- リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
270 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 03:18:52 ID:oqKFtVOJ - その後も、なかなか自分の思い描く理想の告白の形にならず、失敗は続き、少しは流暢になってきた頃、また別の問題が発生した。
「これ、あんたにあげる、私の、気持ちだから……」 『これ、チョコ?じゃあ、その、そういう事でいいんだよね?今日は、バレンタイン……だよね』 「ええ、私は!スバル、あんたのことが、す、す……あー!もう!」 もう幾度目となるだろう。 またしても頭がパンクしたらしい。 そして今年も彼女は例年と同じ結論に至るのだった。 「もう駄目!大体何よっ!なんでチョコじゃなきゃいけないのよ!バレンタインにチョコレートなんて、それだけで丸わかりじゃない!スバルなんてもうあれよ!おにぎりで充分よ!」 そしてバレンタイン当日。 本当に去年となんの違いもない、おにぎりを用意してしまった。他の、お世話になってる人達にはちゃんとチョコを用意してるのに、私は馬鹿だ。 「一応スバルは呼び出してみたけど、本当に私は成長しないわね」 二人は馴染みの公園で待ち合わせ、ティアナは子供の姿のないブランコの前で腕時計に目をやる。 すると後ろからそろりと、人影が近付く。 「わっ!えへへへ、ティア〜びっくりした?」 「…しないわよ」 スバルの見せる、昨晩の想像と一つも変わらない姿に少し飽きれ、何故か安心する。 「それでさー、どうしたの?ご飯?それなら」 「違うわよ。ほら、今日はおにぎり作ってきたのよ。一緒に食べようと思って」 ただチョコレートじゃないだけで、こんなにもすんなり言えるのか。 でもこんなんじゃ、きっと思いなんて伝わらない。 「えへへっ、わーい!ホントにいいの?」 「何よ、別にいいわよ」 「あ、それなら私も!」 「あー、あれ?いつものチョコポット?」 そう。こいつからは、実は毎年チョコをもらってる。 とはいえ、スバルがバレンタインに渡すのは、誰にでもチョコポットだ。私だけ特別なわけじゃない。 「ううん、今年はやっと違うんだ。ごめんね、私鈍感だから」 「はぁ?何言ってんのよ」 脈絡が見えない。スバルは何を言っているんだろう。 「はい!これ」 「何よこれ、お漬け物?」 「うん、今年もティアはきっと私にだけおにぎりをくれる気がしたから、だから私はティアにだけこれにしたの」 ああ、なんだ……。こいつには伝わってたんだ。私は本当に、 「ティアっ!ずっと一緒に居よーね!」 「馬鹿。当たり前でしょ!」
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