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起きて食べるか残って寝るか 01 ◆2GQkBO2xQE
起きて食べるか残って寝るか 02 ◆2GQkBO2xQE
起きて食べるか残って寝るか 03 ◆2GQkBO2xQE
起きて食べるか残って寝るか 04 ◆2GQkBO2xQE
起きて食べるか残って寝るか 05 ◆2GQkBO2xQE
◆2GQkBO2xQE
名無しさん@秘密の花園
翌朝はティロフィナーレ ◆2GQkBO2xQE
魔法少女まどか☆マギカで百合萌え 11

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魔法少女まどか☆マギカで百合萌え 11
285 :起きて食べるか残って寝るか 01 ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 06:47:34.76 ID:5FBxdv3C
>>277 こうか?

「ねぎだく特盛り!」
「牛皿特とメシと豚汁」

静かに眠る住宅街の眠りを知らぬ牛丼屋に、二人の美少女がやって来た。
時刻は草木も眠る丑三つ時。
周囲に保護者の姿もない。
うら若き少女がやってくるには、おかしな場所で遅い時間だ。
店員は一瞬だけ少女達の姿を見たものの、住宅街に住む子供なのだろうと、すぐに仕事に戻っていった。
店は二人の貸し切りだった。美樹さやかと佐倉杏子。
さやかの家はすぐ近く。彼女の顔は眠たげで、ときおり寒さに目をすくめては、小さくあくびを漏らしている。
先程まで、さやかは夢の中にいて、佐倉杏子に起こされた。
安らかな眠りにつくさやかを目覚めさせたのは、眩い太陽の訪れでなく、窓を叩いた杏子の呼びかけ。
家族に来訪を悟られぬよう、塀と屋根とを乗り越えて、杏子がそこにやってきたのだ。

『まあ、ロミオ。どうしてここへいらしたの?』
『恋の翼を軽く広げ、こんな塀など飛び越えました』



「「いただきます」」
ぱちん。と箸入れの蓋が閉まり、二人は並んで手と手を合わせた。
さやかの丼にはなみなみとネギが載せられており、青臭いネギの臭いが立ちこめている。
杏子は、どうにもその様子が信じられないことのようだった。
眉をしかめて、丼を見て、訝しげに言葉を放つ。
「ねぎだく?あんた一体なに考えてるのさ。
 わざわざ牛丼屋に入ってネギ食うなんて、まともな人間のやるこっちゃないよ」
「一度頼んでみたかったんだよ−。しかし、店員にマークされる諸刃の剣らしい!
 さやかちゃんは流離いのお尋ね者なのだ……ふっ」
「なんだそりゃ???」
もう随分古いネタである。
眉をひそめる杏子と同じく、店員にもこのネタが理解できなかったらしい。
彼は苦笑いすら浮かべることなくすごすごと厨房へ戻っていき、肉の量もそのままにこの丼を差し出したのであった。
「つーかあんたもよく分からないんだけど。なんで牛皿とごはんなの?特盛りでいいじゃん」
「ああ?これだからトーシローは……牛皿のほうが肉が多いんだよ」
事実である。
特盛りはライスでごまかしているため、肉を食いたい常連は牛皿とごはんを頼む。これ常識。
「…………知らなかった。くそぅ、これは一本取られたぜー!」
「へっ、だてに食い歩きしてないっての」
貸し切りのような店内に、かつかつと箸の音だけが響く。
はふはふと息を漏らして食べる丼を掻きこむ二人の姿は、お世辞にもお行儀がよいとは言えなかったが、
二人は、食事のプロだけが提供することが出来る、人々に愛されるための食事を、舌の先でじっくりと噛みしめた。
「ってかさあ」
「ん?」
豚汁をすする口を止め、さやかを見る。
さやかは今日も健啖だった。すでに、丼は半分以上が空いている。
残念ながら、ノリで頼んだねぎだくはあまり楽しくなかったようで、かなりのネギが片側に寄せられていた。
きっと杏子が始末を付けるのだろう。無駄な店員の努力に敬礼。
「なんで誘ったの。今日。あんな遅くに」
「んー……」
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286 :起きて食べるか残って寝るか 02 ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 06:50:09.87 ID:5FBxdv3C
それは単純な質問だった。別に深い意味もないのだろう。
だが、疑問に思うのも当然だ。
杏子がさやかの部屋の窓を叩いたのは、夜もすっかり更けてのこと。
町の明かりと共にさやかも眠り、月は厚い雲に隠されて、山茶花を揺らす風もない。
凍てつく真冬の寒さの中を、どうして杏子は歩いてきたのだろう。

『ジュリエット、君さえいれば、嵐の中、陽の光すら届かない暗闇の森、
 燃え盛る炎の中であろうと、私は飛び込んでみせましょう。
 君の為なら家名も捨てよう。私はロミオ。それ以外の名前はいらない』

「あんたとこうやって飯食うこととかあんまないじゃん」
牛皿をつつきながら、目線を交わすことなく語り合う。
いつものような、いつもの風景。
特別な言葉も交わすことなく、ありのままのあるがまま。
普段通りの杏子とさやか。
「なにそれ。いつも一緒に食べてるじゃん。昼間だって―――」
「昼はほむらも一緒だったろ。別に深い意味ないよ。クーポン余ってたし、たまたま近く寄ったから誘っただけ」
「んんんん〜?…………ふっ。またまた、杏子ちゃんってば素直じゃないなあ。
 ほむほむに嫉妬っしてんじゃん?あたしと一緒にごはんしたかったってことじゃん?」
「バカ言ってんじゃないよ。あたしとほむらの間に、あんたの割り込む隙はないね」
「うえっ。なにそれ。人のこと連れ出しといてよくそういうこと言えるわアンタ」
「奢りって言われてほいほい付いてきた奴に言われたくないね」
「むかつくぅ。もういい。あたしも豚汁とおかわり頼もうっと」
「現金な奴。太るよ」
「あんたも道連れだー!幸せ太りしようよー」
そうしておなかいっぱい食べたのだった。



「う〜、やっぱ食べると暖まるねー」
「ヨシキューで二千円も食うなよあんた……」
白地に赤い文字の書かれた看板を背に、店を後する二人。
そういう杏子も定食メニューを追加しており、口にくわえて爪楊枝をせせって、寒そうに肩をすくめている。
「顔冷たーい。家近くて良かったよ、ホント」
「あんたが羨ましいわ……あたし変身して帰ろうかな」
「多分、見てて寒くなるからやめて」
魔力が循環すれば、冬の寒さだろうが、冷凍庫の中だろうがお構いなしに歩けるだろうが、
派手さはともかく、あの薄手のドレス一枚で、霜の降り立つような寒さの下を歩いていたら……それはもう変態である。
警察こそ呼ばれないものの、相当おかしな目で見られることは避けられそうもない。
「もうちょっと着込んでくれば良かった……って、もう着いたわ……今何時?」
「二時半ちょい」
「なんだ。三十分かそこらしか出てなかったのか……ふー。明日遅刻しそう」
もうさやかの家は目と鼻の先だ。
ポケットから手を出して、かじかんだ手を擦り合わせるさやか。
「なんだ。手ぇ、真っ白じゃん……うおっ、冷てっ」
杏子がさやかの手を取る。
ぎゅうぎゅう指を握りしめて指と指を絡め合い、丹念に、さするようにさやかの指を握りしめる。
「ふふふ。あんた手付きやらしーし」
「うおー、ちゅっちゅさせろー」

真っ白な吐息を吐きながら、手の平の上に何度も小さなキスを繰り返す。
ごそごそと体を揺らして、くすぐったそうに笑うさやかと、
吸い付くようなキスをしたまま、さやかに身を寄せようとする杏子。
クスクスと小さな笑い声が、いつの間にか晴れた月明かりの下にさざめいていた。
体の表面は冷たく冷え切り、しかし、胸の中には小さな明かりが灯っているように、
ぽかぽかとした温もりが、二人の体を満たしていく。
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287 :起きて食べるか残って寝るか 03 ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 06:50:52.00 ID:5FBxdv3C

「あー、なんか笑えてきた。なんでだろ」
「愛だよ愛」
「そうか、肉かあ」
「はっ、肉に負けてたまるかっ」
お互いにニヤニヤとした笑いを浮かべ、冗談を交わし合い、
さっと口を放して、今度はさやかの唇を狙う杏子。しかし。

「だめー」
その両肩をさやかの両手が止めてしまう。
鼻先の触れ合いそうな距離を保ったまま、杏子がうらめしそうにさやかを見下ろす。
「えー…………なんで?」
どうも杏子は本心から不満だったらしい。オー、ジーザス、クライスト!!
ぐにぐにと指先で手を弄りながら、唸るような声で不満を漏らす。
さやかは意地悪そうな笑みを浮かべたまま、上目遣いに杏子を見ている。
「だって、させたらあんたそのまま帰らなさそうな気がするし……」
「うっ…………否定しない」
「でしょー?常習犯のあんたはともかく、あたしはあんま遅刻できないんだよねー。親の手前。」

正直、そこまで深く考えてなかったとはいえ、実際かなり良いムードだった。
このままキスしてお互い盛り上がって、ベッドの中で色々とお話を出来ると思ってたのだが……どうも難しいようだ。
まあ、考えてみればさやかは両親と同居しているのだ。
杏子と両親に多少の面識はあるとはいえ、無断で他人を家に泊めたりすればさやかの立場も悪くなるし、
挨拶もしないで勝手に泊まるというのは、杏子の礼儀にも反する。
さやかの心配が一番で、義理は飽くまでおまけだが…………でも正直、泊まりたい。もうちょっとイイ感じになりたい。
義理や人情で、このアレな感じの昂ぶりをポイするのは非常にもったいない。
さっきからイタズラっぽい笑みでこっちを見上げているさやかを見るに、これはそれなりにアリなんだと思うし、
正直、かなり良いところまで行ってると思うのだが……

「…………」
「……ね?あたしだってそりゃ残念だけどさあ……」
今度はさやかが杏子の手を取ってキスをする。
手の平のキスはお願いのキス。そうらしい。杏子はそんなのよく知らない。だがお願いされているのだ。
……拒絶というか、駄目というか……とにかく、無理と言ってるには違いない。
甘えん坊のさやかが、YESかNOでNOと言っているのだから、これ以上は難しいのではないだろうか?

しかし、こんだけ甘えておいて、やっぱり駄目というのはずるいと思う。
さやかの事情はさておいても、杏子も女の子だ。好きな相手に甘えたい。しかも今。なう。
頬擦りして、ちゅーして、抱き合って、お手々を繋いでベッドの中で体温を共有したいのだ。
昨日食った飯の話とか、授業中に先生がした変な話とかして、だらだら時間を過ごすあの快感。
普段、あんだけさやかに甘えさせているんだから、あたしだって甘えて良いはずだと思う。
お姉ちゃんなんだから仕方がないのだろうか?そんなの横暴だ。お姉ちゃんもさやかとちゅっちゅしたい。
ちゅっちゅしたいのに出来ないのは寂しいではないか。ちゅっちゅさせろ。したいんだから。
ちょっとぐらいはいいじゃんかと思う。お手々繋いで、それっきりではもう全然駄目駄目だ。

懊悩とした気持ちのままさやかの目を見る。
さっきより、ちょっと表情が暗いように見える。
……もう、その目を見ると駄目である。悪いことしてるね。ごめんね。とかそういう目なのだ。
これ以上ごねたら自分が悪者になってしまう。
悪者になるのがイヤなのではなく、悪者になってさやかをいじめる立場になるのはイヤだ。
仮にさやかをいじめるような奴がいたら、足腰立たなくなるまで叩きのめした上で、
血反吐を吐くまで腹に蹴りをくれた後、顔面の形が分からないぐらいボコボコにして、
便器に顔を叩き込んで水を流して頭を冷やさせることになるだろう。杏子は過激な女だった。
もう一度さやかの顔を見る。
もう体の熱も冷めてきたのか、頬の赤みも取れて、肩が少し震えている。
ああ全く。こんなところでうだうだやってる自分は、すでに悪者ではないか。馬鹿たれめ。
そう。さやかもちゅっちゅしたいのだ。したいけど我慢して、お願いだから帰ってちょうだいと言ってるのだ。
『神は、耐えることのできない試練は与えない』ホントに?なんてこったい辛すぎる。
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288 :起きて食べるか残って寝るか 04 ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 06:56:14.69 ID:5FBxdv3C
「はああああぁぁぁぁ…………」
「てへへ……ごめんねぇ」
杏子はがっくりと首をうなだれると、大きく溜息をついた。
さやかが肩に手を添えて、優しく頭を撫でる。
お姉ちゃんは辛い。惚れた弱みもある。
旦那役を買って出ている自分が、ワガママ言って困らせては情けない。
顔を上げると、やはりさやかは申し訳なさそうに笑って、杏子をいい子いい子している。
良くできた嫁だ。涙が出てくる。こんなに駄目な亭主でごめんなさいだが、
これ以上情けない姿を見せて、駄目な旦那+情けない旦那になるのはごめんである。
人間、諦めが肝心だ。

背筋をぴっと正して、下がっていた眉もぴっちり揃える。
よし。喧嘩も強くて男前な佐倉杏子だ。
今すぐあたしに惚れ直して、お断りしたことを後悔するがいい。
しかし、溜息は出てきた。はぁ。でも、心はちゃんと決めたんだし、良くできた自分にご褒美を貰おう。
『怒りを明日まで持ち越すな』、神様ってホント良いこと言うね。

「ということで、帰る前にちゅーさせろ」
なにが、ということで、だかは別にして、とにかくちゅーはさせてもらう。
精一杯の男前フェイスで放つ剛速球。時速百六十キロのストレート。
変化球なんぞ投げたこともない。女は度胸だ。いいからちゅーさせろ。させてください。頼む。うまい棒あげるから。
「……したら帰っちゃうの?」
おおい!あんたが帰れって言ったんだろが!
今さらそんな可愛いツラして、何が『帰っちゃう?』だ、この悪魔!
思わず真っ赤になる自分の顔をぶん殴りたいのを我慢して、心の中で十字を切る。悪魔よ去れ、チクショー!
「キスする。で、帰る」
さやかはまさに悪魔だった。
何故帰れと言ってから、帰っちゃ駄目とか、それそのものの態度を取ってくれるのか。
もういい帰る。することやってさっさと帰らないと、絶対にこっちの身が持たない。
さやかは頬を染めて、もじもじと恥じらう。ああ、もうやだこの嫁。たまんない。
「じゃあ、いいよ……っ……」

言葉を聞いた瞬間に飛びついた。
さやかの顎を上げて、唇と唇と合わせて、そのままぐっと口付ける。
吐息が顔に触れた。髪と髪が触れた。唇と唇が触れた。
ただそんだけだったが、それでも満足だった。
そのまま十秒ぐらい、ずっと触れるだけのキスをしてた。
「ふう…………ごちそうさま」
「ん。ごちそうさま」
体を離したのはあたしからだった。
あたしが離さなかったら、さやかはきっとそのまんまだろうし、そのまま約束を破ったら、あたしはホントに酷いやつだ。
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289 :起きて食べるか残って寝るか 05 ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 06:58:29.98 ID:5FBxdv3C

さやかの目がきらきらしてる。
宝石を埋め込んだように光ってて、さっきまで白くなってたほっぺたは、やっぱり赤くなっている。
多分、あたしもまったく同じ顔をしてるのだろう。
このまま別れることはやっぱり名残惜しかったけど、それでも心の中がさっと楽になっているのを感じた。
「おやすみ」
「うん。おやすみ」

『おやすみ。おやすみ。
 別れが甘く悲しいから、朝になるまでおやすみを言っていたい』

もう一回だけ握手をして、それでそのまま背中を向けた。
何度か振り向くと、さやかはずっとこっちを見ている。
次の角で曲がらないと随分遠回りになってしまう。
だけど、さやかを外に立ちっぱなしするわけにもいかなくて、最後にもう一度だけ振り返ってから、ゆっくりと角を曲がった。
あたりが急に真っ暗になって、なんだか妙に寂しくなった。

まあいい。
どうせ明日学校に行けば、嫌でもさやかの顔は見るのだ。
多分、これからもいつでも見れる。
一人が寂しくなったときに、塀を上って戸を叩いて、これからずっとそうできる。

『ジュリエット、啀み合うことない世界で、これから共に幸せになろう。
 いつまでもいつまでも一緒に暮らそう』

それじゃあ、また明日。

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290 : ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 07:01:31.81 ID:5FBxdv3C
クセェー!と思ったら負け。つまり、俺がもう負けてる。
書きためといたSSが>>277の妄想で魔性変化しちまった。
せっかくの休日に俺は一体なにやってんだ。
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292 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 07:10:23.72 ID:5FBxdv3C
>>291
杏子:吉野家 マミ:松屋 まどか:吉野家 さやか:なか卯 ほむら:すき屋
こういうこと?俺は吉野家派。
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295 :翌朝はティロフィナーレ ◆2GQkBO2xQE [sage]:2011/04/04(月) 09:04:01.60 ID:5FBxdv3C
◆おまけ

それじゃあ、また明日。

「ということで今日の所は」
ひらりとマンションの二階通路まで飛び上がるだけで玄関の暗証装置は役立たず。ザルな警備だ。
エレベータなど使っていられない。あたしの昂ぶりきったハングリーハートはゴリアテの如く荒ぶっている。
全力ダッシュで階段を駆け上がり、目的の部屋へと到達する。
気合い一発三層ロックの掛かったドアノブを全力で握りしめると、ぎいきいと金属のひしゃげる音がする。
しかし、壊れる気配無し。非常に頑丈なドアだった。魔法少女渾身の力でもって、これほどまでに抵抗するとは予想外だ。
一体このドアを注文した奴は、一体どんな化け物が自分の部屋にやってくると思っていたのだろう?
ふっ、と魔力を込めて、ドアノブを、いやドアを押す。
瓦礫がこぼれ落ちる音と共に、ようやくドアが取れた。
高そうなドアだったので、そっと立てかけておく。せめてもの優しさだ。いざ、出撃。

こんばんは……と誰にも聞こえないような声で挨拶をする。
こういうのはサプライズが重要だ。
思っても見なかった人間と対面して、あっと驚く幸福感を演出し、勢い任せてドラマチックに盛り上げる。
ウイスキーボンボンとかブランデー山盛りのシフォンケーキとかあるし、もうイケイケだろう。多分。
そうでなくては困る。いざとなったらソウルジェムを奪い取って、直接アレな感じにするしかない。予行演習はバッチリだ。
以前ほむらと散々一緒に勉強したのだ。あれこれと。
キュウべぇをパシらせて、ぬるぬるしたあれも用意してある。対処は完璧だ。行き着くところまで行くしかない。
物音を立てないように、ひっそりと影のように障害物を避け、ようやく寝室の前まで辿り着く。
ドアノブを捻る。よし、いける。鍵は掛かってない。

さて、もうターゲットは目の前だが、どうやって声をかけるべきか。
『お目覚めかな子猫ちゃん』 ねぇよ。
『おっす、マミマミさせろ』 ムードがないな。
『おねえちゃんいっしょにねよ?』 ただし性的な意味で。
『ちょっと枕貸せよ』 ぶっきらぼうだが、ワイルドでいいかもしれない。よし、これで行こう。
あいつは押しに弱い。なんか愛してるよかその辺の一点張りで集中突破する。火力は力だ。速度が鍵だ。
抜き足差し足で部屋に入る。相変わらず可愛い物の多い部屋だ。まどかには負けるが。
カーテンの閉まった部屋、魔力で視力を強化して慎重に歩く。
ベッドにご到着。さて、ここからが本番だ。

目当てのターゲット、巴マミはベッドの上で体を丸め、静かに寝息を立てている。
可愛らしいウサギ柄のパジャマ、そしてその下に眠っている凶暴なマミマミが、
呼吸と共に上下運動し、ふよんふよんと視線の中でうごめいていた。
相変わらずすごい。いつ見てもすごい。羨ましいと思ったことはないがすごい。
それじゃあ、いただきます。

そっと話しかけられたほうが人間は驚くらしい。
じゃあ、いっそのことしっかり揺すってやったほうが驚かずには済むのだろう。
では、その立派なマミマミをこの持て余した情熱をもって揺さぶりまくってくれる。
両手を前に突き出す。いざ行かん。

「…………ぐすっ……ママ」

きゅっぷー。と壁掛け時計が一度だけ間抜けに鳴った。

「…………ふっ」
手にした菓子やら小箱やらをそっと床に置いて、布団に潜り込む。
いかん。どうもあたしは疲れているらしい。なにもかも萎えてしまった。
きっと悪いことはするもんじゃないと神様があたしに言っておられるのだ。
目的は達成できなかったが、どうせなにもかもどうでもよくなった。
人肌でぬくまった布団も手に入れたし、明日の朝飯にも困るまい。
今日はもう寝よう。おやすみマミ。ぎゅっと手を繋いで夢の中へと落ちていく。ママ。あたしも思い出そう。たまには。

それじゃあ、また明日。
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301 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 11:23:52.22 ID:5FBxdv3C
シェイクスピアなんか読むからこういう物を書くことになるんだと思った。
でも何度読んでも凄いぜ。さすがシヴィライゼーションに出てくるだけのことはある。

>>298
アウト。
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304 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 12:04:11.94 ID:5FBxdv3C
立位体前屈あたり、よく使うんじゃないかな。
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307 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 12:33:35.24 ID:5FBxdv3C
えー。やだー。死後の世界とこわーい。生きてこそじゃないですか。
適当にQBブチのめしてなんとかしたとかモノローグ入れちゃえば、あとは勝手に出来るじゃないすか。
麦は地に落ちてもただの麦だけど、落ちて死ぬと実りとなる?知ったこっちゃないよ神様。


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