- 【国語】古文・漢文スレ Part22【古典】
906 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 07:20:28 ID:fAfcaBeB0 - 45 :大学院生:2008/10 /20(月) 17:23:03 ID:eBSrpUyQ0
【はじてい文法の間違い2−1】 p.59 「る・らる」の上に敬語があればその意味は絶対に尊敬とある これにあてはまらない例はたくさんあります.次のはちゃんとした文法事典の例だから確かです. それも例外ではなく,自発の例の最初にのっている 一所すずろにすさまじくおぼしつづけ[らるれ]ど(源氏物語) =源氏の君だけはなんとなくつまらなく物思いをなさるけれど<自発> 以下,用例のみ.いずれも源氏物語から.僕が調べたものですが,確かな訳本を参照しています. ・思ひたりしさまの面影にらうたく思し出で[らるれ]ば、<自発> ・さびしき所のあはれに思しやら[るれ]ば、<自発> ・悔しきこと多く思しつづけ[らるれ]ど、かひなし。<自発> ・色あひなく御覧ぜ[られ]はべらむと思ひたまふれど、<受身> ・春や来ぬるともまづ御覧ぜ[られ]になん参りはべりつれど、<受身> 特に下2例は,小学館の新編古典文学全集の注にも受身と書いてあるので,確実 (続く)
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907 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 07:21:13 ID:fAfcaBeB0 - 46 :大学院生:2008/10 /20(月) 17:25:17 ID:eBSrpUyQ0
【はじてい文法の間違い2−1】 僕は初めて富井氏のような記述を読んだのだけど,他の学習参考書にそう書いてあったら誰か教えてください. 富井氏がなぜこんなことを書いたのか考えてみました (1)「る・らる」が尊敬の意味ならば、その上には敬語が来る これは僕が見た2冊の学習参考書に載っていて,ある程度正しい.ただし,それらにも ・【平安時代では】,「る・らる」が尊敬の意味のとき,「る・らる」の上に敬語が来ることが【多い】 と断り書きがついている((1)は平安時代以外は成り立たないので,受験生は知らなくていいです) 多分富井氏はこれを誤解して,無意識のうちに「ならば」の前後を入れ替えてしまった. それも「絶対に」という強調を添えて. で,その結果 (2)「る・らる」の上に敬語が来るならば、「る・らる」は絶対に尊敬を表す という間違った公式を作ってしまった((2)は覚えちゃだめ!). 数学をやった人は,命題の逆は必ずしも真ではないということを知っているはず. でも富井氏は「命題の逆も真」と考えているようだ. 辛口でもうしわけありません.もし僕の方が間違っていたらご指摘よろしくお願いします
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908 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 07:22:03 ID:fAfcaBeB0 - 【はじてい文法の間違い3−1】
p.95 以下引用。 「上に「仮定」表現がきて、下に「…まし」がくるのが「反実仮想」の形だということです。 「もし〜だったら」という「仮定」の部分がないと、[まし]は「…だろうに」という「反実仮想」の意味にならない。わかるよね。」 引用ここまで。「わかるよね」とさらりと念を押されて、僕はどきっとしてしまいましたが・・・ 実は、「もし〜だったら」という仮定部分が省略されることがあります。 これは、少なくとも、『古文研究法』、『古文解釈のための国文法入門』という難しめの参考書、それから『古代日本語文法』(おうふう)に載ってます。 ※「まし」について、学習参考書は時間がないのであまり目を通してません 50 :大学院生:2008/10 /20(月) 19:34:33 ID:eBSrpUyQ0 【はじてい文法の間違い3-2】 これをわざわざ間違いとして指摘するのは、最近の青学の入試(出典は栄花物語)に出たからなんですね。 といっても、「〜ば〜まし。〜まし。〜まし。」という形になっているので、仮定部分の省略が簡単にわかるようになってます。 なので、これを初めて見る受験生でも出来たと思いますが、はじてい文法の「公式」に引きずられた人は、迷ったor意味を取り違えたのではないかと思います。 結論: 受験生は基本的に ・「ましかば〜まし」 ・「せば〜まし」 ・「ませば〜まし」 ・「未然+ば〜まし」 などをよく覚えて、省略されることもあるんだ、くらいに頭に入れておけばいいと思います。 文脈をおさえて解釈すれば、自然と省略に気づきますから。
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909 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 07:22:57 ID:fAfcaBeB0 - 51 :大学院生:2008/10 /20(月) 20:08:36 ID:eBSrpUyQ0
あと、具体的には数日後に書き込むことになると思いますが、 はじてい文法は識別のところ(第5章)は特に間違いが多いので、 入試に識別問題が出る人は、そこのところだけでも望月先生の実況中継をお読みになることをおすすめします。 望月本は厳密で正確ですよ 【はじてい文法の間違い4-1】 p.134 「例文のように、「の」の下に「、」があったら、ほとんど「1主格(〜が)」 か「3同格(〜で)」の用法です。「の、がで(かい)」(脳天がでかい)と言 って覚えましょう(笑)!」 「ほとんど」と言ってますが、これに当てはまらない例は多い。 以下全て源氏物語の例。 ・わりなう古めきたる鏡台[の]、唐櫛笥、掻上の箱など取り出でたり。<連体修飾> ・げに、常よりも好みととのへたる車ども[の]、我も我もと乗りこぼれたる下簾の隙間どもも、<連体修飾> ・いたうわづらひたまひし人[の]、御なごりゆゆしう、<連体修飾> ・殿の舞姫は、惟光朝臣[の]、津の守にて左京大夫かけたるむすめ、容貌などいとをかしげなる聞こえあるを召す。<連体修飾> ・菊の露をかこち寄せなどやう[の]、つきなき営みにあはせ、<連体修飾> ・「紀伊守にて親しく仕うまつる人[の]、中川のわたりなる家なむ、このごろ水櫃き入れて、涼しき蔭にはべる」<連体修飾>
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910 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 07:24:18 ID:fAfcaBeB0 - 79 :大学院生:2008/10 /21(火) 08:56:31 ID:cS0sK9Jg0
【はじてい文法の間違い4-2】 句読点ってのは,古文の原文にはついていないんだ.大学の先生や校注者が自分の判断でつけるもの. だから人によって大きく異なるし(旧版と新版とで異なることも),それを文法の識別の根拠にはなかなかできないのです (すぐ後で述べる「例の、」っていうやつは、例外的に読点が識別に役立つ。これは半ば慣用句化してるからね。大体比喩を表す). 望月本にも、句読点で判別するのは乱暴で危険ということが書いてある。 あと、「例の、」っていうのがよく入試で出てくるけど、これはほとんどの場合比喩(一応文脈で確かめてね)。 意味は「いつものように」。これも富井式「脳天がでかい」にあてはまらないよ 80 :大学院生:2008/10 /21(火) 08:59:07 ID:cS0sK9Jg0 【はじてい文法の間違い4-3】 そのことに関連してなんだけど、 はじてい文法p.135 「とにかく、これらの語【※引用者注:夢・雲・露・例など】が「の」の上にあったら、「の」は「5比喩」の用法だということです。」 と書いてある。「例の、」っていうときは「脳天がでかい」を優先するかp.135の方を優先するか書いてないんだけど、さっき書いた様に、まずは比喩と考えて みてください。 注意しなくちゃいけないのが、読点なしの「例の」。 富井方式だとこれはいつも比喩になっちゃうんだけど、 実は「いつもの」っていう連体修飾の時と、「いつものように」っていう比喩の両方の場合がある。辞書を引くと、両方の意味が載っています。望月本に も注意するように書いてあるよ。 81 :大学院生:2008/10 /21(火) 09:01:00 ID:cS0sK9Jg0 【はじてい文法の間違い4-4】 まとめ ・「脳天がでかい」公式をあてはめるのは危険 ・「例の、」はまずは比喩と考える(文脈によっては他の可能性もある) ・読点なしの「例の」は、「いつもの」(連体修飾)・「いつものように」(比喩)の両方の可能性があるので要注意
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348 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 17:28:24 ID:fAfcaBeB0 - >>345
いや、>>343ってマーカー塗ったら読み辛くなったから買い直す、って意味じゃないの?? ていうか、それ以外の意味でとれないんだが
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351 :大学への名無しさん[sage]:2010/05/01(土) 18:28:52 ID:fAfcaBeB0 - >>347
大きめの書店行ったら売ってる。 浜島書店のニューステージは紀伊國屋本店にあったよ >>350 だから>>343はその意味のない無駄なことをしてしまったんだろう。
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