- ももいろクローバーZで百合萌え★2
623 :赤紫 2/2[sage]:2012/05/02(水) 00:30:11.44 ID:aQ9mWq6/ - 自分が我慢することで丸く収まることなら、出来る限り我慢して抱え込んでしまう。
そんな高城が詩織にお願いしてまで、あたしの部屋を譲ってもらうってことは、本当に限界ギリギリの証拠だ。 「ごめん…大したことじゃないのに」 「大したことじゃなくないじゃん。三ヶ月も我慢して…」 「夏菜子に負担かけたくなかったんだよ」 少し身じろいで身体を離すと、高城はあたしの顔を見つめて頬を撫でる。 優しい瞳をして、愛しそうに。大切そうに。 「…でも、結局我慢できなくて来ちゃった。詩織に後で謝らなきゃ」 「いいじゃん別に。そろそろ一人で寝ればいいんだよ」 「それもそうだけどさ」 笑ったままの高城をもう一度抱きしめ直す。 どうせ高城は、あたしが抱きしめなきゃ、明日からも我慢したままで過ごすだろうから。 「…こうしてれば、ちょっとは不足解消できる?」 「ん、できてるよ」 「ならいい」 「…でも、ワガママ言うと、もう少し強く抱きしめてくれると嬉しいなぁ、なんて…」 「そういうの、最初から言えよなぁ」 「えへへ、かたじけない…」 抱きしめる腕に力を篭めると、高城も背中に腕を回してきた。 高城の鼓動が伝わってくる。 「…百田さん」 「なに?」 「高城は幸せ者です…」 「これが普通だよ。高城はいっつも我慢しすぎなんだって」 「自分では我慢してるつもりないんだけどねぇ」 「それならそれでいいから、足りないと思ったらすぐ言ってよ。抱きしめるくらい、いつでもするし」 「皆がいる前でも?」 「ぅ…それはちょっと…」 あたしが言葉を濁すと、高城は小さく笑った。 「なんかいい夢見れそう」 「なら良かったよ」 「ありがと、夏菜子」 「別に気にすんなよ」 もう一度抱きしめ直すと、高城の寝息が聞こえ始めた。 「…あんま我慢すんじゃねーぞ」 眠り始めた高城の髪を少し撫でて、あたしも目を閉じる。 夢をコントロールできるらしい高城だけど、あたしと一緒の時くらい、コントロールなしでも、いい夢が見れたらいいなって、柄じゃないけど、そう思ったりする。 あたしはきっと、高城が思ってる以上に高城が好きだから。 いつか、高城がそれに気づいて、変な我慢をしないであたしを頼ってくれたら、その時はあたしも自分のことを幸せ者だって思えるんじゃないかって、やっぱそれも、柄じゃないけどそう思ってしまう。 それがいつなのかは、今はまだ分からないけれど。
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