- 桃色四葉で百合萌え★3
699 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 02:16:55.90 ID:STFnHsjy - >>696
寝る前だと言うのに泣きそうになった…! PUSH的に言うと切なくって堪らなくなる、ですね 乙でした。
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700 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 02:34:32.37 ID:STFnHsjy - ※赤紫(紫視点)
「高城、最近あたしの事避けてるでしょ」 私の部屋に訪れた彼女が発した第一声目はそれだった。 「…そんな訳ないじゃん」 少しの間の後、直ぐにそう答えた。けれど、視線を外した事できっと私が嘘をついたのがバレてしまっただろう。 暫しの沈黙。 途切れる事なく私に送られる視線が皮膚に刺さったみたいにちくちくする、視線が痛いって本当なんだ。 「嘘。じゃあなんで最近詩織とばっか一緒に居るの?あたしには近付こうともしないくせに、」 視線が外れた感覚、再び彼女は口を開いた。 様子を盗み見ると、俯いてしまっていて表情が確認出来ない。 もしかして泣いてる?私が泣かせた? 「そんな事、ないよ。…それに夏菜子、あんまりべたべたしすぎるの嫌いでしょ?」 口から出たのはそんな言葉、どうしてもっと気の利いた事が言えないのか。 こんな言い方だと、きっと夏菜子を傷付けるだけなのに。 「前までずっと、嫌がってもずっとべたべたしてきてたくせに。今更、そんなの…狡い」 絞り出す様な声、微かに震えている気がした。 言葉が頭に入って来ない、けれど衝動的に抱きしめようと足を踏み出した。 しかし、それより先に伸びて来た夏菜子の腕により私の肩が強く押され妨害される。気付いた時には背後のベッドへと倒された様な形になっていた。 下腹部に馬乗りになる夏菜子、完全に逃げ場を封じられる。 「…」
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701 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 02:35:28.43 ID:STFnHsjy -
抗議するよりも先に、目の前の顔に目を奪われた。 瞳に大粒の涙を溜め、悲痛に歪む表情。 胸が軋む音がする。 なんでそんな顔をしてるの?なんで私相手に泣いているの? そんな疑問ばかりが頭の中をぐるぐると回る。 「高城、勝手すぎなんだよっ。いつも、あたしが嫌がってもお構いなしでべたべたしてきて、そしたら今度は急に避け始めるとか。ホント意味わかんないから!」 堪えていた涙が一斉に溢れ出した、ぽたぽたととめどなく零れる涙の粒が私の服を濡らしていく。 「でも一番意味わかんないのは、…あたし、で。なんで高城に避けられたくらいで、こんなに辛いんだろ。もうホント訳わかんない」 一頻り言い終えた夏菜子が手の甲で涙を拭い始める。咄嗟にその手を取って上半身を起こした、顔を近付ける。 反応する隙も与えずに、少しだけ赤みを帯びた夏菜子の目尻へと口付けた。 「…っ、何して…」 「私、夏菜子の事好きなの。」 「…え、」 唇を離して、一世一代の大告白…なんて大層なものじゃないけど。 「もう一回言うね、タカさんは夏菜子の事が好きなの。恋愛感情込みでね。」 「…」 「最初はさ、夏菜子とべたべた出来るだけで幸せだったんだ。でも段々、自分の気持ち抑えきれなくなって…幸せな気持ちの他に、もっと沢山触れたいっていう欲求とか。私以外とべたべたして欲しくないっていう嫉妬みたいな感情とか出てきちゃって…、」 「…だから、避けてたの?」 私は黙って頷く。 「夏菜子との今の関係壊したく無くてね、でも結果的に夏菜子の事泣かしてたら意味無いよね。…ごめん、」 「…あーもう、ホント最悪。高城に泣かされるとか、ほんっとに有り得ないんですけど。」 「ごめん。」 もう一度謝る。
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702 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 02:36:09.26 ID:STFnHsjy -
「てかさ、あたしの事好きなら避ける前に普通気付くべきじゃない?あたしも高城の事好きだっ…、」 「え?」 「あ、あ、…いや、今のなしなし。何でもない」 「嘘、うそうそ。聞こえたから、夏菜子が私の事好きって…、」 「……。言われる前に気付けよばーかっ!てか、さっき泣いてた時点で普通気付くでしょ、鈍すぎだから」 「いや、いやいやいや。それ貴女にだけは言われたくないから、クイーンオブ鈍感な百田さんに言われたらおしまいなんですけど」 「はあー?ふざけんなよ、高城よりは鈍感じゃないっての!」 「いやいや有り得な…」 そこからいつも通りのやり取りに戻ってしまった。さっき迄のシリアスな雰囲気なんかぶち壊して、二人で時間を忘れる位に思う存分に言い合った。 「はー…もうこんな時間じゃん、高城の所為で明日起きれなかったらどーしてくれんの?」 「取り敢えず、あーりんに起こしてくれる様にメール入れとこ」 夏菜子の言葉を無視して携帯の液晶画面をタップする。 「ちょ、一人だけ狡くない?なら、あたしも高城の部屋で寝るから。」 「良いよ。でも身の安全は保証しないから、」 メールを送信し終え携帯を枕元へ、それから既にベッドに寝転ぶ夏菜子の隣へと同じ様に寝転ぶ。 「どーいう意味?」 「それ、言わせるの?」 「いや、やっぱり良いわ。聞きたくない」 「相変わらずつれないね、夏菜子は。ちゅーくらいなら許してくれる?」 そろーっと夏菜子の腰に手を回し引き寄せ、そのまま顔をじっと見詰めて首を傾げる。 「……今日だけね!」 「えー、今日だけとか!折角両想いになれたのにっ」 「うるさい、ごちゃごちゃ言うともうさせないから。」 「やだ、する。」 暴れる体を宥める様に撫でながら、顔を近付ける。 色々言いながらも察した様に目を瞑る夏菜子が可愛くて仕方ない。 それを見てにやけそうになるのを必死に堪えながら、そっと触れるだけのキスをした。
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703 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 02:36:41.41 ID:STFnHsjy -
「なんであたし高城の事好きなんだろ、」 「それを本人の横で言いますか?」 「だってさー、なんかむかつく。いつの間にか高城の事好きになっちゃってたなんてさ…しかも泣いちゃうし」 「可愛かったし、嬉しかったよ…私は。」 「…うっさい。」 「タカさんの事、もっと好きにさせるから覚悟しといてねっ」 あーりん並のアイドルっぽさで愛嬌たっぷりのウインクを披露してみせた。 「おぇー…ああ、もう寝ろ寝ろ。」 なんてお決まりのリアクションの後、夏菜子が背を向ける。 少しだけ寂しさを覚えたけど一緒に寝れる嬉しさが勝った。 「おやすみ、れに」 「ん、おやすみ。夏菜子」 暫くしたら、布団の中で珍しく夏菜子から手を繋がれた。 驚きの後に幸福感が押し寄せてくる。手の温もりに安堵の表情を浮かべた私は、直ぐにやってきた睡魔に導かれ眠りの淵へと落ちていった。 終わり。
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715 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/30(水) 11:57:09.23 ID:STFnHsjy - >>713
乙。珍しく優位に立ててる緑が見れて良かったw 真っ赤になっちゃう桃可愛いよ桃
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