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みつどもえで百合 【2卵性】

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みつどもえで百合 【2卵性】
236 :長女三女の事情-G[sage]:2011/10/01(土) 00:00:36.99 ID:2M7tUV86
〜 次女(みつば視点) 〜

逃げ出した。
せっかく謝るつもりだったのに……。

今は私達姉妹の部屋に入って扉に凭れ掛かるように座り込んでいる。

一階で見た光景……それは私のお気に入りの服の見るも無残な姿。
ひとはの奴、このタイミングであんなことをやらかしてくるなんて……。

……判ってる。ひとははワザとそんなことしないって。
視線を私に向けようとしないひとはの態度、何かの事故でこういうことになってしまったのだと理解は出来た。

実際怒ってるわけじゃない。
服の一つや二つ……いいじゃないの……。
ひとはと仲直りできないことの方が私には問題だから。

でも、とっさのことで謝ることを忘れて唖然となったし、完全に頭の中真っ白になったわけで……。
唯でさえどう謝ろうか、考えて、考えて……若干混乱気味だったし……。

みつば「すー、はぁー」

深呼吸して気持ちを入れ替える。
さっきのこと許してやって、それで私から謝ってコレで解決だ!

そう思って立ち上がる。そして、扉を開け――

<ガチャ>

みつば「え…ちょ!」

<ゴンッ>

開けようとした扉が開いて額にクリティカルヒット! ……超痛い。

みつば「っ……!」

額を押さえてしゃがみ込む。
みつどもえで百合 【2卵性】
238 :長女三女の事情-I[sage]:2011/10/01(土) 00:05:20.96 ID:2M7tUV86
ひとは「……ま、まったく、世話掛けないで。……私料理中だから戻るよ」

そう言って背を向けて部屋から出て行く。

……精一杯普段通りを演じているように……そんな感じに見えた。
って言うかひとはから会話してきたってことは……。

みつば「ちょ! ひとは!」

そう考えた時、私は部屋を出てひとはを呼び止めた。

みつば「昨日……私、その…悪かったわ……だから――」
ひとは「ちょっとまって! みっちゃん、昨日私が何に腹立てたかわかる?」

みつば「え……」

意外な返しに戸惑った。……そして、ひとはの問の答えもすぐには出てこなかった。
ただ、ひとはの機嫌を損ねる何かを言ったのだから謝るのは当然……そう思って言ったのだけど……。

理由もわからずに謝ってしまったことはやっぱり失敗だったのだろうか……そう感じ始めたときひとはが口をあけた。

ひとは「はぁ……別にいいけど」

呆れたように嘆息する。
結局理由は判らず仕舞い。気にはなるが、触れないほうがうまく治まる気がしたので触れないで置く。

ひとは「それより謝るのは私のほうだよ。……今日のことも、昨日“話しかけないで”って言ったことも……」

視線は私に向けていない。だけど、その声はいつもより一回り弱々しいもので印象深かった。

ひとは「それに……謝るのが遅くなったことも、……意地になっててごめん」

なんというか、素直に謝られてちょっと居心地が悪い……。

ふたば「仲直りっスね!」

ふたばが間に割って入る。この自由な行動が居心地の悪さを壊してくれて助かる。
……って、あれ? これってさっき部屋で見た紙袋?

ふたば「これ! 二人に買って来たっス! 本当は仲直り出来るようかったんスけど……
仲直りしちゃったっスから、そのお祝いっス!」

私達に袋を差し出してきたので反射的に受け取った。
えっと、中身は……服?
みつどもえで百合 【2卵性】
239 :長女三女の事情-J[sage]:2011/10/01(土) 00:06:53.10 ID:2M7tUV86
<バサッ>

前を見るとひとはが袋から服を出し広げていた。

ひとは「え、何これ……」

何これって服だろう。いや……言いたいことは判る。
なんというか、服のデザインが……つまり、おばあちゃん級のセンスなのだ。

そして、嫌な予感を感じつつ私も紙袋から服を取り出し広げた。

みつば「げ……」

ひとは「……ペ…ペアルック」

ふたば「どうっスか! どうっスか!」

満面の笑みを浮かべ私達に感想を聞く。

ひとは「どうって……いらな――」
みつば「わ、わー可愛いじゃない! ふ、ふたば気が効くわね。ありがとね!」

ひとはが本音を言いそうだったのでフォローした。
っていうか、ひとはってそういうとこ気が効かなすぎよ!

ふたば「ほんとっスか! じゃ明日、二人ともそれを着て登校っス!」

みつば&ひとは「「え゛……」」

衝撃の一言。
このダサい服を着て……しかもひとはとペアルック?
ふたばは私達に死ねと言ってるのだろうか?

ふたば「ほへ? なんか問題あるっスか?」

私達の反応に不安げな顔を見せる……こんなのって反則じゃない!?

ひとは「問題って……こんな服着れる訳――」
みつば「(ちょっと! ふたばがわざわざ、私らのために買って着てくれたのよ!)」

ひとはがまた気を効かす気ゼロなので慌てて制止に掛かる。


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