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名無しさん@秘密の花園
スイートプリキュア♪で百合3

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スイートプリキュア♪で百合3
562 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:02:24.15 ID:3H2182rD
以下、ちょっと長めのSS投下します。
王子先輩がらみですが、悪しからず。
スイートプリキュア♪で百合3
563 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:02:43.05 ID:3H2182rD
(1)
サッカー部の助っ人を終えて、スイーツ部の部室に行く途中、私は見てしまった。
放課後には人通りの少なくなる渡り廊下の途中で、奏と王子先輩が向かい合っている。
いつも鈍感だって言われる私にも、どういう状況なのかはすぐ分かった。
慌てて窓から離れて、壁の陰に隠れた。ここなら絶対に向こうからは見えない。
そう思って安心した途端、脚がガクガク震えているのに気付いた。
「え……なに?」
自分のことなのによく分からなくて下を向いたら、水滴がポタポタ足下に落ちた。
それが自分の瞳から零れた涙だって分かるまで、しばらくかかった。
「なんで? なんで泣いてるんだろ、私……」
ゴシゴシ目元をこすって、涙を拭う。
「奏がやっと想いをかなえられるのに……奏なら絶対大丈夫だもんね」
気合を入れるように、左右の掌でパシッと両頬を叩く。
「よしっ!」
ピリッとした痛みとともに、脚に力が戻った。
「じゃあ早速、親友を祝福してあげますかー!」
泣いていたことが分からないか、近くの鏡で顔を確認してから渡り廊下に向かう。
「あ、でもお邪魔はしない方がいいのかな……」
考え直して、そっと開け放しの扉から顔をのぞかせた。
もしも二人が……なんて考えたら、またズキっと胸が痛んだけれど、
でも、そこにあったのは、全然予想していなかった光景だった。
一人でその場を離れようとする王子先輩と、俯いたままの奏。
私は愕然として、先輩がこっちに向かって来ているというのに、ただ立ち竦んでいた。
扉のところまでやってきた先輩は、私に気付くと少しだけ微笑んで、
だけどそのまま何も言わずに去っていった。
何が起こったのかは分かった。でもそのことが受け入れられなかった。
「奏……」
思わず声を出してしまった。
呼ぶべきじゃなかった、見ないふりをした方がよかったとおもった時には、
もう奏は私に気付いて、こっちを見てしまっていた。
「……あは」
奏は泣きそうな顔で、でも懸命にそれをこらえて無理に笑顔を作る。
「ふられちゃった」
そう言われた途端、私はもう何も考えられなくなってしまった。
「どうして!?」
奏のところに飛んでいくと、いかにも女の子らしい、たおやかな肩を掴んで揺さぶる。
「どうして奏がふられるの!? そんなのおかしいよ! 奏のどこが不満なのよ!!」
「響……」
奏の指が、私の頬にそっと触れた、
いつの間にか、また自分が泣いてしまっているのに、そのとき私は始めて気付いた。
スイートプリキュア♪で百合3
564 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:03:11.99 ID:3H2182rD
(2)
響に見られていたと分かっても、私は悪い気分ではなかった。
むしろ秘密を持とうとした自分の方が悪かったんだって思った。
「どうして奏がふられるのか、私には全然分かんない!!」
子どもみたいに泣きじゃくりながら響が必死で訴えてくる。
それを見ていたら、私らしくもなく泣いてしまいそうなくらい動揺していた心が
逆に落ち着いてきてしまった。
「ありがとう、響。でもね、そういうことじゃないの」
「じゃあどういうことなのよ!」
言ってしまっていいものかと迷っていたら、王子先輩の言葉が思い出された。
『僕のところにきた女の子には、みんな言っていることだから』
あれは、別に隠してないってことだと考えていいんだろう。
「あのね、王子先輩……女の子には興味が持てないんだって、ずっと」
「……なに、それ……」
「だからね、その……」
さすがに言葉を濁してしまう。
そういう人を指す言葉は知ってるけど、なんだかどれも悪く言うみたいで抵抗がある。
「そんなことで奏をふったの!?」
「そんなことって……ちょっと、響」
「そんなことだよ! 女の子に興味がもてないってなによ!?」
「響、それはね、個人の自由っていうか、どうにもならないことでしょう?」
響が私のために怒ってくれている。
それはとても嬉しいことだから、刺激しないように出来るだけ優しく諭す。
でも響の感情は、おさまらないみたいだった。
「そうじゃないよ! 女の子だからって何!? それじゃ奏のこと、全然見てないじゃん!」
ドキッとした。響が私のことをまっすぐに見て、そんなことを言うものだから。
「……私、先輩に抗議してくる」
痛いくらいに私の肩を掴んでいた手をようやく放して、響が回れ右した。
私は咄嗟にその腕に手を伸ばす。
「ちょ、ちょっと待って響!」
「止めないでよ! 奏のこと見ようともせずに傷つけるなんて、絶対に許せない!」
「やめて!!」
「やめない! ここでやめたら女がすたる!!」
スポーツで鍛えている響を、私が腕の力だけで抑えられるわけがない。
だから私は後ろから思いっきり抱きついた。
「か、奏……」
途端に響の身体は硬直したみたいになって、動きを止める。
「あのね、響……もうひとつ、王子先輩に言われたことがあるの」
「……聞きたくない。もういいいよ」
「聞いて。先輩はね、こうも言ったの」
息を一つ吸い込んで、そのあとを一気に続ける。
「君はこういうことをする相手を間違えているよ、って。私も今、本当にそう思う」
すると、キョトンとした表情で響がこちらを振り返った。
抱きついていた体を放してあげると、どこかオドオドした様子で向き直る。
ああ、やっぱりこれでよかったんだなって、私は思った。
スイートプリキュア♪で百合3
565 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:03:38.96 ID:3H2182rD
(3)
奏の言ったことが、私にはよく分からなかった。
奏は王子先輩のことが好きで、私の前でもそれを隠そうとしていなかった。
しっかり者のくせに、時々あきれちゃうくらいにミーハーな奏らしいとも思っていた。
奏が先輩のことを見ているのは複雑な気分だったけど、
でもそういうミーハーなところも可愛いなって思えたから、ずっとそのままでいた。
いつか奏が先輩とつき合うことになったら、どうやって祝福してあげようかな、
そうなったら、私たちの関係はどんな風に変わるのかな、なんて考えたりしながら。
それなのに奏は、そんな自分が間違ってたって言う。全然分からない。
「ねえ響」
混乱したままの私の名前を、奏がそっと呼んだ。
「こんな時にこんなこと言うと、すごく虫がよく聞こえるかもしれないけどね……」
それ以上聞いたらいけない気がした。
だってその先を聞いてしまったら、自分がどうなるか分からないから。
でも、さっきから身体が自分のものじゃないみたいに重くて、どうにもならない。
「私の一番は、私のことをいつも一番に考えてくれる、響なの」
ついに聞いてしまった、その一言。
私は、なんて答えたらいいのか分からないまま、バカみたいに突っ立ったまま。
「ずっと一緒にいて、分かってたはずのことなのに、
人から言われないと結局分からなかったなんて、私、バカだよね」
そう言って奏は苦笑いを浮かべた。
「奏はバカじゃないよ!」
私は思わず叫んでいた。
「私の方が、ずっとバカだ……奏に言わせるまでずっと何もせずにいて……ゴメン」
そしたら奏が不思議そうに私を見てきた。
「響……変だとか、思わないの?」
そして、さっきとは違う意味で、よく分からないことを言ってきた。
「どうして?」
「だって……私の気持ちは、ただの友達とか親友とか、そういうのじゃなくて……
その……響と……ずっと一緒で、それでね、そのうち……キス……とか……」
私は、重苦しく固まっていた自分の身体がカッと熱く、それでいて軽くなるのを感じた。
「ああ、もうっ!」
その軽くなった身体で、思わず私は奏を抱きしめていた。
スイートプリキュア♪で百合3
566 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:04:03.28 ID:3H2182rD
(4)
響に突然抱きしめられた私は、それは驚いたけれど、でもすぐに安心して身を委ねた。
むしろ抱きしめてきた響の方が落ち着かなさそうな様子でいる。
「どうしたの、響?」
それがおかしくて、ついちょっとからかうように聞いてしまった。
「だ、だってさ……こんなの、もう我慢できないよ、私……」
真っ赤な顔で目を泳がせていた響は、急にキッと私を見つめると、唐突な行動に出た。
その唇で、私の唇が強引に塞がれていた。
「!?」
びっくりしてしまった私は、つい響の腕の中で身をよじってしまった。
途端に響の方が、逃げるようにして身体を離す。
「ご、ゴメン……私、最低だ……」
「ううん、そんなことないよ。私がしたいって先に言ったんだから、気にしないで」
悪いことをしてしまったなって思いながら、今度は私の方から響に近づく。
「でも、もう少しロマンチックなムードで、優しくして欲しかったかな」
それでも後ずさりしそうになった響の緊張を解こうと、少し冗談めかして言う。
「私のファーストキスだったんだから」
「うっ……ゴメン……ほんと、ゴメン……」
モジモジと手の指をより合わせながら項垂れる、その仕草が愛おしい。
「響は?」
「えっ?」
「響も今のがファーストキス? それなら許してあげる」
「それはもちろ……あれ、ちょっと待って」
ようやく緊張が解けたかと思いきや、響が聞き捨てならないことを言い出した。
「ちょっと、響! まさか違うの!? いつ、誰としたのよ!」
「か、奏、落ち着いて」
「落ち着いてなんていられないわ! 響ったらひどい! 相手は誰なの!」
「誰って……奏でしょ」
思いもかけない答えが返ってきたので、私はあきれてしまった。
「……は? それじゃあやっぱりファーストキスだったんじゃない」
「違うよー。そうじゃなくて、奏は奏なんだけど、今の奏じゃないの!」
ヘンな身ぶり手振りまで加えて、必死に響が説明してくるけれど、全く理解できない。
「意味が分からないんだけど……」
「ひっどーい! 奏、覚えてないんだー! しらべの館で、昔したじゃない!」
「……え……そうだっけ……」
思わず嫌な汗が流れてしまった。これじゃ本当に、ひどいのは私の方だ。
そういえばそんなこともあった、ような気がする。
でもたしか、それはほんの子どもの頃のことで、
互いの唇と唇が、ちょっとだけ触れ合うだけのものだったはずだけれど。
「で、でも、あれはカウント外じゃないかしら?」
「むー、そんなわけないじゃん。奏との大切な思い出なのにー」
響はすっかりむくれてしまったようだった。
これではいけない。なんとかして機嫌をとらないと。
そう思った私は、やり直しを提案することにした。
スイートプリキュア♪で百合3
567 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:04:34.69 ID:3H2182rD
(5)
奏があのことを忘れていたというのは、正直ショックだった。
王子先輩に告白しているところを見たときとは別の意味で。
奏にとっては何でもないことだったのかなあと思うと、ガックリくる。
奏は奏で、申し訳なく思ってはいるようだけど。
でも、そんな奏が多少アタフタした様子で言ってきた言葉に、私は胸を射抜かれてしまった。
「じ、じゃあ、大人のファーストキス……二人でしよっか」
「お、大人のって……」
ついついゴクリと音を立てて飲み込んでしまう。
さっき触れ合わせたばかりの奏の唇の感触がよみがえってきて、
思わずフラフラと奏の方に歩み寄ると、その肩に手をかける。
そしてそっと目を閉じた奏に顔を近づけると、今度は出来るだけ優しく唇を重ねた。
「ん……っ」
でもそんな思いやりは、奏の唇の感触の前に、すぐ消え去ってしまった。
私の唇に、誘うように少しだけペロリと触れてきた奏の舌を感じた瞬間、
私は夢中になってそれに応えようと、舌を絡めさせていた。
「ん……んーっ」
そうして、互いの唾液でトロトロになった舌を触れ合わせて、
どれだけの時間が流れたのか分からなくなった頃、ようやく私たちは一度、唇を離した。
二人の間にツゥっと唾液の糸が伝って、キラリと夕陽を反射すると、すぐに途切れる。
「……大人のキスって……すごいんだね……」
あまりの恥ずかしさに放った言葉が、さらに恥ずかしいことに、後で私は気付いた。
「……ね、もう終わりなの?」
でも奏はもっと大胆なことを言ってきた。
誘うような、ねだるような、いつものしっかり者の奏とは違う、甘えるような視線。
思わず私は、また唇を重ねようとしたけど、そのとき近くから話し声が聞こえてきた。
そういえば部活の時間も終わってから、もう結構な時間が経っている。
私たちは誰かに見られないように慌てて飛び離れた。
でも名残惜しくて、どちらからともなく手を握り合う。
「ねえ響、ここじゃもうダメみたいだけど……」
「うん……場所、変えよっか」
私はギュッと奏の手を握って歩き出す。
「どこがいいかな」
「しらべの館にしない?。二人の思い出の場所だし……
それに、音吉さんは今日からお孫さんと二人で旅行だって言ってたから」
「そっか、じゃああそこなら、本当に二人きりだね」
「うん。だから……響さえよければ、大人のキスより、もっとスゴいこともできるよ?」
「いっ!?」
やっぱり奏は大胆だ。
キスの後とは思えないくらい気合の入っている奏に、いつの間にか引っ張られながら、
私は奏との新しい思い出の場所になった渡り廊下を後にした。

(完)
スイートプリキュア♪で百合3
568 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/04(月) 23:05:22.91 ID:3H2182rD
(6?)
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王子「……以上が次に僕たちが締めの祝福コーラスを担当する朗読劇の骨子なんだけど」
隊員A「ブラーヴォ」
隊員B「すばらしい」
隊員C「とってもいいと思います。でも、ひとつ内容について質問してもいいですか?」
王子「なんだい? ちなみに僕のプライベートに関する記述についてなら却下だ」
隊員C「それはもう知ってるのでいいです。それよりキャストは全部本人なんですか?」
王子「もちろんだよ」
隊員C「それなら大賛成です」
隊員D「まったく異議なしだね」
王子「それではこの件は決定ということで。では次の議案だけど……」

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とまあ、こういう路線なら王子先輩はドンドン出てきていいと思うんだ!
むしろ来い来い出て来い百合ソムリエ。

あと以下はオマケ↓

奏「ねえ響、私にたりないもの、ずっと考えてたんだけど、やっと分かったの」
響「なになに?」
奏「それはね……響の赤ちゃん!!」
響「奏……病院いこうか……」
奏「もう、響ったら気が早いんだから。産婦人科は子づくりの後でしょ?」
響「どうしてこんなになるまで放っておいたのー!!」


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