トップページ > レズ・百合萌え > 2011年03月26日 > wd9T47tY

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名無しさん@秘密の花園
イカ娘で百合妄想でもしなイカ?

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イカ娘で百合妄想でもしなイカ?
630 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:40:48.41 ID:wd9T47tY
>>620の続きです

二の腕の奥、袖の隙間から覗く脇……見てはいけない、そんなことは知っている
了承無く人の身体を凝視するなど、されるなど、私が最も嫌悪し、恐怖し、忌避する行為の一つ
わかっている。わかっているのに、何故それを止めることが出来ないのか
身体と脳と心が切断されているかのようだ
冷静を装った判断は、見当もつかない部分で遮断され、命令として機能しない
ただ、視覚から入る情報が私の中を走り回る。走り回った熱が暴走していく
先程見つめてしまった腰のラインが、今なお見ている二の腕から脇の曲線が、一つの想像として合致しようとしている
考えては駄目だと、余りにも不敬だと警報は鳴り響く
その警鐘を馬鹿にするように脳が無理矢理に働く
れもんのシャツに隠された肢体を、取り入れた不完全な情報で構成していく
肩はこう、鎖骨はこう、下着は?胸は?乳輪は?その下は?横は?腰周りはどうなって?太ももは?
私の目はもはや実際の視界を捉えていない。架空の栄子さんが創造され、凝視している
凝視して、欲望が渦巻く。足りない、虚像では

「えっと……どう、したの?」

ふと、邪な空想を掃うように、声を聞く
数瞬前の硬直と暴走が嘘のように納まり、拘束していた手の強張りはとけ、栄子さんの身体をある程度自由にする
簡単なことであった。何故こんなことすら出来なかったのだろうか
呆れと放心が同時に来訪する。自己嫌悪すら馬鹿馬鹿しい
「よっ、と……大丈夫かな? 調子が悪かったら中で休まないと」
かけられる気遣いに返す言葉が見つからない。頭を垂らし、俯くことしか出来ない

…………何なのだ、私は。私はいったい何なのだ
木偶の坊ならまだマシだ。役立たずのポンコツなら放っておけばよい
そんな次元では、ない
あろうことか、私は栄子さんに欲情の目を向けてしまった
黒々とした欲求をぶつけようとしていた
恩人を、その幸せを切に願うべきはずの人を、汚そうとした
「…もしかして、どこか痛かったりする?」
栄子さんは言葉を紡ぐ。その声色は優しい
私はなんとか力を振り絞り、首を左右に振ることで返事をした
大丈夫ですの一言も言えない自分を侮蔑する。いつも以上に私は私を嫌っっているのかもしれない
「そっか、まぁ無茶して身体を壊してもあれだから、中で休んでてよ。後は私がやっとくから」
「そん、な……」
「いいっていいって、どうせここを片付けちゃったら今日は終わりだからさ」
「………………はい…」
では一緒に、とは口に出来なかった
今の私には栄子さんと肩を並べて働く資格などあるはずもなく、傍にいることも罪のような気がした

れもんの中は消灯が行われて薄暗く、椅子は机に上げられていた
見回しても人影は感じられず、イカ娘さんも、千鶴さんすら居なかった
休憩室だろうか、と推測を立てつつカウンターの奥へと足を運ぶ
畳張りの室内を覗いても、やはり誰もいない
変だなとは思いつつも靴を脱ぎ、部屋へと入っていく
誰がいようがいまいが、あまり関係は無かった。私のすべきことは、中で休むこと
それが栄子さんに言われたことであり、それ以上の何かは今は必要のないことだ
イカ娘で百合妄想でもしなイカ?
631 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:44:52.40 ID:wd9T47tY
どれくらい時間が経ったかはわからない
何故あのような欲望を持ったのか
いまだ落ち着かない心をなんとかして冷静に出来ないものかと畳に腰をおろすこともせずに私は考えていた
裏手で栄子さんに罪をはたらいてから、私は私が分裂してしまったような気持ち悪さを抱えていた
執拗に自己嫌悪を繰り返す私と、その姿へ憤りを持つ私が内在している
湧き上がる感情が、形を持つ前に二人が奪いあい、引きちぎってしまう
両者が両者とも自己主張をし、私は混乱の極みへと昇っていく
どうすればよいのか、どう思えばよいのか、どうしたいのか
とにもかくにも、気持ちが悪かった

「姉貴ーっ、……あれ? いないのか……? 鮎美ちゃん、姉貴たちどこに行ったか………鮎美、ちゃん?」

栄子さん、気持ち悪いんです。私、どうすればいいんですか
わからないんです怖いんです気持ち悪いんです助けてください

「鮎美ちゃ…え?」
パンッ ドタン
「痛っ」
「栄子さん、栄子さん栄子さん栄子さん……っ!!」

身体が、動いた。何も考えることなく私は行動した
近付いた栄子さんの腕をとり、上体を崩し、脚を払い、仰向けに投げ倒すと同時に覆いかぶさる
「ぐっ……」
背中から落ち、顔を僅かに歪めた栄子さんの脚に私の脚を絡める
厚みのないハーフパンツ越しにわかる太ももの感触が、直接触れ合うふくらはぎが、えもいわれず心地よい
身体の内外、心の隅まで支配していた気持ちの悪さが、接触した脚の部位だけは消え去る
自由を封じるための動作とは別に、必要以上に脚と脚を擦り合わせていく
栄子さんに触れる度に、浄化されていくような快感が与えられる
安心を覚えていく
「…な、にを…して……」
「……えへ」
栄子さんの声が耳に入る。なんとも気分が良いのだろう。耳を通して栄子さんが私の中に感じられる
思わず顔を綻ばせてしまう。でも、足りないんです栄子さん
動こうとした両腕を捕らえ、栄子さんの背中にまわす。肩甲骨の間にやり、上から私の上半身で体重をかけていく
「あっ、……ふ、んん」
胸と胸が重なっていくとつい声が出る。心臓が脈打つ速度が上がるのがわかる
鼓動が胸を震わせる毎に栄子さんを強く想える、感じられる
いや……これでは駄目だろう。意識を胸に集中させ、栄子さんの命のリズムを聞く
二人のリズムを合わせないといけない。それが、必要
私の心臓のペースを調整する。少しずつ、少しずつ、栄子さんに合わせていく
栄子さんと私のリズムを、生命を重ねていく
鼓動が近付けば近付くほど、私たちが血液ごと一つになっていくようだ
やがて、完全にその生命が重なると、二人で一つの心臓を分け合っているかのように錯覚する
その心臓が全身に血液を送る度に、やはり私は浄化されていく
一歩一歩、天上に導かれていくとともに、心が満たされ安心していく
イカ娘で百合妄想でもしなイカ?
632 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:45:44.12 ID:wd9T47tY
「栄子さん……私を、感じますか?」
「鮎美ちゃん…なんで、こんな…」
「栄子さん……私を、連れていってください」
両手を栄子さんの頬に持って行く。若干熱を持った頬に触れる
開いた手の平全体を使い包み込む
宝物。何事にも代えようがない宝物。それが私の両手の中にある
ゆっくりと顔を近付けていくとお互いの息がかかる位置にくる
栄子さんの息を吸い込むと、私の肺の隅々まで感じることが出来る
つい十数分前までの気持ち悪さが嘘のように消し飛ぶ
我慢なんて出来なかった。したくなかった
強力な磁石のように、私は栄子さんの唇に吸い寄せられる
唇を閉じた上から覆いかぶさるように私の口を重ねる
舌を出して舐めていく。丁寧になぞっていっては乱暴に擦る
何度も何度も繰り返しては柔らかい唇を味わっていく
閉じたそれの間に、舌を強引に捩込ませていくと、形のよい前歯に当たる
前歯を擦り上げるように舌を動かすと、上唇の裏側に回り込めた
裏側は表面とはまた違う感触を私にもたらしてくれる。
そのことに限りない感謝を込めながら一心に舐めあげていく
ぐいぐいと、飽きることなく味わっていると、栄子さんの鼻息が激しくなってきていることに気づく
ああ、と納得し名残惜しくも口を離すと、思ったとおりに栄子さんは口を開け空気を求めた
「はっ、はっ、はっ、……あぐっ」
口を開いた栄子さんの両頬から、爪を立てないように最大限注意を払いながら親指を押し込む
閉じられなくなった口の中に栄子さんの舌が見える
もはや躊躇など無かった
舌が栄子さんの舌に触れると、全身を甘い痺れが襲った
味覚が麻痺したかのように、私の舌は味ではない、別の何かを伝えてくる

なんなのだろう。わからない
何故、わからないわからないわからない

安心していた心が、身体が、急激に震えていく
なぜ、さっきまで、あんなに満たされていた、はずなのに
また、元通りになってしまった
怖い、怖い怖い気持ち悪い
わからないわからない私は何をして私は私は私は…

「鮎美、ちゃん…?」

名を呼ぶ声に冷や水を打たれたように意識を取り戻すと、私は自分の置かれた状況を見る
目の前には私が組み敷いた栄子さんがいる
今までの自分の行動を思い返し、一気に血の気がひく

「あ、あ、あ、私、な、なんて、こと、を…」

終わりだ。私は、終わりだ
目の前が白くなっていく


気がつくと私は、自分の部屋にいた
もう、なにもかも、どうしようもないことを思うと、涙が止まらなかった
イカ娘で百合妄想でもしなイカ?
633 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/03/26(土) 03:48:31.48 ID:wd9T47tY
完結しなかったけど、たぶんキリがいいからここまで

いつか続く


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