- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
236 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/11(日) 18:34:07.12 ID:6K5SN76/ - 「今のアメリカ大統領は相当な役者だが、根性も度胸もない。君は度胸はあるか?」
度胸はあるかと首相から言われてありませんと言うほど赤旗は情けない男ではなかった。彼の先祖は硫黄島でアメリカと戦ったのだし、今ここで戦えませんは、ない。 「あります。しかし、やつらは、はいそうですと白旗を揚げるようなことは決してしません。だから、こちらがなにをどう言っても無駄になるだけではないでしょうか。 ここは一つ特殊部隊で有無を言わさず爆弾を奪取するとかのほうがいいのでは」 「問答無用でか? いいか、カトウさんは何もかもを投げ捨てる覚悟で知らせに来た。 そうだな彼は平和の人だ。彼の事は、アメリカ副大使の事はチャイナマンの友達、そうだな、ベトナムマンと呼ぼう」 「そうですね、ベトナムマンはいいですね」 「まあ、それでだ、一応、大統領に言ってみる。アメリカ大統領は否定する。そんな物はないと言う。そこで特殊部隊なり警察のSATなりで奪取する。ブツの場所はカトウさんが教えてくれた。 奴らがどうのこうの言ってきたら、ないって言ったじゃないか、ない物が奪えるか、そういい返す。こういう段取りだ。子供の喧嘩だ」 「ずいぶんな子供の喧嘩ですね……しかし、そんな手が通用しますかね」 「するだろう。大統領は実際にはチキンで、韓国での妻の逸話でびびったと聞く」 「まあ、あなた、あの話なの。だったら鉄の屏風があるわ」と貞子。 「あれか」
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237 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/11(日) 18:38:17.90 ID:6K5SN76/ - 「国家危急の際に使えと今はない大日本製鉄小倉製鉄所が記念に下さった、それは歴代首相が大事に大事に使って来た物だけど、核兵器から
数百万の罪のない人を守るためになら粉々に打ち砕いても、それが「国家危急の時」なんだわ」 問題の鉄の屏風とは、文字の通りのものであった。おだやかな顔をした武神が描かれている。 小倉製鉄所は兵器のための鉄を作り続けてきた。その任務を終えたとき、記念に、永久に平和が続き二度と兵器が使われる世が来ないようにとの祈りと、 万が一にもその時が来た時には「ある事」が起こると言う祈り籠めて制作されたものであった。 物体としても万が一首相が命を狙われた時の盾となるもので、国家安護を祈る物であった。 盾としての性能は例えライフルや機関銃で数百発撃ちこんでもびくともしない、いや微動だにしないだろうと言われていた。 「では、そのようにしよう。室内用のクレーン車を用意させるように」 この屏風は人力では移動させられない。だが、これは全世界の人々が知っている伝説の屏風であった。 「アメリカ人もこれは知っているからな、だが……貞子」 「そう、今は祈りましょう」
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238 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/11(日) 22:42:50.48 ID:6K5SN76/ - 大村は上機嫌だった。パンの売り上げは好調だったし、もうじきクリスマスだ。クリスマスケーキ自体は大村パンの商品ではないのだが、スポンジケーキを焼く事になっていた。
土台のスポンジケーキ以外はクリームで、スポンジケーキを作るためには窯という施設投資がいる。各ケーキメーカーは自社で不足する分のスポンジケーキを大村パンに注文してくる。 こいつは大村パンにとっては臨時で美味しい収入であり、ボーナスに反映するものであった。 そして、営業回りの足としてベンツは大切なものだった。 もう、社長と連絡がつかないと言う事は激減した。ベンツで移動中は大村が携帯に出る事が出来たし、商談中でも涙田の社用携帯にかければ、どこにいて何時から商談に入ったか分かった。 以前のように社長がどこにいるのか分からないと言う事はない。これは大村パンにとっては大きな前進だった。 会社の信用と言う事もあった。やはり社長が運転手つきのベンツを乗り回していると言うのはべただが大きい。 そこは涙田も承知していて白手袋と自腹で買った運転手の制服で、商談先に着いたらさっと降りて社長のためにドアを開ける。相手はそう言うイメージと言うものを評価するものだった。 現実問題として社長の時間は限られている。それを最大限に生かすのが涙田と綾子の役目だった。 それはそうと、大村はこの一月ほどの間に一回だけ、雨降りの日に涙田に自宅に迎えに来てもらった事がある。ベンツは自家用車ではないし 涙田は召使ではないから問題だが、今後もやはり大雨の時とかはベンツのお迎えが欲しいのは事実だった。 楽でいい。近所にも見せびらかしたい。 涙田は角来美雪と順調に付き合いを続けているらしい。結構な事だ。酒の匂いをさせている総務課の娘に困っていたところだったから このまま順調にいけばまた寿退社でまったく大村パンとしてはバラ色の未来が待っている。 「ふふふ……」 「まあ、あなた、もうボケて来たの」 妻は上機嫌ではなかった。娘二人にはそれぞれ彼氏がいて今日も二人ともお出かけしているのだった。
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