうに笑った 「うん、まぁ…夏菜子が想像してることにたぶん、なると思う」 「ひゅー!いいじゃんいいじゃん!ついに一線越えるね!!」 「ま、まだわかんないけどねっ」 「いやいやいやー!ここはビシッと決めないと彼氏として情けないっしょ」 「そうなんだよねーやっぱり…」 はぁ、と杏果が大きく溜め息をつく テンションが上がってる私とは対照的になんだか落ちぎみ
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718 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 18:55:35.30 ID:PrE6qt8c -
「なんか問題でもあるの?」 「問題ってゆうか、情けない話なんだけど迫ったりとかそうゆうの苦手だからさぁ… ちゃんと盛り上げられるかなとか上手くリード出来るかなとか心配で…」 「あーなるほど」 「一応ググったりはしたんだけど、やっぱ経験者の話聞いた方がいいかなって思って」 「あーなるほどねー…ってもしかして聞きたいことってその話?」 「お願い!助けると思って聞かせて!」 思わず持っていたお菓子が溢れた 拝むようにしてお願いしてくる杏果をみて助けたいようなでもやっぱり恥ずかしいような複雑な気分 でも結局、断れなくて渋々承諾をした 「聞かせてって言われてもなあ。詩織のことしかわかんないよ?」 「うん、それは大丈夫。参考にするだけだからさ」 ノートを片手に真剣な表情の杏果 私の話すことをどんどんメモしていく姿をみてこっちが恥ずかしくなる 人に語れるほど経験があるわけじゃないけど、ムードの作り方から押し倒すまで シてる時の気持ちとか終ったあと何を話すかまで事細かく聞かれて話が終わる頃にはどっと疲れてしまった 「なるほど、すごい参考になった!」 「そりゃーよかった。てかなんか疲れた…」 話が終わってからすぐに立ち上がって大きく伸びをする 「もういくの?お菓子まだ残ってるよ」 「んー。いいよ、あーりん来るんでしょ?あーりんのとこに詩織おいてきたから迎えに行かないといけないし」 「そっか、いろいろありがとね」 「いいけど、緊張してトチるなよ」 「ぅ、頑張りマス…」
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719 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 18:56:09.98 ID:PrE6qt8c -
杏果に手を振って、詩織を迎えに行く 部屋をノックするとすぐにあーりんが出てきた 「詩織迎えに来ましたー」 「夏菜子ちゃんおかえりー!でもしおりん寝ちゃったよー?」 「え、ほんと?」 部屋に入らせてもらうとベッドで気持ち良さそうに眠る詩織の姿があった なんとか起こして、自分達の部屋に戻る 眠そうな顔の詩織をいつもなら寝かせてあげるけど、今日はちょっとそうしてあげられそうもない 「んんッ…」 早く目が覚めるように、ちょっと強引なキス 何度も重ねるうちに乱れていく呼吸 杏果に話してるうちに思い出しちゃって、我慢出来なくなっちゃった 押し倒した後の下から見上げる熱っぽい目が好きで、触れた時の甘ったるい声が堪らない 「杏果達、上手くいってるかなあ」 「っ…なんか、言った…?」 「ううん、なんでもないよ」 そっと頬を撫でて、優しくキスを落とす 予備知識がほしいのはわかるけど、この愛しさは言葉なんかじゃ伝わらない 早く、杏果もそれがわかるといいな 触れる順番なんか考えておかなくったって自然と手が伸びて唇を寄せたくなるこの感じは いくら勉強してもたぶん経験してみないとわかんないよ 今頃どうしてるだろう?ガチガチになってなきゃいいけど そこまで心配したところで私の思考は名前をよぶ詩織によってストップしてしまった 次の日 どうだったのか聞きに行くと、私の話をメモしたノートをあーりんに見られて ムードもなにもなくなってってなんともカッコ悪い初夜になったって杏果は嘆いてた 今度こそ、とリベンジを決め込んでたけどあーりんから詩織にもその話が伝わって 私まで詩織に怒られるとゆうトバッチリ あーあ、もう絶対協力なんてしてやんないんだから。 終わり
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