- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
156 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/27(水) 06:28:55.34 ID:lWpnNJTs - スミスは、リヤカーが去った後なおも自分の主張を繰り返した。
その大意は、日本国政府は崩壊したからアメリカは現在残っている太田らの正統を認めない。それとアメリカと日本は戦争をする。と言うものであった。 しかし、これはつながっていなかった、宣戦の布告なら正式な政府にするべきだからだ。 それに、「それはアメリカ政府を代表して公式に言っているのか」と言う竹下の質問に対してスミスはあいまいな答えをした。 さらに言うなら、「戦争」と言っても、米軍が実際に動いているわけではない。それは当然で、 これからすると言う話でそれをしに来たのだから今、軍隊が動いていたのでは正統も何も、スミスの方が悪いと言うことになってしまうからだった。 スミスは、護衛を十名連れてきていたが険悪なムードになるにつれて彼らの表情はこわばってきた。 すでに、状況を聞きつけて続々と警察官が集まっていた。一応名目は政府首脳を守ることであった。 チャイナマンは表に出て見張りをすると言い、何かあったら呼んでくださいと言いおいて表の道に出た。 そこには、遺体袋に入った四つの遺体が安置されていて状況を物語っていた。全国放送をすると言うだけで四名の死者だ。
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157 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/27(水) 06:30:09.31 ID:lWpnNJTs - 「わーわー」スミスはなおも言った。
太田は冷静に考えをめぐらせた。 これまでも、これからも、真の平和にいたるまでには次から次へと敵が現れる。チャイナマンが言いたかった事はそう言うことであろう。 だから表に出て見張るのだ。こいつは自分らが何とかしなければならないと言う事なのだ。 だが、表に出たチャイナマンは意外な車列が接近してくるのを見て驚いた。 アメリカ海兵隊のハンビー(軽快車)を先頭にした数台の車列で、高々と星条旗を掲げている。 海兵隊はオペラグラスで見ると東洋人の顔であったが、それは生華学会ではないと言う事にはならないから油断は禁物であった。 「装甲パトカーはエンジン始動、機動隊は盾を持って整列せよ」 「SAT狙撃班、屋上、チームワン、ツー、狙っているか」 「狙っているが、しかし大使館から来た増援の兵と見る。やんわりと、だがきっぱりと阻止した方が得策と見るが」と狙撃班が進言してきた。 「そうだな、倉田本部長は忙しいから自分が指揮をとる。装甲パトカーは前進、ハンビーの前をふさげ。機動隊はそのまま」 チャイナマンは命じた。
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158 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/27(水) 07:42:49.57 ID:lWpnNJTs - 本当はチャイナマンは警官でもなんでもない訳だが、この命令に全員いっせいに従った。
倉田は倉田で、この時点では閣僚の一員のようにスミスとワーワー言い合っていた。 だから彼の名誉のために言うなら決してサボっているわけでもなんでもなく彼なりに戦っていた。 ハンビーから降りてきたのは海兵隊に意外にも偽装した覆面グライダー隊であった。 合言葉として彼らの裏隊歌「守ってあげたい」の、月ごとに指定される一部分が暗唱された。SATと覆面グライダー隊の間ではこれでお互いの身元が確認される。 ちなみに逆の場合はSATの突撃歌の一部が暗唱される。 「では、カトウ副大使の護衛の者か」 「そうだ、実は緊急の用件で来た。放送があるまでここに首相がいるとは分からなかった。」と護衛隊の指揮官、斉藤三佐が言った。 そして、日本国政府が崩壊している空白の時間帯、数時間の間、カトウ副大使が独断で、日本は健在であると言う報告を 米国政府に提出して時間を稼いでいたため日本は救われたと言う裏の事情を告げ、緊急の要件がそれに加えてあるので急ぐのだと言った。 「取り次ぐ、だが、用件とは何か、それも同時に言ったほうが早い」警察の一人が言った。 「うむ、実は……」
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160 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/27(水) 20:11:16.46 ID:lWpnNJTs - 「なんだと、カトウが来ただと!」スミスは叫んだ。
「野郎ども、やっちまいなぁ!」 護衛たちは居心地悪そうな顔をした。彼らは拳銃で武装はしていたが、回りは日本側の警官で一杯な上に、カトウの護衛は一応アメリカ海兵隊の服は着ているが実態は日本軍だ。 数も多くアサルトライフル、M16A2で武装している。 やるもなにも、拳銃を抜いた瞬間に殺される。 名目は立つ。副大使を暗殺しようとした現行犯だ、 目撃者は多数、日本国首相以下多数である。 スミス自身も銃を携帯はしていたが抜かなかった。
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161 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/27(水) 20:12:23.10 ID:lWpnNJTs - カトウはゆうゆうとやってきた。スーツを着たこれは本当の米国外交官の部下(三等書記官)がスーツケースをささげ持つように持っていた。
「海兵隊」は彼を完全にガードしていた。もしスミスか彼の部下が変な真似をしたら即殺すの構えだった。 「やあ、カトウさん、お会いできてうれしいです」と太田が言った。無論英語だ。 「首相、良くぞご無事で」国際儀礼で英語ではあったが心がこもっていた。 スミスよりこの男のほうが百倍ましだと誰しもが思ったのだった。 「本日私が参りましたのは」カトウは言ったが…… 「カトウ! 貴様」 「ミスタースミス。後にしてください」と太田は言った。 「何だとこら、アメリカを侮辱するつもりかこら、アメリカは強いぞこら、ファッキンジャップ!」 「さっきからファッキンジャップが聞こえてまいりますが、何の騒ぎですの」と貞子が来た。相変わらず鮮血の服のままであった。 「奥様、先ほどの放送は大変感動いたしました」とカトウは流暢な日本語に切り替えて言った。 「カトウさん、あなたにそう言っていただけると光栄です。平和の人といわれるあなたにほめていただける日が来るとは」
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