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名無しさん@秘密の花園
【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋

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【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
657 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 11:38:27.73 ID:OfxQ7cfW
初めまして、何度か屋上に投下させて頂いてますが
こちらでは初めてになります。よろしくお願いします

今回センネズ初めての話が書きたかったので
こちらにと思ったのですが、きっとたいしてエロくないです
あ、しかも今日投下の前半はエロなしです…… 申し訳ありません


【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
658 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 11:42:16.13 ID:OfxQ7cfW

「願いはきっと」〜前編〜

センターのこと、随分前からスキンシップが多いヤツだな、とは思ってたんだ。
二人でいるときの距離がなんとなく近くて、時に腕に触れたり頭に触れたり。並んで座ると
きも肩や髪が触れるほど近くて。元々他人との距離の遠いはずの自分がそれを決して不快で
はなかったから、マブダチっていうのはそういうものなのかって思ったりして。

そのうち二人で居るときは、気がつけばフードを脱がされ、髪を撫でられたり肩を抱いてき
たりすることも普通になってきて、そんなとき言われたんだ「キスしていいか?」って。
そのときどう答えたんだっけ?多分曖昧な応えしか出来なかったと思うけど。
センターは私にキスしてきた。唇に軽く触れるだけのキス。
そのときセンターはやけに嬉しそうで、その幸せそうにはにかんだ笑顔が珍しくて、妙に印
象的だった。だから、キスに対して最初に湧いてきた私の感想は「センターが嬉しそうで良
かった」というもの。だってキスなんて、欧米の人間なら親しければ日常してることだろ?
それにまあ、懐いてくる犬に顔を舐められるなんて考えれば、当たり前すぎることだ。
そのあと直ぐに「あ、これ私のファーストキスだ」って気づいたけど、相手はセンターとい
のは別に嫌な気もしなくて、むしろ気持ちは弾んでさえいたような気もする。

その日以降は、スキンシップのメニューに、抱きつきとか頬にキスなんかが入ってくるよう
になったんだっけ。さすがにこれって一般的なマブダチじゃないよな、とは思ったりもした
けど、一般的かどうかを気にする自分たちではないし、それがどういうわけだか私にとって
結構心地よくて、どこか優しい気持ちにさせてくれたのはどうしても偽れないところ。
まあそんなことをセンターに言うと調子に乗って付け上がるだろうし、私自身かなり恥ずか
しかったから、当然なるべく気持ちは表に出さないようにはしてたけど。
でも、昨日のキスは、それまでとは全然違ったんだ。

【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
659 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 11:46:47.81 ID:OfxQ7cfW

ネズミは秋晴れの澄んで柔らかな日差しの中、ブルーのパーカーの背中に温かい日の光を感
じながら学校近くの歩道橋をゆるゆると一人歩き、昨日のことを考えていた。
先にはマジ女の校舎が見える。ちょうど3時間目の授業中、どうでもいいことだが思いっき
り遅刻だ。センターはきっと教室で授業を受けているに違いない。

*************

昨日の放課後も天気は綺麗に晴れ上がり、学校内外に処理すべきトラブルもなく、私とセン
ターはごく普通に日常の通り、屋上でなんとなく二人時間を過ごしていた。ヘッセを読むセ
ンターのページめくりのスピードがいつもよりなんだか遅いのが気になって、その姿をチラ
見すると、なんだか眉間に皺が寄っていて、面白くないことでもあったような印象を受けた。
ちょっと心がささくれている感じがしたのだ。

私は、多分無意識だったろうが、横に座っていたセンターに寄りかかるように身を寄せた。
触れた肩が温かくて気持ち良かったから、センターもそうであれば良いんだけど、なんて思
ったりしながら。
センターはごく自然に私のピンクのパーカーのフードを取り、肩を抱きながら頭を寄せてきた。
ここまではわりと普通で日常だ。そのあとセンターは至近距離で私の目の奥をじっとのぞき込
み、訊いてきたんだ。

「ネズミ、キスしていいか?」

多少驚きはしたが、とりあえずどこにもダメだという理由は無かったので、私は「あ、うん」
と促されるように軽く頷いた。頭の奥でこんなことを聞かれるのは最初のキス以来なんじゃ
ないか?などと思いながら。


【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
660 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 11:51:16.01 ID:OfxQ7cfW

両肩に手が乗せられ、妙に真剣な表情のセンターの顔が近づいて来て、私は自然に目を閉じ
た。押し当てられた唇は柔らかく熱く湿っていて、センターがものすごく近くに生身に感じ
られて、なんだか頭がぼんやりして胸苦しいと思っていると、センターの右手が私の顎を持
ち上げた。
苦しくなって口を開いたら、そこに舌が侵入してきた。歯列をなぞられ舌を絡め取られ激し
く吸い付かれた。苦しくなってセンターの身体を押そうとしたが、腕は頭と腰に固定されて
ピッタリと引き寄せられ、動くことも出来なかった。

センターのキスは止まらず角度を変えて続き、私の頭は甘く痺れてきていた。お互いの息が
足りなくなって唇が離れるとき、センターが荒い息の中かすれた声で私の名を呼んだ。

「…ネズミ……」
それが妙に私の全身をぞくりと粟立たせて、同時に頭に高い警告音が鳴り響いた
「セ、センター、もう、やめ、ダメ、終わりっ!」
おもわず叫んで突き飛ばすと、ようやくセンターは身体を離して、今までで最も長い長いキス
がそこで終わった。

私はかなり動揺して心臓もバクバクしてたし、もしかするとちょっとばかりムカついていた
かもしれない。どんな表情をしたらいいか分らなくて、少しの間顔を上げてセンターを見る
ことが出来なかったが、思い切って視線をむけると、センターの方も横を向き、尊大な様子
で髪をかき上げる仕草をしながら、どこか不満げな顔つきだった。

二人ともすぐに言葉が出なかったが、沈黙を破ったのはセンターだ。

「・・・嫌だったのか、ネズミ?」

さっきの熱い囁きとは打って変わって、どこかヒリっと痛みの伴うセンターの声。
とにかく私は上手く働かない頭を働かせて、問いの意味と答えを考える。
・・・嫌?センターとのキスが嫌かということか?それはおそらく違う。

「そんなことはない。ただちょっとビックリしただけだ」
「驚いたってことか?」
「ん、まあ…ちょっとな」
「そうか…」

【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
661 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 11:59:49.20 ID:OfxQ7cfW

また二人して黙ってしまった。私のビックリは、もちろんセンターの今までとは違ったキス
に対してでもあったが、同時に私の内側で鳴った警告に対してでもあるのだ。だがそれを言
葉にすることは二重の意味で難しい。言いたくないし言えないのだ。

そこで、センターに直球で「キスが嫌か」と問われたことに対して、私の答えが「嫌じゃな
い」でしかないというのは、本当の意味で答えてないことに気づいてしまった。

あらためてセンターの表情を窺うと、今度はどこか哀しみを感じさせる目の色。お互いの視
線が二人の間で絡まると、センターは微かに笑った。ちょっと泣きそうな笑いにも見えた。

「ネズミ、悪かったな」
「…いや、そんなことはないし」
「うん・・・まあな。今日はちょっと先に帰らせてもらっていいか。悪いな。また明日、明
日はまた一緒にお前と過ごしたいから」

センターは私の返事も待たずに背中を向け、足早に屋上の階段を下りて行った。そして私は
一人きり屋上に取り残されてしまったのだ。

*************

気がつけばマジ女の校門まで来ていた。校舎はもうすぐだ。
私は自分の唇に、グローブから出ている左手の指先を当て、なぞってみた。ここはセンター
の唇が触れた場所。それだけで顔が熱くなる。昨日のキスを思い出しながら、中指の先を唇
の奥に滑らせて舌先に触れさせてみる。昨日のセンターの舌は、このずっと奥まで進入し、
内側を恣にしていったのだ。

・・・・自分の指なんかより、センターの唇の方がずっといい。

【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
662 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 12:16:54.44 ID:OfxQ7cfW
前半その2は今日の夕方以降に投下しますん
【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
667 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 19:34:46.24 ID:OfxQ7cfW
>>661

いくつかのヤンキーグループがたむろしているのを横目に校庭を通り過ぎ、校舎に入る。
当然教室のごとくスルーだ。私は汚れた階段を駆け上がった。行き先はマジ女の屋上。
私とセンターの場所だ。
屋上へ続く扉を開けると、柵に寄りかかった見慣れた色のカーディガンの背中が見えた。い
ない確率が高いだろうと思っていたが、これは当然想定内。

なのに妙に動揺するのは、何をどう話せばいいか整理がついてないからだろうか。それでも
センターの背中を見て素直に嬉しいと感じている自分に改めて気づいてしまう。
さあどんな風に話しかければいい?
緊張する気持ちを抑えて近づく。

「…センター、さぼりか?」
「お前も遅刻だろ」
振り向いて応えたセンターの笑顔は、どこか儚げなげな雰囲気でとても清らかだった。

「ネズミ、お前を待ってたんだ」
「…うん」
「話があるんだ」
「うん」
「聞いてくれるか?」

私は静かに頷いた。二人で促し合ってベンチに並んで座った。
どんな話か想像は出来なくはない。それはおそらく・・・。

【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
668 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 19:40:54.84 ID:OfxQ7cfW

でもそんなことより、どんな話であってもお前の話なら真面目に聞くという覚悟だけは出来
ている。私にとって、センターはたった一人のマブダチ。
この世でたった一人の特別な存在なのだから。

「ネズミ、私はお前が好きだ」
「…知ってる。何度もお前から聞いた」

何度目かになる告白を、本日も厳かにしてくれたセンターは次をどう続けようか考えあぐね
ている様子だ。だから私も言った。出来るだけ優しく、出来るだけ真摯に自分の気持ちがセ
ンターに伝わる様に。

「私も、センターが好きだよ」
「……お前の好きと、私の好きはきっと違う」
「それは、お前の好きっていうのは、キスしたい好きってことか?」

センターは私の顔をじっと見ていた。目が怖いくらいにマジだ。熱さと鋭さを秘めたこの目
は闘う時のセンターに似ているかもしれない。不謹慎にも高揚してきた。

「違う。私の好きは、お前を自分の物にしたいっていう好きだ」


そこで授業終了のベルが高らかに鳴り響いた。だが私たちは二人とも無言のままだった。


私はやおらベンチから立ち上がると、センターに背を向けてケンケンパを始めた。
ケンケンパッ、ケンケンパッ、ケンケンパッ!! 背中にセンターの強い視線を感じる。
いったい今お前は何を考えてる?
私が今何を考えてると思ってる?
次のケンケンパが終わるまでに、私は心を定めてお前に告げる言葉を決めよう。
ケンケンパッッ!!!

振り向くと、センターの瞳にぶつかった。

【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
669 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 19:57:29.85 ID:OfxQ7cfW

「センター、私は別にお前の物になったって構わないよ」
センターは強張った顔のまま、息を一つ吐いた。

「お前、意味が分ってるのか?」
「分ってるさ。そこまで鈍くない。つまり私とやりたいってことだろ?」

我ながらど直球だ。センターはさすがに目を見開いてほんのり顔を赤らめている。
私たちは気がつけば進んでしまっていたんだ。だから、ここまで来てしまってる以上はっき
りさせるしか道はない。追い込んだのはセンターだろうか?それとも私?きっと両方だ。
でも、私だってお前が好きだから、一緒にいたいと思うから・・・進む。

「それがセンターの心からの望みだって言うんなら、マブダチなら叶えてやりたいと思うも
んだろ。私はね、お前を受け入れたいんだ」
これは私の掛け値無しの本心。

「…ネズミ、お前に無理強いさせたい訳じゃない」
困惑したセンターの顔。そういう顔も好きだ。そんな顔をさせるのは世界で私だけでいい。
自分の気持ちが一層高まるのを感じる。

「言っておくけどね、センター。嫌だったらそんなこと絶対言わない。そんな殊勝なこと私
が言うわけないだろ?私はね、少なくともセンターとそうするのは悪くなさそうだと思った
から言ってるんだ。だけど、それじゃお前は嫌だっていうのか?」
私は思いっきりどや顔をして見せる。目を丸くするセンター。

「……うん、ネズミ、十分過ぎるくらいだ。ありがとう」


【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
670 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 20:02:06.07 ID:OfxQ7cfW

センターはほんのり嬉しそうで、眩しい物を見るように目を細め私を見つめてくる。
そんなセンターが私も眩しくてしかたなかった。


そして私はベンチに座るセンターに足早に近づいて、その制服のスカーフを引いた。
「ねえセンター、昨日みたいなキス、してよ」


実を言うと、さっきケンケンパを始めたときから、頭の中でずっと昨日と同じ警告音は鳴り
続けているのだ。やはり「この先危険」を告げる警告なのだろうか?
でももしかしたら、単なる目覚ましのアラーム音なのかもしれない。
私の何かが目覚めを告げる音。

センターのキスは昨日よりも優しくて、私も舌を絡めてこたえている内に、鳴り続けた音は
遠くに小さくなって次第に聞こえなくなっていった。


〜つづく〜


【マジすか学園】センターとネズミの秘密の部屋
671 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/11/01(火) 20:08:21.92 ID:OfxQ7cfW
後編では多分二人がやってくれるはず、と思いますが
なにぶんこっちがエロ初挑戦なので…がんばれ自分です

読んでくださった方感謝です


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