- お〜い、誰か久弥の行方を知らんか? 85 [無断転載禁止]©bbspink.com
402 :名無しさんだよもん[sage]:2019/07/12(金) 00:10:28.62 ID:e3HMGrp60 - お〜い、誰かオランタンの行方を知らんか?
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407 :名無しさんだよもん[sage]:2019/07/12(金) 19:03:26.01 ID:e3HMGrp60 - みきぽんは実在しない。
みきぽんとは、面白いエロゲを、Leafに劣らないレベルの高いエロゲをやりたいと望む人々の間で、自然発生的に生まれた理想のドッペルゲンガーである。 はじめはジョークに過ぎなかった。 みきぽんはこの世のどこかにいるはずの理想の影武者だった。 しかしそれは当時のまさに『糞』と呼ぶに相応しいエロゲーにウンザリしていたユーザーの間で瞬く間に広まって行った。 みきぽんならこう書いた。みきぽんのあの権田ルバは良かった。 ユーザーはそうやって、少しずつ理想の影武者みきぽんのイメージを固めていった。 みきぽんは「でしゅ」喋りをする、みきぽんが敵対する絵描きはいたるである、みきぽんは萌えキャラを自分の手許に置いておかないと落ち着かない、そしてみきぽんは親しみやすいことにドッペルゲンガーなのだ! みきぽんはこうして、読者の理想のドッペルゲンガーのイメージのコラージュとして生まれたのである。 読者はみきぽんを欲した。故にみきぽんは存在するのである。
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410 :名無しさんだよもん[sage]:2019/07/12(金) 19:54:30.64 ID:e3HMGrp60 - ここに全員いる。
みんなが、ここにいる。 単に、制作スタッフがいるという意味だけじゃない。 幾多の嘘と騙しの上に存在した、仲良しこよしの残骸だ。 そんなものが、この世界に生きる俺たちの寿命を、 心の崩壊までのリミットを、少しだけ延ばしてくれる。 「いいぞ、久弥」麻枝が合図を送る。 「6時まであと、5、4……」いたるが口を閉じ、指を一本ずつ減らしていく。 3。 夢見ていた。 2。 こういう他愛ない制作活動、普通のエロゲスタッフらしい日常を。 1。 思い出があれば、俺はそれでいい。 0。 満足だ───。 息を吸う。 原稿を手放す。 夏の香りを含んだ夕風が悪戯する手つきでそれをさらっていく。 「あっ?」 原稿は連なって飛び立ち、千々に乱れて中空に散った。 さあ発表だ。 「こちら、東天満パークビル、Key開発室、」 たとえ無駄だとわかっていても。 すがりついて生きていく。 そして俺は力強く言葉を押し出した。
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