- 桃色四葉で百合萌え★3
434 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/22(火) 02:09:17.28 ID:QZFrI1ww - 桃緑
「……杏果」 あーりんの呼び掛けにも杏果は小さくため息をついただけ。 ただでさえ小さな身体なのに、うなだれた背中はさらに小さく見える。 ―――― きっかけは、あーりんが足をくじいたこと。くじいたって言っても軽く捻ったくらいだから、大した事じゃないんだけどね。念のために安静にしておくっていうだけ。 レッスンも終わったから後は帰るだけなんだけど、心配性でやたらとあーりんの世話を焼いてくれる杏果だけは違った。 捻った時なんかね、もうね、顔を真っ青にして「痛くない?大丈夫?」ばっかり聞いてくるんだもん。 そんなわけで、今日はともみんがお家まで送ってくれるんだけど、マネージャーさん達はまだ打ち合わせとかが残ってるみたいで、あーりんはともみん待ち。 ……でも何故か杏果も一緒に残ってくれてる。 二人しか残ってないレッスン場はやけに広くて、それに二人して壁に背を預けて三角座りしてるものだから、余計に広く感じる。 杏果もあーりんもまぁどちらかと言われれば聞き役だから、会話はなくてもそんなに気まずくはないの。……恋人同士としてはどうかと思うけど、まぁそれは以心伝心的な? 「あーりんママに怒られない?」 ずっと続いてた沈黙を、杏果はため息をついてから破った。
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435 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/22(火) 02:10:08.92 ID:QZFrI1ww -
「連絡はしたから大丈夫だよ?……心配はしてたけど」 「……私がもっと大きかったらおんぶして帰れたのに」 すごく残念そうに、隣にしゃがんでるお姉ちゃんは呟いた。 あーりんをおんぶする杏果かぁ……なんだか、変なの。そう茶々を入れようと杏果の方を見たけど、杏果は下唇を噛み締めて真剣な表情で思わず言葉を飲み込んでしまった。 「大きくなくてもさ、自転車に乗れたらあーりんを後ろに乗っけて帰れるのにさ……」 「杏果?」 「……ほんと、頼りないお姉ちゃんだよね」 大きなため息と同時に杏果はあーりんの方を見てそう言った。今にも泣きそうな顔で、今度はあーりんが唇を噛み締めた。 そんな顔を見られたくないのか、杏果はごめん、と小さく謝ってからあーりんに背中を向ける。 「……杏果」 あーりんの呼び掛けにも杏果は小さくため息をついただけ。 ただでさえ小さな身体なのに、うなだれた背中はさらに小さく見える。 あーりんはそんな小さな背中にぴたりとおでこをつける。杏果はびっくりして首だけこっちを振り向いたみたい。 「確かに杏果はあーりんより小さいし自転車にも乗れないお姉ちゃんだけどね」 杏果はまたため息ついて俯いた。 「でもね、頼りないなんて思ったことないよ?そんな杏果だから、あーりんは大好きなんだもん」 「……あーりん」 「人から見たら頼りないお姉ちゃんかも知れないけど、あーりんにとっては一番かっこいい恋人なんだからね」 背中からぎゅっと抱き締めると、杏果は小さな声で「ありがと」と言ってくれた。 なんだか嬉しくなって杏果の肩口に顔を埋めてみた。すん、と杏果の匂いを嗅ぐと、杏果は身体をよじらせる。 「ちょっ、あーりん、くすぐったい……」 「……ともみんもKマネも遅いね」 「も、もうすぐ来ると思うけどっ」 杏果が話す間も、あーりんは徐々に体重を杏果にかけていく。 「あ、の……あーりん?ちょっと、おも」 「あーりん、眠くなってきたかもー」 「えっ、ちょ……この体勢は色々危ないって」 「何がどう危ないの?あーりんが杏果にもたれかかってるだけじゃーん」 笑いながら、うりゃうりゃと杏果に身体を押しつけると、杏果は「やっ、だから……っ」と、かすれた声を出した。 ……前言撤回。 杏果はあーりんにとって一番可愛い恋人みたいです。 おわり。
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446 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/22(火) 09:25:36.16 ID:QZFrI1ww - イケメンさん乙です!ありがとうございます!
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449 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/05/22(火) 11:19:53.20 ID:QZFrI1ww - イケメンさんに甘えて、早速投下させていただきました。
緑桃で>>267の続きとなっております。 一応、初回ということもあって念のためにパスを設定しましたが、今後もパスを設定するかどうかは決めた方がいいですかね? パスは 「笑顔と元気を僕らに届ける!小さな巨人に○○○をこめて!」 ○○○を英語スペルでお願いします
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