トップページ > レズ・百合萌え > 2012年05月02日 > aQ9mWq6/

書き込み順位&時間帯一覧

32 位/314 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数2000000000000000000000002



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
赤紫 1/2
赤紫 2/2
ももいろクローバーZで百合萌え★2

書き込みレス一覧

ももいろクローバーZで百合萌え★2
622 :赤紫 1/2[sage]:2012/05/02(水) 00:28:26.88 ID:aQ9mWq6/
「夏菜子ぉ、詩織、今日はあーりんの所で寝るから〜」
「へ?あぁ、そうなんだ?」
「詩織がいないからって寂しがって泣くなよ〜?」
「はぁ〜?泣かないし。あたし元々一人で寝れるし」
「はいはい。じゃ、そゆことにしとくよ、じゃね〜」

ヒラヒラと手を振って、詩織はキャリーバッグを引いてった。
ホテルの泊まりで、詩織が部屋に来ないなんて珍しい。
まぁ、久しぶりだけどゆっくり出来るからいっか。

のんびりと寝る準備をしてたら、部屋の呼び鈴が鳴った。
一応、「危ないからホテルのドアはいきなり開けない」ってkwkmさんに言われてるから、ドアスコープを確認する。

「あれ?高城じゃん、どしたの?」
「えへへ…おじゃまします…」

部屋に来たのは高城だった。

「え、何なに?高城が来るなんてめずらしーね」
「うん、大したことじゃないんだけどね…ちょっとしおりんにもお願いして、あーりんの所に行ってもらった」
「え、ますます珍しい。ホントどしたの?」

ベッドに座って聞くと、高城も隣に座ってきた。

「うん…高さんちょっと夏菜子不足で…」
「え…?」

隣に座った高城は、そのまま腕を絡め、あたしにもたれかかってきた。
一応、あたしは高城と付き合っている。
仕事の合間こそ、ふざけて絡んできて、ちゅーしようとしたり、何したりしてくる高城だけど、二人になると積極的に来ることは珍しい。
そんな高城が自分から来る時は、もう限界ギリギリの場合が多い。

「不足って…高城いつから我慢してたの?」

もたれている身体をいったん離して正面にまわる。
向き合った顔はいつもの笑顔だけど、心なしか元気がない。

「ん〜…三ヶ月前くらいからかな?」
「バカ…我慢しすぎ」

そのまま肩を押してベッドに寝かせ、あたしも横になって高城を抱きしめる。
腕の中に収まる身体は細っこくて、あんなダンスを踊れるなんて想像がつかない。

「…ほんとはね、来ないつもりだったんだよ」
「うん…」
「詩織は夏菜子と寝たいだろうし、夏菜子は夏菜子で忙しくなったから疲れてるだろうし…」
「うん…」
「でも、我慢できなくてね」
「そんな我慢しなくていい」

高城は優しい。
何をするにも、自分のことよりまず他人のことを優先させる。
思うことがあっても、それを表に出すことがプラスにならないと思えば、見せないし言わない。
ももいろクローバーZで百合萌え★2
623 :赤紫 2/2[sage]:2012/05/02(水) 00:30:11.44 ID:aQ9mWq6/
自分が我慢することで丸く収まることなら、出来る限り我慢して抱え込んでしまう。
そんな高城が詩織にお願いしてまで、あたしの部屋を譲ってもらうってことは、本当に限界ギリギリの証拠だ。

「ごめん…大したことじゃないのに」
「大したことじゃなくないじゃん。三ヶ月も我慢して…」
「夏菜子に負担かけたくなかったんだよ」

少し身じろいで身体を離すと、高城はあたしの顔を見つめて頬を撫でる。
優しい瞳をして、愛しそうに。大切そうに。

「…でも、結局我慢できなくて来ちゃった。詩織に後で謝らなきゃ」
「いいじゃん別に。そろそろ一人で寝ればいいんだよ」
「それもそうだけどさ」

笑ったままの高城をもう一度抱きしめ直す。
どうせ高城は、あたしが抱きしめなきゃ、明日からも我慢したままで過ごすだろうから。

「…こうしてれば、ちょっとは不足解消できる?」
「ん、できてるよ」
「ならいい」
「…でも、ワガママ言うと、もう少し強く抱きしめてくれると嬉しいなぁ、なんて…」
「そういうの、最初から言えよなぁ」
「えへへ、かたじけない…」

抱きしめる腕に力を篭めると、高城も背中に腕を回してきた。
高城の鼓動が伝わってくる。

「…百田さん」
「なに?」
「高城は幸せ者です…」
「これが普通だよ。高城はいっつも我慢しすぎなんだって」
「自分では我慢してるつもりないんだけどねぇ」
「それならそれでいいから、足りないと思ったらすぐ言ってよ。抱きしめるくらい、いつでもするし」
「皆がいる前でも?」
「ぅ…それはちょっと…」

あたしが言葉を濁すと、高城は小さく笑った。

「なんかいい夢見れそう」
「なら良かったよ」
「ありがと、夏菜子」
「別に気にすんなよ」

もう一度抱きしめ直すと、高城の寝息が聞こえ始めた。

「…あんま我慢すんじゃねーぞ」

眠り始めた高城の髪を少し撫でて、あたしも目を閉じる。
夢をコントロールできるらしい高城だけど、あたしと一緒の時くらい、コントロールなしでも、いい夢が見れたらいいなって、柄じゃないけど、そう思ったりする。
あたしはきっと、高城が思ってる以上に高城が好きだから。
いつか、高城がそれに気づいて、変な我慢をしないであたしを頼ってくれたら、その時はあたしも自分のことを幸せ者だって思えるんじゃないかって、やっぱそれも、柄じゃないけどそう思ってしまう。

それがいつなのかは、今はまだ分からないけれど。


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。