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政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M
おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10

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おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
406 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/25(水) 06:39:32.18 ID:PE8YzItt
 しばらくして、敦子は意識を取り戻した。
 志村が医務室にやってきて国会議事堂前庭への移動の話をした。今ではない。正午前だとのことだった。
 どうしてそうなのかの話は単純だった。全員の手がいるので先導出来ないからだ。今はここから出ると危ない。さっきので立証済みだ。それに小さな子は余計に危ない、手を貸さないといけない。
 志村はそれだけ言うと、救難センターと話をすると言って出て行った。敦子の配置の件で交渉するつもりだろう。この話をすると同時に敦子の意識が戻ったかどうかも確認しに来たらしい。
 「今の話、おかしいぞ」と犬田弘忠は言った。
 もう、高校生の二人にもおかしい事は分かっていた。
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407 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/25(水) 07:24:28.74 ID:PE8YzItt
 「全員の手がいる何かがあるのか」と犬田が敦子に言った。
 「多分、大幹部が来てNHKで演説するんじゃないかしら、そんなスケジュールがあったわ。国会議事堂はこちらが確保したと言うアピールをするのよ。
 しかし、今は銃で撃たれた事でも分かるように危険がいっぱいなんだし、そうしないかもしれない。親衛隊はどちらにしても正午過ぎにはあなたたちを解放するんだから待つ方が無難だし安全性も高くなる。
それにNHKの放送があればそれが一つの保障になるわ。
ここは生華学会の支配下にあるんだと言う保障にもなるし、そうなれば警察も撃って来ないからあなたたちも安全になる。それに、言うなって言われてるけど、ここは明け渡すことになってるの」
 「え?」
 「いつまでもここを生華学会が持っていても仕方がないから、生き残っている国会議員の先生が集まってきたらここは明け渡す。それが最初からの予定なのよ。
 だから普通の悪の組織なんかだったらあなたたちを人質にする所だけど、それは意味がないの。逆に、殺してはだめなのよ。国会議員の先生方が来て、子供の死体が転がっていたらなんて思うかしら? 
それは怖いからこいつらの言う通りにしようと言う議員さんもいるでしょう。でもそれは一部で結局はそんな奴らは駄目だと思う人の方が多いわ。
 テレビもそうよ。何も悪い事はしてないって放送なの、私たち医療隊だってそう言う事もあってやってるの」
 「ほう」
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408 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/25(水) 21:51:45.96 ID:PE8YzItt
 犬田弘忠は酒井田と睦美を医務室の隅に呼んだ。
 「今までの話、おかしいぞ」
 「どうやら幹部が来て、テレビでプロパガンダをかますつもりらしいですね」
 「お前良くプロパガンダなんて用語知ってるな。だが、それに高校生が必要か?」犬田弘忠はまた高速で頭を回転させた。
自分は名前も名乗っていないから正体……犬田代作の長男……がばれたとは考えられない。ばれたとしても、それでこう言う風になっているとは考えられない。
それなら「犬田先生の息子さんでしたか」と言うだろう。気が付いていないふりをするというのはおかしい。高校生は、利用価値があるとは思えない。おかしい。
 そして、先ほどの志村の話の中にあった「小さな子」と言う言葉が気になる。高校三年生は小さな子供ではない。
 「酒井田、ついにおまえの出番が来たようだ」
 「ラジャー」
 酒井田はトイレに行くようなふりをしてすっと出て行った。
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409 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/25(水) 21:53:44.02 ID:PE8YzItt
 しばらくして、酒井田は帰って来た。
 「どうだった」と睦美が言った。
 「中央広間に、小さな子供が約五十人捕らえられています。泣いています。それと太田首相と、後名前は知らないけど大臣が二人。
銃を持った見張りが十人いて、どうやら子供について来たらしい大人もいましたがこの人たちは抵抗したらしく縛られていました」
 「抵抗はしない方がいいな。無用な抵抗で小さな子供まで巻き添えにする事は良くない」
 「しかし、このままでは……」睦美が言う。
 「日本は奴らに乗っ取られてしまう。だが、今は耐えるしかない。外部と連絡する事は出来るが、人質がいる。早く出て行ってほしいのオーラの意味が分かって来た」と犬田弘忠。
 それはこれ以上人質が増えてもらっても監視もいるし結局は解放するだけだから早く出て行ってもらいたかったのだ。
危害を加えないもそうで、殺したり傷つけても意味がなかった。逆に困る事になる。どこかの誰も見ていない山の中ならともかく国会議事堂の中では困る事になる。
 「私、奴ら生華学会を許せないわ」と睦美が言った。自然な言葉だった。
 犬田弘忠がもし彼女の立場ならそんな穏やかな言葉では済まないだろう。
おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
410 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/25(水) 21:56:38.93 ID:PE8YzItt
 この行為は宗教とかを超えてしまっている。自分一人ならここから飛び出していき素手でも殴りつけて行く所だが、それは駄目だ。彼には生徒に対する義務がある。
素手の格闘技には自己流だが自信があると言ってもだめだ。方法を考えなくてはならない。生徒を守りつつ、日本を危機から救い出す何か方法を。
 「放送をするって言ってたな。それに乱入出来ないかな?」と犬田弘忠は言ってみた。それなら行けそうだ。
 「あ、いや、待って下さい。多分、子供を並べてその前で演説するんですよ、ナチがよくやった手法ですよ。俺、そう言うの研究してるんです。プロパガンダをです」と酒井田。
 「ナチのプロパガンダをか?」と弘忠は言った。
 「そうです、代々木アニメーションではそんなの教えてくれそうにありません」
 「それは教えんだろう。それはアドルフ・ヒトラーが映画のカメラを回してやった技法で、純粋な少年を利用して宣伝をするという奴だが、今回は違う。
 お前の話では小さい子供は泣いていた、大きい子供はたくらみを知ってしまった。もう笑顔も見せんだろう」
 「それは立ってるだけでもいいです。顔は撮りません。背中だけです」酒井田は言う。こ奴はアニメファンだけにカメラ割りとかにも詳しい。
 「なるほど」犬田は感心した。カメラは子供の背後から幹部を撮影するのだ。
 しかし、その幹部とは誰なのか? 大幹部の誰かなのは確かだが、犬田弘忠が知っている誰かか?
 彼らは三年C組に再び合流した。


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