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政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M
おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10

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おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
308 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/02(月) 07:44:43.65 ID:auCP2pbJ
 12月 平凡な一日 木曜日
 (作者注:この項目の生活保護についての記述は、すべてを書き終えた今となってはどうかと思うが、逆に生活保護を受けている人全員がクリーンでホワイトかと言われるとそんな断言は出来ない。
 「生活保護=悪ではない」との作者メッセージをはさみ、あえて当初の記述を残す)
 涙田は朝のバス運転が終わると、自分の席に座った。
 今日は静かな一日になるはずだった。
おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
309 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/02(月) 07:46:49.30 ID:auCP2pbJ
 もうじき生華学会は崩れ去ってしまうに違いない。そしたら美雪のアル中を何とかしなければならないだろう。
 精神病院への入院が一番近道だ。奈良県にも病院はあるにはあるがアルコールを扱うと言う点では薄いと言わざるを得ない、連れて帰ると言う事になると大阪である。
 大阪南部と言う選択肢になると新いずみ病院あたりが無難な選択かもしれない。それか北部だといくつか候補地となる病院があげられる。新阿武山病院か? 小杉記念病院か? 
 新いずみ病院はやはり女性が入院できると言う点で軍配が上がるだろう。アルコール依存症で入院するからには治療も生活も長い期間をかけないとならないのだから信頼できるところが一番となる。
(作者注、作品中の医療機関名は実在の病院とは関係がなく、本記述は全く架空のものであります。万一この記述で医療機関を訪問される(あるいはされない)場合の結果について免責とさせていただきます)
とにかく北大阪より南大阪の方が都合がよかった。涙田の実家は河内長野に今は存在していたからだ。
 ただ、涙田は松原市出身で、第一中学と言うひねりも何もない名前の中学校を卒業していた。
 高校は父が転勤したため府立に入れなかった。交野市内の共学の私立高校でキリスト教だった。
 そこで大学に行かず自衛隊に行く事になったのはあるきっかけがあったからだった。
 それは今や遠い話、そして行動隊に身を投じる事になったのも今は昔の話だった。
おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
310 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/02(月) 17:46:51.00 ID:auCP2pbJ
 「何を考えてるの」
 美雪が話しかけて来た。まだ酒臭くない。これだと普通の娘だ。美人だ。ちょっと太ってる。
 「おとぎ話」言いながら涙田は彼女を愛おしいと思う。
 「聞かせて」
 「昔々、あるところに武装したサンタさんと勤勉なトナカイさんがいました。
 サンタさんは急ぎます。遠くで泣いている子供の声がするからです。
 プレゼントを積んだリヤカーを引いてトナカイさんは必死で走りました。
 二人が子供たちの最後の希望なのでした。
 実は北極にある秘密のおもちゃ工場からプレゼントを運ぶのはサンタさんではなくてトナカイさんなのです。サンタさんは最後に煙突からプレゼントを配る係の単なる乗客なのです。
しかしこの秘密がばれてしまうと彼らは死んでしまい永遠にクリスマスはこなくなってしまうのでした」
 「なんか違う」
 「うん、そう」
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311 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/02(月) 17:48:37.61 ID:auCP2pbJ
 社長の大村が来た。
 「緊急の配送が入った。涙田、お前しか空いてない」
 「はい」
 「子供収容所にごはんを運んでくれ、車は二号トラックを使え」
 「了解、しかし、緊急の配送とは? それもごはんを?」
 「あそこの炊事場に排泄物がばらまかれた。悪質な嫌がらせだ。それでお昼ごはんが間に合わないとSOSが来た」
 「了解」

 呼んでいるあの声はSOSだ 2号 発進

 涙田は二号トラックで出発した。大村パンはパン会社なのだからこのご飯は商品ではなく社員食堂からの流用品だ。
 そこで今日の社食はパンが出るのだろうと予測ができた。違う場合には商品であるパンの納品を行うのだが相手が子供ではその手が使えない。
 やむを得ないと大村は判断したのだろう。
 子供収容所は文字通りのところだった。付近の住民から迷惑施設と思われていた。
おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
312 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/06/02(月) 17:52:40.78 ID:auCP2pbJ
 多分犯人は近隣住民だろう。その近隣住民にだって子供がいるのではないだろうか? 
 涙田はやるせない気持ちになる。きっと大村もそう思ったに違いない。儲けがあるとは考えられない納品だった。
 子供収容所には偶然か八千代文具のバンが止まっていた。もしかしたらと思っていたらやはりトナカイがいた。
 トナカイ=さおりの話によると、汚しは徹底していた。それ専門の業者を入れるが、もう子供収容所の炊事場は当面使えないだろうと言う事だった。
 しかし、子供に食事をするなとは言えない。対策を打たなければならないがお金は全くめどが立っていないと言う事だった。
 犯人はもう捕まっていた。近所に住む生華学会員だった。流石はと言うのか、この近辺では見かけないバキュームカーまで事前に手を打って用意していた。
そんな用意周到さはどこか他の所で役に立てたらいいのにと思ったが、これが学会のやり方なのだから仕方がない。

 子供収容所の所長はちょっと変わった人で、橋口と言い、ナチマニアだった。
 彼は善人だがヒトラーを尊敬していて「ゲシュタポ女囚収容所」の大ファンで、子供収容所の求人広告にただ一人応募してきたという逸話の持ち主であった。
ゲシュタポでもきっと出世したであろうが、子供収容所でも出世して所長になった。


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