- おい、おまいら！みんなで小説を作るぞP11
203 ：政教一致＠大阪 ◆hprO1jFx.M []：2014/09/05(金) 06:43:55.23 ID:DBZL8e8v - １２月２２日 大阪
この物語を終える前に、本編では全く語られることのなかった「では、その当日、地方はどうだったのか」を一章を設け、大阪を例に短くまとめて紹介する。
大阪が、他の地方と違う点はあった。
一つ目は、大阪は独自のルートで武器を仕入れたり作ったりしていた。
武器の供給は、他の地区と同じ正規のルートとしては、大阪へは、本部より十月にワルサーP38が二百丁、十一月に入ってワルサーP38がさらに五百丁、ウージーが二百丁支給された。
また別途奈良に渡るはずであった分のワルサー、ウージーも差し押さえた。
奈良で貪理の事件があり奈良から一時生華学会は撤退すると言う時期があった。報復されるとふんだからだ。
それらの要員を加護下に置きながら、「後日、奈良奪回時にいるから」との名目で武器を猫ババしたのだった。
十二月にはさらにM16A1五百丁、ワルサーP38がさらに五百丁、ウージーが二百丁支給された。機関銃の支給は口頭では約束されたが、ついになかった。
|
- おい、おまいら！みんなで小説を作るぞP11
204 ：政教一致＠大阪 ◆hprO1jFx.M []：2014/09/05(金) 06:45:31.13 ID:DBZL8e8v - そして、作ると言う点では、９ミリ拳銃弾が潤沢に手に入るという点から、これを使う武器を試作していた。
結局、彼ら大阪生華学会は東大阪にある拠点の工場で、「鉄パイプ銃」なるものを量産した。
単発式の銃で、一応ライフリングもあり照準器もあった。百メートルまでなら必中の武器だった。
市街戦なら百メートル以上はありえない。合格だ。
しかし、これは所詮単発であった。実戦では相当な威力はあるとはいえ、警察とまともに戦える武器とはいえなかった。
大阪府警は、全員がニューナンブかそれ以上の武器を持っている（交通課の婦人警官など以外は）事を考えれば、鉄パイプ銃は大阪生華学会がどう言う団体だったかの良い実例だった。
ただ、鉄パイプ本来の、殴ると言う使い方が出来ると言う指摘もあるからこれはこれで「大阪スペシャル」な武器であった。
逆に言えば、だからこそ約一万の大軍を集められたのだった。他に、若干の火炎瓶があった。
しかし、これは接近戦でしか使えない上、本気で銃で撃ち合うモードに突入したら一々火をつけて投げるなんてぬるい行為は蜂の巣にしてくださいの意思表示とみなされる。
（作者注、ウクライナの内戦でも、キエフでの治安維持の段階では火炎瓶を投げると言う行動が報道されたが、純粋な軍事行動のモードに入ると火炎瓶は報道されないようになった。
双方とも銃しか使用しなくなった。）
|
- おい、おまいら！みんなで小説を作るぞP11
205 ：政教一致＠大阪 ◆hprO1jFx.M []：2014/09/05(金) 06:47:32.38 ID:DBZL8e8v - また、大阪生華学会は本部には全く無断で北朝鮮と覚せい剤の取引をしていた。
不正に得た収入で大阪生華学会は富み栄えていた。
その様はソドムの市と呼ばれ本部も手出しできなかった。
手口は悪質で、小型潜水艦を使うと言う映画のような物であったから警察も手出しできなかった。
このルートを通じて大阪生華学会はトカレフを二千丁も仕入れていた。
そして、彼ら大阪人も馬鹿ではなかった証拠に、ちゃんと予備の弾倉や弾薬も補給していた。９ミリ拳銃弾はトカレフには使えないからだった。
ただし、これらの銃は程度も悪く、一応引き金を引けば弾は出ますのレベルで、ワルサーの足元にも及ばなかった。
北朝鮮もぴかぴかのトカレフを渡してそれが自分らに向けられたら怖かったものと見える。
ただ、これだけ仕入れをしても、合計で、ワルサーが千二百丁、ウージーが四百丁、M16A1五百丁、トカレフ二千丁である。
これにプラスして非合法（？）で入手した奈良の分だった。
四千百人（プラス奈良分）が何らかの正規武器を持ち、残り全員が鉄パイプ銃なのである。
彼らも蜂起したとして、翌日には近隣の府県からの警察が応援に来る。それを支えることは出来そうにもないことは分かっていた。
|
- おい、おまいら！みんなで小説を作るぞP11
207 ：政教一致＠大阪 ◆hprO1jFx.M []：2014/09/05(金) 19:28:52.64 ID:DBZL8e8v - 犬田大作は大阪に武装待機を命令した。
特に、大阪本部長の徳田道明と言う「犬田に逆らうことで有名」と言うこれまた生華学会では稀有な男に１２月中旬（日時不明）電話し、教え諭した。
「分かりました、自重いたします」
徳田は、一応は犬田の命令に従うことを約束した。
一方で、彼らは独自路線で訓練（らしきもの）をし、下見（らしきもの）をした。
訓練では、やはり死者が出た。
トカレフは安全装置がない。
これはソ連赤軍では拳銃は兵が反乱を起こした時用の武器だから安全装置をカチャカチャいわしている余裕なんかないと想定されたためだと言われている。
下見では、大阪府庁、大阪市役所、大阪府警本部、NHKなどを襲撃することが決定した。
陣地として大阪城を一時占拠する事も決まった。天守閣は放棄、あくまで城郭を陣地として利用する構想だった。これなら単発銃も陣地で補えるとふんだのであった。
後はゴーサインが出るのを待つだけの状態であった。
そして問題の１２月２２日が来たのだった。
|
- おい、おまいら！みんなで小説を作るぞP11
208 ：政教一致＠大阪 ◆hprO1jFx.M []：2014/09/05(金) 19:29:55.42 ID:DBZL8e8v - しかし、もう一つ、大阪が他と決定的に違うところがあった。
犬田大作の「孫」百田龍子が、大阪にその日いたのであった。
そこで犬田は前日の２１日にわざわざ徳田に電話を再度入れた。そして大阪には固く戦争に出ることを禁止したのだった。
孫が可愛いのは誰でも同じであった。
大阪ではこの命令に従って状況を注視していたが、警察勝利の動画が流れると大きく意見が二つに分かれた。
その動画とは、具体的には「装甲車の上の紙テープリボンの婦人警官とクリスマスツリーとクリスマスソング、そして看護婦と担架」だった。
もちろん彼らも馬鹿ではなかった。
これが何を意味するのかが割れたのでなく、これでどうするのかが割れたのであった。
ある者は、戦争は終わった、と言った。至極当然な意見だった。
だが、ある者はこれから戦争を起こすんや、と主張した。そこに景山の扇動が入った。
徳田は、全国制覇の野望を胸に総動員令を発した。
だが、結果は、NHKの全国放送だった。それを見て、彼らは戦争の愚を悟った。
また、国会議事堂に白旗が上がっているのが確認されると、
もう大阪でどうこうしてもそれはお前らが勝手にした事だ、で終わりだと彼らは考えるようななって行った。
|