- ももいろクローバーZで百合萌え
205 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 20:47:59.04 ID:kI7OGpTC - 「最近、夏菜子がちゅーしてくれないんです」
その言葉を聞いて、ビクッとした。 幸い、動揺は気付かれてないようだけど。 事の発端は、あかりんと詩織。 二人がじゃれ合っていたところを、れにがカメラで撮っていて、 たまたま近くにいた私に詩織が絡んできた訳だけど。 撮影者のれにを含めてかなり不利な状況。 嫌な予感しかしない。
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206 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 20:51:33.73 ID:kI7OGpTC - 「なんで?」
「別に、最近っていうか、元々してないじゃん!」 「最近でしょ。前はしてくれてたもん」 う…。いや、まぁ…そうなんですけどね。 だって、分かっちゃったんだもん。 自分の気持ち。だから…。 「はい、夏菜子ちゃん。諦めようか?」 「う、わ…」
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207 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 20:59:48.12 ID:kI7OGpTC - そんな事を考えていたら、いつの間にか後ろからあかりんに
羽交い締めされて、身動きが取れなくなっていた。 そして目の前には悪戯顔の詩織。この状況でれにが助けてくれる訳がない。 絶対絶命。 そんな言葉が頭に浮かんだ。 そうするうちに、どんどん近付く詩織の顔。 必死に目を逸らすけど、あかりんの腕のせいで顔を背ける事ができない。
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208 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:04:10.28 ID:kI7OGpTC -
「ちょ…っ!んーー!」 …抵抗虚しく、ものの数秒でKOされた。 唇に灯った柔らかい感触に顔が熱くなっていくのが分かる。 わーい、なんて三人が騒いでるお陰で気付かれて無いようだ。 なんとか拘束から解放された私は顔を隠しつつ、その場を離れた。 唇に触れるとあの柔らかい感触が蘇る。
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209 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:07:42.20 ID:kI7OGpTC - ホントに、詩織は何にも分かってない。
私がじゃれあいに応じなくなった理由。 至極簡単。単純な話だ。 詩織の事、好きって気付いたから。 妹なんかじゃないって思っちゃった。 そう思ったら、まともに顔も見れなくて。 抱きつかれるたびに、心臓の音が聞こえるんじゃないかって内心いつもヒヤヒヤしてた。
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210 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:11:27.81 ID:kI7OGpTC - そんで、このまま今みたいな事をしてたら、いつか誰かに、詩織にバレちゃうんじゃないかって。
嫌われたくなくて、知られたくなくて、不安で。 だから、…。 「夏菜子ぉー…?」 「ぅわあっ!?」 「わーっ!?なにっ!?」 いきなり肩をつつかれて、びっくりして大声を出してしまった。 振り返るまでもなく、声の主は甘えん坊の皆の妹。
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211 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:15:19.42 ID:kI7OGpTC - 「びっくりしたー…。驚かさないでよ、もー」
「いやいや、こっちの台詞だから。夏菜子の声にビビったし」 いつもの笑顔でおどける詩織に、さっきまでの不安がちょっと和らいだ。 「で、どうしたの?」 「あ、あー…えーっと、ごめんね?」 「は?」 いきなり謝られて、意味が分からなかったけど、 すぐにさっきの事を言ってるんだって気付いた。
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212 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:17:26.22 ID:kI7OGpTC - こうやって、詩織は意外と周りを見ている。
たまに、気を遣いすぎなんじゃないかって思うほどに。 「あー、いいよ。別に」 「怒ってない?」 「怒ってないよ」 嫌な訳じゃない。 ただ、私だけ気持ちが違うから。 罪悪感とか色々あって、したくないだけなんだよ。
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213 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:20:03.07 ID:kI7OGpTC -
たった二言。 「好き」って言葉の重さは計り知れないけど、言えたら楽になれるのかな。 「そっか、良かった」 「うん」 「まー、でも、百田さんは詩織の事、大好きだもんね?そうだそうだ!」 私が怒ってない事を確認すると、ホッとした表情で言った。 そうやってサラッと言う詩織に、何故だかもどかしさも募って。
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214 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:22:16.25 ID:kI7OGpTC - 不安が和らいだばっかりなのに、途端に芽生えた、悪戯心。
「…そうだよ?大好きだから、私以外と、ち、ちゅーとかしちゃダメなんだからね!」 この位は詩織の性格上、言っても大丈夫。 …噛んだけど。 「あー、百田さんヤキモチ?大丈夫、詩織は夏菜子一筋だからさ!」 「うわー、よく言うよ」 そういって、いつものように笑い合う。
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215 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:25:30.02 ID:kI7OGpTC - これが日常で理想的な関係。
詩織だってきっと、変わらずずっとこの関係が続いて行くって、そう思ってくれているはず。 だから、私のこの気持ちは消すのが一番いいんだと思う。 でも、もしも…。 もしも、詩織も望んでくれるのなら。 「本当だよ?夏菜子のこと、大好きだもん…」 「え?」 私は……。
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216 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2012/02/01(水) 21:29:22.01 ID:kI7OGpTC -
--end-- (書き忘れました。) 相変わらずの、赤→黄です。 お目汚し失礼。 前回、読んで下さった方、有難うございました。
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