- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
209 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/09/06(土) 06:56:34.63 ID:kQbaQbca - その直後に、怖いことでは全国一の大阪の警察からも使者が来て、「投降を勧告」してきた。
実態はこうだった。 彼はどこから手に入れたのか鉄パイプ銃の現物を所持していて 「こんなおもちゃでわしら警察を倒せるとでもおもてるんか! なめとったら承知せんぞ。 ええか、警察のジュラルミンの盾はこんなんではカンカン音がするだけやぞ。 こっちはほんまもんのチャカもっとるんや、皆殺しになってから、生き返らして下さい言うても無理やぞ。わしらはお経は知らへんからな ええか、生き返りたいんなら、今からでも天竺まで使いのもんを出すんや」と脅した。 無論、そんな一人と三匹(と馬)の使いなんか出せるわけがない。出したとしても間に合わない。 大阪生華学会は鉄パイプ銃も他の銃も捨てた。もうどうしようもなかった。 御殿のような大阪総本部は警察に制圧されて、覚せい剤が1トンも押収されたのだった。 宗教法人は大丈夫と言う、法の裏をかいくぐろうとした彼らの悪さ加減は大阪では知らない者はおらず、これは大阪府警の大手柄であった。 他の地域もおおむねそのように推移、全国での蜂起と言う景山の野望はついに実現しなかった。 もっとも蜂起が実現に近かったのは名古屋だったが、ここも武装が十分でなく、全員が宴会中に全国放送があり投降に向かったのだった。
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210 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/09/06(土) 06:57:37.99 ID:kQbaQbca - 12月23日 祝日
犬田弘忠は先ほどの謎の電話の事をじっと考えていた。 男は「馬渕」と名乗り、元生華学会だが大変後悔していると言った。 実は、自分には夢がある、病院を作り、そこで今回の事件で怪我をした人らの回復をサポートすると言う事業を起こしたい。 そして、小川も精神科の治療を受ける手はずで、すでに手を回す段取りを掛けている。 また犬田先生もご存知のあの放送に出た前田と言う看護婦、あの娘も声を掛けるつもりだ。 馬渕は語らなかったが、看護婦と言う意味では、一人もう代作「専属」がいて、彼らも無視は出来ず声を掛けるつもりだった。 そう言うこの戦争で行き場を失う形になった人々の避難場所を作る。無論、学会兵で改心した者は雇う。再出発の足場とさせる。 学会の隠し資金をそのために使いたいが許可していただけないだろうか 「それは学会の偉い人に言いたまえ」
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211 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/09/06(土) 06:58:25.06 ID:kQbaQbca - 「しかし、放送の結果、あなたが生華学会の真の相続人になってしまったんですよ。それにですね……」
馬渕は、それに続いて犬田代作が拘置所で治療を受ける処置について語った。 これほどの事件なのだ。主犯の犬田代作は死刑以外の刑罰が下る事はありえない。 そして刑の執行まで拘置所に入れられることになる。 それを上手く、病気と言うことで安藤病院に引っ張って来れれば、多少自由に近い状態で過ごせると言った。 病院食と言う事で、それは拘置所の食事よりは随分といい食事も与えられるし、運動もある程度は、拘置所にいるよりはよい処遇になるという。 そんな事を馬渕は言った。 自分たちのした事を棚に上げていると犬田弘忠は思った。だが馬渕にはそんな思いは電話線を通じては伝わらず、彼は真剣な口調でこう言った。 「だからそうしたいんです。許可を下さい」 「それは……」 「秘密資産の処置にはご家族の方の許可がいります、だからあなたの許可が必要なんです。 勝手にその、どうこうするということは出来ます。それは出来ます。ですが我々がしたい事はそんなこそ泥のような事じゃない。 今回の作戦を立てた、大悪人であると言っていい私は院長をやろうと思っています。病院の名である、この病院を作ろうと言い出した安藤、彼もまた悪人でしょうが事務長をやって罪を償うといっています。 どうか許可をください」
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212 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/09/06(土) 20:32:17.85 ID:kQbaQbca - 「なるほど分かりました。そう言うなら、許可いたします。
ただし、今回のことの罪がそれで消えてなくなると言うわけではない。 あなたがたは大悪人のままだ。口先でなんと言おうと。今はきいた風な事を言っているがね、実は金が欲しいだけじゃないのか。 もし、武器を集め再び何かをすると言うようなことを企んだら、絞首台が待っている。 病院をやり、これからの行いで、罪を償うしかないんだ。 そのことを良く考えるように」 犬田弘忠はそう言って電話を切ったのだった。
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213 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/09/06(土) 20:33:10.36 ID:kQbaQbca - 今、再び電話が鳴った。出ると、父、代作に付き添っている妻からだった。
「あなた、今、義父さんが少しだけ目を覚ましたの、お医者さんが言うにはもう大丈夫だろうって」 「そうか……」 彼とて人の子、父が生きていてくれるのが嬉しい事は事実であった。 「それで、義父さんの事だけど、刑事さんは今、席を外してるわ」 そうなのだった。彼の父、犬田代作は死刑は確定だった。 「そうか、だけど家に連れて帰るとかは出来はしない」 「そう、そうね……ねえ、あなた」 「ああ……」 「お義父さんがさっき言ってたんだけど」 「うむ」 「グフとザクの外観上の違いって何なの?」 「えっ」 犬田弘忠は受話器を握ったまま立ち尽くした。 弘忠はこの言葉の真相をついに知ることはなかった。
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