トップページ > レズ・百合萌え > 2011年03月26日 > zL11y3BB

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名無しさん@秘密の花園
スイートプリキュア♪で百合2

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スイートプリキュア♪で百合2
752 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:15:43.30 ID:zL11y3BB
こんなエロ甘いところに居られるか!俺は非エロを書かせてもらう!
スイートプリキュア♪で百合2
753 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:17:48.43 ID:zL11y3BB

「それじゃ、お先にー!」
部活を終え、チームメイトに別れの挨拶を済ませた響が駆けだす。

「ケーキ、ケーキ♪ 奏のケーキっ!」
行き先はスイーツ部の部室として使われている調理実習室。
走りながら時計を確認すると、針が指すのはいつもの数字。ちょうど試食タイムの始まる時間だ。
グラウンドを突っ切り中庭を抜けて、廊下は教師に気付かれぬよう静かに、かつ大胆に走り抜ける。

3分と掛からず到着した実習室の前で急ブレーキをかけると、勢いよく扉を開け放った。
「いただきまー……じゃなかった! 失礼しまーっす!」
鼻に飛び込んでくる甘い香りに惑わされながらも、しっかりと挨拶をして入室。
奏と響が仲直りしてからこのかた、どころか奏が入部してから毎日のように通い詰めているため、この程度で驚く者はいない。
器具の後片付けをしながらいらっしゃい、と声を掛ける部員に愛想笑いを向け、目的のテーブルの前へ一直線。
「今日はどんなケーキかなー♪」
自分が一番美味しいよ、と言わんばかりに飾られた出来たてのケーキ達を見回す。
が、視線が一巡したところで響は小首を傾げた。
「あれ? 奏のケーキは?」
「あら、それなら――」
「今日は作ってないわよ」
答えようとした部員の声を遮り、エプロン姿の奏が不機嫌そうに割り込んだ。
こちらは試食の準備をしていたのか、重ねた皿を手にしている。
「え? でも……」
響は不思議そうな顔をして屈むと奏の手元に顔を近づけ、上目使いで
「奏、すっごくいい匂いするよ?」と続けた。
ごく自然に言い放った本人以外、その場にいたスイーツ部全員の動きが止まる。
しかしそれもつかの間のこと。奏を除いた部員たちは何事もなかったかのように各々の作業を再開する。
毎度のことなので慣れているのだろう。一部には羨望や熱っぽい視線を向け続ける者もいるが。
「な、な、な……!」
「ん? どしたの?」
親友の声でようやく硬直の解けた奏が顔に集まった血を散らすようにぶんぶんと頭を振り、響の肩を掴んで押しやる。
「無いったら無いの! あ・り・ま・せ・ん!」
「えぇ〜〜!! そんなぁ……なんでよぉ」
しょんぼりした響をそのままを丸椅子に座らせ、奏は上がった息を整える。

スイートプリキュア♪で百合2
754 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:19:15.98 ID:zL11y3BB

幾分か落ち着いたところで人差し指の立った手を響に突き出すと
「さて、問題です。今日は何日でしょうか?」目の前の親友に尋ねた。
「えっと、3月の14日?」
「はい正解。」中指を立てて二問目。「では今日は何の日?」
「……ホワイトデー?」
「その通り」ひとつ頷いて、前に出した手を己の胸に当てる。
「では私はどうして機嫌が悪いのでしょうか?」
「あっ、もしかして……」
「もしかして?」
「王子先輩から義理でお返しされたから、とか?」
「? ……あぁ、そんなことじゃ怒ったりしないわよ」
そのくらい予想できてたもの、と呟き、そのまま手近な椅子を引き寄せて自分も座る。
このまま続けても望んだ答えを得られないだろう。そう感じた奏は小細工をやめて答えを求める。
「で、響は?」
「へ? わたし?」
「お返し、くれないの?」
「え、何で? わたし奏からチョコ貰ったっけ」
その言葉を受けた奏の表情が、瞬く間に怒りのそれへと変わっていく。
「ひーびーきーっ! あなたねぇ、勝手に私の手作りチョコ食べたこと忘れたの!?」
詰め寄る奏に動じず、響はうーん、と目を閉じ眉を寄せて考え込む。
「……あっ、思い出した! あのチョコ美味しかったなぁ。 また今度作ってよ!」
「う、うん。……じゃなくて!」
響の期待に満ちた顔を向けられて怒る気の削がれた奏が、大きく息を吐いて肩を落とす。
「……はぁ、もういいわ。期待した私がバカだった」
「えと……その、ごめん」
重苦しい空気が二人の間に流れる。

スイートプリキュア♪で百合2
755 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:21:40.40 ID:zL11y3BB

そのまま何分が経っただろうか。
「そうだ!!」
先に沈黙を破ったのは響。
唐突に椅子を鳴らして立ち上がると、
「きゃっ! いきなり大声ださな――」
「奏! ケーキ作って!」
奏の上げる非難の声も聞かずに勢いよく言い切った。
「え!? 何でそうなるの?」
「何でって……えっとね」顎に人差し指を当て、考えるそぶりを見せる。
「奏は自分の作ったケーキを美味しそうに食べてもらえたら、どう思う?」
「そりゃあ嬉しいけど……」
奏が困惑したように答えた瞬間、響に手を取られ、きゅっと握られる。
「でしょ? なら決定! よろしくね!」
「ち、ちょっと響? ワケわかんないんだけど!?」
「ん? まず奏がケーキ作るよね?」
突拍子もない言葉に混乱する奏に不思議そうな顔を向けて、響が説明を始めた。
「まず前提がおかしいような……うん」
「で、わたしが食べる!」
「それで?」
「わたしはケーキを食べられて幸せ! 奏も喜んでもらえて幸せ!」
でしょ? と嬉しそうに告げる。
「う……まぁ、喜ぶのはいいとして、なんか微妙に釣り合ってない気がするんだけど」
「えー!? そうかなぁ? いい案だと思ったんだけどなぁ」
そう言ってがっくりと肩を落とした拍子に、響のお腹のオーケストラが一斉に演奏を始めた。
「うぅ、お腹空いたぁ……」
涙目でお腹を抱える響のの弱々しい姿を見かねて、甘いとは思いつつも声を掛ける。
「ねぇ、響。そんなに私の作ったケーキ食べたいの?」
「うん、食べたい!」
一転、子犬のように目を輝かせる響に、たじろぎながらも奏はテーブルの上を指差す。
「ほ、ほら、他のケーキもあるじゃない」
「いらない。奏のじゃなきゃ食べた気にならないもん」
しかし響は奏から目を離さずに、そう返した。
「〜〜っ!!」
充足感や優越感、響の愛らしさなどが奏の胸中を満たし、声にならない。
激しくビートを刻む胸に手を当てて大きく深呼吸すると、
「あぁもう! わかったわよ!」
自棄気味に立ち上がり、二人から離れたテーブルに置かれたやや小振りな化粧箱を取って戻ると、それを響の目の前に突き出す。
開けて、と言われた響が素直に従うと、
「ふわぁ……」
顔を覗かせたのは可愛らしいイチゴのケーキ。飾り気は無いが、紛れもなく奏の作ったものだとわかる。
響の大好物でもあるそれにはご丁寧にもチョコペンで『Hibiki』と名が入れられていた。
「お返し、くれないなら渡さないつもりだったんだけど」
「え? でも……わたし何も持ってないよ?」
戸惑う響に、ふふ、と奏は少しだけ悪戯っぽい笑みを浮かべ、
「さっき響が言ったじゃない」
「え?」
「美味しく食べてくれないと、許さないわよ?」
そう言って笑顔を優しいものに変える。
「ぁ……うん! 任せて!!」
響は花が咲いたような笑顔で。
「奏、だーいすき♪」

何よりも大切な人に、思い切り抱き着いた。

一方、スイーツ部の面々は二人の甘さをお茶請けにしていた。

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おしまい。
無邪気な響を書きたかったんだ


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