- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
190 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/04/28(月) 07:52:41.92 ID:ysGvBrfL - 十一月 金曜日
生華学会の親衛隊の面々は午前中に徳島に向け空路の旅に出た。お遍路さんに偽装している。 馬淵は春菜と隣の席だったがこれは打ち合わせなどがあるだろうからという事だった。しかし実際には打ち合わせする事はなかった。馬淵はビールを、春菜はスプライトを飲んでいる。 馬淵は暇だったので子供の頃の話をした。 「子供のころは仮面ライダーを良く見ていたなぁ」 「はあ」 「仮面ライダーは伝説がいくつもある」 「そうなんですか」 馬淵は、子供のころの仮面ライダーの話をした。 無論、彼の子供の頃には昭和ライダーは本放送は終わっていた。彼が見たのは再放送だったがそれでも彼は熱中して見たと語った。 大体、仮面ライダーに憧れて走り屋になったと言う奴はいるが、ウルトラマンに憧れてウルトラマンになった奴は(シャバには)いない。 等身大のヒーロー。人生への影響度はウルトラマンとは違うものがあった。
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191 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/04/28(月) 07:55:45.84 ID:ysGvBrfL - 「今の死神博士と言う二つ名も嫌いじゃないよ」
「そうですか」 「近藤の小さい頃ってどうだったの」 「関取って言うあだ名でした」 「それは女の子にしては元気があっていいね」 「そうですかぁ、そんなほめられたの初めて」 この二人がいい空気だと他の人間も不思議なもので落ち着いて来るものなのであった。 そして、今回の作戦ではこの二人が主役なのであった。 涙田はちらっと時計を見た。もう午後も遅い。 今日も、昼食時に美雪とひと悶着あった。 その朝、涙田の携帯には遠藤さおり=トナカイからのメールが入っていた。彼は用心深くそれを自宅のPCに転送して消去していたのだが、 アル中のカンなのか幻聴が聞こえるのか彼女は「携帯を見せろ」と要求してきた。 それは証拠を消しているのだから彼は素直に応じたが、それを見て美雪は 「怪しい、すなおに携帯を渡すなんておかしい、なにかある」と言いだした。 そこからが大変だった。やっと振り切って午後の仕事に戻ると社長の大村とベンツで八千代文具に行くと言うこれまたやばいミッションが待ち受けていた。 般若の顔の美雪を残してベンツに乗りこむ。暖気運転(死語)をしていると大村がやって来た。
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192 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/04/28(月) 21:50:43.48 ID:ysGvBrfL - 「涙田、出がけに本部からメールが来た」
「は」 「明日、幸福の錬金術の総裁、小川降法が徳島へ旅立つ。 我々行動隊から選抜した精鋭部隊が護衛にあたる事になった。集合は明日の8時、幸福の錬金術の浅草秘密基地前だ」 「了解、え、浅草に秘密基地があるんですか」 「そうだ。武器弾薬は携帯する事」 「そのう、電車で移動するのですが?」 「ま、今は東京都内であちこちの宗教団体が公然と武装化しつつある、警察は身体検査どころではないから大丈夫だ。モスクなんかに行ってみろ、 イスラム過激派のアジトかってぐらい武器が飾ってあるそうじゃないか」 「はあ」 それは事実だった。各宗教団体は「対生華学会用」として武装を急いだ。それは当然で、品川では警察がパトカーの回転灯を回し サイレンを鳴らして逃走し、戦闘の間中全く手を出そうともしなかったからだ。 戦闘終了後、警察は幸福の錬金術に来て拳銃の提出と戦闘に関与した本部員全員の警察への出頭を命じた。 幸福の錬金術は公然とこれを拒否した。そんな事をしたらいったい誰が幸福の錬金術を守るのかという質問に警察は沈黙するしかなかった。 そして生華学会に警察が踏み込むのか、と言うとそれも無しであった。そちらも当然で、証拠は奈良で入院している男らの証言だけで、これでは捜索令状の出しようがなかったからだ。 令状無しで踏み込んで、どんなにすごい証拠が見つかったとしても裁判では無効となってしまう。それでは意味がないばかりか逆効果だった。
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