- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
247 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/15(木) 07:06:50.50 ID:23YB86Eh - 夜になった。
「テレビ会見の用意は出来ました。総理」と赤旗。 「うむ」 会見はすぐに始まった。 「大統領閣下、由々しい情報が入ってきました」太田は言った。以下一々は書かないが日本側は通訳が英語に通訳している。太田も赤旗も英語はしゃべれるのだが国家の危急の際微妙な部分では何があるか分からないからだ。 「どんな? 私も忙しいんです」 「赤旗君」 「日本国内に核兵器が十二発も搬入されているとの報告があります」と赤旗 「そんなクレイジーな話を誰がしているのですか」 クレイジーなのは誰だと太田は思った。 その瞬間までカトウには悪いが彼の名を出すつもりだった。彼が昼にここに来た事は米側も知っているからだ。 しかし、太田はおとぼけに転じることにしたのだった。 「チャイナマンのお友達、ベトナムマンです」太田。 「なんですって?」 「彼は平和の人です。突然にこの官邸に来たのです」 ざわつくホワイトハウス側、太田が狂ったのかという顔である。 「あなた、わたし、恐ろしいわ」と貞子。 「おお、そうだな、もし、ベトナムマンがお友達のチャイナマンに電話した日には……」 「ガクガクブルブル! 貞子パンチ!」 鉄の屏風が見事に砕けた。 「このパンチでも身を守ることさえできはしないでしょう」 「ああ、だが心配する事はない、彼は心得ているだろう、真の敵が誰かを」 太田は意味ありげに鉄の屏風の破片に目をやった。さっと大統領の顔が強張った。
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248 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/15(木) 07:08:19.66 ID:23YB86Eh - この鉄の屏風には二重の意味があったのだ。
平時においては文字の通り鉄の盾となって総理の身を守り、そして国家危急の際には、再び鉄の形に戻してそれで兵器を作りなさいと言う意味が込められていたのだ。 もう二度と兵器を作ることがなくなった製鉄所が平和の尊さを永遠に後世に伝えるために、そして一朝事あればそうしなさいと言うメッセージを込めて作った物であった。 だから屏風の武神の姿も、手を後ろにまわしてかすかな笑みを浮かべている姿であり、砕いたならば神が解き放たれて敵を倒すと伝えられていた。 「アンビリバボー」大統領は言った。 「なにがですか」 「人間が手で鉄を砕けることがです」 「それは、核兵器で無数の人間を焼く事ができる非道な人間がいる事に比べればなんら驚くには値しません。赤旗」と太田。 「我々は、核兵器が国内に持ち込まれたと言う事実をつかんでいる」と赤旗はサーもつけずに言った。テロリストのようだった。だが…… 「この写真を見ろ」核兵器の写真を彼は示したのだった。 「ただの荷物のようだ、フンフー」と大統領。 「これには警備も何もないようだな」 「それが」 「ベトナムマンは偉い人だ」と赤旗は言った。 「は?」と大統領。間抜けの見本のようだった。 「だが、彼の友達のチャイナマンはどうかな? ベトナムマンは平和を重んじる人だから、やめろと言うと私は確信している。きっと言うだろう。 彼の行動は、君ら腐った外道の徒の何倍も高いからだ。 だが、チャイナマンはファイターだ、真のファイターだ。彼は10対1のガンファイトでかすり傷一つ負わずに去った。そんな事が出来たのは世界の歴史では彼だけだ」 実は、それはうそだった。貞子がいたからだ。
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249 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/15(木) 22:46:09.58 ID:23YB86Eh - 結婚してからの話だが貞子は護身用に英国製スピットファイヤMKUと言うプロ好みの9ミリ拳銃弾を使用する拳銃を使っていた。
無論、警視庁の銃器係に命じて最高にチューンナップし、元からプロ仕様の銃を「神の銃」となしたものであり、通常のマガジンではなく延長した大型マガジンを装着していた。 しかもそれを電光石火のごとく交換するので事実上無限弾のように見えると言う代物だった。 ところが、ある超巨大特定暴力団の組長が、銀座の高級クラブで、酔った挙句、そんな無限弾なんかあるわけないと笑った。 そして、あろうことか先代組長の墓前に貞子の首を捧げられるかどうか賭けをしようと言い出したのであった。 クラブのママは、貞子様があなたのような外道にやられたら、私は坊主頭で店に立つと言った。供養のためにそうすると言うのだった。 続いて、店一番の娘が言った。 もしそんなに強い組長様なら、私、いつでも抱いていただくわ。無論ただでよ。 それを聞いた店に来ていた客で、元大企業の会長だった男が言った。 わしは、かたぎだから賭けそのものには乗らないが、軍資金が要るだろう。貸そう。 相手は貞子様だ。いくらいるか。百万か。いや、一千万貸そう。利息はいらない。今はキャッシュがないから明日持って行かせる。借用書は今書いてくれとは言わん。 それを聞いた組長はその場で借用書を書き血判を部下のドスを借りて血を出して押した。 そしてこう、いきまいた。 利息の代わりにわしが先代組長の墓前で貞子の首を持ってガッツポーズを取った写真をつける。この店にもその写真を持ってくるぜ。全員に配るぜ。 引くわけには行かない戦いになってしまった瞬間だった。 無限弾の銃を持つ女、貞子、対、面子もあって全力をあげる暴力団。
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250 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/15(木) 22:50:29.83 ID:23YB86Eh - 賭けは成立したが掛け金は途方もない額になった。
軍資金も集まった。やはり貞子によい感情を持つものばかりで世の中が構成されていたわけではなかった。 その金で、件の組長はかき集められるだけの兵を雇った。銃も集めた。 訓練もした。あたふたしたのでは、相手は貞子なのだ。殺される。 ある時点からは、組長にとってはもう儲けなんかどうでも良くなっていた。これに失敗すれば貞子が報復に出ることは間違いない。成功したって夫の太田アンド警察が黙っているとは考えられない。どちらにせよ彼はやるしかなかった。 事前のリサーチでは、移動時には護衛のパトカーが前後に一台ずつ着くものの、そして貞子本人は防弾のトヨタセンチュリーに乗っていて 護衛の超精鋭である女子SP二名を連れ、問題のスピットファイヤで武装はしているものの、所詮はそれだけ。 場所を選んで軍隊並みの大人数で襲えば行けるだろうと言うのが大方の予想であった。
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