- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
355 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/14(土) 07:04:48.07 ID:qhFH4h04 - その日が、作戦の発表日かつ発動日と定められていた。昨日、チャイナマンへの賞金発表で反撃の「のろし」を上げたと言う事で士気も上がっていた。
場所は生華記念体育館、親衛隊はもちろん、生華民兵隊幹部、生華学会幹部、光明党幹部、その他幹部が集まって来た。 名目は犬田が明日退院する事の打ち合わせで、権田が主宰者だった。 「皆集まりました」馬淵は権田に言った。 権田はつかつかと演壇に歩み寄った。 「諸君、ご苦労様、長かった訓練と準備の時間は今終わった。 これからは作戦の時間に入る物と思ってもらいたい。もちろん、作戦と言ってもまだ何も聞いていないのだし、中には作戦など初耳だと言う者もおるかもしれん。 用心のためこの体育館は作戦説明が終了するまで一時閉鎖する。ドアをロックする。また、ここは携帯電話が使えなくする特殊設備がある。それを作動させる。 では、作戦参謀の馬淵と作戦指揮官の近藤に後を任せる」 指揮官の春菜はこの場合説明はしないので、馬淵の独壇場であった。 「作戦名は東京壊滅作戦、Xデーは12月22日、平日だ。最終占領目標の国会議事堂はまだ会期ではなく見学者がいる程度に過ぎん。 都内の他の重要目標は破壊、占拠、監視の三段階に分類する。それぞれは配布した書類およびUSBメモリのPDF文書を参照する事」
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356 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/14(土) 18:26:40.57 ID:qhFH4h04 - 「参謀、この付近は日本の重要機関が最も密集している地帯です。現在の状況も勘案すると警察の配備も相当では?」民兵隊の将校が言った。
当然の話だった。国会議事堂付近には首相官邸、議員会館、内閣府、記者会館、国立国会図書館などがあり、主要官庁の合同庁舎や財務省、警視庁がある。当然24時間365日警察が多数張り付いている。 ここは国家の中枢でありここが陥落する事は日本国を一時的とはいえ落ちることを意味する。 「その疑問は当然だ。もちろん警察はいる。しかし、かれらの装備はいまだニューナンブだ。数がいても我々の敵ではない。可愛そうなぐらいだ。 M16A1は30発の5.56ミリNATO弾を機関銃式に連射できる。それが五人十人、グループで襲撃するとなると警察の能力では支えられない。彼らはおそらく一部のSPなどを除いて警視庁方面へ下がるだろう。 退路を塞がないようにせよ。窮鼠猫をかむ」 計画はもちろんこれだけではなかった。この作戦は複数の作戦が同時並行で進行する。911がそうだったように同時にテロが発生すると治安側は対応ができなくなる。 「それに我々は強力な武器を手に入れている。巡航ミサイルだ」 馬淵の発言にいきさつを知らない親衛隊以外の人々は激しくざわめいた。親衛隊の人たちにしてみれば馬淵・春菜カップルが信じられないような事を可能にするのにもう慣れていたが彼らは違った。 「どこから手に入れたんですか」と光明党の若手議員が言う。信じられないと言った表情だ。 「入手ルートは秘密だ」 まさかデートのついでに怪しい中国人からお台場で買ったとは言えないので馬淵はそう言わざるを得なかった。 「ミサイルで破壊目標は破壊する。例えば対立する政党の本部、宗教団体の本山などだ」 馬淵の話は流れるように続いた。テロはあくまでも同時でなければならない。占拠目標はNTT東の 秘密にされている中央指令センターや東電の中央通信司令室などの爆破した場合東京はもちろん関東一円が大被害を受ける中枢施設を選択して占拠する。占領部隊は特攻爆破もありえる決死隊だ。
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357 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/14(土) 18:30:16.68 ID:qhFH4h04 - 「第一次作戦終了と同時に犬田先生を国会議事堂にお迎えする。襲って来たのはチャイナマンを頭に頂く不逞の輩だと言う事にする。
NHKによる生放送の中、超党派の生き残った国会議員による臨時特別対策国会により暫定臨時政府が即時発足、 臨時首相に権田大幹部、そして臨時大統領に犬田先生をお迎えする。副大統領には小川降法総裁が就任する。 翌日に実行する「超憲法の国民総集合」と言う八時間ぶっ続けの、テレビ番組を通じた国民の民意を問う臨時の巨大な企画番組で、この臨時政府はあくまで次の総選挙までの 期間限定と言う但し書きつきで承認される。もちろん、未来の話になるが総選挙はやる。光明党の圧勝になる予定だ」 体育館はあまりの事にしんと静まり返った。 「こ、これは無理がありすぎでは?」と誰かが言った。 「無理、どこに? 今発言したのは誰だ」 春菜がさりげなく腰のポシェットに手をやったのを皆見逃さなかった。そこにはワルサーP38が入っている。 また静けさが戻った。 「臨時特別対策国会は問題ない。全員が光明党と、家族を人質に取られている国会議員だけで行う。 それ以外の国会議員が生き残っている筈はないが、いたら死んでもらう。これは戦争だ。逆らう者、邪魔になる者は殺す」 馬淵は言い放った。彼はここ数日の甘い同棲生活などどこへやら、すっかり死神博士の本領発揮だった。
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358 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/14(土) 18:38:40.85 ID:qhFH4h04 - 「その翌日に行う超憲法の国民総集合だが、これも生華学会のチャンネルと化したNHKで呼びかけ、生華学会のタレント、文化人を総動員して結論をでっちあげる。
もう結論は出来あがっているんだから、異を唱えるような者はさりげなく排除する、いや強行手段でも排除するしかない」 「し、しかし、日本国憲法では……」光明党の野村と言う長老格の男が言った。彼は憲法研究で著作も出しており党内でも憲法通として信頼が深かった。 春菜は素早くワルサーを出した。目の高さに上げる。 「春菜、まだ待て、野村、普通の市民が、高校の授業以外で憲法を読むと思うか?」 「それはないだろう」野村は苦しげに言った。当然の答えだ。 「ならばそれでいい」 馬淵は今度はみんなの方に向かって言った。 「実は国会議員や内閣の大臣がみんな死んでしまったらどうするのかと言う議論は過去に一度だけだが、実際にされた事がある。 戦時中で、国会の本会議中に国会議事堂に爆弾が落ちたらどうするのかと言う質問が出た事があったのだ。その時の結論はすみやかに総選挙を開く、だった。 それは爆弾が落ちた場合の対応で戦争中の話とはいえ、そしてその後改憲しているとはいえ基本的、法律の上では、まだ生きている。 つまりそう言う事態が起きたら総選挙を可及的速やかに開くしかない。それは合法だし、 それまでの間生き残りの国会議員によって暫定政権が結成され運営される事も非合法ではない。それしかありえないだろう」 野村は何か言いたそうにしたが、ワルサーを見て黙った。野村は知らないが春菜の射撃は上級だった。十歩も離れていないこの距離では外す訳がない。
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