- 【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋★2
65 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/06(火) 01:02:37.56 ID:OwWWmB9S -
前スレ 822〜831 842〜844 現スレ >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42 >>43 の続きです。 この後に続く3レス分で最後です。 長々と申し訳ございません。読んで下さった皆様、感謝です。 『 注 意 : 長いものですので、嫌な人は避けて下さい 』 >>64 >挨拶文が長いよw ホントにね。気を付けます(苦笑)
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- 【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋★2
66 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/06(火) 01:04:22.53 ID:OwWWmB9S -
【 小悪魔な天使 28 】 レースのカーテンを通して空が見える。もう夕暮れだ――― 二人で袋だたきに遭い、お前に支えて貰いながら歩いたあの河原。 あの時見た夕日と同じ色―― あの時の私は、私から離れようとするお前の心が欲しくて、でもその方法が分からずに、 ただ焦れて愚直にお前を抱き寄せた。 自分の中に芽生えつつある恋心の自覚さえ無く。 ただ、失う事が…怖かった―― 私は、あの時の私に伝えたい。 壊れそうな程に小さかった腕の中の彼女に、これ程幸せにして貰った事を。 お前が去ったら、きっと 私は、その日から、涙が涸れる事はないのだと悟る破目になるほど泣くことになるだろう。 それでも、お前を送り出した事を後悔はしないと思う。 夜、独りのベッドでお前を想う時、 今何をしているのだろうと考えた次の瞬間、孤独に独り泣くお前がありありと脳裏に浮かぶ―― そして、それはきっと、私の知らない現実・・・ 私には、それが何より辛い・・・ お前は今笑っていると思える人生を歩いて欲しい。 幸せそうに無邪気に笑うネズミが見たい。 たとえ、その笑顔を見守り続ける事ができなくとも… 笑顔を取り戻すために、私の持つ何かが引き換えになっても… お前を幸せにできるのは、 世間に後ろ指を指される事もなく、誰に反対される事もない、 一生添い遂げる事の出来る、誠実で優しい男だけだろう。 その男は、私がネズミに与える事の出来ない多くの物をきっと与えてくれるはず… そして、私に出来るのは、 そんな男に愛された時に愛情を返す事のできる、本来の優しくて素直なネズミに戻して送り出す事―― 悲しい事だけど・・・私に出来るのは・・・どんなに頑張っても、多分・・・それだけだ・・・
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67 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/06(火) 01:06:57.04 ID:OwWWmB9S -
【 小悪魔な天使 29 】 幸せに笑うネズミが見たい―― その欲求は日々強くなり、胸を掻き毟りたい程の苦しさになる。 一緒に居たいという私自身の我儘さえ押し退けてしまう程に… きっと私は、自分の自覚以上に傲慢な欲深い人間なのだと思う。 お前の幸せは、お前以外にはどうすることもできない。 本来、私が手を触れる事の出来ない問題―― それなのに、これ程お前の幸せを欲しがるのは、私が驕った人間だからだ… だからこそ、私ではどうにもできない筈のお前の幸せさえ、 自分の力でどうにかできないかひたすら考え続けてしまう。 何にもできない無力な女子高生に過ぎないのに…な… いつか、ネズミが屈託なく幸せそうに笑えるような日が来たら――― そんな日を想像すると自分の顔に笑みが浮かぶのが分かる。 (きっと、すごくかわいいんだろうな・・・) 笑顔を想像すると胸の中がふっくらと温かく膨らむ。 無力な自分に何ができるかなんて分からない。 でも、できる事があるのなら、頑張ってみよう。 いつでも笑っていて欲しいから。
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68 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/12/06(火) 01:08:37.04 ID:OwWWmB9S -
【 小悪魔な天使 30 】 私は隣に眠るネズミの穏やかな寝顔を見つめる。 さっき、私を好きだと呟いてくれた唇―― この唇が、そんな言葉を紡いでくれる日は、もう来ないかも知れない… だからこそ、縋ってしまいたくなる言葉。 そんな情けない自分は、大嫌いなはずなのにな… せめて、今日一日は、情けない自分を許してみようか―― 私の宝物になるであろう言葉を素直に信じ お前に愛されていると、お前も私を必要としていると お前と私はずっと一緒に居られると せめて今日一日だけでも幸せな勘違いを自分に許してもいいよな… 明日の朝には何事もなかったように、 またいつも通りの振り向いて貰えなくても幸せな毎日に戻るから。 私の身体とは反対側にあるネズミの手を私の手で包み、 体重をかけないようにゆっくりと覆いかぶさると耳元に唇を寄せてそっと囁く。 彼女の無意識下に刻み込まれるように。 ネズミの翼が癒え、羽ばたける日が来たら、心を支える勇気の源になるように。 「ネズミ、お前だけを愛してるよ…ずっとお前だけを愛してる…お前だけだ…」 彼女の呼吸のペースが変わり、何か言われた事が無意識に伝わった事が分かる。 ネズミは眠りから覚める事無く、唇をゆっくり微笑みの形に引き上げた。 憶えてなんていなくていい。 ただ、いつの日か、私の言葉の効力が、彼女の心の奥底でお守りになりますように―― 私は、私の小さな天使の腰に手を回し、引き寄せて抱きしめる。 今日だけ自分に許した願いを心の中で呟きながら 幸せなまどろみの中へ落ちていった――― 神様・・・ もう少しだけ 私の天使と一緒にいる時間を 私に 下さい・・・
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