- 日蓮って ver.30
146 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2014/10/23(木) 08:39:47.20 ID:YkZJE0vC - 145の続き
そこでご質問の「忍性の祈祷(薄い木板に法華経の偈を書き、池に投げ込む)の経典上の根拠はどこにあるとお考えでしょうか。 」ですが、 私の知る限り、忍性の具体的な内容は未詳と思っています。そこでこれが事実かどうかはとりあえず不問にして簡単に私見を述べます。 真言の祈雨といえば空海が天長元年(824年)、京都の神泉苑で行った請雨経法が有名ですが、鎌倉時代に叡尊の書写と言われる、 「神泉苑請雨経法道場図」(重要文化財)というのがあります。これは延応2年(1240)にやはり京都の神泉苑で行われた祈祷の図です。 空海の時と同じく、請雨経という経典に基づいて密教の作法で執り行われたものと考えられ、また忍性は叡尊の直弟子ですから、忍性もまた この請雨経法を行ったと思われます。雨や水を支配するのは蛇つまり竜王ですし、請雨経法曼荼羅では内院に描かれますから、八大竜王も 当然入っていると思われますが、この図では孔雀明王が本尊とされています。孔雀は毒蛇を食べるとされているので、蛇すなわち竜を調伏させ、 「雨を降らせよ」と言うことを聞かせるわけです。ちゃんと教理として筋道が立っています。また密教の祈雨法に水天法というのがありますが、 この場合でもまず八大竜王を勧請することが色々な経典にあるとのことです。まず竜王を呼び出して、それから祈祷するというのは道理です。 ですから、おっしゃるような「池に竜王を呼びだすための木片を投げこむ」というのはうなづけます。ただそれが法華経であったかどうかやや疑問です。 陀羅尼集経や瑜伽論にある竜王の真言のほうがこの場合ふさわしい気もします。思うに八大竜王といえば法華経しか知らない日蓮系の坊さんが 木片を見て自分の知っている名前が八つもあるので、法華経の経文を書いた木片にちがいないと速断したのではなかったのでしょうか。
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