- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
225 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/08(木) 19:22:53.62 ID:RvvHckWE - 太田はまた考えをめぐらせた。韓国はまあ大丈夫だろうが、中国が問題だろう。どう言う訳か(当然か)『チャイナマン』に過剰反応していた。
それは元ネタの自主製作映画は徹頭徹尾反中だが、実在のチャイナマンが反中かどうかなんて太田を始め日本国政府には分かりようがない。 だが、中国は「反動分子、日帝による暴力反革命運動反対」と本気で言ってきた。 「暴力」は当たっているかも知れなかったが、どう考えても反革命は違う。少なくとも太田の見ている範囲ではそうだ。 もちろん太田の知らない、チャイナマンの家では彼が日の丸を飾り君が代を歌っているかも知れないが、それは彼の自由であり日本国憲法のもとでは犯罪ではない。 そして、チャイナマンはひそかな人気者だった。今や彼を知らない者はいないと言っていい。現代の伝説だ。 人々はひそかに彼を最後の希望だと言っている。中国は彼を逮捕して引き渡せと言ってきたが、それは出来ない相談だった。 まず、逮捕できるものならとっくにしている。 それに最後の希望を逮捕するなんてできるわけがない。
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226 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/08(木) 19:27:46.02 ID:RvvHckWE - 一方では、生華学会の衰退はもう隠しようがなかった。幸福の錬金術の合法、非暴力攻撃の前にその野望はくじかれていた。
退会者は相次ぎ、街のあちこちに「生華学会御断り」のステッカーが貼りだされている。 これはやってしまって失敗したケースだった。警察としてやくざなどを見て来た太田が良く見たケースだ。 逆にやらなくて失敗したケースもあるので一概に犬田が愚かとは決めつけられないが、とにかく今は学会は衰退してしまっている。わずかな時間の間にだ。 もちろん、ここから奇跡の逆転が起こらないとは断言できない。気を引き締めておかなければならない。 その時だった。SPが来て、在日アメリカ副大使夫妻が来たと告げた。 「護衛もほとんど連れず、通訳を連れてはいますが……」 太田は、何かがあったのだと思った。
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- 非常事態なのになぜ池田先生は姿を見せない!?
370 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/08(木) 19:37:54.29 ID:RvvHckWE - 仮説その1
池田氏は生きていて元気であるが「ある事情」で姿を見せない。 仮説その2 池田氏は「おそろしい仏罰」にあい、生きているが写真すら公開できないありさまで もう復活は望めない 仮説その3 実は死んでいる。だが、海外の隠し口座に莫大な資金があり、本人死亡が確認されると それは「銀行の物」になってしまう。そのために「死んでいないこと」にしている。 口座の金を政治的交渉なりなんなりで解決したら、発表するつもり。 政治的交渉とは、具体的には名義を長男の博正氏に書き換え、 かつ十年は一銭も下ろさない特約をつけるなどする
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227 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/08(木) 19:45:13.04 ID:RvvHckWE - 副大使は、妻と通訳を連れて部屋に来た。通訳は明らかにCIAか何かのまわし者だろう。
「通訳は必要ですか」と太田。英語でだ。 「君、はずしてくれたまえ」と副大使は言った。 「NO、それは出来ません」と通訳。 「貞子、この通訳の方は本当の貞子パンチの体験が必要らしいな、なんて言ったかな、十分の一貞子パンチのあの韓国のSP?」 「さあ、死んじゃったから分からないわ、それでも彼は立ちあがって笑って一礼し、自分の足で廊下まで出たわね」 「あのう、忘れ物が車に」通訳は飛ぶように出て行った。 「それで?」と太田 「お別れです、来年には本国に帰る事になりました。実は今日ぐらいしか護衛を連れずに外出できません」カトウは日本語を使った。 貞子はじっと彼の顔を見て、英語で言った。 「あなたは殴られましたね」 カトウはさっと手をほほにやったが、それが答えだった。
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228 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/05/08(木) 19:46:51.68 ID:RvvHckWE - 「大使にですか」と太田。
「被害届は出したりはしませんが……」太田が元警官だと言う事を知っているから、ジョークにしてはいるが事実だと認めた。涙ぐんでいる。くやしさがこみ上げているのだろう。 「なぜ」 「いや、それはもうどうでもいいことなのです、もっと大事なことです」カトウは言った。 「なんですか」 「実は冷戦時代の遺物で超小型の核弾頭、潜水艦の魚雷に取り付けて発射するタイプのものが十二発、日本国内に搬入されています」 「なんですって! 魚雷用の核弾頭? 詳しくお願いします」 「広島級原爆より強力です。爆発すれば何百万人もの無力な、罪のない市民が死にます。途方もない武器です。それが十二発です。 もとは魚雷用ですから地上爆発はしない仕様です。しかし、それらを無線で地上で爆破できるよう改造しました。 無線は大使館から発信すれば良いのですが、無線キーは二つあり、一つは大使が、もう一つは私が持っています。 つまり、私が在任する今年のうちは、大使の野望はどうしても果たせないものなのです」 「そんな……」太田はまた絶句した。
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