トップページ > レズ・百合萌え > 2011年12月25日 > 1w2BI6WK

書き込み順位&時間帯一覧

1 位/222 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数00000000000002323434100224



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
名無しさん@秘密の花園
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】

書き込みレス一覧

【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
174 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 13:28:29.44 ID:1w2BI6WK
私は、勇者様と仲直りする為にルイーダの酒場を出た。

勇者様の旅のお供をルイーダさんからお願いされた時は、正直スゴく嬉しかった。私のようなしがない一僧侶でも、世界を救うお役に立てるんだ、って。そう思ったから。

でも…まさか勇者様があんな性格の女の子だったなんて…。この先上手くやっていけるのか、とても不安だわ…。はぁ…。

それにしてもあの子、どこに行ったのかしら?アリアハンの町は結構広いし…すぐに見つかるといいんだけど…。あ、もしかして家に帰っちゃったかも…?

そう思っていたら、ルイーダの酒場のすぐ横の生け垣のそばで、座り込んでいる勇者様を見つけた。

なんだ、こんなすぐ近くにいるじゃない。でも良かったわ。遠くに行った訳じゃなくて。

……でもあの子、あんな所に座り込んで、何してるのかしら?
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
175 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 13:56:39.81 ID:1w2BI6WK
女勇者「ほら、ミケ。ご飯だよ?どこに行ったの?ミケ?」
野良猫「ミャ〜」
女勇者「あ、そんな所にいたんだ。ねぇ見て。今日はさぁ、ルイーダさんお手製のアリアハンフィッシュの蒲焼きなんだ。ボクも大好物なんだよ?」
野良猫「ニャ〜ン」

女僧侶「(…!あれって、よくルイーダの酒場の二階に出入りしてる野良猫じゃない。………あの子、酒場のお料理を残して、あの猫にあげてるんだ…。)」

女勇者「ふふふ、どう?美味しいでしょ?ボク、全部食べたかったけどさ、お前の為にこんなに残してあげたんだよ?だからさ、よく味わって食べるんだぞ、ミケ。」
野良猫「ニャン。」

女僧侶「(………。ルイーダさんの言うとおり、本当はスゴく優しい子なのかな…?あの子…。)」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
176 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 14:27:24.19 ID:1w2BI6WK
女僧侶「勇者様。」
女勇者「(ビクッ!)…だ、誰!?あ…な、なんだ。さっきのお姉さんじゃん…。なに…?ボクに、まだ何か用…?」
女僧侶「……。仲直り、しようと思って。」
女勇者「………。」
女僧侶「……猫、好きなの?」
女勇者「べ、別に…好きじゃないけど…。この猫、いつも一人ぼっちだからさ、ちょっと可哀想だからご飯あげてただけ…。悪い?」
女僧侶「んーん、ちっとも。そっか、可哀想だからご飯あげてたんだ。うふふ、優しいんですね、勇者様って。」
女勇者「な…!?ボ、ボクは別にこんな猫どうだっていいんだよ!?ただ、なんとなくエサあげてただけだからね!」
女僧侶「…うん…分かってるわ。」
女勇者「…?な、何?さっきからなんで笑ってるのお姉さん?また、ボクの事バカにしてる?」
女僧侶「…違うわ。嬉しいから、笑ってるの。」
女勇者「は、はぁ?なにそれ意味分かんないんだけど…。何か楽しい事でもあったの?」
女僧侶「うん、有ったわ。スゴく嬉しかった事が。」
女勇者「…?」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
177 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 14:45:35.50 ID:1w2BI6WK
女僧侶「私は僧侶と申します。あなたの旅に私もお供させてください。改めてお願い致しますわ。」
女勇者「…!ふ〜ん、いいの?そんな風に言っちゃってさ。ボクの仲間になっても、お姉さんが…僧侶さんが苦労するだけだよ?だって、ボク、全然やる気無いもん。」
女僧侶「ええ、構いません。あなたのお役に立てるよう、一生懸命頑張りますから。これから宜しくお願いしますね、勇者様。」
女勇者「…そう。じゃあ、勝手にすれば…?」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
178 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 14:59:33.56 ID:1w2BI6WK
女勇者「あのさ、ボク、これから家に帰ってお母さんに挨拶しなきゃならないんだ。」
女僧侶「はい。これから長い冒険に旅立たれるのですから、当然ですわ。」
女勇者「…それで…その…」
女僧侶「…?どうかしましたか?勇者様?」
女勇者「別に…。あ、あのさ、お姉さんも一緒に…その…家に…来る…?」
女僧侶「ええ、お邪魔で無ければ。是非勇者様のお母様へご挨拶させてください。」
女勇者「そ、そうなんだ。じゃあいいよ、家に来ても。特別にお姉さんは許してあげる。」
女僧侶「?」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
179 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 15:18:50.93 ID:1w2BI6WK
〜勇者の家〜

ガチャ。キィ…

女勇者「……ただいま…。」
お母さん「あら、ずいぶん遅かったわね、勇者。王様にちゃんとご挨拶できた?」
女勇者「…大丈夫だよ。ボク、もう子供じゃないんだからさ…。」
お母さん「そう、良かったわ。お母さん、あなたが変な事言わないか心配で心配で…。」
女勇者「……。」
お母さん「…あの、あなたは?どちら様かしら?」
女僧侶「初めまして、勇者様のお母様。僧侶と申します。勇者様の旅に同行させて頂く事になりました。宜しくお願い致します。」
お母さん「まぁ…!まぁまぁまぁ!イヤだわこの子がお友達を連れてくるなんて…!」
女僧侶「え?い、いえ、お友達だなんて…。勇者様に失礼ですわ。お母様。」
お母さん「そんな事ないわよ僧侶ちゃん!この子ったら、昔っから人付き合いが凄く苦手で…。今まで一度も友達を連れてきた事が無かったの。だからとても嬉しいわ、あなたのようなしっかりしたお友達が出来て…。」
女勇者「う、うるさいな!余計な事言わないでよ!!」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
180 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 15:36:31.84 ID:1w2BI6WK
タン、タン、タン…!

お母さん「ちょっと勇者!どこに行くの!?僧侶ちゃんをほったらかして!」
女勇者「…どこって、ボクの部屋だよ。旅の支度をしてくるからさ。」
お母さん「ねぇあなた、お昼ご飯まだでしょう?今準備してるから食べていきなさい。」
女勇者「…いらない。ルイーダさんの所で食べてきたもん。僧侶さん、もし良かったら食べてってよ?」
女僧侶「…え?あ、はい…。」
女勇者「食べ終わったらさ、二階のボクの部屋に来てね。荷物運ぶの手伝ってもらうからさ。」
女僧侶「え、ええ…。」

ギイ…バタン!

お母さん「はぁ〜…もう、あの子ったらいっつもそう。自分勝手でワガママで…。ごめんなさいね僧侶ちゃん。嫌な思いしてるでしょ、あなたも。」
女僧侶「…そんな事ありませんよ。勇者様のお母様。」
お母さん「私の育て方が悪かったのね…。甘やかして育てたつもりは無かったのだけど…。ふぅ…。」
女僧侶「………。」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
181 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 16:12:16.75 ID:1w2BI6WK
コンコン、ガチャ

女僧侶「失礼します、勇者様。」
女勇者「あ、お姉さん。どうだった?ご飯、美味しかった?」
女僧侶「はい、とても美味しかったですよ、勇者様のお母様の手料理。」
女勇者「そっか。じゃあ良かったね。まったく、家のお母さん、余計な事色々言うからさ。嫌になっちゃうよ。ご飯は美味しいけどさぁ。」
女僧侶「………。」
女勇者「あ、そうだ!ねぇお姉さん。今荷物整理してたら見つけたんだけどさ。この布の服、お姉さんにあげるよ。」
女僧侶「…え?でも、それは勇者様のお洋服では?」
女勇者「いいの。ボクには大きすぎて着れないんだ、この服。お姉さんならサイズピッタリでしょ?法衣の下にでも着てよ。」
女僧侶「…そうですか。じゃあ、ありがたく頂きますね、勇者様。」
女勇者「…?なに?なんでまた笑ってるの?」
女僧侶「なんでもありません。」
女勇者「…なにそれ?教えてよお姉さん!」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
182 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 16:26:21.81 ID:1w2BI6WK
〜アリアハンからの旅立ち〜

女勇者「…じゃ、行ってくるね。お母さん。」
お母さん「気をつけて行ってらっしゃい勇者。ちゃんと寝る前は歯を磨くのよ?」
女勇者「うるさいなぁ…分かってるよ…。」
お母さん「僧侶ちゃん、勇者の事宜しく頼みますね。」
女僧侶「はい。お母様。」

ザッザッザッ

女勇者「バッカじゃないの。いつまでもボクを子供扱いしてさぁ。」
女僧侶「まぁまぁ勇者様。お母様はあなたの事が心配なんですよ。口うるさくしてしまうのは仕方ありませんわ。いくつになっても、親から見れば子供は子供ですから。」
女勇者「…ふ〜ん。」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
183 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 16:44:34.77 ID:1w2BI6WK
女勇者「あのさ、ひとつ言っておきたいんだけど。」
女僧侶「なぁに?」
女勇者「ボクさ、今までモンスターと戦った事、一度も無いんだよね。」
女僧侶「まぁ、そうなんですか?…スライムとも?」
女勇者「…無いよ。なに?今バカにした?」
女僧侶「あん、ごめんなさい。バカにはしておりません。少し驚いただけです。」
女勇者「…そう。じゃあいいんだけどさ。とにかく、ボクは怪我とかしたくないんだよね。別に、モンスターが怖い訳じゃないよ?ボクは子供の頃から剣の修業とかたくさんしてきたからね。倒そうと思えば簡単に倒せるんだ。」
女僧侶「…ええ。」
女勇者「でもさ、もし、勇者であるボクが倒れたら、お姉さんだって困るでしょ?皆から非難浴びまくると思うよ?だからさ、モンスターの相手は、全部お姉さんがしてね。」
女僧侶「……。」
女勇者「なに?嫌なの?」
女僧侶「そんな事ありません。分かりました。では、モンスターが現れたら勇者様は私の後ろに隠れていてください。私が全て倒しますので。」
女勇者「…そう、良かった。それを聞いて安心したよ、ボク。」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
184 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 17:03:31.44 ID:1w2BI6WK
あはははっ♪バッカじゃないのこの人?これからボクと二人だけで冒険しなきゃいけないのにさ、あんた一人でモンスター全部を倒していける訳無いじゃん。

何が「私の後ろに隠れていてください」だよ。せいぜい怪我しないように頑張ってね、僧侶のお姉さん。

あ、でも、逃げ出したくなったらいつでも逃げていいよ?ボクにはこのキメラの翼があるからさ。あなたが逃げてもボクはこれを使ってアリアハンに帰る事ができる。それでめんどくさい冒険も終了さ。

あ〜楽しみ。早く諦めてリタイアしないかな?お姉さん♪
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
185 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 17:22:25.25 ID:1w2BI6WK
女僧侶「裁きの杖よ、邪悪なるモノを滅したまえ!」

杖から裁きの雷が降り注ぐ!魔物の群れをやっつけた!ピロリ〜ン

女勇者「……。」
女僧侶「ふぅ、なんとか倒せましたね。さぁ、行きましょう勇者様。」

あれ?なにこの人…すごく強いんだけど。僧侶ってこんなに強い職業だったっけ…?

女勇者「ねぇお姉さん…。その杖、何なの?」
女僧侶「ああ、これは裁きの杖と言って、私達聖職者のみが扱える聖なる武器なんです。アリアハンの魔物はまだ弱い方なので、これがあれば私一人でもなんとかなりますわ。」
女勇者「あ、そうなんだ。ふ〜ん、頼もしいね…。」

…なんなの?全然計画どおりじゃないじゃん。まぁでもさ、こんな冒険、長続きする筈無いよね。今だけだよ。すぐにねをあげるに決まってるさ。
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
186 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 17:34:34.71 ID:1w2BI6WK
〜レーベの村〜

宿屋。

女僧侶「ふぅ…半日がかりでやっと到着しましたね。少し休憩しましょう。」
女勇者「ねぇねぇお姉さん。結構疲れてきたんじゃない?溜め息出てたよ、今。」
女僧侶「ん?ふふふ、そんな事ありませんよ勇者様。私はこれでも結構旅慣れた女なんです。このくらいじゃへこたれません。」
女勇者「あ、そうなんだ…。」
女僧侶「それよりも、明日はナジミの塔へ行き、盗賊の鍵を貰わなければいけません。装備は万全の態勢で挑みましょう。」

…別にボクは戦わないから装備なんて全然関係無いんだけどね?
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
187 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 17:52:23.60 ID:1w2BI6WK
〜ナジミの塔〜

女勇者「痛い痛い痛い!痛いよぅお姉さぁん!早く治してよぉ!」
女僧侶「だ、大丈夫ですか勇者様!」
女勇者「なんなのあいつ!ボクの腕に何したの!?ヒリヒリして凄く痛いんだけどっ!うぅぅ…。」
女僧侶「今のはバブルスライムと言って、毒を持ったスライム族の亜種です!待ってください、今すぐ解毒の呪文を唱えますので!」
女勇者「は、早くしてよお姉さん!痛くて死んじゃいそう…。」
女僧侶「…大気の集いし精霊達よ。聖なる力で悪しき毒素を取り除きたまえ。キアリー!」ピロリン
女勇者「ハァッ…ハァッ…。」
女僧侶「大丈夫ですか勇者様?毒は取り除きましたわ。」
女勇者「……。」
女僧侶「勇者様?」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
188 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 18:06:27.61 ID:1w2BI6WK
女勇者「お姉さん何やってるの!?ボクの事守ってくれる約束だったのに、全然守れてないじゃん!!」
女僧侶「…それは…!申し訳ありません、あんなに大量のバブルスライムが現れるとは思っておりませんでした…。私のミスです…。」
女勇者「そんなの当たり前だよっ!全部お姉さんが悪いんだからね!?あ〜もう、ホント最っ低…!なんでボクがこんな痛い思いをしなくちゃならないんだ…。だから旅になんて出たくなかったんだよ、ボク!」
女僧侶「………本当にごめんなさい…。」
女勇者「………。ふん、いいよもう。でも、次から気をつけてよね?ボク、もう痛い思いしたくないからさ。」
女僧侶「はい…分かりました、勇者様…。」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
189 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 18:20:11.12 ID:1w2BI6WK
あったまくる…!ホント最悪…!ボクはあんな痛い思いしたのに、お姉さんは全然ピンピンしてるし…!

ふざけるなよ…!こんなに必死に頑張ってるのに、なんでボクがこんな目に遭わなきゃならないんだ!!

あ、あの杖…!そうだよあの杖が有るから、お姉さんみたいな非力な人でも、この辺の魔物を簡単にやっつけられるんだ!

あの杖さえ無くなれば…お姉さんだってすぐに諦めるよね…。ふん、見てなよ。こんなつまらない旅、今すぐ終わりにしてやるからね?
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
190 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 18:40:47.23 ID:1w2BI6WK
〜レーベの村〜

ナジミの塔から戻った翌日の宿屋にて。

女僧侶「おかしいわね…。確かにここに入れた筈なのに…。どこにいったのかしら…?」
女勇者「おはよーお姉さん。どうかしたの?」
女僧侶「あ、おはようございます勇者様。いえ、昨日まで持っていた裁きの杖が、いつの間にか無くなってまして…。」
女勇者「え〜?なにそれ超大変じゃん。あれ無いとモンスター倒せないよ?」
女僧侶「ごめんなさい、どこかに落としてしまったのかも…。はぁ、困ったわね…。」
女勇者「しっかりしてよ〜、お姉さん。」

プッ、どこ探しても見つかる訳無いってば。だってあれ、お姉さんがお風呂に入ってる間に、ボクが捨てちゃったもん。

さて、と。後はお姉さんが諦めて逃げるのを待つだけだね。めんどくさいからさ、早くリタイアしてよね。お姉さん。
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
191 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 19:04:56.34 ID:1w2BI6WK
〜レーベの村〜

四日目の夜。宿屋にて。

女僧侶「ゴホッゴホッ…。ふぅ…。」
女勇者「…だいぶ疲れてるみたいだね、お姉さん。」
女僧侶「…いえ、大丈夫ですよ、勇者様。」
女勇者「…ね、もうさ、アリアハンに帰らない?あの杖無くなってからさぁ、お姉さん凄く辛そうだよ?モンスターも一撃で倒せない奴らが出てきたしさぁ。」
女僧侶「何を言っているの?そういう訳にはいかないわ。」
女勇者「…ああそう。お姉さんがそういうなら、まぁ止めないけどさ…。」

強情な人だね、ホント。なんでこんなに必死になってるんだろ?

正直に言うとさ、お姉さんがボクから逃げたとしても、あなたを責める人は誰もいないと思うよ?ボクは、アリアハンじゃ有名な嫌われ者だからね。

みんな、お姉さんに同情して、きっと優しく声を掛けてくれるさ。だから…

だからさぁ…もう無理しなくていいんだよ…?お姉さん…。
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
192 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 19:24:49.15 ID:1w2BI6WK
〜誘いの洞窟〜

女僧侶「くっ…!なんて数のお化けアリクイなの…。かなり…マズイわね…。」

女勇者と女僧侶は、アリアハン大陸から新天地へと赴く為、東の地にある旅の扉を目指し、誘いの洞窟へ来ていた。しかし、洞窟内は凶悪な魔物がひしめき合っており、大量のお化けアリクイの群れに囲まれていた。

女勇者「ちょ、ちょっとお姉さん!ヤバいよコレ!に、逃げようよ!」
女僧侶「ダメよ。今下手に動いたら、集中攻撃を浴びて一気にやられてしまうわ。」
女勇者「だ、だって…お姉さんもう傷だらけじゃん…。た、戦えるの…?」
女僧侶「…あら、心配してくれるんだ?ふふ、ありがとう勇者様。でも大丈夫よ。あなたは私の後ろに隠れていて。」
女勇者「…!!な、なにそれ!さっきから見栄はっちゃってさ!ボクだって戦えるんだからね!お姉さんに頼ってばっかりじゃないんだ!そこで、見ててよ!」
女僧侶「…っ!?何をしているの勇者!ダメよ!あなたは隠れてなさい!!戻って!!!」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
193 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 19:35:05.14 ID:1w2BI6WK
女僧侶「勇者!!!」

ガスッ!

女勇者「うぁぁっ!」
女僧侶「うっ…!」

ドサ。

女勇者を庇い、お化けアリクイの攻撃をもろに受けて倒れこむ女僧侶。しかし、女勇者もまた傷を負っていた。

女勇者「い、痛い…!あ、血…。血が出てる!ボクの腕から血が…!や、やだっ!怖いッ!お姉さん!お姉さん助けてよっ!!」

女僧侶「……。」
女勇者「…お姉さん?」
女僧侶「………。」
女勇者「……お姉…さん…?」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
194 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 19:57:29.56 ID:1w2BI6WK
女勇者「…な、何やってんのお姉さん…?目を開けてよ…?ねぇ…お姉さん…?」
お化けアリクイ「ギャース!」
女勇者「…うるさいなっ!!どっかに消えろよ化け物!!」
お化けアリクイ「!?ギャァァァー……。」プチュン

お化けアリクイの群れは光の彼方に消え去った。

女僧侶「勇者…様…。」
女勇者「…お、お姉さん!お姉さん気がついた!?もう大丈夫だよ!あいつらどっかに行っちゃったからさ!早くホイミ唱えて、元気になってよ!」
女僧侶「ごめんね…勇者様…。あなたを守る事が…出来なくて…。」
女勇者「…?な、何言ってんの…?な、なんでそんな事言うのお姉さん?早く自分にホイミしてさ!元気になってよ!!早く!」
女僧侶「ダメ…なんだか、身体に力が入らないの…。呪文を唱える事も…出来そうにないわ…。」
女勇者「……な、なにそれ…?え…お姉さん……死んじゃうの…?ねぇ…?」
女僧侶「…大丈夫。地図が正しければ、もう少し進めば旅の扉に辿り着ける筈だから…。私がいなくても、なんとか…。」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
195 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 20:15:39.86 ID:1w2BI6WK
女勇者「い、いやだっ!ねぇ待ってよお姉さん!!死んじゃやだよっ!?やだっ…!ボクっ…ぅ…!」
女僧侶「…私の為に…泣いてくれるのね……勇者…。やっぱりあなたは…すごく優しい女の子よ…。」
女勇者「ち、違うっ!ボクは優しくなんかないっ!!ボクが…ボクがあの杖捨てたんだっ!!そうすればお姉さんも諦めて旅を止めるだろうって!だから…あの杖さえあれば…こんな…」
女僧侶「…うん…知ってたわよ…?ふふふ…そのくらい……見抜けない筈…ない…でしょ…?」
女勇者「!?だ、だったらなんで…?」
女僧侶「あなたと私は…似てるのよ……。すごく…。だから、ほっとけなくて…」
女勇者「…意味わかんない!全然似てないよ!お姉さんはこんなに優しくて強いのに…!ボクは…ボクなんか…。」
女僧侶「…勇者……。……………。」
女勇者「お姉さん…!?お姉さん待ってお願い!お願いだから死なないで!!!お姉さん!」



嫌だ……
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
196 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 23:20:14.39 ID:1w2BI6WK
………。

……………。

ここは…どこ…?

女僧侶「…ん…。」

女勇者「!…お姉さん!お姉さん気がついた?」
【DQ】ドラゴンクエストで百合【ドラクエ】
197 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/25(日) 23:44:48.59 ID:1w2BI6WK
〜ロマリア〜

宿屋・二階。

女僧侶「勇者様…?私…いったい…。ここは…?」
女勇者「ここ?ロマリアって国の宿屋だよ。ね、もう平気?お姉さん?」
女僧侶「え…ええ。大丈夫だけど…。…ロマリア?あなた今ロマリアって言った?」
女勇者「う、うん。言ったけど…何?」
女僧侶「まぁ…じゃああの旅の扉はロマリアに続いていたのね…。知らなかったわ。」
女勇者「…お姉さんの知ってる国?」
女僧侶「うん…ちょっとね。でも私…なぜ助かったのかしら…?確か、お化けアリクイに…。」
女勇者「あ、あのね…。お姉さん聞いて。ボク、ホイミ使えるようになったんだよ。」
女僧侶「あなたが?まぁ…。じゃあ、あなたが私を治療してくれたの?」
女勇者「う、うん…。お姉さん、死んじゃいそうだったからさ…。なんとか助けてあげたくて…。そしたら、使えるようになってたの…。ボクもビックリしたんだけど…。」


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。