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名無しさん@秘密の花園
【ミミニャミ】ポップンミュージックの百合4.1【リエサナ】

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【ミミニャミ】ポップンミュージックの百合4.1【リエサナ】
131 :名無しさん@秘密の花園[題無しsage]:2011/06/18(土) 01:38:42.05 ID:v04tcO4R
梅雨の訪れを感じさせない、抜けるような青空が広がるポップン学園の昼下がり。
授業を終えた生徒たちが仲間と共に部活、寄り道、園内に残って談笑、勉強と思い思いの放課後を過ごしている。
ポップン学園の屋上。爽やかな風が吹き込み、初夏を感じさせる日差しがさんさんと降り注いでいた。
それらに乗ってトランペットの音色が流れてくる。
元を辿ると、一人の少女がトランペットを演奏していた。
頭に2つの盛り上がりがある帽子を被った少女は、体でリズムを刻みながら途切れ途切れに曲を奏でていく。
その足元では、どこから入ったのか無愛想な顔の猫が、少女と同じく体としっぽを揺らしてリズムを取っていた。
演奏が一段落して、少女はふぅっと大きく息をついた。
微かに汗ばむ額を、首から提げているタオルで拭った。
「歩〜、こんな所にいたんだー」
学園と屋上を繋ぐ階段の扉が開き、もう一人少女が飛び出してきた。
まとめた長い髪を横に流し、まるでしっぽのようにゆらゆらと揺らしている。
カチューシャを付けた見るからに活発そうな少女は、手をぶんぶんと振りながら一直線に歩の所へと走ってくる。
「おやおやー、一人で黙々と特訓中? 孤高だねー、職人だねー。なんてね、あはは」
妙なテンションで少女は歩にずいずいと迫る。
「ま、まりん。まぁね」
まりんが来て、歩は少し緊張気味に背筋を伸ばした。
歩は、まりんのことが気に掛かっていた。
部内ではもちろん、学園でもその明るさと元気で人気者のまりん。
歩は元々まりんと同じ部に所属していて、そんなまりんとはいわゆる『友だち』だった。
部活で遅くまで一緒に練習したり、普段でも話したりふざけあったり、休日には遊びに行ったりもした。
それだけだった。それだけのはずだった。
いつからか、歩は意識や視線がまりんの方に集中していることに気付く。
まりんといつも通りに接しているはずなのに、妙に胸が高鳴ったり体が熱くなったりする。
歩は戸惑い、その感情に対して未だに名前を付けられずにいた。
「こらー、待て待てー」
歩は屋上の鉄柵に寄りかかりながら、猫を追い掛け回すまりんを眺めていた。
まりんの腕の間やその脇を、猫はするするとすり抜けて逃げ回る。
やがて猫は歩の頭に逃げてくる。それを追ってまりんも歩の目の前にやってくる。
「ふっふっふ、追い詰めたよ〜……ほーら捕まえた!」
まりんが両手を伸ばして猫をやっと捕まえる。
【ミミニャミ】ポップンミュージックの百合4.1【リエサナ】
132 :名無しさん@秘密の花園[題無しsage]:2011/06/18(土) 01:40:19.74 ID:v04tcO4R
歩は間近に迫ったまりんの顔に、微かに運ばれてくる香りに体を固まらせた。
「ごめんね、あんまり逃げるからちょっとムキになっちゃった」
「う、うぅん、別に気にしてないよ」
気にしてないはずが、なかった。
心臓がバクバクと音を立て、体から汗が噴き出してくる。
歩は慌てて顔をタオルで拭った。
「もう逃げられないよ〜、それそれー」
まりんは抱いた猫を盛大にかわいがっていた。体中を撫で回したり顔を押し付けたり。
猫は何とかしろよと言わんばかりに、非常にムッとした顔を歩に向けていた。
歩はというと、猫を可愛がるまりんに釘付けになっていた。
微かに口を開けたまま、まりんから視線が外れなかった。
しばらくして、そんな歩とまりんの目があった。
歩は慌てて視線をそらそうとする。
しかしまりんはそんなことには気付かずに、にやっと笑ってから抱いた猫を自分の顔の前に持ってきた。
「にゃ〜ん、歩くん、どうもこんにちは」
とてつもなくわざとらしい口調でまりんが言う。
口調に合わせて体を揺らされている猫は、迷惑この上ないといった表情をしている。
「突然だけど、ボクは歩くんのことが大好きだにゃ〜」
「えぇっ!?」
いきなりの告白に、歩は予想以上の大声を出してしまった。
「結婚を前提に、お付きあいしてもらえないかにゃ〜?」
「え、えっ!? そんな、いきなり、こ、こここ困る!」
歩は目が回るほど混乱し、顔を真っ赤にしながら懸命に拒否する。
しかしふと我に返り、
「あ、別に、嫌とか、そんな気は無いとか、そういうことじゃなくて、えっと、ちょっと、その、あんまり急な話は困っちゃうかなぁとか、だから、うぅ……」
慌てて弁解するが、言葉の勢いはどんどん尻すぼみになっていった。
小さくなっている歩にきょとんとした様子のまりんだったが、すぐに笑顔に戻って抱いていた猫を歩に渡した。
「あはは、だってこの猫、いっつも歩の側にいるでしょ。そんな風に考えてるんじゃないかなぁと思ったの」
「え……あっ」
まりんの真意に気付いて、歩は早とちりした自分に呆れるやら、やっぱりそうかと安堵するやらちょっと残念に思うやら、あまりに内面がごちゃごちゃしすぎて表情と思考が止まってしまった。
「まりーん! ちょっと来てー!」
部活の仲間数人が屋上の扉から顔を出し、まりんを呼んだ。
「はーい、今行くー! じゃあ歩、もう少ししたら戻ってきてね」
まりんは軽くウィンクをすると、仲間の所へと駆けていった。
まりんと仲間は二言三言話しながら階段を降りていき、屋上の扉は静かに閉じた。
日差しが照りつける中、歩は固まったまま動かなかった。抱かれた猫が歩の顔を見上げ、にゃんと鳴いた。
すると歩は真っ赤になった顔を猫の体にうずめた。
「うらやましいヤツめ」
猫は「?」という表情をしながら、歩の胸元で甘えた。
「ふぅ、暑……」
歩は汗ばんだ顔で、雲ひとつ無い真っ青な空を見上げた。
【ミミニャミ】ポップンミュージックの百合4.1【リエサナ】
133 :名無しさん@秘密の花園[題無しsage]:2011/06/18(土) 02:08:36.35 ID:v04tcO4R
初めに言います。まりんかわいい
ポップンの学生キャラはなかなかに奥手というか、飛び跳ねたりみんなを先導したりするような娘はあまりいないなぁと思っていました
が、まりんですよ。これだけ元気一杯な女の子はやっぱり良い。元気と笑顔を分けてもらえます

で、歩とまりん
歩は免疫が無さすぎる、まりんは鈍感すぎるという役回りです
まりんは大胆かつ無邪気な天然攻めで歩を翻弄してくれればいいです
歩が思い切って攻めに転じるのは、まりんが想いに気付いて乙女モードに突入してしまうのはいつになるのか
…なるほど、まりん歩も歩まりんも美味しいのか。今気付いた

では


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