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名無しさん@秘密の花園
リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら

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リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
279 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 22:03:36 ID:HYlWBHmX
なのフェイ ※少し長くなります

「ふう……よしっ、これでバッチリかな」
「なのはもいつの間にか上手になったわね〜。お母さんと代わっても大丈夫なくらいよ」
「えへへっ! そんなことないよ〜」

友達や管理局の人達に渡すチョコレートの準備を終えて一息つく

「まあ、さすが私の娘ってことでいいのかしら? ふふふ」
「にゃははっ、いいよ。私だって喫茶翠屋の娘、お母さんの娘だもん」

すると、お父さんがまたキッチンに様子を見にきた

「誰に渡すんだ? そんなに一生懸命作って」
「あなたったら……さっきから言ってるでしょ、友達ですって。ねえ、なのは」
「そうだよ、もう……お父さんは下がってて!」
「はあぁ……まったく今時の中学生は大変だな〜」

はあぁ……こういうの見られるの恥ずかしいって娘心わかんないのかな……
……それに、まだ終わってないんだから

「……お母さん」
「うん?」
「私ね……もう一個作りたいの……。大切な……友達の分」
「そう……」
「それでね…ええっと……」
「うん……わかったわ。『とっておき』のチョコ、教えてあげる!」
「とっておき?」
「そう、『とっておき』」

とっておきってどんなのだろう、お店にも出したことないのかな。

「なのはー父さんの分はあるのかー?」
「あるってば! もう、お父さんそろそろお風呂に入ったら!」

 ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽


リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
280 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 22:04:20 ID:HYlWBHmX
『キーーンコーーンカーーンコーーン』

一日の授業の終わりを告げる鐘。それはいつもなら安堵をもたらしてくれるけど、
今日は何だか私をせかすブザーみたい

「ほな! なのはちゃん頑張りや〜。フェイトちゃんまた明日な〜」
「えっ!? なのはが何を頑張るのよ! ちょっとはやて引っ張んないで!」
「ふふふっ なのはちゃん、フェイトちゃん、じゃあね」
「にゃはは……じゃあね! すずかちゃん」
「すずか……また明日」

「ちょっと離しなさぁぁぁぁぁい!」

 はやてちゃん達が帰って、他のクラスメートも徐々に教室を後にしていく

「なのは、ごめんね。待たせちゃって」

夕焼けの茜色の光が賑わいを失った教室を照らし始めた頃
教室に他に誰もいないのを確認したフェイトちゃんが窓際の私の席の隣に腰を掛けた
この空間に残されたのは私とフェイトちゃんの二人だけ

「にゃはは……フェイトちゃんが謝ることじゃないでしょ」
「ふふふっ……それもそうだね」

「……なのは、昨日、メールありがとね」
「……うん、フェイトちゃんとお話がしたかったの。無理言ってごめんね?」
「ううん、そんなことないよ。私もなのはと話したかったから」

「……今日はチョコ、おいしかったね」
「うん。そうだね」
「はやてちゃんのチョコ大きいから、ちょっと食べすぎちゃったよ」
「ふふふっ。なのはのチョコも、おいしかったよ」
「えへへっ ありがと!フェイトちゃんのもね!……」

……また、忘れちゃった。たくさん話したいことがあったはずなのに……
……とりあえず、これだけは渡さなきゃ……フェイトちゃんの口には、合うのかな……

「はいっ、フェイトちゃん。バレンタインのチョコレート」
「えっ!? もう一個?」

私が両手でそれを差し出すと、フェイトちゃんが驚いた顔をする

「……うん。フェイトちゃんは……特別、ね」
「……特別?」

「……フェイトちゃんには、いっぱい迷惑かけて……心配させちゃったから……」
「…………なのは…………」

フェイトちゃんだけじゃない
あの時は、私を支えてくれる人、みんなに心配かけてしまって……
絶望の淵に立たされて、心も押しつぶされそうになった……でも……
あなたが……フェイトちゃんが傍にいてくれたから、こんなに元気になれたんだよ

「……だから、受け取って……?」
「……うん、もちろん。ありがとう、なのは……」
「ううん……こちらこそ。ありがとう、フェイトちゃん……」

リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
281 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 22:05:02 ID:HYlWBHmX

その後、とりとめのない話をしばらくした
上手に喋れてたかわからないけど、二人でこうして話すことが堪らなく嬉しかった

 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

『バイバーーイ』   『また明日ねーー』

夕陽に支配された教室に訪れる何度目かの静寂
それを打ち破ったのは窓の外から聞こえるお別れのフレーズ
私は何故かその言葉を口にした人の表情が気になって
窓を開けて冬の寒空に顔を出す

見えたのは、手を振りながら反対方向へ歩いていく二人の女生徒
そして曇りのない澄み切った二人の笑顔

……どうしてお別れなのにあんな風に笑えるんだろう……
……明日もきっと会えるから?
……来年は? 10年後は? ずっと一緒にいられるわけじゃ、ないよね……

―――友達、だから……?

……こんな事、考えてもどうしようもないじゃない……

俯いていた顔を上げると、フェイトちゃんがいつの間にか私の隣に立っていた
夕陽に照らされるフェイトちゃんの横顔はすごく綺麗で、目を逸らしてしまう

「なのは……何、考えてるの……?」
「……えっ!?」

不意に綺麗な手が私の両方の頬を包みんで、
真っ赤で、そして何よりも優しい瞳が私の視界を独占する

……だめだよ……その瞳で見つめられると、私……惑うから、自分が不安になるから。

耐えられなくなって視線を強引に冬の寒空に戻す

「……フェイトちゃん、もうすぐ卒業だね。私達……」

「……そうだね」

「卒業したらさ…………今みたいに、会えなくなるんだよね……」

「……なのは?」

私、今更……。自分で決めた道なのに……
それに、同じ管理局で仕事してるんだし、会えないわけじゃない……

「……なのは、なのはが会いたいと思ってくれるなら、すぐに、会いに行くよ……」

「…………友達…………だから?」

……何言ってるの私……

「友達だから……会いにきてくれるの?」

……何を期待してるの? これ以上何が欲しいの?

リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
282 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 22:05:39 ID:HYlWBHmX

 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

 沈黙を待っていたかのように教室に入り込んできた冬の寒い風が、私とフェイトちゃんの長い髪を揺らした

「……なのは、寒くない?」
「……うん、ちょっと、寒い……かな」

私がそう言うと外と教室とを繋ぐ窓を閉めてくれて、優しく抱きしめてくれた

「…………ごめんね……なのは……」

……あったかい……あったかいのに……

「ごめんね……ごめんね……」

フェイトちゃんが謝る必要なんてないよ
私がわがままなだけ、欲張りなだけなんだよ……

「……どうして謝るの?」

「……なのはが、泣いてるから…………泣かしちゃったから……」

「えっ……」

……私、泣いてたんだ。……いつからだろう……
気づいてしまうと止まらなくなって、涙が次から次へと頬を伝っていく

私、フェイトちゃんに泣き虫だと思われてるのかな……。そんなこと……ないからね。
あなたの前でしかこんな風に泣いたことはないし、これからだって、ずっとそう。

私が泣いていたら涙を拭ってくれる、抱きしめてくれる

こんなに優しくしてもらって、大切にしてもらって、これ以上ないくらい嬉しいはずなのに……
―――なのに、苦しいよ―――




リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
283 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 22:08:03 ID:HYlWBHmX
 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
「……なのは、寒くない?」
「寒くないよ、あったかいよ。フェイトちゃんの肩、あったかいもん……」

それに、手だって繋いでるから

人影のない公園のベンチに二人腰掛けて、あなたの右肩に体を預ける
両腕はギュッとあなたの右腕を抱きしめて、左手をあなたの右手に絡ませる
そんな私達を照らしてくれるのはやっぱり夕焼けの光

「……フェイトちゃん、チョコ……もういっこ、たべたい?」
「……食べたいよ、なのは……」

「……ん……っん……っはぁ…………ふぇ……いと……ちゃん……」
「……なのは………もういっこ、だめ?」

「……だーめ」
「な、なのはぁ……いいでしょ?ねえ……」
「だーめーでーす!」
「……んもう……」

「だってフェイトちゃん、次の日嘘ついてたってことだよね。『おいしかった』って」
「そ、それはそうだけど、本当にごめんね……」
「……私だけかと思ってた。苦いって、おいしくないって感じたの」
「まだ子どもだったからかな……こんなにほろ苦くて、おいしいのに……」
「……そうだね、私、何もわかってなかった……」

優しい茜色を持つ夕陽はもうしばらくで沈んでしまいそう

「……冬の夕焼けって、綺麗だね」
「そうだね、冬は空気がわりと澄んでるからかな。水蒸気がどうとか」
「にゃははっ!そうなんだ」
「あんまり詳しくはわからないんだけど……」

「……私ね、子どもの頃……ううん、結構最近まで、夕焼けってあんまり好きじゃなかったの。
何だか『早く帰れーって、そろそろお別れしておうちに帰りなさーい』って言われてるみたいで」

「私もわかるよ、何だか淋しかったよね……」

「でもね! 今は大好き!」
「どうして?」

「夕陽が沈んだら、夜が来るから」
「…………夜が好きってこと?」

「そっ、お月様が好きなんだ。夜になるとね、月が私を優しく包みこんでくれて、私が眠るまで見守っててくれるんだよ……」
「ふうぅん〜」

「フェイトちゃんは、夜好き?」
「うーん、私は朝とか昼間の方が好きかも」
「どうして〜?」

「太陽が好きなんだ。暗がりにいた私を明るく照らしてくれて、私が笑顔になるように魔法をかけてくれる。それに、毎朝起こしてくれるから……」
「ふうぅん〜」

綺麗な茜色を放っていた夕陽はすでに遠くのビルの奥に沈んでいた

「じゃあそろそろ帰ろっか! ヴィヴィオも帰ってくる時間だよ〜!」
「そうだね、おうちに帰ろう。なのは!」
「うん!」
リリカルなのはで百合萌え(燃え)36い夜も二人でなら
284 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/15(火) 22:08:44 ID:HYlWBHmX



ずっと夢見てたんだ、あなたといる未来を

何気ない日常だって、何てことのない景色だって

あなたといれば全部『とっておき』に変わっちゃうの。魔法をかけたみたいに

「フェイトちゃん……」
「なあに?なのは」
「夜になったら……さっきの続き……してね……」
「もちろん!…………私、やっぱり夜の方が好きかも…」
「ちょっとそれどういう意味〜!!!」
「ごごごごめん! なのはっそういうことじゃないよー」


あなたといる今は、とっても幸せだよ!


 ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽  ▽


「なのはママー!」
「うーん?」
「チョコ作り、手伝って〜」
「うん。いいよ〜」
「……それでね、ええと……その、今年は……」

「うん……わかった。『とっておき』のチョコ、教えてあげる!」

「とっておき?」

「そう、『とっておき』」


END
一日遅れましたm(__)m


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