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名無しさん@秘密の花園
探偵オペラミルキィホームズで百合 2

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探偵オペラミルキィホームズで百合 2
612 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:11:11 ID:aPBzWubS
どう見てもG4の流れだが、ここでネロシャロ投下
探偵オペラミルキィホームズで百合 2
613 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:11:44 ID:aPBzWubS
『退学の期限は、春までに延期です』
それは、あの事件―――グランドヨコハマ峡谷でのアルセーヌとの対決の後、再びトイズを
失った私達にアンリエットさんがかけた言葉でした。
それからはまた必死になって、トイズ復活のために頑張りました。
色々な事がありました。
本当に色々あって、私達のトイズは無事に戻ってきました!
今度は、不慮の事故でまたダメダメな私達に逆戻りーなんてことはなく、本当の意味で完全
復活することができたんです!
その結果、学園での私達の待遇はかなりよくなりました。
ただ、個室は以前のように豪華ではなくなり、食事も他の学生さん達と同じメニューになり
ました。
アンリエットさん曰く『また調子に乗ってトイズを失くされても困りますから、これで我慢
してもらいます。個室が与えられるだけ、ありがたいと思ってください』……まあ、そうな
っちゃいますよねー。
そして今は春休み。
来るべき新学期を控えて、それまでは平穏な休日を過ごす期間……なのですが。
実は、私には―――シャーロック・シェリンフォードには、少し困った事があって。
それをみんなに、ミルキィホームズの仲間達に相談するかどうか、悩んでいるところなので
した。
探偵オペラミルキィホームズで百合 2
614 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:12:17 ID:aPBzWubS
「う〜ん……どうしましょう」
夜の10時前、私は自室で悩んでいました。
ベッドの上で仰向けに寝転がりながら、頭を抱えてうんうん唸り続けています……30分く
らい前からずっと。
「さっき、話せばよかったのかなあ」
さっきとは、夕飯の後ネロの部屋にミルキィの4人で集まって、お菓子を食べながらおしゃ
べりをしていた時の事です。
でも、みんなで楽しく過ごす時間に個人的な悩み事を打ち明けるというのはなかなか出来な
いもので、結局いい出せなくて。
こんな感じで、ここ数日はずっとこの繰り返しでした。
おかげで寝不足続きです……うう。
「……黙っていても、しょうがないですよね」
もしこのまま悩みが続いて、いつか寝不足のせいで倒れちゃったりでもしたら、みんなに迷
惑がかかっちゃいます。
私の悩み事がみんなに面倒をかけるなんて、絶対に駄目です!
「……よしっ!」
そうと決まれば、善は急げです!

探偵オペラミルキィホームズで百合 2
615 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:12:57 ID:aPBzWubS
「げ。このお菓子、もう無くなりそうじゃん……ったく、コーデリアが食べ過ぎるから」
買い溜めしていた僕のお気に入りのストックが底をつきかけているのを確認し、僕は溜め息
を吐く。
夕飯の後に風呂に入って、その後にミルキィのみんなで集まってお菓子を食べながらわいわ
いする、ってのはもはや夜の恒例行事となっているわけだけど。
「……シャロ、今日も元気無かったな」
残り少ないお菓子を見ながら、僕はそう呟く。
コーデリアがよく食べるこのお菓子は、シャロも結構好きなものだ。
でも、近頃のシャロはお菓子に―――というか、食事自体あまり手をつけない。
ぼーっとしてることも多いし、よく欠伸をすることから、もしかすると寝不足なのかもしれ
ない。
ぶっちゃけて言うと、最近のシャロは調子が悪そうなのだ。
それはエリーやコーデリアも気付いていて『何か悩みがあるんじゃないか』と、僕達はそれ
を心配している。
当の本人はなんでもないように振る舞っていて、バレてないとでも思ってるみたいだけど。
そんな調子がもう一週間も続いてるから、そろそろ本気で気になりだしてきた。
時間を確認すると、10時を少し回ったところ。
さすがにまだ起きてるよね、と立ち上がって部屋を出ようとした時。
コンコン、と扉をノックする音に続き、
「ネロー、まだ起きてるー?」
今まさに、会いに行こうと思っていた人物の声が聞こえた。


探偵オペラミルキィホームズで百合 2
616 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:13:29 ID:aPBzWubS
「えへへ。こんな夜遅くにゴメンね、ネロ」
「いーよ別に。ほら、こっち座りなよ」
少し照れくさそうに笑いながら頬をかくシャロを手招きし、ベッドへ座るように誘う。
なぜか枕を抱えているシャロは、すぐに頷いて僕の隣に腰掛ける。
「で、どーしたのさ?」
このタイミングで来た理由は大体察しはつくけど、一応聞いておく。
「う、うん。えっとね……その」
あー。うー、そのー。など、口ごもること約1分。
そろそろ痺れを切らした僕は、率直に話題を切り出すことにした。
「シャロさ。最近、なんか悩んでるでしょ?」
「えっ!?」
思ってもいない事を言われたような顔をするシャロ。
本当にバレてないつもりだったんだ……。
「なっ、なんで知ってるの!?」
「そんぐらい見てたら分かるよ……当然、エリーやコーデリアも気付いてるよ」
「そう……なんだ」
「だからさ、1人で抱えてないで素直に話しちゃいなよ。シャロだって、僕達に心配かけっ
ぱなしってのも嫌でしょ?」
「……」
僅かの間、考えるシャロ。
やがて意を決した表情をして、こちらの顔を真っ直ぐ見る。
「じ、実はね」
「うん」
少し緊張する僕。
あのいつも元気で明るいシャロがこんな風になってしまうなんて、一体どんな悩みなのか。
そう身構えていた僕だったのだけど。
「……寂しいんだ」
「……?」
「よ、夜ね。1人で寝るのが……さ、寂しくなっちゃったんだ」
思わぬ答えに、違う意味で驚かされるのだった。

探偵オペラミルキィホームズで百合 2
617 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:14:29 ID:aPBzWubS
「さ、寂しい?」
「う、うん」
とても恥ずかしそうに、頬を染めて応えるシャロ。
やば、ちょっと可愛いかも。
「私達、トイズがなかった時はおんなじ部屋の、おんなじベッドで、毎晩一緒に寝てたよね
?」
「あー、うん、そうだね。あん時の事はあんま思い出したくないなあ……」
少なくとも快適な睡眠ができたとは言えない時期だった。
「あはは、確かにちょっと窮屈だったかも。でもね」
シャロはその頃を懐かしむような表情になる。
「私はあの頃の生活、すっごく好きだったよ。朝起きたらみんながいて、夜寝る時もみんな
がいて……いつでも傍にはみんながいて、すごく安心できた」
それを話すシャロの顔から、本当にその頃が好きだったんだって分かった。
「だから、かな。私達のトイズが戻って、あの屋根裏部屋じゃなくて、それぞれの個室が戻
ってきたら」
「夜、1人になるのが寂しくなっちゃった、ってわけか」
「……うん」
持っているで枕で口元を隠すように俯くシャロ。
この流れで、なんで枕を持参していたのかも分かってしまった。
さて、これはつまり……そ、そういう事なんだろうけど。
な、なんで緊張してんだ僕!
さっきは意識してなかったのに、二人きりになった途端シャロの身体からいい匂いするなあ
とか、ちょっと着くずしたパジャマから見える白い肌とかが急に気になったりなんて、僕は
別に……。
「……ご、ごめん! 変な事言っちゃって」
シャロが突然立ち上がる。
「こ、こんな事言われても困っちゃうよね……じゃあ、お休みネロ、また明日!」
途端に早口になったシャロは、そんなことを言いながら立ち去ろうとするが。
―――考えるよりも先に僕の手が、シャロの手を掴んでいて。
「え……」
きょとん、としているシャロに僕は。
「……せ、せっかく来たんだから、お菓子でも食べていきなよ。僕もちょうど、寝る前にも
うちょっと食べようなって思ってたし」
なんて、我ながら素直じゃないことを口走っていたのだった。
探偵オペラミルキィホームズで百合 2
618 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:15:16 ID:aPBzWubS
それからしばらく、僕とシャロはお菓子を食べながら話した。
さっき4人で集まった時とは違い、悩みを打ち明けたからかシャロは明るく笑いながら話せ
ていた。
さっきは手をつけなかったお菓子もすごい勢いで口に運び、とうとう食べきってしまった。
お気に入りのお菓子が無くなったのは残念だったけど、それがシャロの元気な証拠のように
思えたので、よしとすることにした。
そして、時刻が午前0時近くなった頃。
「わ、もうこんな時間だよ」
「本当だね。やっぱり楽しい時間って、あっと言う間に過ぎちゃうなあ」
屈託の無い笑顔でそんなことを言われては、やはりというか照れてしまう。
「じゃあ、ありがとうネロ。おかげで気が楽になったよ! それじゃ、また明日―――」
「はいストップ。……そんな物持ってきといて、シャロは素直じゃないなあ」
腕に抱えている枕を指差し、人に言えないようなことを僕は言う。
「う、うう。……でも、いいの?」
頬を染めて上目遣い……ぐはっ、やばい、これはやばい。コーデリアだったら一瞬で理性を
失いそうなレベルだ。
「べ、別にいいよ。2人で寝るくらいなら、丁度いいくらいのスペースだし」
ぶっきらぼうな返事をしながら、僕はさっさと布団の中に入った。
「じゃあ、えっと……失礼します」
シャロもおずおずと布団の中に潜ってきて、自然と向かい合う形になる。

探偵オペラミルキィホームズで百合 2
619 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:15:55 ID:aPBzWubS
「……えへへ、暖かいね」
「……そうだね」
ちょっと近づけば、吐息がぶつかり合ってしまいそうな距離。
正直、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだった。
4人の時と2人きりじゃ、こうも違うのか……いや、そもそもあの時は向かい合ってなかっ
たっけ。
なんだか思考がよからぬ方向へ行ってしまいそうになっていると、目の前の少女は早くもう
とうとし始めていた。
「ん……なんか、安心したら、急に、眠くなっちゃった。……ふわあ、お休み、ネロ……す
ぅ、すぅ」
「……」
本当に早いお休みだった。
きっと、シャロにとってベッドで隣に人がいるというのはそれだけ安心できるってことで。
それが僕だったっていうのが、なんだかとてもこそばゆい感じで。
「むにゃむにゃ……んっ」
「!」
寝ぼけているであろうシャロが急に僕の手を握ってきて、思わず大きな声が出そうになって
しまった。
「……えへへ」
きっといい夢を見ているのだろう、シャロが嬉しそうに笑う。
そんなシャロの顔を見ながら、僕は。
(……その夢に出てるの、僕だったらいいな)
なんて思いながら、そっと手を握り返した。

―――余談だが、僕はその夜ろくに寝れなかった。

探偵オペラミルキィホームズで百合 2
620 :名無しさん@秘密の花園[sage]:2011/02/04(金) 01:17:33 ID:aPBzWubS
以上
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