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名無しさん@秘密の花園
ハートキャッチプリキュアで百合 part3

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ハートキャッチプリキュアで百合 part3
833 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 03:50:32.16 ID:sfC3K7Eu
>>830
素敵なつぼえり話が読めて嬉しいです。えりかの歯痒い恋心にときめく。

>>772の続きがやっと書けましたので投下。つぼみ視点。エロなし、2レス消費です。

私の気持ちは一つだけ、あなたの中にしか居ない――。

学園祭では軽音楽部との合同ファッションショーがそれはもう盛大に行なわれた。
その衣装などの後片付けのため被服室に戻るとえりかが独りぽつんと座っていた。
「えりか?実行委員の仕事はもう終わったんですか?」
何やら呆然と動かなくなっているえりかの顔を覗き込むと、その目は涙でいっぱいだった。
「つぼみぃ……うぅ」
「えっ……ちょっと、えりか?どうして……大丈夫ですか!?」
あわててポケットからハンカチ出してゴシゴシとえりかの顔を拭いてあげる。
「ありがと……」
私はその場にしゃがむと座っているえりかに目線を合わせて、頭をよしよしと撫でる。
「落ち着きましたか?えりか、片付けが終わったら、帰る前にもう一度寄りましょうか」
「へっ?寄るって……どこへ?」
「どこって、ステージに決まってるじゃないですか」

被服室での片付けを済ました後、静まり返ったステージにえりかと立っていた。
「ジャジャ!ジャッジャーーーン!」
私はステージの後方で、えりかはランウェイの中央あたりでクルクル回ってはしゃいでいた。
「えりかってば、もう調子が戻ったんですかぁ」
「やっぱさ、ファッションショーって楽しいし!」
えりかは遠くからそう言うとタタッと駆け寄って来て突っ立てる私の手を引く。
「つぼみもこっちにおいでよ!」
スポットライトもBGMもない、二人以外に人の気配のないステージ。
「軽音楽部の演奏と歌が鳴り響いて会場が一気に盛り上がって、あずさの出番!」
「これより、ファッション部と軽音楽部によるファッションショーを開催します……でしたっけ」
「そうそう!!やっぱりあずさの声は勢いづくというかキレがいいよね!」
「で!つぼみがここで戸惑ってた!で、見兼ねたあたしがつぼみを引っ張ったの」
「そそそれは、緊張のあまりに足が震えてですね……」
誰もいない客席に笑顔を振り撒きながら、えりかは私の手を引いてランウェイの端に向かう。
「そして、ここで腕組んでくるくる回って……ポーズを決める!」
にこにこと笑って、えりかはランウェイの端に座ると、私にも座るように促してきた。

「あっという間でしたね……」
「……うん」
「希望が花市へ来て、えりかと出会いファッション部に入ってプリキュアになって」
丁度良い高さにあるからか分からないが、えりかの頭が私の肩にかかる。
でも、ゆっくりと丁寧に肩にかかるえりかの重みと体温はとても心地のよいものだった。
「ホント色々あった……よね」
私はえりかの小さな肩に手を置いて、自分の方へそっと引き寄せてみる。
予期せぬことだったのか「うぉっ」と少し呻き声をあげてえりかの頭は私の太腿にポスッと納まった。
「えりか……」
本当に色々な出来事があった、えりかのことを想って眠れず泣き腫らす夜もあった。
「えりか?」
膝枕をし顔を伏せているえりかは少し震えていた。
――さっきみたいにまた泣いているのかもしれない。
ハートキャッチプリキュアで百合 part3
834 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 03:52:23.55 ID:sfC3K7Eu

体育館の扉と窓から、こがね色の空と真っ赤な夕陽が差し込んでいる。
「眩しいな……ねぇ、つぼみ、“親友”ってさ“友達”とは違うのかな?」
「厳密にと言われれば違うかもしれませんが、同じようなものかと思います」
「そっか。じゃあ、“親友”と“恋人”は違うもの……かな?」
「……えりか、あの――」
その質問が何を意図しているのか……痛いほど分かるのに、なぜか言葉に詰まる。
「不思議だよね。今までこんな想いしたことなかったから余計にね、へへっ」
えりかは伏せていた顔をこちらに向けた。その目はやっぱり涙でいっぱいだった。
「あたしはさ、つぼみの“親友”でいればいい?それとも……」

――私は、私は自然と唇を寄せた。

「んん……」
軽く触れるだけのつもりが、えりかの腕が私の頭を抱えこみ、口づけはむせ返る程深いものに。
「はぁ……」
互いの口唇に銀色の糸がかかっていた。それが千切れると同時に顔が熱くなっていた。
えりかも真っ赤で涙目で私よりもひどい顔だった。けれど、それはとても可愛い笑顔で。
「えーっと……」
「あー……あの!分かってます!すみません!色々とゴチャゴチャでごめんなさい!」
膝の上にえりかの頭を抱え込んだまま、ひたすら謝る自分がいた。
「これはですね、えっと、あの……えりか」
「うん……」
「……好き…です」
「うんうん……」
「出会った時からずっと、好きでした。えりかのこと大好きです」
この間のことがあったばかりだ。すぐに感情的にならない。
この気持ちでえりかに迷惑かけない。そう決めたばかりなのに。
……なのに、言ってしまった。ついに伝えてしまった。
無言の時間が私の胸を締め付けていく。震える手を抑えつけ怖くなり目を閉じた。
――ついにこの日が来た。えりかとのお別れの日が――そう肩を落とした瞬間
私の胸の締め付けを解くようにえりかが私の背中にぎゅうっと腕を回した。
「……あたしも好きだよ」

「えぇ!?そんな、まさか……えぇ?」
抱きついていたえりかの肩を勢いよく掴み離し、顔をジッと覗き込む。
「え……なんでつぼみがそんなに驚いた顔をするの?」
「なんでって、あんなに、一方的に私ばかり押し付けて、えりかの重荷に……」
目の奥から涙がどんどん溢れてきて、視界が滲んでくる。
「あたしだってそうだよ?つぼみの想いに、自分の想いに確信がなかっただけ」
えりかはにこにこ微笑みながら、制服の袖口で私の涙を拭う。
「あたし、言ってたよね?好きだって……何度も。ファッション部にも誘ったし!」
「ファッション部は部員集めが目的だったんじゃないんですか?」
「あー!違うよ!一分一秒でも多くつぼみと一緒に居たかったからだよ!!」
ぶすぅ!と両頬を膨らませながら、えりかはギュウギュウと抱きついてきた。
ゆっくりと丁寧にえりかを抱き締める……互いに熱い気持ちを、身体を重ね合う。

「本当にえりかは赤ちゃんみたいに温かいですね。可愛いです」
「あーまた子供扱い。つぼみ聞いてる?好きだよ」
「はい、私も好きですよ」
「大好き大好き!」
「私も大好きです」
「好き好き!つぼみの好きより好き。いっぱい好きでたくさん好き好き好き」

えりかの止まりそうにない好き好き攻撃に私は勢い込んで唇で栓をした。

おわり

夜はつぼみさんのお部屋でフォルテッシモしてると思われます。
ハートキャッチプリキュアで百合 part3
838 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 22:06:27.22 ID:sfC3K7Eu
つぼえり喧嘩話も書いてみたいですね
本編にも色々とネタはあるんですよね
バーベキュー、田舎訪問、合宿などなど……
やばい、妄想が膨らんできたので、ちょっと引き篭もってきます
もしかしたらフォルテッシモ本番にイけそうな気もしてきた


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