- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
242 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/13(火) 12:53:18.03 ID:6X3FkpZK - そこから逆算式に考えると、敵もそれはキャッチしているだろうから何かは仕掛けてくるに違いない。
もちろん犬田が退院したその日にわざわざ作戦開始日を設定するほど馬鹿ではないから、数日後に、と言う事になるだろう。 幸福の錬金術をもう一度襲うのか? しかし、あの総本部はいまや要塞化していると聞く。 焼けただれた装甲車は撤去されたが本部構内は臨戦態勢を完全には解除しておらず今や公然と銃器を本部員が携行していると聞いた。再襲撃は難しい。 貪理の教主は、あの撃ちあいは何百万回何千万回も再生されて、現在の生きている英雄となったから復活してきたら貪理もまた蘇って来るのではないか? そう竹下は思った。 あの教主を、病院で襲うのはたやすい事だがイメージ的には失う物の方が大きい。動けない怪我人を襲うのはかっこよくない。 竹下は創価学会の守りを固めるよう進言する事に決めた。
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243 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/13(火) 14:04:13.87 ID:6X3FkpZK - 涙田は真昼の飲み屋で美雪をあやしていた。
彼女はトナカイと私とどっちをとるのかと言った。 どっちを取るも何も、俺たちなにもしてないじゃないかと涙田は言った。 何回かキスしただけで、それも毎回酒の味のする奴。 「トナカイとはもう寝たの? この獣姦野郎」 「ねてへんわ」 「そう、じゃ、これからしてあげるわ。 ホテルへ行こう。テカテカのまっピンクのこれぞラブ・ホテルって奴へ行こう。今すぐ行こう」 「お前、ああ、さてはここに来る前から飲んでたな! これっぽっちでこんなに酔うはずない」 これっぽっちとは生中三つであった。アル中の基準では少ないのだ。 「うおー、獣姦野郎、今、ここででもいいぞ、すぐやれこら」 「わわっ」 涙田はショーツを脱ぎにかかった美雪を飲み屋から連れ出した。 それから店にとって返して勘定を済ます間に涙がこぼれそうになった。
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244 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2014/05/13(火) 14:05:47.39 ID:6X3FkpZK - 涙と言えば涙田と言う名字は字のごとく「涙が出るほど小さな田」と言う意味だったらしい。
明治時代の先祖は軍隊にその活路を見出した。遠いご先祖は東郷提督の指揮下でバルチック艦隊と戦いこれを撃破した。命がかかっていた。 彼の手紙を涙田は読んだことがある。郷里にあてた手紙だが若年の二等水兵が書いたとは到底思えないもので、 最後になるかもしれない酒を飲みタバコを吸っているが、敵はタバコにすら事欠いているに違いない。必勝を確信しているとつづられていた。 事実、敵艦隊の司令官ロジェストウェンスキーは一時吸う葉巻に事欠いたことがあるほどバルチック艦隊は補給が途絶えがちだった。彼の予測は見事なほど当たっていた。勝利もだ。 大阪に移住した涙田一族は軍人や軍属として活躍した。敗戦とともにそれは終わったが涙田はその復活版だった。 涙田は幼いころから、一族の武勇談は何回も聞かされてきた。硫黄島のデビルもそうだ。国立国会図書館で読んだことさえある。 秘密の資料なのだ。涙田の一族だけが閲覧できるのだ。無論、それは最高の名誉なのだがここでは関係ない。
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245 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/13(火) 22:01:59.54 ID:6X3FkpZK - 美雪には秘密だが、涙田はテロリストグループの行動隊だし、もっと秘密だがチャイナマンだ。
そう、貪理で、あの時、絶対的不利を覚悟で戦った時、どこからそんな勇気がわいてきたのか涙田には分らない。 涙田が店から出ると、美雪はもう次の店に行こうと言いだした。今の事をもう忘れたかのようだ。と言うかもう忘れた可能性がある。 アル中が酔った時特有の記憶障害だ。 美雪を引きずるように彼は自分のマンションに帰った。美雪は暴れたが、少しすると路上で盛大に吐き、それからはぐったりしていた。 マンションで、彼女は意味不明の事を言い、すぐに涙田のベットで寝てしまった。 襲う気にもなれなかった。彼は隠してあった焼酎「いいちこ」25度を水割りで飲み、自分はソファで寝た。 夢の中で、彼はサンタだった。乗っているのはそりではなくリヤカーであり、鞭でトナカイをしばく、そのトナカイは美雪だった。
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