- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
295 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/30(金) 07:44:37.89 ID:Q5cFhKAf - 12月 犬田襲撃の翌日 火曜日
馬淵はゆりかもめの船の科学館駅で降りた。お供は春菜だけだ。 こう言う任務にはどかどか大人数で行っても仕方がなかった。大幹部の誰とも連絡が取れないと言う異常事態は続いていたがそれも彼らの立場になって考えれば当然であった。 犬田は死んではいない。後で責任を取らされる事になるのは誰もがいやなのだ。 それに、警察に逮捕されるのもいやだし、誰だか分からないヒットマンに狙われるのもいやなのだ。 二人はどちらからともなく手をつないでゆりかもめ沿いに少し歩いた。水と緑のプロムナードに来た。そこはクリスマスの飾りつけできれいだったが人影はまばらだった。 「もうすぐクリスマスですね」春菜は言った。 「学会が天下を取ったらクリスマスはなくなるんだ。あれはキリスト教起源だからね」 馬淵は少し考えてからまた言った。 「夏祭りもなくなるだろう。そう言う物が全てなくなって生華学会の世界が来る。信じられるか」 「私が信じているのは馬淵さんだけです。あなたの強さを信じています」春菜は強く言った。 「俺はそんなに強くはない。作戦を考えるだけだ、春菜はそれを具体化するための情報集めと、さらにそれを具体化するための作戦指揮をする。俺たちは二人いて初めて強くなれる」 馬淵はそう言い、ちらりと時計を見た。少し早くに着いた。
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296 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/30(金) 07:45:57.26 ID:Q5cFhKAf - 目的の噴水広場に問題の人物はすでに来ていた。ハトに餌をやっている。彼の名前はチャン・リーと言い中国人の武器商人だった。怪しさ満載の男だったが困った事にもはや学会にはまともな(?)武器商人は寄って来なくなっていた。
チャン・リーの恰好はまさに怪しい中国人そのものだった。チャイナ服で丸ぶちのサングラスをしている。どう見ても中国雑技団から脱走して来たかのように見える。 「お名前は、チャンさんでよろしいか、それともリーさんですか」と馬淵。 「どちらでもいいあるよ」が答えであった。 「は?」 「私、こういう商売、チャン言う名前も使いました。リー言う名前も使いました。いつの間にか混ざってしまったあるよ。日本名もあるけどそれは公共の場では名乗れない名前ある」 「どんな名前なんですか、良かったら聞かせて下さい」と春菜が言った。 「変態人間おまんこ君ある」 「えっ、本当にそんな名前だったんですか」と馬淵、春菜も目を丸くしている。 「んなわきゃねえだろうが!」チャン・リーは流暢な日本語で怒鳴った。この声にハトが飛び立っていった。 「私は馬淵、こちらは近藤です」と馬淵はあわてて自己紹介した。 「夫婦かと思ったあるよ。それで武器の話ね」 「とりあえず、何があるんですか」 「何でも、核兵器はないが」商談に入ると怪しい中国人しゃべりはかなぐり捨てて標準語に戻すあたりが只者ではないところを物語っている。 「さしあたって、ライフルが欲しい」
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297 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/30(金) 18:58:19.48 ID:Q5cFhKAf - 「一口でライフルと言ってもいろいろだが、聞くところによると学会の主力装備はウージーらしいな。それに代わる突撃銃が欲しいのか」
「そうです、数は最低でも千はいる。それも納期も来年とかでは困る」 「数が少なくてもいいのならステアーAUGが百丁以上あるが、納期が急ぐのは困ったな。時間がかかってもいいなら北朝鮮製のカラシニコフが手に入る。 それは安いぞ」 「品質的に大丈夫じゃないでしょう」 「それはある、生産管理が出来ない状態で、だから安い。誰も買わないから、安い。 この間北朝鮮に行ったら兵隊が射撃訓練していて、遊底が爆音とともに吹っ飛んでいた。カラシニコフで遊底が吹っ飛ぶなんて事故は初めて見たし、ありえない事故だ」 「ちなみに、その事故で操作していた兵はどうなりました」 「死んだよ、ある意味当然だが。弾薬の方に問題があったのかもしれん」 「それはいくらなんでも駄目だ。他はないんですか」 「中古になってしまうが、M16A1が三千ならすぐに手に入る。A2との転換で余った奴で、状態は良好だ。中にはほとんど撃ってない新品同様の奴もある」 M16のバージョンについての詳細な説明は割愛するが無印のM16とM16A1とM16A2は全く別の銃である。M16を改造したらM16A1になりましたと言うものではない。従って、銃の在庫が昔は膨大な量、米軍の倉庫に存在した。 「どんな管理してたんですか」古い銃の中には錆びているような奴があるのではないかと馬渕は恐れた。 「どこか本国の後方の大きな倉庫できわめていい加減な管理をしていたらしい。予備兵器の扱いでベトナム戦争のころから保管していて、今回スクラップにするという事でこちらに来た。 だから全体的な程度は兵器として使用可能な状態を保っている。常識として兵に渡して使う前に検査は必要だがね。 まだ使える銃をスクラップにするというのもあれだが、検査らしい物も一切なしで業者に丸投げで渡すと言うのも来ている」
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- 非常事態なのになぜ池田先生は姿を見せない!?
382 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/30(金) 19:01:08.04 ID:Q5cFhKAf - 週刊文春の記事によると、池田大作は「もう生命維持装置につながれていないと
死ぬしかない」状態らしい まあ、苦情は文春に言って欲しい。
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298 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/30(金) 20:08:00.03 ID:Q5cFhKAf - 「製造番号からの追跡は可能な事になりますね」
「それは無理だと思うね。確かに部隊にわたって使われていた時の記録は残っているだろうが、そんな管理をしているところが、だぞ。一丁ずつ銃の製造番号の記録をつけていると考える方がおかしい、おそらく数の把握さえしていないだろう。 こう言っている俺のレベルではその問題の倉庫がどこの何と言う倉庫なのかもわからない。 つまり手繰ろうとすれば何段階にも分断された迷路のような武器の道をたどる必要がある。まず不可能だ。今世界中で問題になっているのはこう言った武器の止めようのない拡散なんだ」 冷戦が終わって世界は平和になったはずだった。超大国は戦争をやめた。平和が来るはずだった。 今はどうだろう、世界は少しでも平和になったと言えるか? 馬淵は2001年9月11日の夜(日本時間)そびえるビルに旅客機が突っ込むところをリアルタイムで見た。そういう時代に突入したのだった。 それが現実であった。 「まあ、話が横道にそれたが他は?」 「付属品もいる、銃剣、スリング、予備弾倉、弾倉帯、ああ、それから当然弾薬もいります」 「十万発ぐらいか」 「五十万発欲しいです、素人兵はどうしても撃ちまくってしまうだろう。撃ち尽くしてから弾薬を発注しても遅い」 これも古典的な戦場の常識だ。
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