- 【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
770 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 11:55:50.57 ID:ujaq3dFr - >>714です
後編を書き始めたのですが、全然進んでません エロ部分と他が上手くかみ合わなくて、迷って止まってます で、これも自分にとって初エロだからダメなのかもと思い とにかく練習というか、まあ吹っ切るためにもと、習作として試行錯誤しつつ一本書いてみてます 設定から考えると難易度が上がるので 以前、自分が屋上スレに投下した作品の続き(…ある意味蛇足のような)として エロシーンがメインです それは前屋上スレ8の、先月半ばくらいに投下した 「秋の夜長」という甘めな話です 見てくださった方もいるでしょうか ログ速とかで見れるとは思うのですが 前に置いた方が流れとがわかりやすので、再投下+新作 としようかと思うのですが、許容していただけるでしょうか? 夕方以降に投下する予定です よろしくお願いします
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776 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:02:31.96 ID:ujaq3dFr - >>770です
再投下です。有難うございました ※微妙に語句が屋上スレに投下したときと変わってるかもしれません。 投下の最中に見直して、手直しすることもあるので。 既に読まれてた方、感謝です。そしてホントに長々とすみません。 「秋の夜長」 出来るだけさりげなく、その言葉に口にした。 「センター、明日は土曜だ。夕方からにでもうちに来ないか?・・・もしお前が良かったら の話だが」 「え、あ、もちろん構わないが…」 顔を赤らめているセンター。こんな風に誘ったことはなかったからな。 何を考えているか手に取るようにわかるぞ、恥ずかしい。 「期待を裏切ったような気がするが、私の家で一緒に音楽を聴かないかと誘ってるんだ」 「音楽を?ネズミのうちで?」 「ああ」 「クラシックだよな」 「まあそうだな」 センターはしばらく神妙な顔つきで私の顔を見入った後、口角の綺麗に上がった極上の笑顔 で答えた。 「『喜んで』だ。ネズミ」 翌日の夕刻、センターは約束の5分前にネズミの自宅のベルを鳴らした。 秋の日は暮れるのが早い。日はすっかり落ち、玄関を照らす明かりが温かい色をしている。 白い月が姿を見せ、広すぎる庭からは虫の音が鳴り響いてくる。 「初めてじゃないんだ。遠慮しないで入って来てよ、センター」 「おじゃましま〜す。やっぱ、相変わらずネズミの家はでかいな。あ、これ大したもんじゃ ないけど一応手土産っていうか…」 「ったく、そんな気を遣うなって」 手渡された紙袋をのぞくと、リボンでラッピングされたクッキーが見えた。底を触るとまだ ほのかに温かい。
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777 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:06:36.41 ID:ujaq3dFr -
「もしかして・・・・これ、センターの手作り?」 「…ああ、まあ一応。買った物を持って行くより良いかと思って」 「・・・・」 「なんで黙ってるんだ?味はまあまあだとは思うんだけど」 「いや、お前って多芸多才だなぁと改めて思ったんだ」 センターは拳を握って闘うその手でクッキーを焼く。そしてその手は私に触れ私を癒し、私 を愛する手でもあるのだ。 足下灯だけが照らす、静かでほの暗い廊下を応接室まで案内する。 「本当に誰もいないんだな」 「ああ、通いの手伝いは5時で終わりだし、住み込みの人は離れだ。他は誰もいないし帰っ てくることはない。だから気兼ねはいらない」 淡々と話したつもりなのにセンターは黙ってしまった。こんな広い家に一人で寂しいだろう なんて、今更な事実誤認なんて絶対にして欲しくないのだが。 「…ネズミはやっぱりかわいいな」 「は?」 「うん、学校での制服でフード姿のネズミもすごく好きだけど、そういう普通の女の子みた いな格好もやっぱり可愛いな」 今の私の格好は確かに普通の女の子の普段着のようなものだ。ベージュに紺の小花模様の入 ったラフな膝丈ワンピにブルーの綿ニットのカーディガン。パーカーもグローブも無いし、 足さえ素足にスリッパだ。 最初に制服以外でセンターと会ったときは、思った以上に緊張して、恥ずかしくて仕方なか った。なんだか裸で会うような気分だった。それから考えるとこんな格好で普通にいられる なんて、私たちもちゃんとお互いの距離が近づいて、ちゃんと二人で道を歩んできたんだと 感じられる。 「センターの服もよく似合って、私はとても良いと思うけど」 センターはジーンズにモスグリーンのジャケット。内側は黒のタンクトップにラフな白い英 字の入ったTシャツを重ねている。 「そうか?ネズミにそう言ってもらえるのは嬉しいけど、わりと普段着なんだ」 「私もごく普通のホームウェアってヤツだ」 なんだか二人しておかしくて笑い合った声が、静かな部屋に響き渡った。
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778 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:09:53.88 ID:ujaq3dFr -
広いダイニングで通いのお手伝いさんの作っておいた夕食を二人で食べた後、紅茶セットを 持ってソファのあるリビングへ移った。銀のお盆にはセンターが作って来てくれたクッキー も乗っている。 「うっ、お腹いっぱいだぁ。クッキー入るかな?」 「センターは調子に乗って食べ過ぎ」 「ネズミは食べなさすぎ」 「違う。センターのクッキーが食べたかったから少なめにしたんだ」 これは本当のこと。センターお手製のクッキーは夕食と比較にならない価値がある。 お盆を運んだのが私だったので、お茶を入れるのはセンターの係になった。手慣れた様子で ポットを掲げてカップに琥珀の液体を注ぐ。立ち上る湯気がソフトフォーカスの写真のよう にセンターを柔らかく彩っている。 「これってすごい高そうだよな。割ったらどうしようって焦るよ」 「カップは3万、ポットは10万程度だ。割りたければ好きにしろ。弁償は分割払いでかま わないから」 「ネズミ、ちょっとひどいぞ」 「そうか?」 センターの入れたお茶が、ふわりと目の前に差し出された。 「で?」 「なに?」 「今晩は『ネズミとクラシックを楽しむ夕べ』なんだろ?どういう趣向なんだ?」 「ああ・・・もらったんだ」 「何を」 「このまえ久しぶりにオヤジに会った時にな、思いついて口に出してみたらあっさりくれたんだ」 口をつけそびれたカップをソーサーに乗せ直してお盆に戻すと、センターに持つように指示し、 半地下のある部屋へと導いた。 長い間主を無くし、誰も立ち入らなくなった部屋へだ。
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779 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:14:50.09 ID:ujaq3dFr -
「これは…すごいな。こんな大きいの見たことないし、なんか高そうなだけど」 「まあな、個人用としてはハイエンドらしいからな。別に大したマニアではないらしかった けどスピーカーはタンノイだとか、CDプレーヤーとアンプはリンだマークレビンソンだと か、スピーカーケーブルの素材は何がいいとか、よく知らんが多少はこだわってたらしい。 だが、こんなくそでかいピーカーや大げさなオーディオセットなんて、もう時代遅れだも良 いところだ」 「そうなのか?」 「今は小さなプレーヤーで良い音が聴けるんだ。実際CDから直接聴くことも少ないし」 「なるほど。そう言われてみればそうだけど、さみしいな」 ここはオヤジがこの家を建てるときに造ったオーディオルーム。音響の専門家に頼んで造っ たらしい。そして目の前にあるのは古くて馬鹿でかいオーディオセットだ。両脇にそびえる ウッドのスピーカーなんて高さが1メートルは優に超えている。 壁には埃をかぶったレコードの入った古い棚1つと、CDがぎっしり詰まった大きな棚2つ が並んでいる。 「昔は、この部屋は勝手に入ると怒られる部屋だったんだ。でもいつだったか…そうだな、 もう10年以上前になるのか。あるとき何故か、オヤジがこのステレオでバッハを聴かせて くれたんだ」 センターは下から覗き込むように、私の一人語りに耳を傾けてくれる。 「ああ…そういえば、あのころはオヤジをこの家で結構見かけていたな。ま、そういうオヤ ジの気まぐれが数回あったかな? けど、いつしかオヤジはこの部屋に興味を失って、関心はただ犯罪まがいの金儲けと権力争い。 そして気がつけば家にもほとんど帰ってこなくなった」 ときどき、私の話を聞いているセンターは、まるで世界で一番優し賢い従順な大型犬のような 目をしているなあと感じる事がある。 「で、このまえ久々にオヤジに会ったとき、なんとなく「これはどうするんだ?」と聞いて みたら「お前の好きにしろ」と言われた・・ってことだ。これで終わり」 センターは私の顔を透明な目で見つめながら黙ったままだった。沈黙が妙に気恥ずかしい。 「…悪い、なんかくだらない話をたくさんしすぎたよ」 「いや、興味深かった。それに…ネズミが自分の事を話してくれる機会はめったにないんだ。 大切にしなくちゃなって思ってる」 「…ありがと」
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780 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:18:09.77 ID:ujaq3dFr -
「じゃあ、せっかくだから何か聴くか?リクエストはあるか?」 「いや、ネズミの方が詳しいんだから任せるよ」 「私も好きな曲を繰り返し聴くタイプだから、そう詳しいわけではないんだよな。まあ手頃 なところで有名な曲ばかりのバッハ中心のバロック作品集でも流すか」 「このプレーヤーって長い間使ってなかったんだろ?大丈夫なのか?」 「私もそれは気になったから一応専門家に見てもらった。動作チェック済みだ」 「さすがにネズミは行き届いてるな」 「センターをわざわざ呼んどいて、鳴りませんでしたじゃ笑えない」 耳に優しいバロックの清廉な音色が室内を満たす。 長椅子は使わず、厚いラグを敷いた床の上に肌触りの良い大きな暖色のクッションをいくつ も並べて、そこに寝そべるように二人緩やかに座った。 「お茶、冷めちゃったな」 「私が長々話してたし」 「でも意外にいけるぞ。さすがネズミの家の高級な茶葉だ」 「さあ?センターが入れてくれたからにしておいて」 「私でも知ってる曲ばかりだな…好きな感じだ」 「でも眠くなるだろ、センター」 「多少は」 「お前の好きなヘッセはかなりの音楽好きで、バッハがお好みだったらしいぞ」 「ネズミ、お前以前はヘッセは『車輪の下』『デミアン』くらいしか知らないとか言ってな かったっけ?」 「ま、その頃より多少は、ヘッセという文字が目にとまるようになってきたかもしれない」 「ふふっ」 「笑うなって」
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781 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:22:03.66 ID:ujaq3dFr -
「ねえ、センターの作ってくれたクッキー食べていい?」 「もちろん。ネズミのために作ったんだから」 「・・・・(もぐもぐ)、ってセンターは食べないの?」 「ネズミの感想を聞いてから」 「…甘くてサクサク」 「それから?」 「……とてもおいしい」 「良かった。じゃあ、一枚もらっていいかな?」 「もらうって…」 「これは全部ネズミなんだから」 時間はもう21時近いだろうか。空の月は随分高くまで上っているだろう。 だがここでは外の時間とは切り離されたように、密やかで柔らかな時間が二人に流れていた。 「あのさ、センター、今晩はどうするの?」 「・・・え〜っと、一応泊まるつもりで来たんだけど、ダメかな?」 「それはいいんだけど…着替えとか全然持って来てなかったから、どうなのかなって思って」 「・・・・クッキーのことでいっぱいで忘れてた」 1枚目のCDが終わったので2枚目を入れた。今度はバッハの「無伴奏チェロ組曲」、演奏 はロストロポーヴィチ。 巨大なスピーカーから流れてくる音楽は、音の一つ一つが繊細で重厚で深みがあって澄んで いる。音色が部屋を満たし、振動が空気を伝わって、鼓膜に皮膚に全身に直に染み渡るように響いてくる。 私は思わず体育座りをして、聞き入ってしまった。 「…さすがにヘッドフォンで聴くのと全然違うな」 「やっぱりそうか」 「当たり前だ」 「・・・お前は、オヤジさんとこれを聴きたかったんじゃないのか?」 ・・・頭が一瞬白くなった。センターお前はいきなり何を言うんだ!ひどく嫌な気分。 なんだか少し腹が立った。深いところにさっくりナイフを入れられたような感じもして。 だが、お前がそう考えてしまうのは当然と言えば当然か、そう思われても仕方ない話をして しまったのだから・・・・。 「それは誤解だ。オヤジは何にも関係ない」 「私は…ここにいて良いんだよな?」 「……センター、そんなこと言わないでくれ」 私はセンターに手を伸ばし、その手に触れた。この晩センターがうちに来てから、初めて意 識的に触れたかもしれない。涙が出そうで目の奥が痛い。頭が痛い。
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782 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:26:08.13 ID:ujaq3dFr -
「私はヘッドフォンで音楽を聴くのが好きだ。そこから流れてくる音楽は、私唯ひとりの世 界だから。だけど、こうしてスピーカーで空気を通して音楽を聴くと、自分が拡散して消え ていくような…そんな気がして、どうしてだか好きになれなかった…」 「ネズミ…」 「でも、久しぶりにこの音を思い出した時、センターと聴こうとしか思いつかなかった」 センターはふわりと私の身体を抱き寄せると、そのままクッションに倒れ込んだ。 額にキス、こめかみにキス、両頬にキス、口元にキス、目元にキス、まぶたにキス、髪を撫 でながらキスの優しい雨を降らせてきた。 「やっぱりネズミに触れてる時が、一番私は幸せだな」 私はセンターにすり寄って肩口に顔を埋めると、センターは抱く腕に力を込めた。 「・・・ネズミの言ってることが分るとは言い切れないが。私もヘッセは1人で読みたいし 誰にも邪魔されたくないと思ってる。共有なんて出来ないものだと。 だが以前、お前が…屋上で私がしたヘッセの話に応えてくれた時、私は何故かとてつもない 幸せを感じたんだ…」 私はセンターの存在を世界で一番近いところで感じながら、私たちの屋上でかつて、暗闇の 迫る時刻、向かい風にむかって髪をなびかせ立つセンターの姿を思い出していた。 孤独を知っている人だと。 自分の孤独に唯一迫れる人だと。 だからこそ誰より何より、大切で愛おしい人だと。 そっと「お前がいるから、またこの音を聞きたいと思えたんだな」と、センターに聞こえな いように呟いてみた。
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783 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:28:54.72 ID:ujaq3dFr -
「ネズミ、何か言ったか?」 「ううん、あ、うん…ねえ、センターのクッキー食べさせて?」 「ああ」 センターはひょいと一枚クッキーをつまむと、私の口元に運んでくれた。私はその甘い餌を まるで与えられたひな鳥のように自らの内に取り込み、最後はセンターの指まで口の奥に入 れて舐め吸った。センターは疼きを隠さない表情を見せ、されるがままになっていた。 「ん…ネズミ」 「センターさっき、唇にキスするの避けたでしょ?」 「自重した」 「なんで?」 「まだ夜は長いし、歯止めがきかなくなるから」 「ふふっ、センターらしくないな。あ、やっぱりちょっと気温下がってきたね」 「そうだな、少しスースーするかな?」 「……ねえ、センターは、私に温めて欲しい?」 「私はお前を温めたい」 秋の夜長、一人だとどこか寂しくて痛い時も、私たちはこうしてお互いのぬくもりと熱を感 じ合い分かち合い、優しい声を遠い音楽のように感じながら、長い夜を過ごすのだ。 〜おわり〜
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784 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:37:59.54 ID:ujaq3dFr - ※実際続編だと思わないで読まれた方が良いような気がしています
正直全然違うテンションで書いたので 「続・秋の夜長 〜夜明け前の二人〜」 「………ネズミ」 ……遠くで誰かが私の名を呼んだ。 少し低く響く優しい声。よく知ってるはずの声。たまらなく懐かしい声。 ……誰かが私の髪を撫でている。 柔らかく愛おしむように。あまりに心地よくて、まるで夢のようだ。 ああ…私は夢を見てるのか。夢ならどうか覚めないで。 私を撫でていたその手は目尻、頬、口元をなぞり、ふと離れた。 止めないで、行かないで・・・・・!私は思わず手を伸ばした。 空に伸ばした手を捕まえてくれる温かい手。 「…ネズミ、起こしちゃったか?」 ここは私のうち、差し込む月の光だけが薄く照らす半地下のオーディオルーム そこには、ほんの少し申し訳なさそうに、綺麗な眉根を下げて微笑むセンターがいた。 どうやら二人、音楽を聴いたまま寝てしまったらしい。部屋は随分ひんやりしている。 「センター、今何時くらいか分る?」 「だいたい2時半ってとこかな」 もう真夜中だ。かなりの時間眠ってしまったようだ。 「…もしかして、ずっと起きてたとか……?」 「そんなことはない。まだ起きて15分も経ってないよ」 「そうか、すぐに起こしてくれても良かったんだけど」 「……ネズミを、見てたんだ」 ・・・・ああそうか、さっきの幸せな夢は現実だったのか。
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785 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:40:56.99 ID:ujaq3dFr -
気がつけば連奏プレーヤーは止まり、電源ボタンだけが赤く光ってる。 「…センター、今日は一緒に聴いてくれて、ありがと」 改まって礼を言うのも恥ずかしいけど、この部屋の暗さのせいか素直に口に出来た。 センターと共有するものが、また一つ増えたからかもしれない。 「どういたしまして。私もかなり楽しめたよ」 「そう?ならいいけど」 ふと思いついて、センターに何気ない質問をしてみた。ごく普通の質問だ。もしかしたら今 までも訊ねたことはあったに違いない。 「センターはどんな音楽が好き?」 「……そうだな、私は……」 センターが少し言い淀んだその時、ドアの隙間から入ってきた冷気のせいか、くしゅんっと 私に一つくしゃみが出た。 「寒いのか、ネズミ?」 「ん、ちょっとね」 「……温めようか」 センターの声音が変わり、色艶と湿り気を含んだものになった。そして部屋の空気も変わる。 これが分るのは今までの経験だけではない。むしろ本能なんだと思う。 文字通り、身体のどこかで感じるのだから。 「……温めてくれるの?」 「ああ」 「じゃあ…して」 私は両手をセンターに伸ばした。 唇の柔らかさを確かめ合うようなキスをして、ぎゅっと抱きしめ合った後、そのまま厚いラ グの敷かれた上に横たえられた。 流れるようにセンターがふわりと覆い被さる。 その重みが暖かい。全身で感じるお前の匂いだけで、甘くほどけていく気がする。 背中にまわされたセンターの手が、服の上から器用にブラのホックを外すのに少し驚いた。 初めてかもしれない。 まあ確かに制服姿の時は難しい。ましてリュックを背負ってる時は。
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786 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:44:08.82 ID:ujaq3dFr -
センターは唇と熱い舌を使って、私の耳たぶと首筋をなぞるように愛撫しながら、右手でワ ンピの上から、外したブラを押し上げ、胸の先端を探り当てる。 揉みしだきながら、指で挟むように刺激する。痛いほどに鋭い快感に思わず声が漏れた。 「あっっ!……ひゃぁ、ん、ん…、センター…」 「ネズミ、痛かった?」 痛くはない、痛くは。「ううん…」と首を振って答える。 ただ、いつもは、感じて止まない先端への刺激は、もっと焦らすように攻めるのに。 すでにピンと膨らんだ先端に、更にセンターの容赦ない刺激が加えられる。 薄い部屋着の上からはっきり形の分るそれを、キュッと摘み、指で押すように撫でる。 感じる場所の狙い撃ちだ。 それだけ頭の奥に火花が散り、腿の内側が甘く焦れて疼いてくる。 高音域の快感に、漏れる声も細く高くなる。 「かわいい…ネズミ、イイ声だ」 センターの喜悦が伝わるくぐもった甘い声。熱くなった息の下から細い目で見上げると、頬 の緩んだお前が見えた。 「……も、もしかして、苛めてる?」 お前はどこか満足げに、首を小さく横に振った。 「どうかな?ただ、ネズミのイイ声が早く聞きたかったんだ」 「早くって…」 「さっきのお前の寝顔、色っぽくてたまらなかったから」 そう言いながら、お前はその指からの刺激のギアを上げて、一段と高めていく。 「やっぱり…お前…苛めてる」 ……声はきれぎれに上擦り、もうそれはお前に届く言葉にはならなかった。
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787 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:47:43.97 ID:ujaq3dFr -
全身に粟粒のように広がっていく甘い痺れにもう我慢が出来ず、私はセンターの手を取り、 腰までめくれ上がったワンピの内側に引き入れた。 センターの手が腿から腰を撫でながら、再び、今度は素肌の乳房にたどり着く。 ピンク色に張った先端に、その手が触れた瞬間、甘い快感が全身を走り抜け、下半身に熱が 回り、奥がしっとりと濡れるのを感じた。 「こっちの方がいい?」 さんざん焦らしてそんなこと聞かないで。言わなくたって分ってるくせに。 やっぱり素肌にその手で触れて欲しい。それが気持ち良くて、嬉しいんだから。 綿ニットのウエストのないストンとした家で着るワンピは、着るのも脱ぐのも簡単だ。 そして当然、脱がすのも。 「こんな時は脱がしやすいのも悪くない。ワンピ可愛いけど、もうジャマだな」 センターは両手で私の膨らみと翻弄され続けている先端、そして脇腹を上手に愛撫しながら、 服を器用に捲り上げて脱がせ、薄いラッピングを剥ぐ様に、私を簡単に裸に近づけていく。 残るのは小さな濡れた布一枚のみ。 むき出しになった乳房は、センターの唇と指でたっぷりと蕩かされ、そして夢中になってい る遊びでもあるかのように、お前によってあちこちに紅い跡がつけられていく。 そして、センターはスルリと腿の付け根から指でなぞり、布の奥の既にぐっしょりと濡れた 場所に手を差し入れた。 さっそく指が、隠れた蕾を探り当ててくれる。 もう私は、最後の布がもどかしく、早く最後の秘密を暴いて欲しい。 思わず強請るように甘い声が出て、焦れた腰を押しつけてしまう。 「ね…ねぇ、センター、ね?」 「脱がせて欲しい?」 ほんの少し意地悪に響くその声に、羞恥心に顔を隠しながらも、ただ頷くことしか出来ない。
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788 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:51:23.62 ID:ujaq3dFr -
センターは「…私もジャマだと思ってたんだ」と告げるともなく甘く呟いて、ようやく最後 の覆いを取り去りながら、快楽を欲しがる蕾への刺激を加速させた。 腰から腿から広がっていく強い快美感に、もうどうにもならない。 熱い息に喉の奥が乾き、中高音の声にならない声が漏れてしょうがない。 「…ネズミ、気持ちいい?」 「もっと…?」 お前のたっぷり色気の含まれたやるせない声での、問いとも言えない問いかけは、私の脳の 奥を蕩かし、快楽とお前の両方の底のない沼に溺れさせてゆく。 「ぅん…あ、は…ん、あっっ…!!」 高まって蓄積された快感が弾けて散り、頭の中が光って一瞬白くなる。 苦しい呼吸の中で力が抜け、私の奥から熱いものがトロリと流れ出たのを感じた。 「…イッちゃったね」 お前は私の熱を帯びた肌を抱きしめ、まるであやすように髪を梳きながら優しく言う。 「…………ん」 「イクときのネズミって、すごく可愛いんだ」 返事の代わりにスリンとセンターに身体を寄せると、蕩けた視線が重なり、キスを一つした。 「さっき、好きな音楽の話をしてたろ?」 「うん…」 そうだったなと、ぼんやりした頭で思い出す。 「……私が想うのはネズミの言葉であり、声なんだ。いつだって耳に残って離れない。お前 のどんな声も私は好きだけど・・・」 センターは大切なことを告げるように耳元で低く囁きながら、私の足と足の間に隠れた、既に しっとりと濡れた秘密の部屋を探っている。 至れる鍵はお前だけが握っている。
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789 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:54:20.52 ID:ujaq3dFr -
「…入れていい?」 どこかほんの少し躊躇いの色のみえるセンターの声。 最初の頃、私がひどく痛がったことをしっかり覚えているらしい。 もう随分慣れたのに。私は、私の中にお前の指が入ること、嫌じゃないのに。 だってセンター、お前の存在を内側で感じられるんだから。 「…ねえ、お願い。お前も全部脱いでよ。触れたいの」 「ああ」 センターも身体に残っていた衣服を一枚ずつ脱ぎ去り、私と同じ姿になってくれた。 その様子をじっと目で追っていたら、センターは少し照れたように微笑んだ。 いつだってそれを目にする度に湧き上がる、お前の裸の姿を綺麗だと感じる純粋な思い。 ……お前は私の身体を褒めてくれるけど、私にはお前の方がずっとずっと素敵だ。 全てがエナジーに満ちて野性的で、それでいてどこもかしこも可愛らしい。 すらりと伸びた長い手足も、締まった腰も、弾力のある綺麗な形の胸も、そして、お前の腹部 に残した傷さえも・・何もかも胸がつぶれるほどに愛おしい。 同じ姿になったお前と、隙間のない程ピッタリと抱きしめ合う。 陶酔感、そしてこれほどの幸せはないと思える歓喜が立ちのぼる。 「・・・やっぱり夢より現実のセンターがいいな」 ……だからもっと近くに来て。私の奥までどうかたどり着いて。私を満たして。 私は脚を軽く開いた。
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790 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 20:58:41.70 ID:ujaq3dFr -
ひとたび軽い絶頂を迎え、じっとりと濡れた奥の部屋に、センターは長い中指をゆっくりと 埋め込んでいく。 たった一本の指なのに、下腹部に重く響くような力強い質感がある。 自分の全身を縦に貫かれるような圧倒的な存在感だ。 荒く息を吐きながら感じる…センターが私の中に確かにいる。 「動かすと、痛い?」 心配そうな声出さないでよ。私はホントに大丈夫なんだから。 「平気。……お前の、好きにしていいから」 センターの中指は、私の最深部の襞をなぞりながら、徐々に力を増してゆく 快感に分類される様々な感覚が、海に寄せる波のように大きく小さく押し寄せ、そして、私 自身がまるで海のように、形が曖昧になり、止めどなくなっていく。 「ネズミ…すごく、溢れてきてる」 お前のそんな呟きや聞こえる水音に感じる恥ずかしさも、押し寄せる感覚と共に高まりな がら流れ、もっと快感が欲しくなる。 思わず腰を振ったのが合図になり、お前の中指の動きが速くなった。 存在を主張する蕾にも親指で刺激を加えられ、それが絶頂へ向かうスピードに加速度を付け ていく。 焼き切れそうな程に、熱い。 身体がどこも熱で浮かされたようで、何かが内側から止めようもなく湧き出て流れていく。 「あ…せん…、もう、だめぇっ」 声が抑えられない。自分でも何を口にしているのか分らない。 ただ私に分るのは、ここに確かに感じるお前の存在だけ。 「…セ、センターっ!センタァ!!」 切羽詰まった荒い息の中でお前の名を呼ぶ。お願い、キスして・・・・・・・ 世界でたった一人の愛する人の熱い息を唇に感じた瞬間、頭も身体も何もかもが痺れて弾け切 り、エクスタシーという光と闇が訪れた。
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791 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 21:08:55.72 ID:ujaq3dFr -
絶頂の後、意識が深い海の底から上がってきて、柔らかく浮遊するけだるい時間。 裸で抱き合って、お互いの肌の熱を感じ合うこの時間が好きだ。 センターの肩口に頬をくっつけ、綺麗なウエストラインの滑らかさを楽しみながら、今回で 何度目かになる質問をしてみる。 「ねぇ…センターは、いいの?」 「何が?」 「・・・・・」 今日ははぐらかすつもりなんだろうか? 唇に触れるお前の鎖骨近くをきゅむっと吸い上げ、赤く跡を付けてみる。 「…私はね、何度も言ってきたけど、お前が感じているのを見ているのが感じるんだ」 「そういうもの?」 何度聞いても、今ひとつ分らない。 でもお前の言葉に嘘がないのは分る。心で確かに感じとれる。 お前よって私が感じるのを、お前はその身の内側に感じるということなのか。 私のお前を想う気持ちも、お前はその身体の奥で感じている? ………お前が私の声を忘れ得ない音楽だというのは、きっとそれは私のお前への想いを乗せ た旋律だからなのだろうか。 真夜中の、深い闇の底のようなこの時間。一人ならば孤独と痛みに苛まれる静寂の時。 私たちは、お互いに向かって流れて止まない想いを感じあいながら 二人で身を寄せて夜明けを待つのだ。 〜おわり〜
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792 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/16(水) 21:14:12.22 ID:ujaq3dFr - 正直エロいかどうか、自分では判断が出来ないんです
とりあえず今できるだけやってみたという感じです 長々と本当に申し訳ありませんでした 読んでくださった方、感謝です
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