- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
119 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/20(水) 07:44:09.84 ID:FvRR3LBS - 貞子は数え切れないほどの修羅場をくぐってきた。しかし、その彼女にも今は特別だった。
神聖な瞬間だった。 鮮血に染まった服を着替える時間もない。その必要もない。思い出されるのはあの声。 ……わたしの、ゆめは…… 今だ、今しかない。やるんだったら今だ。なぜなら今は血と同じくらい、あの少女の最後の声が耳にこびりついているんだから。 やるわ! 「総理大臣太田の妻、貞子です。今、夫は緊急の要件のため席をはずしており、私が夫の代わりに政府のメッセージを伝達いたします。 この放送もいつ何時切れるか分からないためです。先ほどここでおかあさんになりたいと夢を語っていた少女は死にました」
|
- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
120 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/20(水) 07:45:26.59 ID:FvRR3LBS - 裏社会の者たちは、「やっちまったのかよ、貞子」と血にまみれた服の貞子を見て思った。
「今、ここに私は不毛な国内での戦闘の終結を呼びかけます」 貞子の脳裏を先ほどの範子の姿がよぎった。 真の英雄とはあの娘のことではないのかしら。そう、貞子パンチなんか子供のおもちゃ、言葉が真の武器だと思い知らすためにあの子を神がつかわしたのだ、きっと。 「武器を置いて、話し合いましょう。もう殺し合いはやめようではありませんか」 言うべきことはもっとあったと思うが、言葉よりも涙が出てきた。 「わたしはあの子のお母さんになんて言ったらいいのでしょうか? 死ぬ間際に、目の前でもう一度、わたしのゆめはお母さんになることですって言おうとしたのよ!」 沈黙。 涙をぬぐって貞子はもう一度言った。 「平和にクリスマスを迎えましょう。以上です」 一分もない演説であった。代わって出演した萌未は淡々と放送の終了を告げた。 事実上、この放送を持って国内での戦闘は終結した。人々は後に「貞子の目にも涙」と言うことわざを作り、新たな伝説の一ページを刻んだのであった。
|
- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
121 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/20(水) 20:14:03.16 ID:FvRR3LBS - 生華学会の残存戦力も放送を見てはっきりと戦争に利がないことを悟った。
また高田が、放送の直後に国会議事堂に高く白旗が掲揚されている動画をスマートフォンから配信したこともあって、戦意を維持していた部隊も投降に転じて行った。 白旗掲揚は高田が事前に用意していた事であった。 国会議事堂には兵が数名で戦意も無かった。実質、放送前のトナカイが来た時点で戦争は終わっていた。 放送はそれを全国に伝達した物であった。
|
- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
122 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/20(水) 20:15:07.08 ID:FvRR3LBS - 戦争全般をを言うならおおむね以下の事は言える。
午後遅くに戦線が崩れてからは、 かなり早期に指揮官があるいは離脱あるいは逃走したと言う悪条件の元、かなり学会側は粘ったし、全国と言う点ではヤッホー景山の扇動と言う事もあった。 大阪では挙兵寸前の状況で推移していた。また、反学会勢力側もしかりで放送なしでは泥沼の内戦に突入の可能性はある状況だった。 だが、高田のような善意の兵が何名かいた、特に国会議事堂という特別な場所にいたと言う事が決定的だった。 高田と景山の配置が逆だったら全く状況は違っただろう。泥沼の内戦になったかも知れなかった。 ユーゴもそうだった。昨日までは同じ国民だった人々がある日を境に突然、殺し合い、今も憎しみは消えていないのである。 ウクライナもそうである。ついこの間までは、2014年2月上旬までは「ウクライナ」と言う単一の国家であったが今は一部がロシアに併合され、 一部での混乱は2014年8月上半期では収拾のめども立たない。 (作者より:人は、「戦争反対」と言う。確かに戦争は良くない。しかし、内戦について語るものはいないのはなぜだろうかと作者は思い本作品を書いた。 内戦とは、「どこか遠い外国で」ではなく、今、まさに住んでいるその場所で起こるものであり、国民同士がお互いに殺し合うものなのだ。 内戦は、国家と国民にきわめて深い傷跡を残すものでありある意味では戦争よりも避けなければならないものなのだ)
|
- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP11
123 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/08/20(水) 20:21:06.92 ID:FvRR3LBS - 悪の権化、景山はこうなった。
話は本放送の前に戻る。
|