トップページ > レズ・百合萌え > 2012年02月08日 > a4MUNStN

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名無しさん@秘密の花園
【ガスト】アトリエシリーズで百合 3

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【ガスト】アトリエシリーズで百合 3
106 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/08(水) 00:02:35.93 ID:a4MUNStN

 メルルがケイナを押し倒しているのと同じ頃。アールズ市街、ミミの部屋。
「あの……ミミちゃん? どうしたの?」
 ベッドの上、仰向けに倒れながら、戸惑っているトトリ。手を突いて覆い被さるミミは、客観的には主導権を握っている体勢なはずだが、トトリ以上に狼狽していた。
「わ……私にも分からないわよ! 何か知らないけど、さっきから体が熱くて、自分でもどうしようもないくらいにトトリのことが……!」
「体が熱く……それってひょっとして、さっきロロナ先生が持ってきたパイを食べてから?」
「ええ、そうよ。あのパイ食べてから、どんどん体が熱くて変な気持ちに――……」
「…………」
「…………」
「もしかしなくても、原因あのパイだよね」
「そうね……間違いないわね」
 しかし理由が分かったところでパイの効果が切れるわけでもなく、押し倒し中なミミと押し倒され中なトトリである。
「ごめんトトリ……そろそろ……我慢の限界……」
 パイの効果が強まってきているのか、ミミは湧き上がってくる感情を必死で抑えようとする。
「ミミちゃん……」
「頭では分かってるんだけど……どうにもできない……今すぐトトリを抱き締めたい……」
「……いいよ」
「え……?」
 不意に優しく囁かれた言葉に、ミミはハッと目を見開く。
 トトリは邪気の無い瞳でミミを見つめ、言った。
「いいよ。ミミちゃん」
「え、でも、こんな、パイのせいでおかしくなってて……こんな状況で、いいの?」
「だって私も同じパイ食べたんだよ。私の方も、さっきから我慢してるんだから」
「あ……」
「それに……」
 トトリは恥ずかしげに、少し目を伏せた。
「パイのことがなくても……ミミちゃんだったら、構わないから」
「トトリ……」
「だから、いいよ。私のこと……ミミちゃんの好きにして」


【ガスト】アトリエシリーズで百合 3
107 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/08(水) 00:06:10.26 ID:a4MUNStN

 トトリの台詞で興奮のあまりミミが鼻血を吹いたのと同じ頃。並木通りの酒場。
「ちょ、ちょっとフアナさん!? どうしちゃったのー!?」
「ふっふっふ……うりゃー!」
「きゃあああ!?」
「捕まえたー!」
 雪のせいで開店休業状態な昼間の酒場で、フィリーがフアナに襲われていた。
「んふふ……観念するんだよフィリーちゃん」
「フ、フアナさん酔ってるの?」
「んー、さっきロロナちゃんがくれたパイがピリッと辛くてお酒と相性よくてさ。つい昼間から開けちゃった♪ そしたら何か体が熱くて、すっごく人肌恋しくてさー。性的な意味で」
「だからって何で私を――ひゃあ!? ど、ど、どこに手入れてるのー!?」
「おっぱいに決まってるじゃん。お手頃サイズだけど感度はなかなか……うりゃうりゃ」
「や、やめっ、やめてってば!」
「いいじゃん別にー。年下攻めだよー。フィリーちゃん下克上とか好きでしょー」
「自分がやられるのは別なの! 嫌なの!」
「好き嫌いはいけないなぁ。そんないけない子には、おじさんがおしおきしてあげないとなぁ」
「ひゃうっ!? だっ、だめっ、そんなとこ触っちゃ……だ、誰かっ……メルルちゃん助けてーっ!」
「メルちゃんなら今ごろケイナちゃんと乳繰りあってるんじゃないの〜」
「だったら私それ見に行くーっ! は〜な〜し〜て〜!」
「つれないこと言わないで、今日はもうフアナさんと仲良くしてましょうよ〜」
「だっ、だからっ、やめっ…………アッー!」


【ガスト】アトリエシリーズで百合 3
108 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/08(水) 00:11:31.22 ID:a4MUNStN

 フィリーがフアナに最終防衛ラインを突破されそうになったのと同じ頃。除雪作業員のために用意された簡易休憩所。
「……師匠」
「……何だ。ジーノ」
 休憩用の椅子に座って向かい合うジーノとステルクの肌は、熱さに上気し、首筋からはほのかに湯気すら漂っている。
「何かさ……さっきロロナさんが差し入れしてくれたパイ食ってからさ……」
「うむ……お前も感じていたか」
 二人とも、身の内にたぎる感情を抑えるかのように微動だにしない。
「師匠」
「……やるか」
「おう」
 二人はおもむろに立ち上がると、羽織っていた上着を脱いだ。そしてその逞しい腕を露わにして、それぞれ手にスコップを取った。

 休憩所の外は、ある意味異様な光景だった。大勢の兵士と冒険者達が協力して街の雪かき・雪おろしをしているが、その全員がこの雪の中あり得ないような薄着をしているのだ。なのに全く寒そうな様子がない。
 おまけに全員妙にテンションが高く、大きな掛け声を上げながらものすごいハイペースで作業を進めている。
「ぃよっしゃあーっ!! やるぞーっ!!」
 休憩所から出てきたジーノも、やたらハイテンションで作業に加わった。
「さて、私も――」
 ジーノほどかっ飛んではいないが、気合い十分なステルクも、いざ作業に取りかかろうとする。
 と、そこへある人がやってきた。
「ステルク殿」
「おお、ルーフェス殿か」
「除雪作業の進捗状況を視察に来たのですが……どうやら全く心配無用のようですね。むしろ予想を遥かに上回るハイペースだ」
「だとしたら、それはロロナ君の手柄だな」
「ロロナ様の、ですか?」
「うむ。実は先ほど差し入れとして、大量のパイを皆に振る舞ってくれてな。体の温まるパイとのことだったが、実際食べてみるとそれだけでなく、体の内側から沸々と燃えたぎるように力が沸いてきたのだ」
「なるほど……ロロナ様お得意の不思議なパイが、今回は大きくプラスに働いたというわけですね」
「そうだな。さて、私も作業に戻るとしよう」
「机の上で出来るだけの仕事は終わったので、私も手伝いましょう」
「そうか。なら、休憩所に例のパイが残っているから是非食べるといい」
「では、いただきましょう」
「ただし味は辛口のミートパイだぞ」
「おや……それは少し残念ですね」


【ガスト】アトリエシリーズで百合 3
109 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/08(水) 00:15:15.06 ID:a4MUNStN


 この日、アールズ王国を記録的な大雪が襲った。予想外の天災ということに加え、開拓が進み多くの人が暮らすアールズでは、各種の被害も甚大なものになるだろうと予想された。
 しかし、国王デジエ及び執事ルーフェスの素早く的確な指示の元、アールズの兵士とアーランドから出向していた冒険者が見事に連携し、除雪作業は極めて迅速に行われ、被害は最小限に留められたという。
 なお、アーランドの錬金術士ロロナが作ったパイが、除雪作業に当たっていた作業員達の士気を大いに盛り上げたことも特筆に値する。
 件のパイは男性陣から非常に好評で、後日ロロナのパイショップのラインナップに加えることも検討されたが、何故かメルルを始めとする女性陣の激しい反対があり、なかったことになったという。


おわり
【ガスト】アトリエシリーズで百合 3
110 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/08(水) 00:17:39.05 ID:a4MUNStN
以上。読んでくれた人、ありがとう。
先週、雪と寒さがひどい中、ふと思い付いたお話。
ちなみにパイの効果が切れた後、メルルとトトリ先生はちゃんとお薬用意したし、ケイナとミミちゃんは色々お手伝いしたし、フアナさんは地面に頭がめり込む勢いでフィリーちゃんに謝りました。


現在保管庫が機能してないようですが、トトミミ新婚生活編とかできたら続き書きたいなと思っているので、とりあえず前スレ分をピクシブに投下しておきます。


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