- 【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
166 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 02:05:55.91 ID:a9R0kxKL - あ
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- 【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
167 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 02:19:51.81 ID:a9R0kxKL - 「起きなさい…起きなさい。わたしのかわいい勇者…。」
チュンチュン お母さん「おはよう勇者。今日はとても大切な日。あなたが国王様に旅立ちの許しをいただく日だったでしょ?ほらほら、ぐずってないで早く起きなさい、勇者。」 女勇者「………。」 お母さん「…ねぇ、お願いだから返事くらいして。勇者。」 女勇者「………。」 お母さん「ねぇ、勇者ってば。」 女勇者「うるっさいなぁ…。あと少しだけ寝かせてよね…。」 お母さん「……はぁ…どうしてこんな子に育っちゃったのかしら…。」
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- 【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
168 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 02:52:12.97 ID:a9R0kxKL - ボクの名前は勇者。アリアハンの英雄オルテガの娘で女勇者だ。
でも、その英雄であるボクの父親は、長い冒険の末にどこかの火山の火口に落ちて、魔王討伐という目的を果たせぬまま死んじゃったらしい。 16歳になったこの日、ボクは亡き父親の遺志を受け継いで、世界を滅ぼそうとしている魔族の王バラモスを倒す為に、アリアハンから旅立つ事になった。 …でもさぁ、別にボクこんな事言いたくないんだけど、なんでボクだけこんなツラい冒険をしなくちゃならないんだろう? 今は亡き英雄の「娘」だからって、ボクが世界の人達を救う為に必死になって頑張らなきゃいけない理由なんて全然無いと思うんだよね。親は親、ボクはボクなんだからさぁ。 ホント最悪。嫌な血を受け継いじゃったなぁ、ボクは…。ハァ〜、めんどくさい…。
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169 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 03:33:42.17 ID:a9R0kxKL - 〜ルイーダの酒場〜
ボクは、全然乗り気じゃなかったけど、しょうがないので王様に会いに行った。そして、旅の仲間を探す為に冒険者達が集まる町外れの「ルイーダの酒場」へやってきた。 キィ…ガチャン 女勇者「………こんにちわ。」 ルイーダ「…ん?あら!いらっしゃい勇者ちゃん!待ってたわよ?あなたもいよいよ旅立ちかぁ…感慨深いわね…。」 女勇者「…はぁ。…そうですか?」 ルイーダ「それにしてもあなた、来るのがずいぶん遅かったじゃないの。ウフフ、また寝坊したんでしょ?」 女勇者「…別に…。て言うかここのお店、夜遅くまで営業してるんでしょルイーダさん?ボクが来るのが少し遅くなったからって、そんなに問題にはならないと思いますけど?」 ルイーダ「…はぁ〜…相変わらずひねくれてるわねあなた…。ま、いいでしょう。ね、勇者ちゃん。わたしねぇ、前からスゴく悩んでたのよ。あなたのその性格に合う冒険者さんが旅立ちの日までに見つかるか心配で心配で…」 女勇者「………。」 ルイーダ「でもね最近、とっても優しくて面倒見のいい僧侶さんがうちの店の冒険者リストに登録してくれたのよ!あの子ならあなたとも上手くやっていけるはずよ!ふふふ、どーお?ちょっと嬉しいでしょ?」 女勇者「…別に…。あ、まぁちょっとは嬉しいです。」 ルイーダ「うん…全然嬉しそうじゃないわね…。ん、まぁしょうがないわね。じゃ、ちょっと待っててね勇者ちゃん。今その子呼んでくるから。」
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170 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 04:06:57.59 ID:a9R0kxKL - …面倒見のいい優しい僧侶?なにそれ?ボクの気も知らないで勝手に一人で盛り上がっちゃってさぁ。別に、ルイーダさんの事は嫌いじゃないけど、ボクは冒険なんか全然したくないんだ。嬉しい訳ないじゃない。
ま、いいよ?どうせさ、ボクのこの性格に合う人間なんかこの世にいる訳ないし。そいつもそのうち、ボクに愛想を尽かして旅の途中で逃げ出すに決まってる。 そうしたら大手を振ってアリアハンに帰ってくるんだ。何故って?当然でしょ?だってさ、モンスターだらけの知らない土地を一人で旅するなんて、出来る筈がないもん。 キィ…バタン。 あ、来たみたい。どんな人か楽しみだなぁ、ホント。
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171 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 04:58:22.99 ID:a9R0kxKL - ルイーダ「お待たせ勇者ちゃん。ルイーダお姉さんお墨付きのとっても優しい女僧侶ちゃんよ?よーし、それじゃお互いに自己紹介でもしましょうか?」
女僧侶「はい、ルイーダさん。」 女勇者「(へぇ〜、女の人なんだ?結構美人だね…。まぁ、気持ち悪いオジサンとかよりは全然マシかな?でもなんかボーッとしてそう、この人…。)」 女僧侶「…?えっと…?あの、ルイーダさん。勇者様はどちらに?」 女勇者「…?」 ルイーダ「ちょっと僧侶ちゃん。目の前にいるじゃないの。もう。」 女僧侶「え?…まぁ、あなたが勇者様?ごめんなさい私、全然気がつかなくて…。うふふ、それにしてもずいぶん可愛らしい勇者様なんですね。」 女勇者「…!!」 女僧侶「…?どうかなさいましたか?」 女勇者「…ねぇ、僧侶のお姉さん。今、ボクの事バカにしたよね?」 女僧侶「…え?」 女勇者「とぼけないでよ!今ボクの顔見て小さくて弱そうだなってバカにしたでしょ!?」 女僧侶「???…い、いえ、私そんな事は一言も…。」 女勇者「言ってなくてもボクには分かるんだ!心の中でそう思ったでしょ絶対!?ふざけるなよ!!」 女僧侶「…あ、あの…。勇者様…?」
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172 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 05:21:19.50 ID:a9R0kxKL - ルイーダ「ちょ、ちょっと待って勇者ちゃん!僧侶ちゃんは何もそんなつもりで言った訳じゃないと思うわよ!?あなたが可愛い顔してるからつい…」
女勇者「ルイーダさんは黙っててよ!!…ふん、お姉さんはさ、ボクの身長が低くて小さいからバカにしたんだよね?自分は背も高いしスタイルもいいからさ。それでボクの事見下したんでしょ?」 女僧侶「そんな…!どうしてそんな事言うのですか勇者様!?私は絶対にそんな事思っておりません!」 女勇者「うるさいうるさい!!嘘つかないでよ!お姉さんの目を見れば分かるもんボク!」 女僧侶「いいえ勇者様、私はそんな事思っておりません!絶対に!」 ルイーダ「ちょっと待って二人共!落ち着きなさい!あなた達ねぇ、これから一緒に旅をする仲間なのよ!?会ったばかりでいきなり喧嘩してどうするの!もう!」
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173 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 06:13:20.71 ID:a9R0kxKL - 女勇者「ハァ…!ハァ…!…ふん。もういい。最初からこれだもん、上手くやっていける筈無いよ。あ、もしかしてさ、もう逃げ出したくなったんじゃないの?お姉さん?」
女僧侶「…なんですって!?」 女勇者「別にいいよ?ボクの仲間になってくれなくてもさ。でも凄く優しくて面倒見がいいんだよね、お姉さんって?あ〜あ、楽しみだなぁ。いつボロが出るのか、それが凄い楽しみっ。ふんだ。」 女僧侶「なっ…!?ま、待ちなさいあなた!どうしてそんな酷い事を…!」 ギィ…バタン! 女僧侶「…なんなんですかあの子!?本当に勇者様なんですか!?ルイーダさんには悪いんですけど、私があの子の仲間になれるとは到底思えません!」 ルイーダ「待って僧侶ちゃん!待って!…お願い、我慢してくれないかしら?あの子、昔からああいう性格してるから、他人と上手くコミュニケーションが取れないのよ。 私、勇者ちゃんが子供の頃からずーっと見てきたから分かるの。本当はあの子も、自分のあの性格に苦しんでるのよ。スゴく。」 女僧侶「……そうでしょうか?そうは見えませんでしたけど…。」 ルイーダ「まぁ、初めて会ったんだから分からないのも当然よね。でもね、けっして悪い子じゃないのよ。ちょっとひねくれてるだけなの。だからお願い…なんとかあの子の力になってもらえないかしら…?」 女僧侶「………。」 ルイーダ「お願い…僧侶ちゃん。」 女僧侶「ルイーダさんが…そこまでおっしゃるなら…。でも私、ついていけなくなったら、すぐに登録を解除させてもらいます…。申し訳ないんですけど…。」
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