- Kanonの沢渡真琴を愛でるスレby葉鍵板Part13 [無断転載禁止]©bbspink.com
271 ：名無しさんだよもん[sage]：2017/01/18(水) 18:52:24.04 ID:7KSl9HFD0 - 行きがかりのまま、香里は夕飯を御馳走になっていく事になった。
そこでまたもや食卓に上ったのは「お赤飯」である。 しかもご丁寧に白ゴマでハートマークが
描かれている。
「なあに？名雪・・・どうしてお赤飯なの？」
「お母さんに聞いてよぉ、もう〜」
「？？・・・・・・・・、あぁ〜！そういう事なのね」
「そういう事です」と秋子さんは笑顔で香里に話す。
「良いじゃない？名雪。 つまりは親御さんの反対もないって事なんでしょ？」
「う、うん。 まぁそうなんだけどね〜」
名雪は向かいに座る祐一に視線を向ける。 祐一は（ん、なんだよ？）みたいな顔を一瞬
するが、また黙って食べ続ける。
（フリでもいいって言ったのに、あまりそれっぽい事してくれないんだもん。 ついさっきだって
香里の事をべた褒めして、『お前になら惚れてしまう』的な事を目の前で平気で言うんだから・・・
私からしたら、すっごくドキリとさせられたし悔しいよ）
「香里さんが家に来るのなんて、久しぶりですね」秋子さんは、ちょっと沈黙が訪れていた食卓
に話題を振る。
「ええ、まぁ、ちょっと名雪に相談を・・・」
秋子さんは悪戯っぽい笑顔で「お願い、名雪！ 相沢君を私に譲って頂戴！・・・・・でしょうか？」
赤飯とお味噌汁のみの、秋子さんにしてはシンプルな夕飯をかきこんでいた祐一は、当然に赤飯を
喉に詰まらせかけてせき込み、味噌汁で流し込もうとそっぽを向いて飲み始める。
藪蛇を恐れて、あくまでも女子トークには不干渉を決め込むつもりのようだ。
本筋からはそれてしまうが、ちょっと名雪にやり込められ気味だった香里は「実は・・・」と思わせ
ぶりに瞳を閉じて黙り込んで見せ、様子を窺うが。
「香里さん・・・多分、無理ですよ。 もしその後の言葉が私の想像通りなのだとしたらですけれど」
「え？」
「無理ですよ」 なおも笑顔のまま、しかしキッパリと秋子さんは言って香里を見つめる、見つめ続ける。
「ウソなんですよね？」 変わらぬ笑顔。
「はい、すみません」と香里は白旗を掲げた。
「譲るも何も祐一さんは、私の魅力にメロメロなんですから」
祐一がついに口を開く。 「秋子さん！キツイっすよ」
「大丈夫ですよ、祐一さん。 こんなオバチャンの戯言を現役の女子高校生が信じる訳が・・・・・」
「・・・・・あるみたいですよ？ 秋子さん」祐一言った時、現役女子高生の2人は氷結していた。
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