- とある科学の超電磁砲/魔術の禁書目録で百合萌え 9
459 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/03(日) 23:50:39.05 ID:B+6yK5bx - >>454を待つ間にういさてお粗末さまです
続きは後日
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460 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/03(日) 23:53:02.11 ID:B+6yK5bx - 自分でしたことある?
という佐天の問いがあまりに唐突で、想定外で、 驚愕というよりは拍子に口の中のジュースを全部吹き出してしまったのも けして責められるべきことではないと初春は思う。 けれど吹き出したのはお茶とか水ではなくてジュースだったものだから 掃除はそれなりに大変で、吹き出した瞬間あーあと声をあげた佐天に対しても 初春は自分の正当性を主張できなかった。 自分の部屋ならまだ良いが、残念ながらそうではない。 手際良くバケツと雑巾を用意、佐天は床を拭き始める。 初春も慌ててテーブルの上を処理しにかかる。 雑巾をしぼりながら佐天はもう一度同じ問いを口にした。 「それでさあ、自分でしたことあるかって話だけど」 「す……するって何を」 料理? 髪のカット? そんな平和な話でないことを初春は分かっている、 分かっているからこんなことになっている。 けれど目の前の友人は平然としたもので、 その態度と話題の不穏さとのアンバランスぶりが初春には理解出来ない。 初春が思春期の欲にまかせて妙な想像をしたわけではない。 ではなくて、”それで合っている”。 佐天は今確かに、いわゆる自慰というものについて言及しているのだった。 「や、まあ確かに授業で習ったしさー言葉じゃ分かるんだけど 具体的にどうこうしてって全然わかんないよねえ」 その一言で初春は事態が最悪に近いことを把握した。 佐天自身は「そういうこと」を実体験としてまったく持っていない。 なのにこうして訊いている。 それは自分で経験していて訊くのよりよっぽど性質が悪い。 「それでさあ」 初春は身をかたくした。 「初春は、したことあるの?」
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461 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/03(日) 23:55:19.40 ID:B+6yK5bx - 「……そ、」
そんなこと答えられるわけないじゃないですか、と言おうとしたのだが、 口から出てきたのは音になるかならないかのかすかな息だけだった。 それ以上が言葉にならない。 理由は明白だ。この会話が初春にとって圧倒的に不利だということ。 相手は無垢、英訳するならイノセント、翻って日本語に戻せば無罪。 さて自分は、ああ不幸なことに。 「そのこと」を知っている。 勝負に乗ればすなわち負けが確定するゲームだった。 だから初春は答えられない。けれどはぐらかせるほど器用でもない。 結果的に、その場で固まるしかなかった。 握りしめた布巾はこぼれたジュースを吸い尽くしている。 佐天が床から上げた視線が、初春のそれとかち合った。 瞬間、佐天の頬が赤くなった。 自分がどんな表情をしているのか、初春は分からない。 が、想像はできたし、だから今すぐにでもどこかへ逃げ出してしまいたかった。 目の前の彼女が口を開く。 「え、あ……そう。あるんだ……」 うわあ。 勝負に乗る前から負けていた。 逃げ出したいというより、今すぐ消えてしまいたかった。 自分がいったいどんな悪事を働いたって言うんだろう。 何の罰でこんな思いをさせられているんだろう。 初春は自分の目に溜まり始めた涙を自覚する。 ああごめんごめん、と慌てたような佐天の声もろくろく耳に入らなかった。
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462 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/03(日) 23:57:21.10 ID:B+6yK5bx - 「ごめんって、そんな涙目にならないでよ」
佐天が謝る、その声の軽薄さは謝罪をしているようにはとても聞こえない。 そもそも初春はここまでほとんど声を発していない。 なのに事態がどんどん悪化していく理不尽さ。 初春は今一度、自分の日頃の行いを振り返る。 「ねえ初春ってばー」 「え? あっ、さてんさ、あれ?」 13年間の日々に思いを馳せている内に、 ふと気づけば佐天に背後をとられていた。 抱きしめられて我に返る、と同時にびくりと震える。 季節は夏、露出した佐天の腕が自分の胸から腹にかけてを包み込んでいる。 先程の辱めの後で、その体温が再び初春の羞恥心をざわつかせた。 佐天のこうした行動はいつものこと。 ぬいぐるみのように抱かれることを、初春は特段ストレスとは感じない。 早くに親から離れた学園都市の子供だからなのかもしれなかった。 「さて初春にお願いがあります」 その声はまたも唐突。 「な……なんですか」 「聞いてくれたらスカートめくり一週間がまんするよー」 「それはお願いうんぬんじゃなくてやめてください」 膨れた顔をしてみせると、何故か佐天はくすくすと笑った。 初春がいつもの調子に戻ったのが嬉しいらしかった。 では、と改まったような声を出して咳払い。 その後妙な間を置いたあと、初春の耳にくちづけるようにして佐天はささやいた。 「どんなふうに、してるのか、おしえて?」
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463 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/04/03(日) 23:58:53.02 ID:B+6yK5bx - 今度こそ初春は絶句した。
思考の回復までに数秒。佐天の腕から逃れるべく身をよじるまでさらに数瞬。 しかし体の前で組まれた腕ががっちりと固定されていて彼女を解放しない。 「はっは離してくださいっ!! 佐天さんは、佐天さんはもうっ!!」 「まあまあ初春。交換条件ってことでさー ほんとに分かんないんだもんあれって気持ち良くなるものなのー?」 「あっけらかんと言わないでくださいもう!! そっそんなに言うなら、自分で試してみればいいじゃないですかっ!」 「いやそれもどうすればいいのか全然分からなくてさー」 ひとしきり初春は暴れるが、基礎体力で言えば二人の間には明確な差が存在する。 結局佐天の腕の中で息も絶え絶えにうなだれることとなる。 エアコンが効いてはいるが、そんな状況ではやはり暑い。 酸欠も手伝って思考能力はだいぶ疲弊してきていた。 「うーんダメかなぁ」 「……だ、だめ、です、はぁ」 佐天の方はと言えば、息ひとつ乱れず、汗ひとつかいていない。 「スカートめくり一週間自粛でも?」 「そ、そもそも、その交換条件がおかしいですよっ こんな恥ずかしい思いさせられて対価が一週間ってどういうことですか」 「ええ? じゃあ一ヶ月」 「そういう問題じゃありません!」
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